2018/10
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「この世界の片隅に」のレビュー一覧

この世界の片隅に 最終回 あらすじと感想 歴史に学ぶ賢者たらん

松本穂香さん主演の日曜劇場、【この世界の片隅に】もついに最終回を迎えました


う~ん、できればあと1話、せめてもう少し拡大していただいたら良かったのにと思わずにいられませんが、それでもこのドラマの素晴らしさは十二分に味わうことができました。こうした良質な作品にもっともっと触れて感動をもらい、経験はしていなくても歴史に学んで賢く強く生きていきたいものですNo more 原爆!No more 戦争!


以下ネタバレのあらすじですこの世界の片隅に、最終回のネタバレ感想行きますよ~(^^)/


まずは何と言っても衝撃的だったのはラストシーンです。なんとなんとすずは現在もまだ生きていたようなのです!?


真っ白な髪で、広島復興の象徴だといわれている「広島カープ」の真っ赤なユニフォームに身を包んだ高齢の女性が、その専用球場で檄を飛ばしていた姿には大いに勇気づけられました。おばさんは福島県民なのですが、あの震災の後、広島の方のお話に何度励まされたか知れやしませんすずが元気で長生きしてくれてよかった( *´艸`)


すずは野球シーズンにはいつもああして球場に足を運んでいるのだそうです。佳代と浩輔をそこに案内してくれたのは節子です。


その節子はすずの実子ではなく養子だったことも明らかにされました。すずと周作が広島を訪れた際、原爆で母を失ってひとりぼっちでいた節子(浅田芭路~クレラップのおかっぱちゃん)と出会ったのだそうです


節子の母は体中べろべろになって亡くなったそうです。おそらくは節子を庇ったのでしょうか、すずと同じように右手も失っていました。


節子は、駅で出会っておにぎりを分けてくれた優しいすずの右手も無かったのを見て、その腕にピッタリ寄り添ってきたのだそうです。失った右手が節子を呼び寄せてくれたのですねよくぞ生きていてくれたと節子に感謝するすず


ふたりは多くを語ることなく節子を呉に連れ帰ることにしました。晴美と同じ年頃の節子を見た径子の心境やいかばかりだったでしょうかかわいい盛りの女の子です(´;ω;`)。径子は早速晴美の洋服を取り出して節子の体にあてました


呉では食糧難のために、サンもすずも、そして径子も皆、大切に取っておいた着物や洋服を洗いざらい物々交換に出しました。でも径子はどうしても晴美の服だけは手放すことができなかったのです


北條家では、ふと気づけば虱だらけの節子を風呂にいれようと皆で大騒ぎでしたシラミが移って痒くてたまらん!(;´Д`)。多分、もっと余裕があればあそこでお風呂に入ってサッパリとした節子に、あの真っ赤なお洋服を着せてあげたに違いない、とついつい妄想が膨らみますあのまま着せたら虱だらけになっちまう(;´Д`)


辛い悲しみを耐えてきた彼らに与えられた思いがけない天からのご褒美に胸が熱くなりました


すずが節子と出会うまでの様子も、限られた時間を最大限タップリ使って丁寧に描かれています


すずは天国の要一にこうこぼしていました。戦時中も物がなかったけれど、戦争が終わった今の方がずっとひどい。配給も以前よりずっと減ってしまった


町は、アメリカ兵からお菓子(チョコレート)をもらおうとする子どもたちや、家族のために盗みを働く者で溢れていました。その一方で進駐軍の残飯を集めて煮込んだという、一見不気味ではあっても味はビックリするほど美味しいシチュー(もどき)に人々が列を作っています


その可愛らしい見た目から少女に間違えられたすずもチョコレートをもらいました。それは帰宅後、晴美の仏壇に供えられたそうです。


呉の人々は少しでも食糧を手に入れようと、皆で持ち寄った着物をまとめて物々交換に出かけたそうです。今やすっかり熱々夫婦の幸子と成瀬が代表して交渉に当たりましたが、思ったほどの収穫は得られなかったのだとか


そうそう、ウチの母もよく教えてくれましたっけ。皆がこぞって着物を持って農家に食糧をもらいに出かけたため、農家にはうなるほど上等な着物が集まって、もはや着物などまったく重宝がられなかったのだそうです。唯一ありがたがられたのは「子ども服」だったそうで、母の一張羅もお米に代えられてしまったと、事あるごとに思い出しては悔しがっておりましたね、お母さん


おそらくは朝から出かけて夕方までかかったのでしょうか。ふたりが戻ってきた、まだ夕暮れには早いんだけど少し日が陰ってきた頃の空がまた実に美しかったのが印象的です


それでもなんとか入手したわずかばかりの食糧と「海水」を使って、その日北條家では思い切り贅沢をしたそうです。径子が塩の効いたものが食べたいのだと海水をたくさん入れて作った汁物は、しょっぱくて美味しかったそうです。当時はずっと調味料が無くて薄味のものばかり食べていたのですね。


またほとんどその生存を諦めかけていた愛しい人たちも戻ってきました。志野の夫の春夫に、なんとなんと水原もです!?


久夫の帰還は皆が大喜びで迎えましたが、水原はがゆうゆうと歩いていた海辺をたった一人で笑顔で歩いていました。キラキラと輝く水面に水原の豪快な笑顔が映えて実に美しかった


そして北條家にはすずの祖母のイトから手紙が届きました。すずが封を切れないのでサンに頼んで開けてもらうと、母のキセノは行方不明、すみは寝たきりになり、(たぶん)そして父の十郎は亡くなったと記されていたそうです。


家族は皆、泣くこともできずにいたすずを思いやりました。すずが帰りたくても言い出せずにいたところ、円太郎の勘違いから、すずの帰省が実現します。本当にええんですか!?


