花たちの戦い あらすじと感想 第9~11話 悪女モード全開です
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キム・ヒョンジュさん主演の【花たちの戦い -宮廷残酷史-】も11話まで見終わっています。いや~ヤムジョンは凄いですね~まさに「悪女モード全開」です
。
韓ドラ好きな方は実に真面目な方が多いので(自分は除)、こんなことを言うとものすご~い勢いで袋叩きにされちまうんですが
、おばさんは結構「悪女」が好きなんですよね~
。むしろ、甘ったれで卑怯な偽善者男なんかより、
自分の才覚だけでトップに登りつめようとする悪女
のほうが、よっぽど好感が持てます。実際アメドラには確固たる信念を持ったカッコいい悪女が数多く登場します
。
特に時代劇では「女性の地位」が限られているため、自分に与えられた能力を最大限に生かして何とかのし上がろうとするあの生命力には、一種の感動を覚えるほどです
。まあ、演じている役者さんにもよりますけど、少なくとも「妖婦張禧嬪」のオクチョンや、このヤムジョンはかなり好きなキャラクターです
。
そのヤムジョンは、今回ついに仁祖の子どもを懐妊します。女児を産んだ自分を避けていた仁祖の寝所に、自ら乗り込んでいった甲斐があったというものです
。しかもちゃんと排卵を計算に入れてというのがまた素晴らしい
。
イ尚宮あらためイ淑媛が妊娠したのとほぼ同時に身ごもったのも、この執念の賜物でございましょうな。ちなみに、ヤムジョンもまた王女を産んだ功績を認められて昭媛に昇格しています。これは皆、側室内での確執を和らげようとした王妃の計らいによるものです
。
が、ここでヤムジョンが黙っているはずもありません。ヤムジョンは、かねてからの計画通りジャジョムと謀って、今やジャジョムの子飼いとなったヒョンイクに、自分の出産に合せて「息子」を産んでくれる夫婦を物色させると同時に、ライバルのイ淑媛には毎日「ヒ素」を盛っています
。ごく少量を摂取し続ければ、胎児だけが流産するのだそうです
。
ヤムジョンは「側室の悲哀」と「日本製の珍しい菓子」を持ち出してイ淑媛をコロリと騙し、いざという時自分に毒殺の嫌疑が掛からぬよう、自分もまたそのヒ素入りの菓子を食べました
。
その結果、イ淑媛は見事に流産してしまいます。ヤムジョンもまた生死の境をさまようほど苦しんだそうです。
愛妾の流産を知って逆上した仁祖は、即、ヤムジョンの下へ駆けつけて、お前の仕業だろうと決めつけました。が、よくよく見るとすっかり弱り切っているヤムジョンもまた、毒を盛られたというではありませんか?!
ではいったい誰が毒を盛ったというのだ!?
怒りを爆発させる仁祖に、ヤムジョンがいかにも
「犯人は年若い王妃」
と思わせぶりをしたのには驚きました。何せヤムジョンの目的は息子を産んで「王妃」になることなのですから、これぞ一石二鳥というものです
。だからこそ、かつて愛したヒョクの母親も、捜して殺させようとしているのですものね
。
このヒョクの母親の家を訪ねてきては泣いている人物がいるらしいのですけど、ということはもしかしたら、ヒョクは死なずにまだ生きていた、ということでしょうか?
「宮中に入ったら、生きているだけでも幸いと思え」
そう父から教えられてきた王妃は「幽閉」の決定に一切反論することなく、黙って中宮殿を去りました。行き先は光海君が建立した慶徳宮(現在の慶煕宮)です。
いくら悪女好きとは申せ、ここはあまりにも王妃様がお気の毒すぎですよね
~以下、ちょっとだけ史実をネタバレいたしますね
:
~この荘烈王妃は仁祖亡き後「大妃」となったそうですから、きっとドラマでもそのうち呼び戻されることと思います。実際王妃が向かった「慶徳宮」は王気が立ち込める場所としても有名だったのだとか
~
というわけで、ここはヤムジョンに毒を盛られなかっただけでも、とりあえずは良しとしなければなりません。
さて、その王妃と嬪宮カン氏のやり取りもなかなか面白かったです。
仁祖は自分より人望のある嫁を妬み、息子で世孫のソクチョルにも会わせようとしなかったため、カン氏は烈火のごとく怒りだします。清のドルゴンに談判して、必ずや世子を王座に就けてみせる!
なんでも、このカン(姜)氏を嫁に迎えたのは、仁祖の先妻である清州韓(カン)氏、仁烈王后の意向が強かったそうなのです。カン氏の父(カン・ソッキ~姜碩期)は以前右議政を務めた実直な人物であり、
正論とは縁のない仁祖
にとっては相当煙たい人物だったにもかかわらず、その仁徳を見込んだ仁烈王后が、娘を世子妃に迎えたのだそうです。まったくね~仁祖が自分は王の器ではないと嘆くたびに、
「そうだそうだその通りだ」
と同意せずにはいられませんよ。でもきっと仁祖自身はそうは思っていなくって
「そんなことはありませぬ」
と言ってほしいのはミエミエですが。
結局カン氏は、表面上は義父に従うふりをして、ようやく愛する我が子との再会を果たしました。そんな「嫁」を慰めてくれたのが王妃です
。
カン氏曰く、優しくて洞察力のある王妃は仁烈王妃の面影があるそうです。本人はだらしないけど、王妃には恵まれたのですね~仁祖。
カン氏が荘烈王后とタッグを組めれば良かったですのにね~お、それではヤムジョンの出る幕が無い=ドラマにならん、ということですが
。
一方、対外的には、1637年~三田渡の盟約が結ばれた1年前~に明の領土の大半と南モンゴルを征服して建国を宣言した清から、いまだに残る明の残党を壊滅させるべく、朝鮮に援軍の要請が寄せられました。
今や自らを「満州(民族)」と呼ぶ彼らを、いまだに「オランケ」(女真族=蛮族)と呼んで憚らず、そんな蛮族から受けた屈辱を骨身に刻んでいる仁祖としては、そんな要請など聞けるはずがありません。が、これをキッパリ断れるほどの度胸もまた、あるはずもありません。
そこで仁祖は、
親明派のイム・ギョンオプ(林慶業)
に指揮権を与えて派遣し、明を攻撃させない一方で、清への面目を保とうとしました。これを入れ知恵したのはキム尚膳です。万が一の際は、すべてをギョンオプの責任にすればよい。
ここで明と組むことで、清に連れ去られた人質=世子と大君を一掃したかったジャジョムは、名ばかり王の仁祖同様、実権を持たない「都元帥」に任じられました。ジャジョムは、キム・インを尚膳の地位に就けたのは自分なのに
~とその恩知らずを詰っていましたが、この辺の駆け引きがまたたまりません
。
また、清が朝鮮に援軍を要請したという話を聞いたカン氏が、それならなぜ、世子に指揮権を与えないのかと怒りだすシーンも実に面白かったですね~。これで功績をあげれば、祖国に帰れるということにどうして誰も気づかないのか!
いやいや、このカン氏もまた烈女で、見ごたえ十分でござりまする。
何せ当時の時代背景が面白くて、今のところまったく飽きることを知りませぬ。「花たちの戦い」は続きもとっても楽しみです
。
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