ダンダリン 最終回 あらすじと感想 毎回大いに共感しました
竹内結子さん主演の「ダンダリン~労働基準監督官」は夕べが最終回でした。以下さっそくネタバレです。
まず気になっていた凛の安否ですが、喪服を着た同僚による凛の部屋片付けは、決して凛が死んだからなのではなく、別の目的があってのことでした。
陥れられた南三条を救うには自分が辞めるしかないと決意した凛は、どんなに南三条が止めようと、その決意を翻すことが無かったのです。
辞表を受け取ったはいいけれど、それをどうしたものか~と悩んでいた真鍋のもとへ、凛のいた社宅の部屋を片付けるよう早速の電話※が入り、皆は仕方なくそこへ向かってあのような事態になったのです。
皆が喪服を着ていたのは、ずっと行方をくらましていた小西美月~南三条をレイプ犯呼ばわりした女性が、恩師の葬儀に駆けつけるだろうと言う情報を手に入れたからです。皆は、南三条が送検される前夜の11時まで、何とか濡れ衣を晴らす証拠や証人を探し出そうと「人海戦術」を繰り広げていたのです。
ようやく現れた美月を「話の出来る場所」(実は土手山のアパート)に連れていくと、そこには監督官を辞めて姿を消した「はず」の凛が座っておりました。まだまだ飯山に狙われるかもしれないからと、土手山が匿ってくれていたのだそうです。
そこでついに美月が本音を炸裂させました。なんと美月は、凛が以前倒産させてしまった飯山の前の会社=御子柴電機の社員の娘だったのだそうです。
あんたのせいでうちはめちゃくちゃになった!
ところがここにその父親の小西(布施博)がやってきます。お父さんはむしろ今の方が幸せだ。今は働くことの喜びも、それを終えてゆっくりと休息をとる楽しみも味わえている
。もしあの時段田さんが調査に来てくれなかったら、社員は皆過労死していたはずだ。
しかも今美月が働いている飯山のアプリドリームも、一見「成果主義」を歌っていて勢いのある会社のようにも見えましたが、実は皆超過勤務を隠していただけなのだそうです。
時間内に成果を上げられないのは自分が無能だからだ。たとえどんなに残業をしようが、そんなことはしったことじゃない。
そううそぶく飯山に、もはや経営者の資格などありません。
臨検にやってきた凛を見て驚く飯山でしたが、ここは「してやったり」でございました。あんなに卑怯な手を使って陥れられたのに、こちらだけく〇真面目に辞表を提出する義務などまったくありませんから
。
~※ちなみに「社宅を片付けろ」という電話をしたのは太田さん(大島容子)だそうです。でも彼女はただ電話をかけろと言われただけで、真鍋署長が一連の芝居をしたようです~
そこへ満を持して相葉と胡桃沢がやってきました。社労士としても人間としても許されない過ちを犯した胡桃沢は、自らアプリドリームの株主のもとへと足を運び、自分と飯山の罪をすべて白状したそうです。
これで飯山はめでたく社長解任に追い込まれ、新しい経営者を待つばかりになりました。凛たちは「労働者」を守るため、そして相葉は「健全な企業経営」を守るため、ようやく互いの目的が一致したのです。
また同じようなことが起きたら、私は何度でも足を運んで何度でも注意する!労働者を守ること~それが私の仕事だから。
凛がいつも口にしていた「山の彼方の空遠く、幸い住むと人の言う」というカール・ブッセの詩は、昔凛が、大学時代の友人だった岸井と意見を戦わせたものだったそうです。
岸井は、この詩は「幸せなどこの世に存在しない」という意味だと主張したのに対し、凛は「確かに遠くかも知れないけれど、どこかに必ずある」という意味だと信じたそうです。
そして幸せなどないと言っていた岸井はその後社労士となり、相葉の下でなんとか立て直しを図ろうと任されていた企業を、凛の指導によって、結果的には倒産に追い込まれてしまったのだそうです。
倒産によって不幸になった社員たちのことを思うともう生きてはいられない
どうして岸井はその後、その社員たちのために自分が奔走しようとは思わず(敢えて厳しく言いますが)「安易」な道を選んでしまったのか、残念でなりません。
そしてこれまでダントツで憎たらしかった胡桃沢には、そんな「安易な道」は許されないようですよ。相葉はこれから胡桃沢を徹底的に鍛え直すつもりのようです。そうそう、本当に責任を取ると言うのはそういうことです。
と、最後はとてもきれいにまとめて終わってくれて良かったです。現実社会ではこうは上手くいかないのかもしれませんが、やはりドラマには「こうあるべし」という理想を描いてほしい物ですよね。
おばさんは、自分が見て面白いと思ったドラマは誰が何と言おうと気にしない方ですが、それでもこのダンダリンへの批評はかなり耳に入ってきていました。でも最後まで一生懸命に働いていた凛たちの姿は本当に好ましく、実際の労働基準監督官の方々も、今の時代、誠実であろうと思えば思うほど身を削るような仕事でしょうが、是非頑張って職務を全うしてほしいと願ったものです
。
ダンダリン~労働基準監督官はとても丁寧に作られた社会派ドラマだったと思います。最後まで見られて本当に良かったです。
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ダンダリン あらすじと感想 第10話 凛、辞めちゃダメだっ!
