Nのために あらすじと感想 第6話 希美が語るのは真実か嘘か?
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湊かなえさん原作の【Nのために】は、6話、おそらくは後半折り返しに来てようやく全体像が見えてきました。以下早速ネタバレです
。
2004年のクリスマスイブに起きたあの悲劇は、西崎の考えた「N作戦2」がもたらした結果のようです。今回の「N」はおそらく奈央子の「N」であり、愛の無い結婚生活という「鳥かご」に閉じ込められた奈央子を救うために決行されたものと思われます
。
奈央子はやはり夫の貴弘からひどい虐待を受けていたようです。野ばら荘に希美を訪ねてきた際、雨を理由に西崎の部屋に招き入れられた奈央子は、そこで西崎の書いた小説を読み、西崎が自分同様、虐待を受けていたことに気づきました
。
西崎の場合は相手が母親(中越典子)で、虐待を「愛」だと言われて我慢に我慢を重ねた挙句家を飛び出したようです。野原には、母親は既に亡くなったと言ったそうですが、真相のほどは明らかではありません。夫とは離婚していたそうです。
こうしてふたりは抜き差しならぬ仲になり、それは貴弘の会社でも噂になってしまいます。嫉妬深い貴弘は、ドアの外側にチェーンを取り付け手奈央子の外出を阻み、奈央子の携帯も解約してしまったようです。
この外側のドアチェーンも、これまで何度か映像にだけは登場していましたね。おばさんの記憶が確かならば、12月24日、外からの呼びかけ(インターフォン)に答えて出てきたのは、希美じゃなくて西崎だったような気がするんですけど
。それに外からチェーンを掛けたのは、どうやら望のようではありませんでしたか?
これはまだおばさんの妄想に過ぎませぬが、おそらく西崎や希美は、望をこの「N作戦2」に加えることを良しとしなかったのではないでしょうか
。一流企業に就職し、これからもどんどん明るい未来が待っている望は巻き込まず、代わり?に呼ばれたのが成瀬だったのではないでしょうか
。
望は今回高野に、あの日外からのチェーンが掛かっていたから、皆外に逃げられなくて、あんな悲劇が起きてしまったのだと語っていたけれど、本当は、西崎が外にいた望を巻き込むまいとして(=入ってくるな!)チェーンを掛けろと言ったのではないでしょうかね
。
とまあ妄想はこれぐらいにして、ようやく他のNたちとの関わりが見えてきた成瀬はというと、「オレオレ詐欺」で捕まった後は不起訴となったようなのですが、その身元保証人に高野を指名したようです。他に頼れる人がいなかった
。
高野にそう語って心からの反省を見せていた成瀬は、大学も辞め、自力で働くことにしたようです。そこで就職(アルバイト)を決めたのが「シャルティエ・広田」だったようです。
そして希美は(たぶん)N作戦2の一環として、この店からケータリングを取ろうと貴弘に提案したようです。以前貴弘が希美に頼んだのはやはり「将棋のブレーン」になることで、その後も希美はずっと貴弘に将棋を教えていたようです。
でも分かったのはここまでで、実際の12月24日にいったい何が起きたのか、までは分かりません。
前回気づいた「野バラ荘」という新しい看板は、望が就職して寮に移った年、野ばら荘の無事や皆の今後の発展を願って作られたもののようでした。なかなか就職の決まらない希美も、望から
「念願のゴンドラ清掃」
を実現してもらい、都会の地平線を直に見ることで新たな希望の灯を胸に点していたようでしたのに。
希美の母の由紀が池園と再婚したことでようやく希美も安心できたかと思った矢先に、奈央子と外出した際、希美がちょっとだけ目を止めた~嫌な過去を彷彿させるドレッサーを奈央子がプレゼントしてきた時は、かなり腹立たしかったです
。どう見ても希美はあれを欲しがっているようには見えない
~むしろ怯えていたようだったのに、無神経にもほどがあります。それだけ自分のことで手いっぱいだったのでしょうが
。
それでも念願だったどこまでも伸びる「地平線」を目にしたことで、希美がようやく過去を吹っ切って、お惣菜を山ほど作る習慣を止めたと聞いた時は、思わず胸が熱くなってしまったほどです
。そうそう、嫌な過去は忘れるのが一番です
。
が、そんな希美が今、病に侵されているそうです。3年前に発症した胃癌が再発し、もって1年だと余命宣告までされてしまったのだとか
。望は希美に改めてプロポーズをしていたようですが、もはや希美に
「明るい未来」
を望むことは無理なのでしょうか。
その望が西崎から「罪の共有」の話を聞いた時、自分なら一緒に警察へ行ってその後も出来る限り力になる、相手が刑に服すのなら、それが終わるまで待っている、と語った話は、まさに、望が西崎に対してとった態度そのものだったようですけれど、もし相手=犯人が希美だったらどうしたでしょうか。
望も「西崎が犯人ではない」ことを薄々知りながら、もしかしたら犯人かも知れない希美を庇うために「罪を共有」してしまったのではないでしょうか。
また高野が10年前の殺人事件の真相を突き止めようとした理由は、高野が定年を迎えたからのようです。自分がもし、青景島で情を一切抜きにして放火犯=成瀬を捕まえていれば、成瀬や希美は法に対してもっと畏れを抱くこととなり、二度と罪を犯すような真似はしなかったに違いないと、強く後悔していたようです。
希美はそんな高野を呼び出して自分の病状を打ち明け、すべてを話すと切り出しました。
「残された時間をあなたを守るために使いたい。あなたがこれから幸せであるように。それが人生最後の私の願いだった」
そう決意していたらしい希美が口にするのは、果たして「真実」なのか「嘘」なのか、まだまだ鵜呑みにはできそうにありません。
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