奇皇后 最終回 あらすじと感想 (49&50話含)
~奇皇后~ふたつの愛 涙の誓い~のあらすじと感想はこちらからご覧いただけます: 奇皇后~ふたつの愛 涙の誓い~全51話 あらすじと見どころ~
【奇皇后(キファンフ)~ふたつの愛 涙の誓い~】も最終話=51話まで見終わっています。大まかな感想としては、まさに副題通り~ふたつの愛、涙の誓い、そのものだったなというところでしょうか。
個人的に、三角関係を扱ったドラマはあまり好きではないのですけど、この奇皇后における「
ふたつの愛
」は、途中はイライラさせられたものの、こうして最後まで見終わってみると、共感はしないまでも、それぞれ理解はできるものだったため、視聴後感(?)は、思いのほか爽やかだったことを最初にお伝えしておこうと思います
。
例年にない厳しい暑さに見舞われて夏バテしたため少し間が空いてしまいましたが、以下、奇皇后・最終回(49&50話含)のあらすじと感想をまとめさせていただきまする
。ズバリネタバレとなっておりますので、結論を知りたくない方はどうぞここでご遠慮くださいますように
。
まず、ずっと心配していたワン・ユですが、スンニャンが奇皇后=元の皇后になったのをその目で見届けた後、自身も高麗に戻って「王」に復位するはずだったところを、タファンに殺されてしまいました
。
~スンニャンの皇后即位式の際、遠目にそのスンニャンを眺めるユの視線と、スンニャンの視線が絡み合うシーンがまた何とも情感たっぷりで切なかったですよね。チュ・ジンモさんは目で心情を語る天才ですな
~
というのも、あのタンギセがタファンに、マハはワン・ユとスンニャンの子どもだと明かしてしまったからです。いかにも憎々しげにこれを明かしたタンギセをその手で葬ったタファンは、他に真実を知るソ尚宮を呼び出して、彼女をも惨殺してしまいました
。
この事実を知る者は誰一人生かしておかぬ!それがヤン(スンニャン)のためなのだ!!
タファンは、当時丞相となったタルタルにそう告げて、ワン・ユを殺しに行きます。
ここはおばさんに言わせれば、元々スンニャンはワン・ユの想い人であり、ふたりは結婚の約束までしていたのですから、子どもをもうけたことをタファンにあれこれ言われる筋合いはないと思うんでやんすが
、でも今、タファンの側室、そしてついには元の皇后にまで上り詰めたスンニャンが、他の男、しかも高麗の(元)王と子どもまで成したことが周囲に知れたら、元の皇帝として、ワン・ユのみならず、スンニャンも生かしておくことはできなかったという理屈なのでしょうね、きっと。
一方、そんなこととはつゆ知らぬユは、今度こそ民を守る「強い王」となるために、チームワン・ユ(パク・シヌ&マクセン除)とともに、祖国への道を急いでいた所をタファンに待ち伏せされて、大切な仲間を失い、ついには自分も命を落としてしまいます。
ユに高麗での「親衛隊長」の座を約束されて、それはそれは嬉しそうだったチョンバギが、ユを守るためにまさに弁慶となって立ち往生したシーンは、「大祚榮」のケピルを彷彿とさせ、号泣せずにはいられず~それはムソンも同様でした。
そしてユ本人は、タファンがマハのことを知り、スンニャンを守るために自分を殺しに来たことを知り、スンニャンを守るためなら、喜んで死出の旅路に付こうとばかりに死んでいきます。その最期には
自分は死んだのちもスンニャンを守るが、おまえはスンニャンのために何をしたのか?2度とスンニャンを苦しめるな
という実に挑戦的な言葉をタファンに投げかけて逝ってしまいます。
個人的には、スンニャンとの約束を守る~強い祖国=高麗を作ってほしかったけれど、あの世には既に幸薄かった愛するマハがひとり待っていたことを思うと、ちょっとだけ、慰められたような気も致しました
。
また、一旦は死んだと思っていたユが、タルタルによってその命を長らえていたことを知ったスンニャンは、前述したように、ユが強い高麗を作ってくれることを心の底から望み、自分もまた元の皇后としてバックアップを惜しまぬ構えでいた矢先、今度こそ本当にユが殺された、しかもタファンに惨殺されたことを知りますが、それもまた、タファンが自分を思ってしたことだと知って一層愕然としてしまいます