すずは草津へ直行し、祖母と互いの無事を喜び合いました。原爆投下以来、父とともに母を捜し、そのすぐ後に倒れて亡くなった父もひとりで見送ったすみは、ひどいめまいに苦しんで寝たきりの生活を送っています


すずは、たったひとりで大変だった、もっと早く来れずに苦労を掛けてごめんねと謝りました。すみは、早く来れなくてよかったのだと答えます。すずが早く広島に来ていたら、自分と同じように苦しむことになったというのです。すみは原爆が原因の白血病を患っていたようです。


すみは腕にできたひどいシミを見せながら、治るんかなあと嘆きました。すみの横に寝転がっていたすずはきっと治ると励まします。治らんかったらおかしいよ。(すみちゃんは何も悪いことなどしとらんのに


すみがすずを呼ぶ「おねえちゃん」という言葉の響きが何とも切なくて胸が痛くなりましたすみが可哀想だった(/_;)


翌日、また会いに来るからと言って家を出たすずにイトが胸の内を明かします。


悔しいてたまらん。負けたんも悔しいし、自分ばっかり無事だったことも悔しい。キセノのことも、何にも考えんでおった自分のこともそうならないようにしなくちゃね( `ー´)ノ


それでもイトは生きると断言しました。できることはそれだけだ。負けんさんな


すずもまたすみに左手で漫画を描いて贈ったそうです。いっぱい食べて、負けるなすみちゃん!すみちゃん最強!( `ー´)ノ


すずと入れ違いに、ようやく呉に戻ってきた周作が現れました。せっかくすずに会えると一目散に帰ってきたのにすずが帰省したと聞かされた周作はすぐに後を追いかけてきたのです


周作は北條家の男は間が悪いのだと笑い、それでもすみに直接会って滋養の付く物を渡したかったから、と言って缶詰を差し出しました。早くすずを追いかけるよう急かすふたりに頷いて、草津を後にします。


その頃すずは、周作と初めて出会った原爆ドームの前に座り込んでいました。その変わり果てた姿に呆然としていたすずに、色々な人が身内と間違えて声を掛けていきます。いったいどれだけの人がこの戦争で愛しい人を亡くしたことか決して忘れてはならんのだす(/_;)


そこへ周作がやってきます。周作は、どこにいてもすずを見つける自信があるのだと語りました


この世界の片隅にうちを見つけてくれてありがとう。もう離れんで。ずっとそばにおってください。


周作はすずと一緒に草津で暮らすことも考えたのだそうですが、すずは、自分は呉の北条すずだから心配はいらないと答えました。その後節子と出会ったふたりは一緒に呉に帰り、節子を養女にしたのだそうです


こうして呉にもようやく日常が戻りました。径子は久夫が送ってきた写真を眺めてはええ男じゃと満足そうな笑みを浮かべ、サンを初めとする奥様方は、嫁や婿の文句を楽しそうに言い合っています。タキは成瀬の気の利かなさにイライラ*3しており、美津は、志野の隠された計算高さが不満なのだとか


サンは、最初こそうちの嫁は良い嫁だと言っていましたが、皆に催促されると何かをこぼしたようです。ほ~やろ~みんな同じじゃ堂本のおじいちゃんはいつものように黙って横で聞いていました


最後は、冒頭で触れた現在のすずさんがカープに送る声援に重ねて、過去のすずと節子を抱いた周作が、呉湾を臨むあの小高い丘の上から広島にエールを送るシーンで締めくくられましたまたきれいな景色でした


広島っ!!負けんさんなー!!


原爆投下という悲劇を乗り越えてきた広島の方々ならきっと、今回の豪雨災害の被害からも立ち直られることでしょう。


さまざまなメッセージが込められた本当に素晴らしいドラマでしたね。今回ご覧になれなかった方も、もしまた機会がありましたら是非お勧めしたい作品です



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この世界の片隅に あらすじと感想 第8話 終戦を迎えて

松本穂香さん主演の日曜劇場、【この世界の片隅に】の8話ではようやく「あの日」を迎えました。でもすずの心には安堵も喜びも浮かばなかったようです。以下ネタバレのあらすじです。


すずは広島に落とされた新型爆弾の影響が心配で、髪を切り落としてまでもなんとか一緒に連れていってもらおうとしましたが、トラックに乗れる人数は限られているから連れてはいけないと断られてしまいました。


ハルがいかにもすまなそうに謝ると、美津(宮地雅子)は安否を知りたい人の名前を書いて渡したらどうかと助け船を出してくれます。ハルも頷いてできるだけのことはすると約束してくれました。またタキはそうじゃそうしてもらえと励まします。ハルとタキはふたりとも息子が広島にいるというのに、自分の事は後回しにしてすずを心配してくれたのです皆限りなく優しい(/_;)


また径子は散切りになったすずの髪を見て可笑しそうに笑いました。あんたその頭、どうするんね。まるでじゃね。そいでもってアホじゃね、すずは。幸子もその通りに繰り返します。猿じゃね。アホじゃね


しかもガタガタだと長さの違いを径子が笑うと、志野が後で切りそろえてあげると申し出てくれました。径子は言うまでもなく愛娘を失ったばかり、そして幸子は兄が広島におり、志野は夫が戦地へ行ったきり戻ってきていないのです自分のことより他人のことを気遣う優しさに泣けました


戻ってきた周作がすずの髪を見てちょっと驚いた後、大丈夫かと気遣うと、すずは皆も泣き言ひとつ言わずに頑張っているから自分も大丈夫だと答えました。すずは心底、もっと強く優しくなりたいと思ったそうです


翌日すずがハルに渡そうとして山でユーカリの葉を積んでいると、木の上に障子戸が引っかかっているのを見つけました。それを横目で見ながらハルに会いに行くと、皆はちょうど前日の夜に広島から歩いて辿り着いたらしい行き倒れについて噂をしていました。


どこの誰か、顔も服もベロベロでわかりゃせんねえ


皆が手を合わせ、手のないすずは頭を下げてその遺体の搬送を見送りました


ハルにメモを渡して戻ってきたすずは先ほど見つけた障子戸が引っかかっている木に梯子をかけて手を伸ばします。あんた、広島から飛んできたんかね?ウチもじゃ飛ばされてきたんかね


その時空襲警報が鳴り響きました。すずは構わず障子戸に向かって話しかけます。ウチは強うなりたい。この町の人みたいに強う優しくなりたいんじゃ


飛んできた飛行機にはうるさいねと言ってぐっと睨みつけました。ウチは負けんよ!


すずはそれから毎日のように木に登ってはその障子戸を取ろうと格闘しました


その頃呉には「伝単」と呼ばれる紙が飛行機から撒かれていたそうです。伝単とは敵の戦意を喪失させることを目的として配布するビラのことを指すそうです。


降伏しなければもっとひどいことになるという文面にすずは敵意をむき出しにしました


冗談じゃない!何が降参じゃ、馬鹿にしくさって!!負けてたまるかっ!


伝単は拾ったら憲兵に届ける決まりになっていたそうですが、これがまた空から山のように降ってきたため、すずは文字通り手足を使ってくしゃくしゃにし、落とし紙(便所紙)に使うことにしました。憲兵に届けてもどうせ燃やすだけ、良い紙だからもったいない


そのすずの横で周作は、翌日海兵団の剣道大会があると言って竹刀を振っていました。そこで周作はずっと気になっていただろうことを切り出します。広島に帰る話は無くなったんか?


