2018/02
<<01  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28  03>>

NHK土曜ドラマスペシャル家で死ぬということを視聴いたしました土曜ドラマスペシャル「家で死ぬということ」は本当に素晴らしいドラマでした。タイトルからしていかにも重苦しい内容を想像しておりましたが、「重苦しい」というよりは、改めて「人は何のために生きているのか?」を考えさせられた90分間でありました。


このドラマ自体は一人暮らしの女性が末期がんに侵され、その最期を娘の夫=義理の息子が看取るというものだったのですが、そこにいたるまでの心の交流や葛藤が、何気ない日々の生活を通して実に丁寧に、そして繊細に描かれていて、セリフの1つ1つ、表情の1つ1つに目を、そして心を奪われてしまった90分でもございましたこれは是非あらすじを語らせていただかねば


義理の親子なのに、否、義理の親子だからこその結びつきをよくもまあここまで緻密に描いたものだと感心します本当の親子では甘えが強くなりすぎて難しいという問題があります。そんな「家で死ぬということ」のあらすじ~どこまでお伝えできるかは保証の限りではありませんが、この感動を文字にしておきたくてここにしたためさせていただきます


歴史ある伝統の町~白川郷でひとり暮らしをしているひさ子(渡辺美佐子)は末期がんを患い、余命は3ヶ月と宣告されています。とっくの昔に家を離れ東京で店を営んでいる娘の恵美(西田尚美)が、東京の病院に入院するよう、往復12時間かけてやってきては説得にあたりますが、ひさ子はこれに耳を貸そうとはしません


「ねえ、あなたが行ってきて


ろくに義母と話したことも無いという夫になぜそんなことをと思いきや、どうやらこれ、恵美がこの夫=純一(高橋克典)を体よく追い出したかったらしいのです


一流会社のエリートサラリーマンだった純一は、会社がその所属部署をつぶしてしまったため、倉庫管理という閑職に追いやられてしまいました。給料は半分に減り、残った家のローンも子どもの養育費も、そのほとんどは恵美の稼ぎによってまかなわれています。


ふたりには息子がふたりおりますが、長男の隆太は就職浪人中で、次男の翔太は大学受験を目前に控えています。恵美の最近の口癖は

「翔太、あなたが頑張ってくれなくちゃ。あなたまでお母さんをガッカリさせないでよガッカリさせているという2人を前にこの嫌味vv」。


家庭での主導権を握った恵美に半ば強制された純一は、会社に1ヶ月の休暇願いを出し、長男の隆太とともに白川郷にやってきました。俺たちも姥捨て山に一緒に捨てられちゃったみたいだね~とはこの時の隆太の発言です。この隆太の後の変貌も心にずんと響きました


東京の病院に入院すれば安心です


こう声をかける純一をじっと見つめるひさ子。いったい誰が安心なのかね?その眼差しはいかにもそう言いたげでした。


私は、皆をしまってきたこの家で自分をしまいたいの


「しまう」というのは最期を看取るということなのだそうです。18の時の嫁に来たひさ子は、大舅から始まって大姑、舅、姑、そして夫と、皆をこの家で看取ってきました。が、いざ自分の死が近づいた今、ここには誰も自分をしまってくれる家族がいないのです。


それでも私はここにいいたい


説得できるまで帰ってくるなと言われた純一は、しかたなくこの家に住み始めました。が、いざ同居を始めるとひさ子の人使いの荒いこと荒いこと


「入院を勧めるほどの重病人を働かせるつもりかい?」


白川郷という豪雪地帯で冬を迎えるための準備、牛の世話から漬物まで~何もかもが純一の仕事になりました。


が、こうした何事にも手間を惜しまない日常を通して、「母」というものを知らずに育った純一は、ひさ子を実の母とも感じるようになっていくのが見て取れます。直接のきっかけは赤かぶの漬物だったでしょうか。


恵美は漬物なんか漬けたりするの?


田舎暮らしを嫌って飛び出した恵美がそんなことをするはずもなく、幼い頃に母を亡くしていた純一は、手作りの漬物など食べたことが無いといいます。


炊き立てのご飯にお漬物、たまご焼きと焼き魚にお味噌汁~そんな食事に憧れたこともありました今では諦めましたけど


しゃいてやれよ=さっさと仕事をしなさいが口癖だったひさ子が、言いつけどおりに「きり漬け」を漬け、ひさ子の思い出話にただ黙って耳を傾けてくれた純一にはじめてこう声をかけてくれました。


「よしたよ」 よくやっておくれだね。ありがとね


翌朝、連日の肉体疲労がたまり、つい寝坊してしまった純一が急いで階下に下りてくると、そこにはひさ子が作ってくれたホカホカの朝食が待っていました。焼き魚にたまご焼き~あったかいお味噌汁ひさ子がわざわざこしらえてくれたのです。義母の優しさに初めて触れた思いがした純一が涙をグッとこらえて食事を始めたシーンでは、こちらまで温かい気持ちになれましたわざと知らん顔をするひさ子も好ましかったですね


「人生の最後にどう死んでいきたいと願っているのか?」


在宅で最期を看取る難しさに心を痛めていた純一は、日に日に弱っていくひさ子を見るにしのびず、かねてから申し出のあった村の特別養護老人ホーム「かえで山荘」に世話になってはどうかと切り出します。


その問いには何も答えず、明日は天気になるといいねとだけ答えるひさ子。その「明日」は、村の看護師=幸恵が嫁に行く日だったのです。


村ならではの伝統的な結婚式風景を、雪が降り積もった中、車椅子に乗って見守るひさ子。自分が嫁に来た日のこと、そして、叶わなかった娘の村での結婚式、に思いを馳せていたに違いありません娘の結婚式が見たかった


