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わたしを離さないで あらすじと感想 第1話 使命を持って生まれた子ども

カズオ・イシグロ氏原作、【わたしを離さないでNever Let Me Go)】を世界で初めてドラマ化した作品がいよいよスタートいたしました。これはまた実に繊細な映像に仕上がっておりましたねわたしを離さないでのネタバレ行きますよ~( `ー´)ノ


内容が内容だけに、何とも複雑な気分でしたが、閉じられた空間で行われている世にも残酷な出来事と、子どもたちの愛らしさ、そして、日本でありながらやはりどこか英国の香りが漂うかのような映像のコントラストが本当に絶妙で見入ってしまい、1時間があっという間でした。以下、ネタバレのあらすじですわたしを離さないでのあらすじです


ドラマは、ひとりの男性~おそらくは土井友彦((三浦春馬)が手術を受けている様子から始まりました。手術とは言っても彼自身を治療するためではなく、どうやら臓器を取り出しているようです。そこに、何度も「卵子」、しかも「体外受精」される卵子の映像がオーバーラップされています。それがいったい何を意味していたのか、徐々に明らかになっていきます


手術を行っていた医師たちは、その男性のバイタル(生命兆候)が下がってきた事に対して、もう4度目だから(放っておいても)よいだろうと言い捨てました


手術室にはもう一人の男性がいたため、当然そちらはレシピエント(臓器を貰う側)かと思われましたが、意識を失って手術室から運び出されたその男性は、手術室の外で待機していた保科恭子(綾瀬はるか)の手によってある一室へと運ばれ、おそらくは筋弛緩剤の注射を打たれた上、焼却されてしまいます。ということは、臓器提供者は複数いたということでしょうか


その後家路についた恭子は、こみ置き場に捨ててあったまだきれいなCDケースを1枚拾って家の中に入りました。シャワーを浴びた恭子が取り出したのは、1つの古いバスケット。そこには恭子が


「まだ何も知らない子どもだった頃


の思い出が詰められています。煙草の箱、ゴキブリのおもちゃ(?)、CDケース~楽しかったこと、嬉しかったこと、辛かったこと、、悲しかったこと、他人にとっては他愛もない思い出が詰まったその品々の中から、響子は「Songs after Dark」という古いCDを取り出しました。その古いケースを、拾ってきた新しい物と取り替えた恭子ですが、思い出は取り替えることができません。


そこから、時代は20年前に遡ります。恭子(子ども時代: 鈴木梨央~八重の桜でも綾瀬さんの子役)は当時、山の奥に建てられた「陽光学苑」という施設で生活していました。そこには恭子を初めとする「特別な子ども」が入れられており、寄宿生活を送っています。


そこでは一応一般的な教育も施してはおりましたが、どこにでもある「社会」がなく、代わりに「心」という科目がありました。教師はその時間、子どもたちに偏ったモラルを押し付けています。


自分にも1つしかないものを他人に与えることは「優しさ」だ。貰った方はとても喜んで嬉しい気持ちになる


この時点で最初の映像が蘇ります。この世の中で、自分にとってたった1つの物(臓器)を他人に与えることは喜びだ


またここでは、特に美術に力を入れているらしく、美術担当の山崎次郎(甲本雅裕)だけではなく、皆こぞって「絵には魂が表れる」と教えるそうです。これが陰惨で執拗な苛めに繋がっていきます。


恭子の同級生の友彦(子ども時代:中川翼)は、運動は得意だけれど絵が苦手なため、仲間たちから


魂が無い、すかすかだ


と揶揄されるようになったそうです。そして教師も皆それを知りながら無視しています


唯一新しく赴任してきた女性教師の堀江龍子(伊藤歩)だけは、サッカーも絵と同じぐらい素晴らしいと教えますが、これが校長の神川恵美子(麻生祐未)らに知られると、厳しく叱責されてしまいます。山崎が言うには、音楽は反体制の表現に繋がりやすく、体育で身体能力を上げられても困るのだとか。


また神川は朝礼で、タバコを吸った生徒がいると仄めかし、そのようなことでは森に追放せざるを得ないと脅かします。何でも森に行くと内臓を抜かれて木に吊り下げられるという噂があるのだそうです


これが決して単なる「噂」ではないこともまた最初の映像から明かです。以下ネタバレですわたしを離さないではクローンがテーマ


そう、この子どもたちは臓器移植のために作られた人間だったのです。毎週身体検査をしたり血液を調べたりしているらしいのは、健全な臓器を作るためであり、彼らが言うところの情操教育をしているのも、優れた臓器を育てるためだったのです


神川はこれを子供たちに「あなたたちは選ばれた天使だ」と説明しましたが、要はクローンなのでしょうね、きっと


それを知らされる前日、恭子と友彦は、唯一買い物を許された展示会で手に入れたCDをかけて、まさに内から湧き起る喜びに身を任せながら、それはそれは楽しそうに踊っていました。それが、成人した恭子がバスケットにしまっていたCD(Songs after Dark)です。恭子は展示会で、友彦が苛めを受けて無くした箸を買い、友彦は、どうやら中古品らしく、既にCDに「きょうこ」と書かれたCDを買って恭子にプレゼントしたのです子どもたちがまた上手い


これを見て涙ぐんでいた「マダム」(真飛聖)と呼ばれる人物も、事情を知っているのでしょう。寮母らしい女性(山野海~お吉@八重の桜)も、すべて承知しているのでしょうか