竹内結子さん主演の「ダンダリン~労働基準監督官」も、これまでずっと楽しく視聴してきました。
ちと痛いコメディ部分も、あくまでも~フィクション=ドラマとして目をつぶって(笑)きましたし、それもここまで来ると、そろそろ来るぞ~とついつい待ち望んでしまっているほどです
。
おばさんが唯一このドラマで許せなかったのは、あの「胡桃沢」の存在でした。これまでもずっと「法の穴」をすり抜けて、経営者へのご機嫌取りをしてきただけでもいかにも姑息で許し難かったのですけれど、今回の凛に対する発言はなんですかねっ!:
「あなたには死んで欲しい」
まあここは一応「労基としてのあなた」と言い換えていたようでしたが、仮にも社労士と言う、法令を遵守し、企業を指導する立場の人間が、あんなにも未熟かつ卑劣でいいのかと、心底腹が立ってなりませんでした。
まあ、ドラマと言えばそれまでなんですけど、いくらなんでもやりすぎでしょう。またこの胡桃沢が嫌らしくて実に憎たらしいのですよね。そこまでデフォルメする必要あります?
と、めずらしく文句が出ちゃったほど、今回は腹立たしかった~。しかも、結局は腹黒男に騙され&利用されちまってるとは情けない限り
。
でも、その「腹黒男」=ずっと凛を狙っていたのが、凛の調査で倒産を余儀なくされたブラック企業の元経営者~飯野(柄本明)という点には納得です。そういう逆恨みはいかにもありそうです。でもそこを
「本当に悪いのは悪徳経営者!」
だと教え導くのが社労士でしょうに、そんな悪徳経営者と一緒になって凛や南三条を罠にかけるとは言語道断でしょう。相葉が胡桃沢を評価できなかったのも大いに頷けるところでござる。
また今回は、この相葉が凛に抱いていた「私怨」も明らかになりました。凛は以前、同僚の岸本(金井勇太)を自殺に追い込んでしまっていたのだそうです。当時は相葉がこの岸本を指導していたと言っていましたから、凛とはおそらく意見の対立~情と法の板挟みになったか~があったのでしょうね。
不正をただそうとしたために同僚を死に追いやってしまった凛こそが、最も辛い思いをしているというのが、どうしてわからんかな~。まあ、少なくとも相葉には理性があるようでしたけど。
逆にそれが分かるからこそ、飯野は今、凛の大切な人々=南三条や職場の同僚たちを苦しめようとしているのかもしれませんね。それこそ、最も卑怯なやり方ですから。
飯野は会社が潰れた後すぐに奮起して、今度こそ誰にも後ろ指を指されない会社を立ち上げたのだそうです。にもかかわらず、この男はこの会社を使って凛に罠を仕掛けてきました。というよりも、凛への復讐のためにここまで頑張れた~ようなことを言っていました
。
会社で残業時間を不当に減らされていると(たぶんそのために入社させた)女性社員を労働基準監督署に相談に行かせ、凛と南三条が内偵に出ていることを確認したうえで、胡桃沢に凛を呼び出させ、南三条が独りになったところにその女性社員を行かせて、こともあろうに
「襲われかけた」
と巡回中の警察に訴えさせたのです。これで南三条は逮捕され、南三条の無実を信じてこれを上に報告しないでいる真鍋もまた、責任を問われかねない立場に追い込まれてしまいます。
私、労基を辞めます!!
