SHERLOCK2 #1 ベルグレービアの醜聞~は極上のラブストーリー
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SHERLOCK2~待ちに待っていたドラマがようやく放送されました。いや~期待通り、否、期待以上の出来栄えでしたね~。しかも最後は極上のラブストーリーに仕上がっていたとは驚きでした。
前回のSHERLOCK1の最後のシーンも、ちゃ~んと忘れずに「ケり」をつけてくれましたしね。モリアーティーの着メロがBee Geesの「Stayin' Alive」だったのも笑えました。だからなのかな~Sorry wrong day to die(今は死ねない)って。こういう言葉遊びも楽しいんですよね~このドラマは。
ああそれなのに~今回はキャプションがほとんど日本語に訳されてしまっていて上のような「遊び」が他ではほとんど楽しめなかったのはとても残念でした。も~早速輸入版注文しちゃいましたよ~あれじゃ物足りんて。
さて、今回の第1話は「ベルグレービアの醜聞~A Scandal in Belgravia」。ベルグレービアと言えばロンドン中心部にある超高級住宅街だそうですが、となると~今回の女性ヒロイン?アイリーン・アドラー、もしくはその「高貴なお相手」のyoung female personが住んでいたところと解釈してよいのでしょうか。「クライアント」が鎮座ましますバッキンガムパレスも近いことですし。
まあそんなに言いたくないなら敢えて聞きはいたしませんが、今回のこの事件にシャーロックを引っ張り出したのは、他ならぬ兄のマイクロフトです。
以下かなり長~いネタバレです。
~ちなみに、このドラマの基となったコナン・ドイル原作の「ボヘミアの醜聞」との関連性については一切触れておりませぬ。あしからずご了承くださいませ~
両性を手玉に取るというアイリーン・アドラーという女性、通称「the woman」(あの女)またの名を「dominatrix」(女王様)が、実にスキャンダラスな「写真」を保持しているから、これを取り上げてほしい
ジョンが書いているブログのおかげで、すっかり「blogger detective(ブロガー探偵)」「net phenomenon(非凡な人)」として有名になったシャーロックにはひっきりなしに「謎」が持ち込まれますが、そのどれもが「退屈」に思えて仕方のなかったシャーロックの心を捉えたのは、やはりキューピッドだったのでしょうか?
~でも、これら一見退屈な事件の中にも実は大いなるヒントが隠されていましたのに、おばさんでさえメモを取ったほどですのに、シャーロックは前回の教訓を忘れてしまっていたのでしょうか~
最初にモリアーティーの携帯を鳴らしたらしいこのアイリーンもまたシャーロックに目をつけています。彼女が掴んだ極秘情報を解かせる唯一の人物であることをアドバイスしたのは「consulting criminal」(犯罪コンサルタント)のモリアーティーだったのです。
互いを「強敵」と認識しあったふたりが、各々「勝負服」で出逢ったシーンも面白かった。バッキンガムで既に「セミヌード」を披露したホームズは「聖職者」のいでたちなのに対し、アイリーンは「もろ」ですよ。
でも、目のやり場に困ったのは「うぶなジョン」だけで、シャーロックはちゃ~んと「見るべきもの」は見ていたようです。
例の「写真」はその性質上、文字通り持出厳禁&コピー不可であることから、ジョンに火災警報器を鳴らさせて、アイリーンが真っ先に見た壁の裏にある金庫に入っていることを見抜くシャーロック。CIAに踏み込まれて脅されながら、金庫の暗証番号を見抜いた推理もさすがでしたね。
「もうあなたには知らせてある」
確かに、一矢まとわぬ彼女が見せたのはほかならぬmeasurements=3サイズでしたもの。
~それにしてもあんなところで「語られざる事件」が出て来ようとは=ヴァチカン・カメオ~
勲章などまったく興味も無いくせに、あんな風に浮かれているから薬物なんか注入されてしまうのですヨ。この女王様に。いったい「いつも」どんなプレイに興じているのやら。
結局携帯は奪い返され、自分自身のケータイ着メロには「ああ~ん」まで仕込まれて、ただただ歳月だけが流れていきます。
この間なんと半年だったそうで、この「ああ~ん」も57回も聞かされたそうです(内容は「デートのお誘い」などの軽いもの)。
クリスマスには、ハドソン夫人の前でプロ並のヴァイオリンも披露し、聖バーソロミュー病院勤務のモリーもやってきてともにキリストの降誕を祝います。ジョンは前シーズンから大分「経験」を積んだようで、今はboring teacherのジャネットと付き合っていたようですね。(ライバルが強敵すぎるとすぐにふられちゃいましたが)
が、ここに思わぬ人から思わぬプレゼントが届きました。アイリーンから、命より大切な携帯が贈られてきたのです。
「彼女は死んだ」
クリスマスの挨拶など交わしたことも無いだろう兄マイクロフトに電話をかけたシャーロックはこう伝え、直にアイリーンの遺体も発見されます。顔の損傷は激しかったようですが、何せ今回はそれ以外でもバッチシ確認できますからね。ホッペにキスされようと、いつまで経っても報われないのは可哀相なモリーでやんす。
でも、結局は~生きていたんですけど、アイリーン。
こうしてアイリーンが「命」と呼ぶカメラホーン(携帯)を預かることになったホームズです。この携帯にはパスコードが設定してあり、停滞して動かないブログの訪問者数=1895人(ハッカーだなんて)やベーカーストリートの221Bと入れてみたりするんですが、これがビクともいたしません。
ベーカーストリートと言えば、今回はハドソン夫人も大活躍でした。ホームズの留守中、またしてもあの携帯を狙った賊が侵入してハドソン夫人に乱暴を働いたのですが、そのありかを知りながら、決して口を割らず、あまつさえ泣く芝居をまでして携帯を隠すと言う大技まで見せたのだそうです。
そんな素晴らしいハドソン夫人に手を出したら、相手がCIAだろうとFBIだろうと、そら~窓から突き落とされても仕方ありませんよね。
~このシーンで、普段なら「○○ in progress. Don't disturb(○○進行中。邪魔するべからず)」となるべき札が「Crime in progress.(犯罪進行中) Disturb!」とあったのもいかにも楽しかった~
そんないかにも「人間らしさ」を見せてくれたシャーロックが、死んだと思ってガッカリしていたアイリーンの無事を知って、初めて返信したのもイイ感じでしたね。Happy New Year!