。
生まれて初めて抱いた異性への恋情~初恋の相手=ワン・ユがいつまでも愛しく敬うべき相手であることに変わりないのと同様、長年連れ添って情を培ってきたタファンもまた、スンニャンにとってはかけがえのない伴侶であることも紛れもない事実なのです
。
そのタファンは、メバクの頭であるコルタと皇太后に命を狙われてしまいます。
最初はコルタを疑うなど夢にも思わず、薬を作らせていたタファンなれど、その薬を飲むたびに記憶が無くなることに気づき、ついにはコルタこそが自分の命を狙う反逆者であることを突き止めます
。その薬は「鴆毒」と呼ばれる猛毒で、解毒するには既に手遅れだったことも判明します
。
そこでタファンは、文字通り命を賭して薬を飲み続けました。コルタと皇太后を油断させるためにわざと騙されたふりをして、スンニャンやタルタル側の人間をすべて排除させます。これこそ、コルタと皇太后側の人間を一堂に会し、一斉に始末するという、タファン一世一代の奇策だったのです
。
もちろん、物心ついた頃から自分に尽くしてくれたと思っていたコルタもその手で殺してしまいます。コルタは、権力を得るために宦官となり、これを隠れ蓑にした闇の商人となる道を自ら選んだのだそうです。皇太后は、高麗の女=スンニャンが皇后として生きる姿を見るのは耐えられないと自ら毒を飲んで自決してしまいました。
こうして敵を一掃したタファンですが、最後まで回復は望めなかったようです。
代わりに政権を握ったのはスンニャン=奇皇后でした。奇皇后は「貢女」を厳しく撤廃させ、高麗の江陵大君(後の恭愍王)を王座につけて、(おそらくは)高麗・元ともに善政を敷くよう精いっぱいの努力をしたはずです。
が、その後はちょうどここでも以前妄想を先走らせてしまったように、元では白蓮教徒による「紅巾の乱」が勃発し、丞相タルタル率いる元軍がこれに敗れた後は「明」の時代がやってきます。その際奇皇后は~ドラマではこの時点であたかもタファンが亡くなったように見えましたけど、史実ではタファンとともに~北に逃れ、そこでアユルシリダラを皇帝に付けたようですが、一応公的には、元の最後の皇帝はタファン=トゴン・テムルとなるようです。
高麗という祖国が衰退したばかりに「貢女」という屈辱的な体験を余儀なくされたスンニャンが、憎むべきヨム・ビョンスの死に際して涙したシーンもとても印象的でした。ビョンスは結局、高麗村の人々になぶり殺されてしまうのですけれど
、スンニャンも指摘していたように、どう見ても極悪非道だったこの男でさえ、亡きヨン尚宮とのことを思えば、平和な時代と国に恵まれさえしたならば、そこそこ穏やかに暮らせたかもしれないと思えたからです
。
ワン・ユとタファン、そして高麗と元という、二人の男性、そして二つの祖国に挟まれて、そのどちらにもなかなか属することができずに悩み苦しんだスンニャン=奇皇后も、最後にはこう語ってドラマの幕を閉じています:
元であれ高麗であれ、どうでもよいことだ。私はただ民を守るために戦い勝利した
おばさん個人としては~このセリフを生かすためにも、もう少しその名もなき民の様子や、他に類を見ないほど個性派ぞろいだった脇役達の人生などもふんだんに盛り込んだ贅沢な時代劇(群像劇)が望ましかったですが、これはこれでとても美しく終わってくれたので、それなりに満足させていただきました
。50話前後の時代劇ではこれぐらいが限界なのでしょうし
。
また最後になりましたが、毎回足しげく通ってくださり、長い&言いたい放題名感想レビューに目を通し、また応援してくださいました皆々様にも心より感謝申し上げます。またいつか、楽しいドラマをご一緒できますよう祈っております
。
まだまだ暑さが続くようです。皆さまもくれぐれもご自愛くださいますように。
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