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無痛~診える眼~
 ミステリー・リーガル・アクション・サスペンス

無痛~診える眼~あらすじと感想 第7話 人間の心と医者のエゴ

西島秀俊さん主演の医療サスペンス、【無痛~診える眼~】は7話もまたなかなか深い内容でしたね。こうなると、白神の過去がますます気になるところです。以下早速ネタバレです無痛~診える眼のあらすじ行きますよ~( `ー´)ノ


まず、前回イバラが大量に服用していた薬はやはり、白神が開発中の無痛治療薬、「ドロール」でした。白神もイバラにこのドロールを普段から服用させていたと認めましたし、イバラ自身は、これを飲むと

「元気が出て強くなれる

と思い込んでいたようです。今回白神は、イバラがこれを大量に服用したのを見た為頼に、治験のためにしばらく服用を止めていたため、その禁断症状が現れたのではないかと説明しましたが、イバラが少なくとも前回飲んでいた理由は、

「悪いところを切除するため=佐田を葬るため

に、大量服用に及んだに違いありません。


その「強くなれる」という感覚はきっと意識を明瞭にする部分の効能なのでしょうが、痛みを感じさせず、かつ意識を明瞭に保つための薬をなぜ、先天性無痛症のイバラに飲ませる必要があったのか、が、どうにも気にかかってなりません。痛みを取り除くドロールは、元々無痛症の人間にとっては逆に痛み(人間らしさ)をもたらしたりするのでしょうか?


この治験によってイバラの感情がどうなろうと「無痛治療」さえ完成させることができれば、白神にとってはさほど大きな問題ではないのかもしれませんよね。白神にとってイバラはあくまでも「実験台」でしかない


今回そのように感じたのは、白神がイバラを利用しているようにしか見えなかったからです


白神は、クリニックから「開腹セット一式」とメスのブレード(刃)が紛失したこと、イバラの右手が腱鞘炎になったことから、イバラが佐田を殺したことに気づきました


最初白神は、何とかこの事実を隠そうとしたのか、イバラを、治療と称して別室に閉じ込めてしまうのですけど、(おそらくは)佐田を運ぶイバラの姿が監視カメラに映っていたため、イバラが容疑者として浮上したことを知ると、あっさり彼を警察に引き渡してしまいます。イバラの本名は「イバラ忠輝」というそうです。


そしてそのイバラにはついに今回「犯因症」が現れました。犯因症を初めて目にしたらしい白神は、それはイバラが佐田を殺したからだと言いましたが、佐田を殺してから犯因症が現れるまでの間、為頼は何度か佐田に直接会っているにもかかわらず、それまで1度も犯因症を認めることができなかったのも不思議ですよね


イバラはその無痛症のせいで、従来は「過剰なエネルギー」を爆発させることは無かったし、佐田を殺したのも、白神同様、「オペ」という正義だと思っていたのが、その白神からひどく否定されたことにショックを受け、ついに犯因症が現れた、ということでしょうか。


イバラが白神に佐田のことを告白した際、それが「報告のようにも思えたことも引っかかります。僕は悪いものを取り除いたオペをしただけだ、と


これは、いつも白神がしていること(通常のオペ)だろうという意味に捉えることもできますが、以前にもやったことがある、と解釈することもできませんか?


そう考えると、自分を対等に扱ってくれた高島の「敵」を倒したように、以前もまた「自分を大切にしてくれる白神」のためにその手を汚したこともある=中区一家殺人事件の犯人はイバラ、とつなげられるような気もするんですが。また妄想のし過ぎでしょうか


そうなると、その白神から捨てられたという絶望や怒りがこの度「犯因症」を露出させた、とイイ感じでつながるんですけどねえ。いかんせん、その場合の白神の動機がまったくもって分かりません


また今回為頼は、患者の久留米が最後まで「無痛治療」を拒否したことから、果たして本当に「無痛治療」は必要なのかを悩み始めたようです。ガンが骨転移して、本来なら耐えられないほどの痛みに苦しんでいるはずの久留米が、苦しい息の中から、