ダメダメ~私怨のために他人を陥れようとしている飯野の様な人間が経営している会社に勤めている人間こそいい迷惑です。家族経営の小さなお店ならまだしも、一旦他人を雇い入れる「会社組織」を作ったら、経営者はその従業員の生活に責任を持たねばならないのです。それができないようなら、会社を作る資格などないっ!!
凛のおかげで「段田化=労働基準監督官の原点に戻った」面々が、今度はその凛を支えてこの悪に立ち向かってくれることを心から期待したいです
。
ダンダリン~労働基準監督官は、来週の最終回が今からとっても待ち遠しいです。
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ダンダリン あらすじと感想 第9話 働く主婦必見!の回でした( `ー´)ノ
竹内結子さん主演の「ダンダリン~労働基準監督官」、毎回楽しく見てきたこのドラマもいよいよ9話に入りました。このエピソードもいかにもありがちで、働く主婦には是非見てほしい回でしたよね。以下、簡単なあらすじとネタバレです。
今回の被害者は土手山課長の元妻のみどりです。息子が職場にやってきて
「お父さんは働く人の味方だろう?お母さんが社長に騙されたのを救ってほしい」
と訴えました。
事情を聴いてみると、どうやらその社長と言うのが以前みどりを家まで送ってきて土手山の嫉妬を買っていた男性であり、彼はその笑顔の裏で、みどりを初めとする労働者たちを騙し、不当に安く契約を結んでいたのだそうです。
みどりたちが元々他社から派遣される「派遣社員」だった点に目を付けた社長は、
「派遣会社に払うマージンをそのまま皆たちに還元するから、うちと直接契約しよう」
と誘ったそうです。が、その契約の内容はなんと
「請負契約」
だったそう。ということは、みどりたちは皆「個人事業主」と見なされ、会社が彼らに払うのは「賃金」ではなく「報酬」となり、たとえこれまで通り「9時~5時」で働こうと、実際に支払われる報酬はその請負契約の内容たる
「午後3時までに清掃した対価=固定額」
ということのようなのです。当然、残業代や休出手当は支払われず、もちろん有給もありません。
派遣会社を離れてまで契約するというのに、その契約書を全く読まないというのは確かに彼女たちの落ち度だけれど、でも本当に悪いのは、そんな彼女たちの無知に付け込んで騙そうとする経営者です。
しかもこれを社長に入れ知恵したのはまたしてもあの胡桃沢だそう~これはフィクションだということは百も承知のおばさんなれど、こんな悪質な社労士は法に訴えてその資格をはく奪すべきなのではないでしょうか?
今回この法の裏をかいた悪質な手口には、その「裏の裏」をかいて対抗したのはなかなかでしたね。そもそも「請負」というのはあくまで「成果報酬」であって時間に制約される性質のものではありませんから、ホテル業という、
「早朝の客」
に対応しなくてはならない職種にはまったく不向きだということに胡桃沢が気付かないということ自体、甘いですよね。自分以外の人間は皆愚かだと思い込んでいるナルシストが考えそうなことでござる
。
凛や土手山を初めとし、真鍋署長までもが参加した「休日ボランティア」の目的は、契約書にある通り、3時までに全客室の清掃を終えるため(人海戦術)だったとは~ここは実に痛快でございました。
今の契約のままでは社長側に「命令権」がないため、社長はこれを撤回し、改めて彼らを「労働者」として雇うことになりました。もちろん、一度学習したからには残業代や休出手当に有給もキッチリ要求します。
労働者たちの問題も解決した上に、これでようやく土手山課長の家族が課長を見直してくれたのもようございました。お父さんが助けてくれたわ~みどりもようやく息子に(元)夫を誇れてとても嬉しそうでした。
一方、このダンダリンのもう1つの見所だったミステリー~いったい凛は誰に狙われているのか?も少しだけ明らかになりました。その相手は柄本明さん演じるところの
「この世で最も段田凛を殺したいと願っている男」
だそうです。しかもこの男が、またしても凛たちに出世の機会を潰されたと大きな思い違いをしている胡桃沢と手を組んできそうな雰囲気なのが心配です。その上、相葉もまた、凛には個人的な恨みがあるようなのです。
凛が南三条に好意を抱いていることを突き止めたらしいこの男は、次回どうやら南三条を陥れるようなのですが、いったいまたどんな卑怯な手段を使ってくるのか気がもめるところですよね。
とにもかくにも、次回の放送が待たれるばかりでございまする。
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ダンダリン あらすじと感想 第8話 会社が嫌なら辞めればいい?