おらしてください。すんませんでしたっ!!


心配させて、とまたしてもアホ呼ばわりされるすずです


そしてついに「あの日」が訪れました。すずがようやく障子戸を手に入れて戻ってくると、径子に早く座れと叱られてしまいます。ご近所さんも皆揃ってラジオの前に正座し、玉音放送を拝聴しました。


つまりは負けたってことかね?


ようやく放送の意味を理解した皆は口々に終わった、とつぶやきますが、その表情には何の感情も見られません。すずだけはたまらずに怒りを露わにしました


何で?最後の一人まで戦うんじゃなかったんかね?新型爆弾が落とされようとソ連が参戦しようと、そんなん覚悟の上じゃないんかね?

そうじゃろ?違うんか??戦えるじゃろ?まだ、今じゃって。ここにこんだけおるのに!こんなに生きとるのに!!まだ左手も両足も残っとるのにっ!!戦えるじゃろうまだ!!そうじゃろっ!!

じゃって、じゃって・・・


すずの視線は晴美の骨壺に向けられました。最後まで戦って皆死ぬと思ったからこそ、幼い晴美の犠牲をなんとか我慢できたのに、こんなところで降伏するなら、晴美の死は何だったのか!?私は何のために右腕を無くしたのかっ!すずはそう言いたかったに違いありません


いったい何のために兄は死んだのか?水原は死なねばならなかったのか!?そんなことならなぜ戦争など始めたのか!!( `ー´)ノ


ウチは納得できんっ!こんなん納得できんっ!!絶対できんっ!!!


畑で悔し泣きをしていたすずの頭にすーっと誰かの手が伸びてきましたここがまた良かった(/_;)。優しくその頭をなでてくれたのはいったい誰だったのでしょうか?お母さんかな


一方、すずの怪我の経過はまずまずで、激しい運動さえしなければ大丈夫だとの診断を受けました。それでも、激しい運動をすると骨髄炎を発症する恐れがあるそうです。


周作は往診してくれた医師にこっそり広島の様子を尋ねました。現地は筆舌に尽くしがたい惨状だったらしく、医師は広島出身のすずは現地に行かせないほうが良いと助言します。実際体のためにも満員列車に乗るのは好ましくないそうです。


その後しばらくして、妹のすみからハガキが届きました。すみは祖母のいる草津にいるらしいですが、それ以外は文字が雨ににじんでまったく読めなくなっています。すずはとにかくすみの無事を知ってホッとし、それ以外のことはあまり考えないようにしたそうです。


またタキと幸子の元にも手紙が届きました。それで二人は、新型爆弾が落とされた後に呉で行き倒れになっていた人物がタキの息子だったらしいと知らされたそうです息子の訃報を語るのは一度で済ませたいと皆を集めたタキは、息子なのに気づいてやれなかったと号泣しました大切な人を亡くすと必ず罪悪感を抱くものなの


すると成瀬が、自分には兄がいるから婿に来ると約束してくれます。成瀬は幸子の側にいられればそれで幸せなのだそうです。そうすればお義母さんも寂しくない


まさに「待てば海路の日和あり」でしたよね。幸子は本当に素晴らしい伴侶を得ました


周作だけはこれで行きも帰りも一緒だ、と憎まれ口を叩きます。そんなの嫌じゃ、と


その周作は反乱を制圧するために海兵団に召集されました。すずが周作を送って行くとちょうど二葉館の近くまで差し掛かります。周作は占領軍が来る前に自分の目で確かめてくるよう促しました


すずが慌てて走っていくと、そこはすっかり焼け野原でしたが、落ちていた二葉館の看板の近くにりんどうの茶碗のかけらが見つかります。


ごめん、リンさん。リンさんのこと秘密じゃなくしてしもうた。でもそれはそれで贅沢な気がするよリンは死んでしまったのじゃろか(;´Д`)


リンが語ったように死んだら秘密が消えるのも贅沢だけれど、夫婦で夫のかつての恋人の話ができるのもなかなか素敵なことではないか


場面は現代の呉へと変わり、江口が佳代に内緒でこっそり西日本豪雨の後片付けをしてくれたことが仄めかされました。そんな江口を見知らぬご近所さんも手伝ってくれたそうです。呉の人々の優しさは73年経ってもまったく変わっておりません


その災害が起きたのもつい最近のことだというのに、またしても北海道で大地震が起きました。人間は天災には勝つことはできないのだから、せめて人災=戦争だけは起こしてはならぬ平和憲法を変えさせてはなりません( `ー´)ノと改めて胸に誓った次第です。これはもう何度誓っても多すぎるということはありません


来週はいよいよ最終回です。



この世界の片隅に

この世界の片隅に あらすじと感想 第7話 昭和20年8月6日

松本穂香さん主演の日曜劇場、【この世界の片隅に】の7話ではついに昭和20年8月6日がやってきました。以下ネタバレのあらすじです。


北條家で目覚めたすずの脳裏に浮かんだのは晴美の姿でした。すずは激しい罪悪感に苛まれながら晴美の名を呼び続けます。晴美さん、晴美さんっ!!


布団の横にじっと座っていた径子は憔悴しきった様子ですずを責め始めました。あんたがついていながらなんで?人殺しっ!!返して!晴美を返してやっ!!なんで晴美が死なにゃならんの!?あんたが死ねばよかったんだ!


すずは寝たまま、そんな径子をただじっと見つめるしかできません。あの不発弾は晴美の命とすずの右手を奪っていったからです


サンはせめてすずが生きていてくれてよかったと声を掛けてくれましたが、何の慰めにもなりません。すずは晴美を守れなかったのになぜ自分だけ生き残ったのか、と自分を責め続けました。


一方の径子は、口ではそう言いながらも、頭では分かっていたそうです。すずが悪いわけではない、すずもまた被害者なのだと。でも心が言うことを聞きません。すずの顔や無くした右手を見るたびに、晴美のことが思い出されて辛くて辛くてどうしようもない怒りが湧いてきてしまうのです


じゃけえあんたらがなんとかせえ、すずのこと


径子は幸子と志野にそう言って、すずを慰めるよう命じました。ふたりはすずを外に連れ出しにやってきます


すずはありがとうと言いながらもすぐに己を責め始めました。


右手を失って何もできない上に、いるだけで晴美を思い出させてしまう、あの家には居場所がない。消えてしまいたい。なんで晴美と一緒に死ななかったのか悔やんでも悔やみきれん!