「痛みは私、私は痛みだ

と主張し、痛みを取り除いてはいけないと為頼を諭したことが発端です


その痛みを乗り越えれば回復するという患者ならともかく、痛みの先に待っているのは「死」という終末期の患者にとっては、その「痛みさえも生きている証」だということでしょうか。


その痛みを取り除き、患者を苦しみから救うというのは、もしかしたら、患者の苦しみを見ていられない「医者のエゴ」なのかもしれない、為頼はそんな風に思ったのかもしれません


それにイバラがドロールの実験台になっていたとしたら、白神が力説するようなドロールの効果=精神状態の安定がそれほど良い物とは思えませんし


為頼の妻=倫子(相築あきこ)もまた、診える為頼から「何をしても助からない」と宣告されて、一切の治療を受けなかったそうです。そのせいで、「無駄な治療」の副作用に苦しむことも無く、傍から見れば大変有意義な2年間を過ごしたそうです。何でも好きなことをして、好きな物を食べ、和枝と三人で旅行にも行ったのだとか


が、そんな風に生を全うしたはずにもかかわらず、倫子は亡くなる日の前日に「犯因症」が現れたのだそうです。これを初めて聞いたらしい和枝は、為頼に対して激しい怒りを爆発させました。あの優しい倫子に「殺人の兆候」が現れるはずがない!それは「犯因症」などではない、と。


倫子はホントは泣きたかったんじゃないの?いつも皆に気を使って心配をかけまいとしていたけれど、ずっと我慢してたんじゃないのっ!?夫なのにどうしてわかんないの?


どうしてもっと早く見つけてくれなかったの?どうしてもっと生きさせてくれなかったの!?


和枝もまた、妹を早くに失った悲しみをずっと溜めこんでいたのでしょうね。それが一気に爆発したのを受けて、今度は為頼も怒りを抑えることができません。だったらどうすればよかったんだ!意味の無い治療を受けさせればよかったのか!?どっちみち助からなかったんだ!


倫子も、最後まで自宅にいたい、和枝の妹で、為頼の妻でいたい、自分の意志で終わりにしたい、と語っていたそうですし、それは和枝も百も承知しています。


それでも、そう簡単に割り切れないのが人間ですよね。ちょうど今、同じ久坂部羊さんの「破裂」というドラマを見ているのですけど、そこで仲代達也さん演じる心臓病の患者がこう言っていたことを思い出しました


人間の感情などそう単純なものではない。ある時は、潔く死にたいと思いながら、その次の瞬間には、どんなに惨めたらしくなっても、何かにしがみついてでも生きたいと思う、それが人間の自然な姿だ。周囲がどんなに「辛いだろう」と思っても、それを楽にしてやろう(安楽死)などとは思い上がりも甚だしい。


もしかしたら久坂部さんは、この「無痛」でも同じことを描こうとしているのかもしれません。患者にとって「痛み」とは忌むべきもの、それを取り除くことこそ医師としての使命だ、というのは医者のエゴ(傲慢)であり、人間らしい感情を失ってまで「痛み」を取り除くことなど本末転倒もいいところだ、と


それに加えて、倫子の顔に現れた過剰なエネルギーがもし「犯罪者の兆候」でなかったとしたら、早瀬もまた救われるということでしょうか。そうだと嬉しいのですけれど


一方、サトミもようやく喉の手術を終えて声を出せるようになったようですが、なかなか話すまでには行かないようです。この子の場合、まさに為頼が言ったように、心の傷が癒えるのを待つよりも、多少荒療治になったとしても、その心の傷と向き合うことの方が先決のような気がしますよね


また、気になっていた白神の過去に関しては、「弟」を失ったらしいことが判明しています。その弟の死が全ての謎を解くカギになりそうでござりまするね


無痛~診える眼~もいよいよ終盤ですね。続きもとっても楽しみです無痛~診える眼が面白い(^^)/


無痛 (幻冬舎文庫)
ドラマを見終えたら是非読んでみなくちゃ


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