こうしてひさ子は純一の勧めに従ってかえで山荘に移っていきました。ばあちゃんはこの家にいたいと言っていたのにと食ってかかる隆太でしたが、どうしても越えられない一線を守るひさ子に、純一は無力感を覚えていたのです。義母が血のつながっていない自分に下の世話までしてほしくないと考えるのは当たり前のことなのだ遠慮があるのは当たり前


でも、ひとり「かえで山荘」のベットに横たわるひさ子の姿に、純一はとても耐えられなくなってしまいます。ひさ子の思い出話にあった大舅の話を思い出し、ひさ子の手と自分の手をで結ぶ純一です。


じいちゃんも夜中にひとりでいるのは怖かったんだろう。


僕はいつでも側にいますよ~お義母さん。そんな婿の姿を見たひさ子は、ようやく純一に甘える決心をします。


翌日、部屋に入ってきた純一に対し、身支度を整えたひさ子は、痛むひざを何とか折ってベッドの上に正座し、まっすぐ迷うことのない視線を送ってきました。


「そうですね、お母さん。帰りましょう


こうして家に帰ってきたひさ子に、その途中、村の人びとが口々に声をかけてくれます。お帰り~ひさ子ばあちゃん


家に帰ってからも心を尽くしてひさ子の介護にあたる純一と隆太。もちろんここには献身的に村人を診療する医師・ゆずき(山口紗弥加)の存在が大きかったことも否めません


そして、とうとう別れの日がやってきました家で死ぬということ~あらすじ。すっかり村の一員となった純一はちょうど村の行事に借り出されていたのですが、ひさ子危篤の連絡を貰ってすぐに家路を急ぎます


「お母さんが危篤だっ!おまえの母親が死ぬんだぞ!親が死ぬより大事な用事なんてあるかっ!!」


東京の病院ではなく、自分が嫌いな村の老人ホームにはいると聞いた時、口汚く母を罵った恵美を、電話で一喝した純一が家に帰った時、ひさ子はもう虫の息でしたまだ逝っちゃだめだ!


「お母さん、まだダメです。逢いたい人はまだいます!!」


ホームから家に戻る時、「逢いたい人は家におる」と言っていたひさ子でしたが、既に亡くなった家族や村人たちだけではなく、本当に逢いたかったのは、可愛いかわいい娘の恵美であるはずだ。


気の強い母と娘、互いに思うような結婚式を挙げられなかった、相手に自分の理想を押し付けて仲違いしたこの母と娘が、ようやく、母の最期というこの時になってでも和解できたことは本当に幸いでした。本来なら甘えられるこの関係は、甘えすぎが災いして、甘えたくても甘えられない感情が時に憎悪に豹変することも決してめずらしくないのですよねそれが母と娘なのです


実際に、在宅で最期を看取るということは並大抵のことではないと思います。でももし、暮らしに余裕があって、介護に割ける手があるのなら、誰よりも美味しい漬物をつけることに誇りを持ってきたひさ子のその手のような心があるなら、こうした最期を送りたいと願うのは、おばさんだけではないと思います白川郷で暮らすこと自体が手間のかかる生活です


胸が痛くなるような孤独死のニュースが相次ぐ昨今、何かが間違っているような気がしてなりません。


惰性で生きるのではなく、手間を惜しまず、心を込めて毎日を送ること~もうすぐあの大震災から1年が経とうとしています。看取ることさえできない別れもあることを心に刻み、毎日を大切に生きて行こう~「家で死ぬということ」はあらためてそう思わせてくれたドラマでした。高橋克典さん、渡辺美佐子さんの熱演も本当に素晴らしくて、とても素敵なドラマでした家で死ぬということは「どう生きるか」を問うドラマでした。この出会いに心から感謝です


白川郷での手間はかかるけれど「人間らしい暮らし」もとても素敵でした

これまでに視聴した日本のドラマ視聴リストはこちらです: 視聴ドラマ一覧~日本のドラマ編

関連記事

いつも変わらず応援いただきましてありがとうございますこれまでに書いた記事はこちらからもお探しいただけますのでどうぞご利用くださいませ→視聴ドラマインデックス

《他にもこんな記事を書いています♪》

コメントをお寄せいただく際はおばさんからのお願いをご一読いただければ幸いです

Comments 2

There are no comments yet.
きよえ  
ありがとうございます(^人^)

ありがとうございますから始まるなんて変ですが、私は小規模の認知症デイに務める介護者です。
このTV、とっても見たかったので、アップしてもらってとってもありがたいですm(_ _)m
看取り介護もしていて、実際にご自宅で最後を迎えられた利用者様がいて、その方の周りを取り巻く全ての関わる中に私も混ぜてもらいました。

再度、家で看取る想いに寄り添えるようこれからも少しでもサポートできたらと思います。

ありがとうございましたm(_ _)m

2012/04/06 (Fri) 00:13 | EDIT | REPLY |   
きよえさんへ  
こちらこそありがとうございます^^

きよえさん、こんにちは♪
きよえさんは素晴らしいお仕事をなさってらっしゃるのですね~。
このたびはお声をかけてくださいましてありがとうございましたv-22

通り一遍では行かない人間相手のお仕事ですから、
精神的にも勿論ですが、どうぞお体など壊さぬようくれぐれもご自愛くださいねv-300。こん

2012/04/06 (Fri) 07:01 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply

Designed by Akira.

Copyright © 韓ドラ大好きおばさんの「言いたい放題いわせてヨ!」 All Rights Reserved.