延々と続くすずの話に幸子は本気で怒りだし、すずの頭を殴りました。悔しかったら殴り返せばいい。右手がダメなら左手でなぐり返しゃあええ!ほれっ!ほれっ!!!殴ってみろ!


そう言って何度も殴られたすずはさすがにはらがたって殴り返しました。すると幸子は歯を食いしばって全然痛くない、と答えます。それですずが何度も何度も殴っているうちに志野までが幸子を殴りました。何~っ!?


ふたりはたまらずに笑いだすと同時に泣きだしました。すずもつられて泣き笑いです。3人は抱き合って泣きました本当に良い友達ができました


その頃、すずを心配したサンからの手紙がすずの実家に届いたようです


その後、呉はひどい空襲に見舞われました。北條家にも焼夷弾が落ち、すずは必死で火を消そうとしました。周作の留守中北條家を守るという約束を思い出したのです。径子も協力して水をかけ、なんとか火事を免れました。


翌日は近所の皆が集まってきて互いの近況を報告し合います。「下の方」は軒並み全滅だそうで、家を焼きだされた人々が「上」にやってきました。その中の一人の知多ハル(竹内都子)の手には「空襲のおかげでちょうど良い加減に焼けた焼き芋」が握られています。


煤だらけになって皆の話をぼんやりと聞いていたすずの目に周作が飛び込んできました。訓練が中止されて戻ってきたのだそうです。周作はすずの右手が無くなっていたことに驚き、仏壇に骨壺が置いてあったことから周囲を見渡し、それが晴美だとすぐに察したようです。


すずは、呆然として何も言えずにいた周作にごめんなさいと謝るとすぐに倒れ込んでしまいました。ひどい熱を出していたそうです。


周作は夜通しすずの看病をしました。すずが生きていて本当に良かったと語る周作に対し、すずはすっかり「歪んで」しまい、そんな周作に感謝するどころか、ひどい皮肉を投げつけてしまいます。二葉館の白木リンを見てきてください。友達なんです!!


右手を失ったすずはもはや誰の役にも立てないとすっかり僻んでいたようです。皆に生存や回復を喜んでもらえれば貰うほど「そうじゃろか?と疑ったそうです。ただ一人径子だけはずっと沈黙を守ったまま、すずの世話をしていました。サンは足が悪いため、思うように動けないからでしょう。


そんなある日のこと、江波からすみが訪ねてきました。すみは家族を代表してすずの見舞いにやってきたのです。家族みんなですずを思って泣いたと語るすみの胸に頭を預けて、すずはうんうんと頷きました。列車が動かないため、すみは陸軍将校の車に乗せてもらってきたのだそうです。どうやらその将校はすみのことが好きな様です


すずは恥ずかしそうに将校の話をするすみをからかいました。好きなんじゃね。すみちゃん


すみは「やじゃわ~おねえちゃん」と笑った後に真面目な顔をして、北條の家に居づらいなら江波に帰ってくればいいと諭しました。広島は空襲も無いから安心だ、そう言って


その頃呉では毎日のように空襲があったのだそうです。


ある日また空襲警報が鳴り、円太郎がこれはひどい空襲になりそうだというので皆で防空壕に移ろうとすると、一匹の鷺が庭に迷い込んできました。すずは急いで庭に飛び出し、ここはいけん!と追い立てます。そうじゃ、飛びんさいっ!!あの山を越えれば広島じゃ!!早く逃げて!!


すずは鷺に自分の姿を重ねていたようです


鷺を見送ったすずを空爆が襲ってきました。すずは覚悟を決めたようにじっと一点を見つめて立ち尽くしていましたが、そこへ周作が戻ってきてすずを庇ってくれます。アホがっ!死ぬ気かっ!?


すずは広島に帰りたいと言い出しました。冴えん。何もかも冴えん


周作は、すずが来てくれてどんなに楽しかったかを伝えようとしますが、すずの耳には、心には届きません。


聞こえん!一個も聞こえんっ!!帰る!帰る!広島へ帰る!!


周作は、それなら好きにすればいいと答えました。白木リンのことが知りたいと言っていたが、広島に帰るなら教えない、とイケズを言います。(当然ですが)それでもすずの心は変わりません


すずの心を変えたのは径子でした。径子はすずの髪を結いながら、すずの世話をした方が気が紛れていい、と言ってくれたのです


その後、外がぴかっと光りました。径子は稲妻か?と外に出ますがどうやらそうではなさそうです。


すずは、広島に持ち帰るから洗わなくていいと言ったその日の洗濯物を、やっぱり洗ってほしいと願い出て、径子の腕にしがみつきました。径子は、分かった、と答えますが、それでもすずがますますしがみついてきたので、離れっ!暑苦しい!と邪険にします。こういうところがいかにも径子らしいオノマチさんの径子がまたええわ~( *´艸`)


その直後でした。ドーンというものすごい大音響とともに地響きがしたのは。外には巨大な雲がもくもくと立ち上っています。あれが原爆のキノコ雲ですがすずたちには分かりません。分かっているのはその雲があるのは広島の方向だということだけです。


あれはどうやら新型爆弾らしい


円太郎の言葉にすずは居ても立っても居られなくなり、翌日、看護師として広島に向かうというハルに、一緒に連れていってほしいと頼みました。ハルはすぐに断ります。径子は、今のすずはひとりでは何もできないから足手まといになると説明しました。すずはおもむろに立ち上がり、近くにあったハサミでお下げを切り落とします。こうすれば結わなくて済むからです。


迷惑はかけんようにします!連れてってください!!家族が心配なんです!


また今回は節子が登場した際、すずを「すずさん」と呼んでいました。以前もそうだったのかもしれませんが、今回初めて気づきました。ということは、もしかしたら節子はすずの養女なのかもしれませんね。そして母親はリンだったりするのでしょうか?