竹内結子さん主演の「ダンダリン~労働基準監督官」は8話もとっても面白かったです。このドラマを見ているとホ~ントに勇気づけられる
。以下、とても簡単なネタバレです。
前回凛からダメだしされた南三条は、意気地なく毎日「年給」を消化しているようです。彼のプライドをずたずたにした凛は、本当は心配しているのでしょうが、でもそれを決して表に出さず、相変わらず淡々と日々の業務をこなしています。ちなみに、前回のブラック企業もキッチリフォロー~シッカリ立件して送検したようです。
そんな凛が今回担当したのは、とあるチェーンレストランでした。ここは
「重要なのは一人一人の向上心」
を歌い文句にしており、社員教育の一環である「研修」をすべて自由参加の名目にすることで、その賃金を支払わなくてよいというシステムを創り上げているのです。その手口の巧妙なこと!
社長は、研修に関する情報のすべてを文書で通達します。そこには必ず「自由参加」という但し書きが入っていて、社員がその研修に参加する際は
「この研修に参加するのは自分の自由意思によるものだ」
という念書まで書かせているそうです。
が、その実、この通達を受け取った店長たちは、口頭で社員たちに「研修」への参加を強制する。社員が研修に参加しなければ、店長の評価に響くのです。でもここにはいっさい「証拠=書類」を残さないため、誰も追及できません。実際他の労基署が何度か調査に入った際も、是正勧告には至らなかったほどなのだとか。
社長や社員にあたってもダメ~となれば、狙うはその中間にいる店長!
凛の目論見は見事に奏功しました。横暴な社長の命令に異を唱えたくても、解雇されたら次が無い中高年は、若い社員が次々と潰れていくのを黙って見ているしかできないというジレンマに陥っていたのです。
あらかじめ店長たちに根回しをした上で、満を持しての臨検の場は、店長会議の会場でした。店長たちは勇気を奮って
「会社を休んで研修を受けたい!」
と口々に申し出ると、社長はついにボロを出してしまいます。研修は時間外に受けろと言ったろうっ!!
これを受けた凛が、それが社長命令なら賃金が発生する、と詰め寄ります。さすがにあれだけ大きなチェーン店となると、店長の数も半端ではなく、彼らに一斉に休まれては店が立ち行かなくなると判断した社長はついに
「研修は会社命令だった」
と認めざるを得ませんでした。
この後の凛の話が、実に感動的だったのですよ。
「我慢するか会社を辞めるか、会社員にはその二通りの選択しかない」
とよく言われるが、本当は3つ目の選択肢がある~言うべきことは言い、自分たちの会社は自分たちの手でより良いものに変えていくという選択肢です!
自分もまた2つしか選択肢がないほど追いつめられて(言いたいことは言いましたが)会社を辞めた経験のある身としては、ここは心底感動させられてしまいました
。労働基準監督官の知り合いはいませんが、本当にあそこまで親身になって働いてくれる人間がいたら、どんなに心強いだろうって。
今回は皆さんのおかげで会社を一つ更生させることができたと深々と頭を下げた凛には本当に頭が下がりました。これぞ公務員の鏡でござる。
実際は、南三条が言っていたように「嫌なら辞めればいいじゃないか」と心の中で思っている人の方が多いのではないか、などとついつい勘繰ってしまいますけどね。でもそうでもなければ、今回ドラマのなかで皆が言っていたような
「(ダンダ)ストレス」
が溜まっていくのでしょうから。実際のところはどうなのか~探ってみたくなったほどです。
また、皆に励まされてようやく臨検に間に合った南三条は、
リンゴと200円のどちらが大事か分かる?
ぼんやりと転職も視野に入れた上で訪ねていった相葉からこう聞かれておりました。その時は即答できなかった南三条が、臨検の後にこう結論を出しています。
「リンゴの方が偉いです。200円=貨幣というものは世界中の人間がもう価値がないと言ってしまえば終わりだけれど、リンゴは誰が何と言ってもリンゴであることに変わりはないから」
人からどう見られるかは関係ない~気にしない凛の様な「本当の強さ」を身に着けるのは並大抵のことではないけれど、そうありたいとは願い続けていきたいですね。ダンダリンは来週の放送もとっても楽しみでございまする
。
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ダンダリン あらすじと感想 第7話 段田化の果てに・・・?