昨年末に視聴した「デザイナーベイビー」でも同じことを感じましたが、これは決して絵空事=SFと片付けて良い問題ではありませんよね。人間はどこまでも身勝手な存在ですから、決して止むことのない弱者への苛めはいずれ


「苛めても良い存在を作る」


ことに繋がっていっても何の不思議もありません。その良い例が「従軍慰安婦」です。国のために戦う兵隊を慰めるためなら、女性の感情などお構いなし、という考え方は、今も昔も全く変わっておりません。何せ今は、教師が生徒の反発を恐れて苛めを容認するような情けない時代なのです。


この「わたしを離さないで」という作品もまたそう言った人間の醜さを鋭く浮き彫りにしています。その一方で、本当の優しさや美しさ、そして強さとは何なのか、を考える機会を与えてくれるのだと思います。見ているだけで胸が痛くなりますが、そこはぐっとこらえて、この問題提起を真摯に受け止めたいと思いますわたしを離さないでも見ごたえがあります( `ー´)ノ



良い機会なので原書にトライしてみますか


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(非公開コメント受付不可)

ああ、、これ
こんさま

この小説のドラマ化してるんですね。。。。

心が押しつぶされそうになるお話しですよね。ほんと。。。
こんな話をよく作ったなあと感心しました。

小学生の時に図書館で、

子供が行方不明になっていて椅子にされている
という話

を読んだ時の理不尽な感じ、もとに戻せないやるせなさ

ああ、、なんだか辛いドラマですねえ。
しんどいですが止められません(苦笑
kaoriさん、こんにちは~♪

先ほどペーパーバックが届いたので思わず読みふけっていました(^^ゞ。
実にきれいな英語ですね~。
ストーリーはしんどいけど、文章は本当に美しいです。

上にも書きましたが、先月も似たようなドラマ、
母親が白血病の子供を救うために
「救世主兄弟」と呼ばれる子供を産んだ(designer baby)、
というドラマを見て愕然としました。

もはやこれがSFではない時代に来ているのですよね~。
このドラマも最後まで心して見届けたいと思います( `ー´)ノ。こん
いろいろな日本のドラマが…
こんさま、初めまして。

「デスパレートな妻たち」最終シーズンあたりから、こんさまのブログ拝読しております、とむとむと申します。

特にアメドラ等の一話の中にも複雑怪奇?!に入り組んだ粗筋を、
スパッと解説される こんさまの筆力にしびれておりまする。

「わたしを離さないで」がドラマ化されると知りビックリ…外出で見られなかったので、ブログに助けられました。

「デザイナーベイビー」は思いつきませんでしたが、「ウロボロス」「刑事バレリーノ」あたりはこの原作の、正直パ〇リ?と思っていたくらいです。

映画版は、静かで冷んやりと切なく映像化されていました。キャストもぴったりで。

日本版ドラマ、少し(期待を裏切られないか)怖いようですが見てみます!これからもよろしくお願いしますm(__)m
影響を受けたのですね~(笑
とむとむさん、はじめまして^^

いつもブログをご利用いただいていたとのこと、
この度はお礼を申し上げる機会を頂きまして
ありがとうございましたv-254

そうだったのですね~。
これだけ衝撃的な作品ですから、
少なからず影響を受けてしまったのですね~きっと。

この作品とウロボロス等との違いは、

「最初からその目的のために人間を作る」

ことですよね。それがデザイナーベイビーを彷彿とさせました。

今ちょうど(有言実行で・笑)原作を読み始めたところです。
これは謎解きドラマではなさそうなので。

あくまでも今のところですが、センチメンタルにならぬよう、
淡々としたその語り口はドラマとそう大差ないように思われます。

上のあらすじは子供時代を大幅に割愛したので、
もしお時間があるようでしたら
是非Tver(民放公式テレビポータル)での無料配信を
ご覧になることをお勧めいたしまする(^^)/。こん
No title
(アンダー・ザ・ドームにつづいて失礼いたします)

『わたしを離さないで』は原作を2度読み(文学仲間と読書会の課題にもしました)、映画を観て、お芝居を観たほどはまった作品です。わたしも原書を読めたらきっと読んだことでしょう。

原書を読めるこんさまが羨ましいです。

このどのようにも解釈できる作品をあえてドラマ化されたことは、挑戦だと感じます。
最初の映像美は、作品世界を忠実に再現していると感じます。

原作や映画、舞台からは、臓器移植やクローン人間への是非というより、もっともっと広い普遍性のあること…
たとえば、人間とは、とか、心とは、というようなことを考えた作品でした。

カズオ・イシグロの『文学白熱教室』を見たことがあります。テーマがあって、その枠組みを考えて作品づくりをされるそうです。
この作品は3度も書き直しをされたとか。

これを、純文学ではなくエンターテイメントとしてどのように、わたし達に見せてくれるのか楽しみでなりません。
こちらで、感想を共有できることが嬉しいです。
英語はとても平易ですよ
みつきさん、こちらへもありがとうございます♪

お~やはりこのドラマの完成度も高そうですね( *´艸`)。

原書は~週末からこっち忙しくて進んでませんが(;´∀`)、
かなり平易な文章ですよ。それだけにとても美しいのですが、
多分、字面だけで言えば、中学生の単語の知識で読めます。

続きも待たれるところですねv-254。こん

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こん

海外ドラマが大好きで、最近は日本のドラマも楽しんでいます。タイトルに掲げた韓国ドラマは今ではかなりのマイナー志向です。ミステリーや時代劇・ラブコメに加えて「お堅い社会派ドラマ」も好みです

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