2017/10
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毎回違う脚本家がエピソードを書くという鳴り物入りで始まった「おやじの背中」でございましたが、どうもおばさんにはいつもピンと来なくて、これまで何も語れずにおりました。おそらく「一話完結」という制限の中で、ミステリーならともかく、親子の情愛を描くのはかなり難しいことなのでしょう。毎回感情移入ができぬまま終わってしまったことがほとんどでした。余程思い入れのある俳優さんでもない限り、この試みはかなり難しかったのではないでしょうかおやじの背中~最終回は面白かった(^^)/


でも、最後の三谷幸喜氏脚本の北別府さん、どうぞは文句なしにとぉ~っても面白かったです。わざとらしすぎもせず、それほど現実離れした設定でもなく、どこにでもありふれた人間模様でありながら陳腐すぎもせず、ちょうどよいさじ加減でああも楽しく見せてくれるのは、やはり、三谷幸喜さんならではです。いや~実に楽しかった北別府さん、どうぞ~のネタバレあらすじ行きますよ~(^^)/


以下、「北別府さん、どうぞ」のネタバレのあらすじです。かなり面白かったので、ちとうるさく長々と語っちまいます


舞台は病院~どうやら前立腺ガンらしい男性=北別府 (小林隆) が、主治医の古郡 (小日向文世) から、どうにも奥歯にものが挟まったような曖昧な告知をされています。そのオブラートにくるまれた話の内容をかみ砕いてみるには、どうやら、北別府の癌は初期ではなく、これまでのホルモン治療や放射線治療も奏功しなかったようなのです


でもまだ大丈夫です。諦めずに頑張りましょう


診察室を出た北別府に、若い看護師たちが近寄ってきました。一緒に写真を撮ってほしいと言われるほどのオトコマエでもないのにどうした訳か~と思っていたら、どうやら北別府は俳優らしく、入院患者に読み聞かせをしているらしいのです。


いつでも喜んで引き受けるよ~っ!


人の良さそうな笑顔を浮かべた北別府は、その後~あまり効果の無い~放射線治療へと赴きました。


北別府さん、どうぞ


いつもの放射線技師(八嶋智人)が明るく声をかけます。


治療が済んで待合室に出てきた北別府が、言いようのないけだるさを感じていたところ、どうやら病院でロケを行っていたらしい集団が目の前をよぎっていきます。そのうちの衣装担当の上田(秋元才加)が、北別府に気軽に声をかけてきました。ご無沙汰しております!!今日は役所広司さんもいらしていたんですよっ!!


役所広司とは無名塾で一緒だったと語りだす北別府~ああ、こう言う人いるいる~に、上田はその役所広司が役で着用した白衣を差し出しました。頭のおかしい医者の役なんです


が、まさかその白衣でもって、北別府自身が「頭のおかしい?医者」を演じることになろうとはこの時点でいったい誰が気づくでしょうか話の展開がうまいな~(^^)/


そこに今度は息子の寅雄(須田琉雅)が現れます。学校で怪我をした寅雄が担任に付き添われて来院していたようです。


「お父さんと連絡がつかなかったので(別れた)お母さんにも連絡してしまいました!


ここからが北別府の「芝居」の始まりでした。なんと北別府は、上田が置いていった白衣を着こみ、

「お父さんがここにいるのは医者だからだよ北別府まさかの医者宣言!

と言ってしまいます。どうやらこれまで寅雄には「売れない役者」だったことを内緒にしていたようなのです


いつ帰ってきても家で寝ている父親を、寅雄は幼心にいぶかしく思っていたようなのですが、北別府はこの質問を受けて、それは夜勤明けだからだとごまかします。その物言いがいかにも自信たっぷりで流ちょうなのですよ。さすがは役所広司と同期だっただけのことはあります


白衣を着こんだ北別府が「職場見学」と称して寅雄を連れて病院内を歩いていた時は、見ているこっちがどぎまぎさせられてしまいました寅雄がいつまで騙されるかハラハラしていました。何せ北別府はまったく臆するところが無くて、すれ違う人皆に、いかにも「医者」であるかのように振る舞うのです。最初に登場した看護師たちにも