竹内結子さん主演の「ダンダリン~労働基準監督官」の7話はかなり面白かったです。これまでずっと凛に振り回されてきた南三条がすっかりその凛に感化されてしまい、
「段田ダンダ化」
してしまった様子がなんとも楽しかった。そしてそのオチも、なかなかシニカルで面白かったです
。このまま終わるわけはないので、この後の展開も今からとても楽しみです
。以下簡単なあらすじとネタバレです。
通勤途中はわき目もふらず職場に直行するはずだったのが、違反を犯した募集要項や工事現場を見つけては、黙って見過ごすことができず、
「労働基準法違反です!」
と指導せずにはいられませんし、相談にやってきた男性に「労災」のことを尋ねられたのは凛であるにもかかわらず、言われる前に、資料をスッと整えて、相談者を激励することも忘れません。
会社帰りに事故に遭って亡くなられたなら、必ず労災が下りるはずです!
「そんなに言い切っていいのでしょうか?」
めずらしく立場が逆転する南三条と凛。案の定、凛の予想は見事に的中してしまいます。なんとその亡くなった男性は、家に帰る途中でDVDのレンタルショップに寄り道をしたため、労災とは認められなかったのです。
そこまでする必要はないのでしょうが、南三条は遺族のもとへ足を運ばずにはいられません。そこで初めて、亡くなった男性が、いつも自分が通勤途中に見かける「栄養ドリンクを飲んでいたおじさん」だということが判明します。すみません。私が軽率でした!
その上、夫がDVDを借りに行ったのは、病気がちな自分がその映画が見たいと言ったからだと涙を流す妻の姿や、
「頭痛がして体調が悪かったのだから、寄り道などしなければよかったのに」
との息子=相談者の言葉も決して聞き逃しません。え?体調が悪かった??
実際に現場へ行って調べてみると、今回亡くなった男性は、デスクワークから肉体労働に職を変えられたばかりであり、しかも彼は亡くなったその日、むき出しになったケーブルで感電し、階段から転げ落ちていたそうなのです。そのケーブルについては、大分前から他の社員も再三社長に修理を頼んでいたのが聞き入れられなかったのだそう。
これを聞いて腹を立てた凛よりコンマ1秒早く南三条が手を出したのも~不謹慎ですが
~楽しかったですよね
。労災隠しのために、怪我をした社員を病院にも行かせないなんて言語道断ですもの。
頭が痛いと言っていたのは、その時の怪我が原因だったかもしれない!
ちょうど医療研修を受けていた南三条は、ここではたと思いつきます。もしかしたら硬膜外血腫が原因で亡くなったのかもしれない!
これを明らかにするには遺体を解剖をするしかないとの結論に達するも、署長からは前例がないと叱られてしまいます。
署長が許可しなければダメだと即諦める土手山に対し、凛は決して諦めません。もしこれが事実であれば、業務上過失致死で警察も動ける~行政解剖をすることができる!
ところがこれもアウト~男性の死因は硬膜外血腫ではなく、歩道橋の階段から転落しての事故死だったと断定されてしまいます。う~ん、途中の頭痛は、間違いなく硬膜外血腫が原因だろうに、それによってめまいを起こしての転落死とは証明できないのが悔しい限り。
勝手な行動を咎める署長に対し、
解剖をしなければ原因が分からなかった。社内での事故を隠ぺいしようとしたばかりか、病院にも行かせないブラック企業を放っておいては第2第3の犠牲者が出る!
改めて指導に出かける凛でしたが、南三条はそうはいきません。
何でも彼の父親もまた通勤途中に亡くなったのだそうです。当時はこれが自殺だと片づけられ、幼かった自分もどちらでも死んだことには変わりないと思っていたが、今にして思えば、もしそれもまた、労災適用~過剰勤務などの原因があったのかもしれない、とひどく後悔していたそうです。
自分の思い入れもあってすっかり熱くなってしまった南三条は、このたった一つの失敗とも言えないような失敗で、何もかも嫌になってしまったようです。あれでは署長に傲慢呼ばわりされても、凛に
「見損ないました」
と言われてもいたしかたありません。しかも南三条は、再び安定した平々凡々な生活を求めて、相葉社労士事務所からのヘッドハントを受けようとしているようなのです。
仕事に打ち込めば打ち込むほど、自分の無力感にさいなまれるのはどんな職種でも起こりうることなのですが、土手山が言っていたように、免疫がない南三条には、ちと刺激が強すぎたのかもしれません。
果たして凛はすっかりやけになった南三条の根性を叩き直すことができるのでしょうか!?