何ともむごい話ですが、それが戦争です。多くの命のみならず、人々の優しさや夢までをことごとく奪う戦争を二度と起こさぬようにするのが生きている私たちの務めです。そのことを心にしかと刻みながら最後まで見届けていきたいですこの世界の片隅にもいよいよ終盤です



この世界の片隅に

この世界の片隅に あらすじと感想 第6話 別れ

松本穂香さん主演の日曜劇場、【この世界の片隅に】は6話も痛ましかったですねこの世界の片隅にのネタバレ感想行きますよ~(^^)/。戦況がどんどん悪化する中で、なんとか普通に暮らそうと、小さな幸せを見つけて微笑む人々の健気さが伝わってきて胸が痛くなりました。


大切なものを1つずつ奪われていった時代に、何故人々はあんな風に笑っていられたのか。日本人はどうしてあんなにも諦めが良いのか、もっと怒っても良いのではないか、甚大な被害を受けても尚、その大きさを隠そうとする政府のやり方に、なぜ憤らなかったのか。


空襲に備えて防空壕を掘り、本土決戦に備えて竹やりの訓練をし、火事を消すための水をできるだけたくさん用意して、と、どんなに準備をしてみたところで、爆弾が降ってくればもうそれでお終いです。


そんな怒りが沸々と湧いてくるのを抑えるのが大変でした。以下ネタバレのあらすじです。


畑にいたすずと晴美の頭上をB29が飛んでいきました。すずが急いで晴美を庇って地面に伏せた時、円太郎が駆けつけてきます。早う陰に入れ!!そこでやっと空襲警報が鳴り始めました。


爆弾は上空で破裂していたようなので、あれはデモンストレーションなのでしょうか。それでも破片が当たるといけないと、すずと晴美と円太郎はずっと地面に伏せていました。家で晴美を心配していた径子は、警報が解除されるより前に外に駆け出していきます。晴美!晴美っ!!あんたも気を付けて!( ;∀;)


径子の声を聞いた晴美が走りだしました。お母ちゃん!!


お義父さんが来てくれて、すずがそう言って振り向いても、円太郎はビクともしません。思わず3人で駈け寄ったところ、かすかに円太郎のいびきが聞こえてきました。円太郎は夜勤の疲れが出たらしく、熟睡してしまったのだそうです


なんぼなんでも空襲中に熟睡なんてねええええ


円太郎が家族の顰蹙と失笑を買っていたところに、こちらも家族を心配して戻ってきた周作が現れました。え?なんで笑っとるん?


円太郎は、皆無事でよかったということだと言いながら、真剣な面持ちで、いよいよ来たな、呉にも、と語りました。


その後北條家では二河公園の桜を見に行くことになりました。サンが、死ぬ前に一度そこの桜を見たいと言ったからだそうです。空襲で桜の木が無うなってしまったら死んでも死にきれん


その日は朝から皆でお花見弁当をこしらえて準備に大忙しです。その日、成瀬と見合いする予定の幸子も、デレデレしっぱなしでした


が、直前になってサンがやっぱり行かないと言い出します。足が悪いから皆に迷惑をかけるというのです。そんなこと言わんと、行こう、お母ちゃん。いざとなったらわしがおぶってやるけえ。幸子も懸命に目配せをしました。(行くって言ってよ!おばさん!!


ほんじゃ、行ってみようかね


サンの気が変わらぬうちに、と、皆急いで出かけました。道にはたくさんの人々が同じように公園に向かって歩いています。皆考えることは同じのようです


そこですずは、満開の桜の木の下にリンの姿を見つけました。今でいうところのショッキングピンクに近い、一段とあでやかな着物を着たリンは、まるで桜の精のようです


その姿に見惚れているうちに、すずは、家族とはぐれてしまったため、結局リンのもとへ歩を進めました。リンさん


その頃家族は弁当を広げようと場所を取りに行き、幸子はめでたく成瀬を紹介されています。成瀬は本当にええやつじゃ


リンは客と一緒に来た、高いところが好きだから登れるかと思って見ていたと語りますが、すずは気が気じゃありません周作さんに見られたらどうしよう( ;∀;)こまいころ屋根裏に隠れて暮らしとったこともあったんよ。これがすずの祖母の家でのことですが、すずはまったく気づきません。それどころか話すらロクに聞いていません


リンはさっさと木に登り、すずも登れと促しました。木の上なら誰にも見られずに話せるから


リンにはなんでもお見通しです


お茶碗ありがとねとリンが言うと、すずは「夫が昔買うた茶碗だ」と答えました。リンさんに似合う気がしたけえリンには分かっていたはず(;´Д`)


リンは黙ってうつむいて、でもおもむろに笑いだしました優しいなあリンは( ;∀;)。ほら、無視されるのは嫌じゃろ?


それから話題はテルの死に移りました。テルはあの後肺炎をこじらせて亡くなってしまったのだそうです。ザボン、とっても美味しかったって何度も何度も言っとったよ


リンは首にかけたお守り袋から紅入れを取り出し、これはテルの物だからすずにあげると言って、自らすずに紅を差してくれました。綺麗にし。空襲に遭ったら綺麗な死体から順に片づけてもらえるそうじゃ遊女たちのささやかな願いがまた悲しかった(/_;)


リンは、人が死んだら記憶も消えてなくなるから、秘密も無かったことになる、と微笑みました。それはそれで贅沢なことかもしれんよ。自分専用のお茶碗と同じくらいにね


すずがえ?と戸惑うと、リンはふふ、とまたあでやかな笑みを浮かべて去っていきました。そろそろ戻らんと逃げたかと思われる。


桜の花びらが舞い散る中、真っ白な首にお守り袋の真っ赤な紐が映えて何とも美しかったこの映像が実に美しい


リンは客との帰り道、すずを捜しにやってきた周作に遭遇しました。周作が先にリンを見つけて見つめていると、リンもまた見つめ返して笑みを浮かべてうつむきます。その後ろ姿を見送った周作も微笑みました。


その後周作はまだ木の上にいたすずを見つけて声をかけます。すずはあたふたと言い訳をして降りてきました。友だちを見つけたらはぐれてしまって


周作も、知人に会ったと打ち明けます。笑っていて安心した


その顔が笑っていたのを見たすずも、周作が笑っていて安心した、と答えました。すずにはリンが花のような笑みを浮かべて去っていった姿が目に浮かんだそうです


その後、円太郎が勤めている工場が空爆されました。ラジオでは大した被害ではないと放送していましたが、実際には壊滅状態だったそうです。いつまで経っても戻ってこない円太郎を心配した径子や周作は、病院や遺体置き場などを捜しますが、円太郎の気配はありません。


化学が好きで何かに夢中になるととことん熱中する円太郎をいつもうるさく感じていたサンも心配でならないようです。


そんな折り、周作が文官から武官に代わることになりました。軍事訓練に参加するため三カ月は戻れないのだそう。すずが洗濯物をたたんでいる姿を見た周作にはあの時の水原の気持ちがよく分かったに違いありません。なんかええのいっそ分かりたくなかっただろうに(-_-;)


すずは、不安な気持ちと戦いながら、周作のためにこの家を守ると誓いました。うちはあんたが好きです。でも三ヶ月も顔を見なかったら忘れてしまう


翌朝すずはその顔をスケッチし、軍服に身を包んだ周作を送って行きました。頼むな、周作さん!!


