2017/12
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TBSの「テレビ未来遺産」の一環として放送された【終戦69年ドラマ特別企画 遠い約束星になったこどもたち】を視聴しました。覚悟をして見たはずなのに、最後にはもう涙が止まらなくなってしまいました。今では「他人事」になっている戦争がいざ起きてしまったら、たとえ実際の戦いが終わってもまだ、それがどれだけ多くの人々を巻き込み、その人生を狂わせ、破壊してしまうのか、特に子どもたちからは夢と未来を奪ってしまうものなのか、を改めて痛感させられました。以下簡単なあらすじ(ネタバレ)です遠い約束~星になったこどもたちのあらすじです


開拓移民と呼ばれる人々が、満州に渡ったのは、1931年の満州事変後、日本が「満州国」を建国した後のことでした。その皇帝=愛新覚羅溥儀は清朝最後の皇帝として有名ですが、実権を握っていたのは満州事変で主導権を握った関東軍だったようです。


「満州国は夢の国。誰でも広大な土地が手に入る。移民は戦争に駆り出されることもない


甘い言葉に誘われて現地に渡った移民は、太平洋戦争が始まるまで、約27万人ほどに上ったのだとか。


が、結局太平洋戦争が勃発すると、その約束は簡単に破られてしまい、開拓団の男たちは皆戦場へ駆り出されてしまいます。そのうちどんどん戦況が悪化すると、関東軍は南への南下、すなわち退却を意識し始めますが、なんとこれを開拓団には一切知らせなかったそうなのです。開拓団がともに移動を始めれば、ソ連軍に気づかれてしまうからです。


当時、日本とソ連は「日ソ不可侵条約」を結んでおりましたが、終戦を目の前にして、ソ連がこれを破ったことは歴史の授業でもお馴染のところです。殺し合いをする人間同士がした約束など当てにできるものではないということです。


開拓団に残っていた人々は、ソ連軍に襲われぬよう、必死の行軍を続けたそうです。特に女性は「ロ助」に襲われぬようにと、髪を切って男装したり、果ては、凌辱されるのが嫌さに自害した方も多かったのだとか。後に登場する豐という子の母親は、豊だけを逃がして、自分は手のかかる赤ん坊と心中してしまったそうです。


その、民間人を裏切った関東軍の生き残りとして登場したのが、このドラマの主人公=戸田英一 (松山ケンイチ) でした。戦争前は大学生だった英一が、どうやら将校らしい父(椎名桔平)に戦争の意義を問いただしたところ、激しく罵倒されてしまいます。


皆が一丸と戦っている時に、何を言っているか!何も考えず、ひたすらお国のために戦え!!


それ以降英一は、自らの思考を止めてしまったようです。が、それが大きな間違いだったと気づいたのは、終戦後だいぶ経ってからでした


日本が負けたことも知らずにただひたすらソ連軍と戦っていた英一は、日本の敗戦によって戦争が終わったと聞かされて愕然としてしまいます。その後行き倒れになった英一を助けてくれたのが、開拓団の人々でした。彼らは皆、関東軍に見捨てられて満州に残るしかなく、600キロもの道のりを歩いてようやく満州国の首都=新京までやってきたのです。


ソ連軍が襲っていった小学校の校舎に身を寄せていた静岡村開拓団の親子、水野有枝 (伊藤かずえ)と、その娘で小学校教師の有希子 (二階堂ふみ) と弟妹達、有希子の生徒だった佐竹三郎 (加藤清史郎) 、と、現地で出会った他4人の子どもたちが、傷ついた英一を立ち直らせてくれました


英一は、生き恥をさらしていられないと、所持していた刀で自害しようとしますが、それを有希子に見咎められてしまいます。生き残った自分たちは、この戦争で亡くなったたくさんの人々の分も生きなくてはいけない。生き恥をさらしても、どんなに辛く苦しくとも、生きる努力をしなくちゃいけない


自分のことで頭がいっぱいだった英一が、ふと周りを見回すと、そこには両親と死に別れた子供たちが、懸命に生きようと頑張っていました。それもこれも、自分達を生かすために命を落とした両親との約束を果たすため、なのです


「どんなに辛くても頑張って生きろ。お爺さんになるまで生きろ。一生懸命勉強もしろ」


満足な食料もない中、夢も希望もない人々を慰めようと、落語を聞かせる(中村竜也~髙澤父母道)、ともに逃げてきた母親(深田恭子)から、寂しくなったら、生まれる前に母とつながっていたヘソを見ろと言われ、何かあるたびにヘソに語りかけるまだまだ幼い友ちゃんこと友之(松原友之~五十嵐陽向)、大きくなったら、有希子先生のような教師になりたいと目を輝かせていた、面倒見の良い大人びたさとみ(田中さとみ~山田望叶)、そして、母に最期まで勉強だけは忘れるなと言われ、今度母ちゃんに会うまで九九を覚えるのだと頑張っている(上田 豊~森 遥野)。