「『北別府さん』とは失礼な。親しき中にも礼儀ありだ。先生と呼びたまえ

などと言っちまう始末です


でも優しい看護師さんならまだしも、その後院内アナウンスでカンファレンスが行われるとの放送があった時も驚きでした。自分を泌尿器科の医師だと名乗った北別府は、なんと寅雄を伴って、そのカンファレンス場にまで押しかけてしまうのです


やあやあ皆さん、息子の寅雄が見学に参りました!息子をよろしくお願いします(^^)/


呆気にとられる医師たちの表情が実に面白かったですね~。でもそれもこれも、本物の泌尿器科の医師=古郡が姿を現すまでの間です


「こんなところで何をやっているんですか!


その問いに、やはり息子を連れてくるのはまずかったかと切り返した北別府は(ちゃうちゃう、そこじゃあらへん(;´・ω・))、そそくさとその場を逃げ出しました


さ~もうそろそろ帰った方がイイよ心配で見てらんない!( ;∀;)~とおばさんが泣きそうになっているところに、今度は北別府の元妻(吉田羊)がやってきます。どうやら彼女は芸能関係の仕事をしているらしく、それが縁でふたりは結婚したようです。


最初は北別府の嘘を非難していた彼女も、話を聞くうちに、北別府がそう長くないらしいことに直感的に気づきます


「今だけ、今だけでいい~息子から尊敬される父親でいたいんです!!


これは後に古郡に問いただされた時に北別府が口にした言葉です。北別府は、カンファレンスで古郡が席を外しているのをいいことに、泌尿器科の診察室に乗り込んでいき、そこで、自分のカルテを盗み見てしまったのです:


余命1年!!


カンファレンスから戻ってきて、北別府の嘘に気づいた古郡も、さすがに北別府の心情を思いやり、自分が逆に

「医者を騙った頭のおかしな患者

を演じてくれたのは何とも心温まるシーンでした。しかも、医療用語に口ごもる北別府に、こっそり教えてくれてましたし


その後、シーンはうって変わって、いかにもドラマの撮影現場らしきシーンが映し出されました。しかも、北別府はかなり大物扱いをされているようです


そうか、あの後北別府は、元妻が言うように、小さな仕事も断らぬようにしていたら仕事がどんどこ入ってきたのかと思って見ておりましたところ、なんと、

北別府さん、どうぞ

と呼ばれて立ち上がったその人は、小林さんが演じてらした北別府ではなく、なんと息子の寅雄が成長した姿小栗旬)だったのです!  


「僕、大きくなったらお父さんと同じ仕事がしたい!


あの日、泌尿器科の診察室で北別府が自分の余命を知った後、寅雄に将来の「夢」を聞いたところ、もちろん寅雄はそれが「医者」というつもりでこう答えたのに、ついつい北別府は「売れない役者」としての愚痴をこぼしてしまったのです


その時の寅雄は北別府の心情を知る由もなかっただろうけれど、北別府の病状が悪化し、ついには亡くなってしまっただろう後になって、初めて、あの時の父の言葉の意味が分かったのだと思います。その上で、寅雄は

「父と同じ俳優になる夢

を叶えてくれたのでございましょう。寅雄にとっての夢は決して「医者」になることではなく、あくまでもおやじの背中を追いたかったということ


父親の北別府はきっと最後まで売れない役者のままで「北別府さん、どうぞ」と呼ばれる機会は病院しかなかったかもしれないけれど、息子の寅雄はしっかりその後を継いで、誰もが大物と認めて同じ呼びかけをされる=主役を張れる役者になったというのが、また実に素晴らしかったですね


どちらかというと地味な布陣で思いっきり感動させてくれた「北別府さん、どうぞ」は、本当に楽しかったです


小林隆さんもまた売れない時代が長かった役者さんだと聞いていますから(新選組!の源さんが印象的です)、尚更真に迫って感動的だったのかもしれませんね。小説でも、短編より長編が好きなおばさんにも、こうしたきらりと光る短編ものの良さを教えてくれた忘れられない一作になること間違いなしです。あ~本当に面白かった!


おやじの背中~最終回が抜群でした(^^)/
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