6月に入ってようやく円太郎が見つかりました。頭と腹をやられて入院していたのですが、ずっと意識が無かったそうです。


一緒に迎えに行こうと誘う径子に、サンは怒ったように、自分で帰って来いと伝えるよう語り、部屋に閉じこもってしまいました。泣くんじゃけえ、ひとりにして!!


径子とすずは、女は分らんね、と笑みを交わしました


また幸子は、周作とともに軍事教練に行った成瀬を待ち、戻ってきたら祝言を挙げるのだと張り切っています。ようやくすずや志野とともに「伴侶」の心配ができて嬉しいとのろけました。志野がそれを冷やかすと、幸子は破顔一笑します。冷やかされて叩かれて、とかされたかったようやく仲間入りができた(^^)/


そして径子は、円太郎から時計の修理を頼まれたのを口実に、久夫に会いに出かけることにしました。円太郎の見舞いとキップの買い物を一緒にしようと思ったら駅にはすごい行列ができていたため、径子はすずに、晴美を連れて見舞いに行ってきてほしいと頼みます。


その直後にまた空襲がやってきました。すずは晴美と一緒に近くの防空壕に入れてもらい、何とか難を逃れましたが、空襲が済んで外に出た途端、近くに落ちていた不発弾が爆発してしまいます。どうやらすずとつないでいた晴美の腕が吹き飛んだように見えたのですが?


一方で現代の「佳代の友達」(香川京子)が節子というすずの娘だったことが明かされました。すずが無事だということは、晴美は亡くなってしまったのでしょうか。外にいた径子は無事だったのでしょうか?


何とも気が揉める展開となってしまいました。来週の放送が待たれるばかりでござりまする。



この世界の片隅に

この世界の片隅に あらすじと感想 第5話 普通が普通でなくなる時

松本穂香さん主演の日曜劇場、【この世界の片隅に】は5話も何とも切なく、また考えさせられるエピソードでございましたね。以下ネタバレのあらすじですこの世界の片隅にのネタバレ感想行きますよ~(^^)/


昭和19年12月。すずがいつものように水汲みをしていると、突然水原がやってきました。久しぶりじゃのう!えっと・・・あっ、すず。ははははは、すず!!


昔はずっと浦野という名字で呼んでいたすずを、嫁いだ先の「北條」とは呼びたくないから、名前のすずで呼ぼう!という水原の気持ちがこの短い台詞にギュッと凝縮されています。もちろん「すず」という名前で呼べる嬉しさもシッカリ込められています


いくら「初恋の人」とはいえ、いきなり、しかも嫁ぎ先に現れた水原に驚くすずです。何?ここらに用でもあったん??


水原は、当然のように、お前に会いに来たに決まってる、と答えました。


海軍に所属する水原は、本人の台詞を借りるなら、何度も死にぞこねていたが、今度こそ最期だと覚悟を決め、それなら愛する人に会っておかねばとすずを訪ねてきたようです。そしておそらく当時は、そうした死を前にした兵士の気持ちは、何よりも優先されたものと推察されます。


今晩厄介になってもよろしいですか


世間知らずなすずには分かっていなかったようですし、径子とサンもあっけに取られてはいましたが、あれはきっとすずの昔の男に違いないと互いに目配せをして納得していました。それに水原はお米や缶詰も持参しています


兵隊さんをむげにもできんじゃろう


晴美だけは「水兵さん」がいたく気に入って、あれこれ話をねだっていました。


そこへ周作が帰ってきます。お互いに名乗って頭を下げた途端、かつて酒場で出会ったことを思い出しました。あん時はどうも。


水原も入れての夕食は、いつになく賑やかな食卓となりました。昔の話をする水原に、すずも昔に戻って反応します。すずを呼び捨てにする上に「ぼんやり呼ばわりする水原をお盆で殴りつけました。径子だけは喜んでましたね~。昔っからぼんやりだったんだって


その後水原はすずが焚いてくれた風呂に入りながら、あの歌を歌い始めました


夜になったカラス、空になれぬウサギ、水になりたかったのに野に咲く花たちよ。あの山の向こう何があるのだというのだろ。


すずもまた、小さな声ではありますが、一緒に合わせて歌います。これまで気づかなかったのですが、この歌がまた何とも象徴的なのです夜になったカラス~♪


周作は昔、海軍に入りたかったのだそうです。でも検査に合格しなかったため、諦めて事務方にならざるを得なかった。好きになった女性がいても、周囲の反対にあったのか?一緒になることはできなかった


人には皆、過ぎてしもうたことや選ばんかった人生、色々あるけど、ほいでも、わしゃあ、すずさんを選んで幸せじゃあ思うちょる。


周作も以前そう語っていたように、手に入らなかったことを嘆くのではなく、与えられたことに喜びを見出した方が、人生はずっと楽しくなるはずなのですが、それは百も承知でいながら、やはり、時々は後悔せずにいられないものです。なぜ自分は空ではなくウサギに生まれてしまったのだろうか


周作は、すずと水原の過去に嫉妬する一方で、もうじきお国のために死なねばならぬ水原への同情も禁じ得ません。水原がすずを恋い慕っているのは誰の目にも明らかで、この家に泊まりたいということは、たぶん、そういうことなのだろう、自分は兵隊になれなかったが、もし水原の立場だったら、やはり同じことをしたかもしれない


周作の心の中をさまざまな感情が交錯しただろうことは想像に難くありません。そしてそんな時に限って円太郎は当直だそうです。


まったく肝心な時にいたためしがないっ!!


サンの憤る姿がまた可笑しい


周作は、円太郎が留守の今、自分は家長として水原を母屋に泊めるわけにはいかないと言い放ち、納屋の二階に泊めることにしました。その上ですずに行火を持たせ、一緒に昔話でもしてこいと促します。


すずはそれでも納得のいかない風で母屋を出ると、周作は玄関の鍵をかけてしまいました。これですずはようやく周作の意図を悟ります。周作さんは私を水原さんに差し出した!!