そのアイリーンがとうとうシャーロックの前に姿を現します。携帯に何が入っているのかという一見実に無味乾燥なやり取りをしながら、そこに漂うロマンチックな空気に、思わず割って入らずにはいられないジョンが可愛かった。
子どもが生まれたら僕のミドルネーム(ヘイミッシュ)をつけて
自分が死んだと思わせなくてはならないほど「危険」な何を掴んでいるのか~こちらはあくまでも自分の興味を追求せずにはいられないシャーロックに、アイリーンはとうとうその真の目的を突きつけてきました。国防省職員から手に入れたこれじゃないかと思うんだけど。
「007割り当て決定(ああここも英語見たかった)4c12~~~~」
この長い長い数字と記号の羅列から、アイリーンがその唇を近づけてくる間のほんの数秒でその意味を読み取ってしまうシャーロック。これを黙っていられずにすぐに口に出すから「うぶな男」と馬鹿にされてしまうのですよ~マイクロフトに。
747便 明日 6:30PM
これが実際何を示していたのか、兄の会話から真実を推理したシャーロックは愕然とします。これはコヴェントリーの再現だ!
大戦時、空爆の情報を入手しながら、情報源を明かしたくないと言うためだけの理由で、見殺しにされたコヴェントリーの悲劇が今また行われようとしている!!
ジャンボ機か。ミスターホームズ何とまあ。(ここも原文知りたかった)
アイリーンの裏にいたモリアーティーからのメールに肩を落とすもうひとりのミスター・ホームズ。
旅客機を空中爆破させるテロの情報を手に入れた英国およびアメリカ政府は「情報源」を明らかにすることができず、やむを得ず、これを見逃すことにしたのだけれど、乗客は皆あらかじめ「遺体」とすりかえていたのだそうです。その「missing bodies」が、最初にホームズのもとに持ち込まれた案件だったのですね。
~前半登場したあの「見知らぬ遺体」は似たような作戦の置き土産だったということなのかな~恐るべしイギリス政府~
綿密に計算されたはずのこの作戦が、ホームズがアイリーンに全てを話してしまったせいで、見事に潰されてしまった「=テロリストに知られてしまった」のです。
私の犯罪コンサルタントが「Holmes boys」とのゲームの仕方を教えてくれたから。ひとりは「ice man」でもうひとりは「virgin」
でもシャーロックはこんな辱めを黙って受けている男ではありませんでした。彼は自分がアイリーンに間違いなく愛されていると確信し、とうとうあのパスコードを解明したのです。
I am SHER locked
これは「私はシャーロックの虜」とでも訳せばいいんでしょうかね?
自分と愛撫を交わした時の(あれがそう呼べるならですが)アイリーンの高鳴る脈拍、開いた瞳孔~それこそ「sentiment」の現われであり、愛こそがもっとも危険な弱点であると言う持説が間違いないことを証明したとうそぶくシャーロック。
これでようやく面目躍如のシャーロックでしたが、自分だって~実は結構ドキドキしていたに違いありません。
何と言っても、テロリストに捕獲され、今にも首を切られようとしているアイリーンの側に駆けつけて、彼女を逃がしてしまうほど、アイリーンを愛していたのですからね。
アイリーンが最後のメールとして送った「Goodbye Mr. Homles」というテキスト。それが送られてほんの数秒遅れで「死刑執行人」のズボンのポケットから
「ああ~ん」
が聞こえてきた時は痛快でございましたね~。ま、シャーロック大好きなおばさんは、あの「目」だけで分かりましたけど。ハドソン夫人ならずとも、刺激的過ぎるわ~と言いたいところですけれど、この「命がけの恋」に免じて許してやるといたしましょう。さんざん弟を馬鹿にしたマイクロフトの鼻も、これで明かしてやれましたし、心優しいジョンを必要以上に傷つけなくても済みましたから。
涼しい数日を過ごした後の、実にむし暑い今日の数時間、このSHERLOCK2が語れて、暑さを忘れて楽しい一時を過ごすことができました。最後までおつき合いくださいました方々には深くお礼申し上げます。よろしかったらまた来週も是非お立ち寄りくださいますように。
~英語版が届いたらまた騒ぐかもしれませんので、その辺はまだまだご内密にお願いいたしますね~
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勉強になりました
いまひとつストーリーを掴み損ねていたので助かりました。
でも、私はあのスマホのパスワードを一発で解いてしまいましたが。
それにしても、この作品は、ドイルの原作よりむしろビリー・ワイルダーのThe Private Life of Sherlock Holmesに近い仕立てでしたね。
次回も楽しみにしています。