ダンダリン~労働基準監督官は来週の放送も楽しみでございまするね。
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ダンダリン あらすじと感想 第6話 ニッポンは働きやすい国ですか
竹内結子さん主演の「ダンダリン~労働基準監督官」の6話は外国人労働者に関するものです。これもまた実に酷い話でした。ドラマがひどいんじゃなくて、企業の実態がひどかったということですよ~念のため。
日本語が理解できない外国人ばかりを採用していた「セカイ部品工場」に労働基準法違反の疑いがあるとして臨検をしようとする凛たちなのですがまったく中に入れてもらえず、聞き込みすらできない状況なのです。その上経営者が、先に就職した先輩を利用して新人たちを上手く丸め込んでいたのが、なんとも不愉快極まりなかったです。
「日本人と親しくすると故郷に帰国させられてしまう。役人たちはお前たちを不法就労者扱いしている!」
そう言って、自分たちが騙されていることに気づかない彼らをこき使い、徹夜もありの長時間勤務をさせながら、残業代も休出手当も出さず、
時給たったの400円
で働かされていたのを突き止めたのは、凛のこんな作戦でした。
故郷を離れて久しい彼らが懐かしく思うのは、故郷~母の味だと、お国の料理を作って、その匂いで彼らをおびき寄せたのです。ここで「めずらしい香辛料」をコレクションしている南三条の母親が初めて役に立ちました
。
これはいくらですか?
懐かしい味に惹かれてやってきた彼らに値段を聞かれた凛が、あなた方の1時間分の時給を頂こうとカマをかけると、その答えがなんと400円だったのです。今、最低労働賃金は869円であり、これは外国人であっても適応される金額なのだそうです。
正規の金額の半分以下で彼らを安くこき使っていたことが明らかにされたため、労基が再び臨検にやってきたのを、自分たちの権利を守ってくれるなどとは夢にも思わず、皆でスクラムを組んで阻止しようとする彼らがなんとも気の毒でなりませんでした。言葉が分からないというだけで不安なのに、こんな詐欺まがいの目に遭わされるなど言語道断だ!
何度も拒絶に遭って後、凛が、あの「400円」を差し出して、素人の料理で金はとれないと言うと、ようやく彼らが心を開いてくれました。あの料理を作ってくれた人だ!
それまでも少しずつ、彼らの国の言葉でもって、日本の労働基準を教えていたのも良かったですよね。労働時間は8時間。それを超えれば残業代を払うのは経営者の義務である。業績が悪いのは経営者の責任で、労働者にそのツケを押し付けるなっ!
でもこの臨検が通って待遇の改善がなされたことによって、多くの外国人労働者が解雇されてしまったのは、なんとも身につまされるところでした。それが現実と言えば現実なのでしょうが、だからと言って、言葉の通じない彼らを騙すという卑怯な行為は決して許されることではありません。
凛がここで、自分のしたことに最後まで責任を持っていたようなのがまた素晴らしかったのですよ。今回のこの臨検は署長のお声掛であり、いわゆる「大手柄」だったため、
「未払い金3万円」
程度の相談者はなおざりにされてしまったのですけれど、凛はその相談者(濱田マリ)の問題を解決したのみならず、その彼女の会社に、解雇された労働者たちを雇わせる交渉まで成功させたようなのです。そこの会社が、決して金が払えないのではなく、労働者が足りなかっただけで、本当にようございました
。
同僚たちが自分たちの仕事に対して「ありがとう」の言葉を期待していることを否定していた凛も、彼らが心の底から嬉しそうに母国語で礼を述べていたのを聞いては、さすがに心が動いたようです。ありがとうはモチベーション、押しつけがましいのも困るけど、やはり人間ですからそれは大いにありますものね。
ダンダリン~労働基準監督は来週の放送も楽しみでございまするね。
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