水原も同じ考えだったらしく、しばらく話をした後にすずを抱こうとしました。すずは(初恋の水原と)そうなることを待っていたような気がするが、でも、今は腹が立って仕方ない、と本音を明かします。


水原はようやくすずの本当の気持ちを知り、困らせて悪かったと潔く謝罪しました。甘えとった。一日ぐらい、今日ぐらい、甘えとうなった。許せ。


水原は、今や普通が普通でなくなったこの時期にすずが普通で嬉しいと語り、自分が死んでもそのままでいてほしいと笑いました。わしが死んでも「一緒くたに英霊」にして拝まんで、笑ってわしを思い出してくれ、それができんようなら忘れてくれ


翌朝、水原はすずに見送られて出ていきました。途中では堂本のお爺ちゃん(塩見三省)が「ご武運を」と見送ります。水原の手帳には、水原から貰った白い鳥の羽ですずが鷺の絵を描いてくれています。江波には鷺がたくさん飛んでいたのだそうです


年の瀬にはもち米が配給になり、近所で集まって餅をつき、ささやかではあるものの皆で正月を祝いました。周作は幸子に同僚の成瀬を紹介すると声をかけ、すずや皆が呆れる中、幸子も観念して見合いをすることを決意します。


そして2月、すずの兄の要一が死んだという知らせが入りました。すずは周作とともに江波に戻り、その葬儀に参列しますが、キセノは要一は死んでいないと言い張ります。軍が寄こした骨壺の中には骨ではなく、ちんけな石が1つ入っていただけだったのだそう


イトがこれはどうしたことかと周作に尋ねたところ、周作は、要一の部隊が全滅した(が骨は見つからなかった)ということなのだろうと答えました。


国のために命を捧げた者は神になる(靖国に祀られる)と言いながら、骨壺にお骨だと偽って石を入れてくるこの茶番もまた決して普通ではありません。そんな欺瞞は決して許されるものではありません


水原が来て以来、ずっとギクシャクしていたすずと周作も、ついに、帰りの汽車の中で衝突してしまいました。見るからに若い二人がどんなに声を荒げていても、それは「犬も食わない夫婦喧嘩」にしか見えなかったらしく、車掌や他の客たちから失笑を買ってしまいます。すずと周作もつられて笑ってしまいました


すずは要一がふたりを仲直りさせてくれたのだと感謝します


大切な人の死ほど悲しく辛いことはこの世に存在いたしません。今目の前にいる大切な人もいつ旅立つことになるか誰にも分かりません。ましてや戦時中なら尚さらです。


その後北條家では、すずを除く全員が風邪を引いて寝込んでしまいました。まさに「鬼の霍乱」の径子が「サボンが食べたい」と言い出したため、すずはサボンを買いだしに出かけます。その時すずはあのりんどうの茶碗も持ち出しました。


すずはサボンを買った後リンに会いに行きます。そこで偶然出会った遊女のテルが風邪を引いていたため、すずは今買ってきたばかりのサボンを差し出しました。風邪の時は食べたくなるらしいから。テルは馴染の水兵から無理心中に誘われたが、結局は死ねずに風邪を引いてしまったのだそう


リンさんによう似合うてじゃけえあげます、と伝えてください


すずはテルに茶碗を渡して家路に付き、2階で一部始終を見ていたリンはすずが帰ったのを見計らってテルのもとへやってきました。


家に戻ったすずは「2個しか買えなかったと嘘をついて家族にサボンを振る舞います。皆その言葉を疑いもせず、美味しそうにむさぼりました。すずもすっかり北条家の一員です


皆さんずーっと風邪じゃったらええのに


さすがにそう言う訳にも行かず、すっかり元気になった晴美と畑に出かけたすずの頭上をたくさんの戦闘機が轟音を響かせて飛んできたのはその年の3月だったそうです。ついに呉にも空襲がやってきました


また現代では、佳代が広島で「北條」を名乗る女性と再会していました。佳代が介護の仕事を虚しく感じて泣いていた時、大丈夫?と声をかけてくれたそうで、今や彼女は佳代にとって世界で一番好きな友人なのだそうです。年齢的に言うとやっぱり晴美のような気もしますけどね~。それともすずの娘でしょうか?


戦争はいけないと頭では分かっていても、「ぼんやり」していてその日が来るのを防げなかった!と嘆くことのないように、心して生きていかねばなりませんね「普通=平和」を守るのは私たち自身だから。次回の放送も楽しみです。



この世界の片隅に

この世界の片隅に あらすじと感想 第4話 りんどうの秘密

松本穂香さん主演の日曜劇場、【この世界の片隅に】は4話もまた切ない話でございましたねこの世界の片隅にのネタバレ感想行きますよ~(^^)/。以下ネタバレのあらすじです。


海岸線をスケッチしていたすずは、スパイ容疑で憲兵に捕まってしまいました。二人の姿を見たサンと径子はすずと一緒に頭は下げたものの、憲兵が帰った後はゲラゲラと笑いだしますすずがスパイというあまりにも的外れな誤解が可笑しくてならなかったようです


なんぼなんでもねえありえんじゃろ(;´Д`)


でもすず自身はかなり緊張していたらしく、その場で倒れ込んでしまいました


皆が夏バテを疑ったところ、円太郎はかつてのサンを思い出して妊娠を仄めかします。周作とすずは恥ずかしそうに笑みを交わし、径子は、これまたいかにも径子らしく、目でイチャイチャすな、とふたりをたしなめました。


翌日すずは産婆に勧められて病院に出かけることになりました。


昨日からずっとすずに代わって水汲みをさせられている径子のぼやきがまた可笑しかったですね~。嫁に行ったらやらんで済むと思うとったのに。うちがつろう当たって病気になってしもうたわけじゃないけえすずが倒れたのはうちのせいじゃなかよ!