英一は、自分の命を絶とうとした刀を売って、この子たちに饅頭を買ってきました。その後は皆から「お兄さん」と慕われ、皆はまるで家族のように暮らしていきます


最初有希子は中国人の家政婦を、英一はソ連の収容所での肉体労働を、子どもたちはヒマワリの種を売って、なんとか生計を立てていましたが、そのうち、どんどん生活がひっ迫していきます。


どんなに辛くても、この7人で必ず日本に帰ろう。大切なのは思いやりと分かち合い


自分達を夜空に光る北斗七星に見立ててそう誓っていた7人でしたが、何よりも、互いを思いやる心から、その誓いが破られることになってしまいます。飢えに苦しむ弟妹達やこの子たちを見ていられなくなった有希子は、母が見つけてきた中国人との縁談を引き受けることにしたのです


お腹いっぱい食べてちょうだい


新京に来て初めて入った食堂で、久しぶりに口にするご馳走に舌鼓を打つ子供たちを見たら、有希子の逡巡もすっかり消えてしまいます。絵の得意な英一に、最後に自分の絵を描いてほしいと頼み、その絵を大切に抱きながら嫁いだ有希子は、その後懐妊して、それなりに幸せに暮らしたようです


有希子から子供たちを託された英一でしたが、その英一も、マイナス20度にもなる満州の冬には到底かないませんでした。移民たちは、栄養失調と寒さから次々とチフスにかかって亡くなっていきます。子供たちの中で真っ先にその犠牲になったのが竜です。


有希子先生にごちそうしてもらったソバは旨かったもう1回食べたいなあ


寒い寒いと熱に浮かされながらも、その時のことを思い出して笑顔になった竜を見て、豊が、自分の靴下を売ってソバを手に入れてきた時は泣けました。


俺は大丈夫だ、竜ちゃん。早く元気になって、またみんなを笑わせてくれ。日本に帰るには何日も船に乗らなくちゃいけないんだから、竜ちゃんの落語が欠かせないよ


そんな豊や皆の願い虚しく、竜は一人先に旅立ってしまいます。しかも竜は、自分のために、極寒の最中、靴下を売って金を工面してくれた豊のために、自分が来ていた服をすっかり脱いでいったのです。亡くなってしまった自分から服をはぎ取ることなどできないことを百も承知での行為なのです


その後英一は、一番幼い友之を中国人の女性に養子に出すことに決めました。以前から、歌の上手な友之を見つめて泣いていたその女性なら、きっと友之を可愛がってくれるだろうと信じたからです。


残されたさとみや豐たちは、英一が、有希子の時同様、友之を売ったのだろうと非難しました。それもこれも、英一がその手にたくさんの饅頭を抱えて帰ってきたからです。


そうじゃない。一番幼い友ちゃんがここにいたら、遅かれ早かれ死んでしまう。養子に行けばきっと友ちゃんは幸せになれる。これは友ちゃんが、新しいお母さんに頼んで、皆のために買ってもらったものだ。


その友ちゃんの志をありがたく受け取って、饅頭を頬張った3人も、英一が出稼ぎに行っている間に次々と亡くなってしまいました。最初はさとみと豊が、その二人を看取った三郎も、ついには力尽きてしまいますふたりを埋葬した後倒れてしまったようです


さとみは最後まで英一が描いてくれた卵焼きの絵を抱きしめて、そして豊は、命尽きるその直前まで、必死に九九を覚えようとしていたのがまたたまりませんでした。ついには九九を覚えきった豊を、先に天国に行っていた母親はどんなに誇らしく思うことでしょう


ひとり残された三郎も、皆の魂がお兄さんを守ると書き残して旅立っていきました。絶対に日本に帰ってほしい。僕たちの分まで生きてほしい


その言葉通り、英一は皆に守られてついに日本に帰国します。その後英一は、その体験を風化させぬよう、戦争の悲惨さを皆に伝えるべく、絵本を通して広く国民に語ってきたようです。そしてついに英一(宝田明)は、あの友ちゃんとの再会も果たします。友ちゃんは、その実母との約束通り、「お爺さん」(前田吟)になるまで生き延びたのです


人は、どんなに悲惨な体験をも忘れることができる生き物です。そうしなければ生きていけないことももちろん事実ですけれど、でもだからと言って、悲惨なことに目をつぶり、再びその悲惨な出来事を起こしてしまってはなりません。どんなに辛く、面倒でも、そこで思考を止めてしまってはならんのです考え続けていかなくてはいけません。結局この時満州で亡くなった人々は総計24万5千人にも上ったそうです。


おばさんも戦争体験には程遠いですが、あらん限りの想像力を駆使してその悲惨さを思い浮かべ、それを防ぐために自分に今何ができるかを問い続けていかなくてはならないと改めて痛感させられました。良い番組を作ってくださって本当にありがとうございました


こちらが増田昭一氏によるこのドラマの原作です

満州の星くずと散った子供たちの遺書―新京敷島地区難民収容所の孤児たち
戦場のサブちゃんとゴン―満州・磨刀石の戦いを生きた二つの命
約束―満州の孤児たちの生命の輝き


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