径子の言葉を、幸子も志野も満更冗談と解釈していないところがまた可笑しい径子さん、優しくて意外~( ゚Д゚)


そうはぼやきながらも、すずのお腹の子を気遣ってすずにお替りをよそってやっていたのもまたいかにも径子らしい思いやりです。あんたにやるんじゃないけえ、は余計ですが


その頃すずは病院を出て、リンのもとへ向かっていました。また迷子になったのかと笑うリンに、病院の帰りであることを告げます。妊娠かと思ったら、栄養不足と環境の変化で月の巡りが悪いだけだと言われたそうです。


すずは、皆がガッカリするだろうと思うと家に帰りづらかったようですが、ふと、リンの置かれた境遇を思い出し、自分が悪いことをしているのではないかとまごつきました。リンはでも、リンの母が出産で苦労した挙句に亡くなったと話し、妊娠や出産がそれほどよいものとは思えない、と打ち明けます。


すずは、このご時世に子どもを産むことが女の役目なのだと言い出しました。


出来のええ跡取りを増やすのが嫁の義務じゃろ?男が産まれるまで産むんじゃろ。出来が悪かった時のために何人も予備に産むんじゃろ。義務が果たせなかったら実家に帰されるだろうが、居場所がないかもしれん。


何とも身もふたもない話ですが、この時代の「嫁」の認識はそのようなものだったのかもしれません。


それでもリンはようやく、子どもは可愛いから支えになると微笑みました。


困りゃ売れるしね。女の方が高く売れるから、跡取りが産まれなくても大丈夫。世の中上手いことできている。


返事に困って笑いだしたすずに、リンはキッパリこう言いました。


子どもでも、売られても、それなりに生きとる。誰でも、なんか足らんくらいでこの世界に居場所はのうなりゃせんよ、すずさん。


辛い境遇でもそれなりに生きてきたリンならではの激励ですねリンが健気で泣けてくる(;´Д`)


そのリンが大切に持っていたあの住所の紙は、どうやら周作が書いてくれたもののようです。今回すずはリンの苗字を尋ねたことで、すぐではなくて大分経ってからですが、そのことに思い当りました。文字がきれいなのは、字を書く仕事をしているから録事をしとられるんよ


すずにそれを見せてそう語りながら、その文字をすずが見知っていたら困ると、リンは慌ててお守り袋にしまいました。そのお守り袋の柄は、残念ながらすずの記憶には残っていなかったようです。リンはその時、黄色い地にりんどうが描かれたあでやかな着物を着ておりました。


その頃ナガノキでも「居場所」が話題に上っていました。志野が径子に、もしすずの妊娠が誤解でも優しくしてやってほしいと頼んだことがきっかけです。夫が戦地へ行っている志野には子どもが無いため、肩身の狭い思いをしているようです。もう帰ってこんかもしれないし。


そこへすずが戻ってきました。径子はあっさり結果を聞いて、妊娠でないと分かるや否や、水汲みを替われと命じました。へたくそじゃねえ、まだ慣れんの?


家族の反応も思いのほかあっさりしたものでした。周作も大丈夫というように頷いてくれます


今度はそこに径子の息子の久夫(大山蓮斗)が訪ねてきました。久夫は広島からひとりで電車に乗ってきたそうです。


せっかく遠くから来たのに何もご馳走がないとぼやいていた径子に、サンが牛肉の大和煮の缶詰を差し出しました。周作は、久しぶりの豪勢な食事にを見て、久夫に毎日やってこいとふざけます。久夫はその牛肉を一切れ箸でつまむと、最初に晴美に差し出しました。ほら、これ食べんさい


食事が終わると、久夫は改まった様子で径子に話があると告げました。径子は何とか話をそらそうとしますが、久夫の意思は変わりません。久夫は、径子が姑と仲が悪いのは「どっちも悪い」から仕方がないが、自分が径子と暮らしたら黒村の跡継ぎがいなくなるから、自分は残る、と径子に言いに来たのだそうです


こうしたところは久夫の父親にそっくりだそうです。周作が、久夫は長男の一人息子だから我慢強くならざるを得ないのだろうというのを聞いて、すずは、同じ立場の周作も我慢を強いられたのだろうかと思ったようです。


翌日久夫はサンとすずに径子と晴海をよろしく頼むと深々と頭を下げて帰っていきました。径子は、最初は家の前で見送ろうとしたものの、やっぱり居てもたってもいられなくなり、久夫の後を追いかけます。駅まで一緒に行こう。手をつないで歩いたその道を、径子も久夫もきっと忘れないことでしょう


径子は戻ってくるなり、外に出て働くと言い出しました。つまり、家のことはすずに任せる=すずを認めてくれた、ということでもあります


ここで、これまでずっと黙っていた晴美が、胸の内を吐露しました。皆でお兄ちゃんを取り合っているが、自分はどうでもいいのか、と尋ねたのです。この子もまた自分の「居場所」が無いように感じたのですね。なんとも切ない話です


その後戦況はますます悪化し、北條家には親戚の小林夫妻が荷物だけの疎開をしてきました。その荷物を片付けていたすずは、納屋で可愛らしいりんどうの茶碗を見つけます。サンに尋ねても誰の物か分かりません。


そろそろ一服しようという段になって、小林はすずを褒めるつもりで思わず失言してしまいました


えかったのう。あんとき一時の気の迷いで変な子に決めんでホンマにえかった。


その夜、周作に茶碗のことを尋ねると、周作は自分の嫁になる人に使ってもらおうとして買ったのだと答えました。


翌日、晴海とふたりで山に入り、りんどうが咲き乱れている場所に陣取って竹の枝おろしをしていた時、すずの脳裏をさまざまな言葉がよぎり始めました。かつての径子の言葉、今度の小林の言葉、そして周作とリンの言葉とりんどうの着物


うちのことはここに全部書いてある。うちの宝ものなんよ


誰もが苦労している時代の中でも、さらに恵まれているとは言い難い、そして、境遇は違ってもどこか深いところで分かり合える友達だと思っていたリンの心の支えになっているあの文字は、周作が書いたものにちがいない、ようやくそう思い至ったすずは家に戻って周作の覚帳をめくり始めました。その裏表紙の隅は四角に破られていて、ちょうどリンの住所が書いてあった紙の大きさと一致することに気づきます周作さんはリンさんが好きだったんだ!( ;∀;)


なんでリンさん?


所詮自分は代用品なのだと思い込んだすずはすっかり明るさを失い、周作との仲もギクシャクしていきました


そこへ今度は、周作が自分を「代用品」と誤解しそうな水原がすずを訪ねてきます。周作はもともと武官になれなかったという負い目がある訳ですから、水原に嫉妬するなという方が難しいかもしれませんね


次回の予告には香川京子さんの姿も見えました。現代に生きる佳代が「世界で一番好きな人」の役らしいです。もしかしたらすずはまだ生きているという設定なのでしょうか~でもそれにしては若すぎますよね、すずの娘か晴美でしょうか


夫婦喧嘩は犬も食わぬと申しまするが、せっかくお似合いの夫婦なのですから、早く誤解が解けてくれるとよいですね。


8月6日という日にこのレビューを書くことの意味を自分なりに受け止めて、今日1日をまた大切に過ごしたいと存じます平和の意味をかみしめたいです。まだまだ暑い日が続きます。皆さまもくれぐれもご自愛くださいますように



この世界の片隅に

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