2017/11
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藤原竜也さん主演の「海底の君へ」というドラマを視聴しました。脚本は櫻井剛氏ということでしたが、最後の最後まで、胸が苦しくなるほど辛辣なリアリティをぐいぐい見せつけられた気がしました


このドラマは「いじめ」がテーマでしたが、その「いじめ」とは、苛める側と苛められる側だけの問題ではなく、それを見ていて何もしない傍観者、またこれをいかにも尤もらしく書きたてるマスコミや評論家、その彼らの言うことを鵜呑みにしていかにも独りよがりな正義感で事件の感想を語る無責任な一般人、もちろん自分自身をも含めて、社会生活を営む全ての人間に責任があるのだということを、改めて痛感させられた次第です。


以下簡単なネタバレのあらすじをまとめさせていただきました。拙い文章で大変恐縮ですが、ドラマをご覧になっていない方にもお読みいただき、改めて苛めについて考えるきっかけにしていただければこれほど幸いなことはありません


ドラマは、藤原さん演ずる前原茂雄が、中学時代の同窓会で、皆に自分と一緒に死んでほしいと訴えるシーンから始まりました。茂雄はなんと体中に爆弾を巻きつけていたのです


茂雄は中学時代に、クラスメートから酷い苛めを受けていました。それ以来、ひきこもりとなった茂雄は就職もままならず、その後もずっとアルバイト生活を続けていたそうです。が、そのバイトさえ、時々昔のトラウマによって引き起こされる発作が原因で解雇されてしまいます


当時苛めの先頭に立っていた立花隆之介(忍成修吾)は、今や弁護士になっていたそうで、その立花から同窓会の通知が送られてきました。昔の苛めを思ったらとても出席などできないが、欠席すれば「普通」ではなくなってしまうと迷っていた茂雄に、他の友人が、立花も昔とは違って大人になったから大丈夫と励ましました。


そこで茂雄は勇気を出してその立花に会いに行くのですが、立花は、自分が茂雄を苛めたことすらほとんど記憶にないようです。あれから15年も経ったのに、何言ってんの?と笑い、それでも茂雄が譲らないのを見ると、終いには、おまえ、俺を脅しに来たのか、と言い出す始末なのです。


一方茂雄は、バイト先で万引きをした少年=手塚瞬(市瀬悠也)を庇ったことで、その姉の真帆(成海璃子)と親しくなります。茂雄は自分の経験から、瞬は誰かに脅されて万引きをしたとすぐに気づいたからです。その瞬が、またしても学校でひどい苛めに遭い、ついには飛び降り自殺を図ってしまいました


真帆は苛めた側の責任を問おうとしますが、その相手は顔すら見せず、ただ弁護士を遣わしてきます。その弁護士が立花でした。事情を聴いた茂雄は早速立花に会いに行きますが、立花はまったく悪びれた様子もなく、

苛められた方にも責任があるし、苛めた方にも将来がある。まったくいい加減にしてくれよ

とのたまいます。これを聞いた茂雄は、立花は昔と少しも変わっていない、他人の一生を滅茶滅茶にするほどのひどい行いをしておきながら、それを悪いとも思っていないばかりか、正当化しようとさえしている、と悟ります


昔茂雄は、立花たちに海に突き落とされたこともあったそうです。幸いなことに「体」は海から上がれましたが、その「心」はずっと、海底奥深く沈んだままだったのです。そして茂雄は、このまま「いじめ」を放置しておけば、更なる犠牲者が増えると憂えて、自分だけは何か事を起こさなければならないと決意します。


同窓会、出席するから


そう言って茂雄は爆弾を作り、真帆には、瞬は決して悪くないと言い続けてほしいと言い残して、同窓会に出かけていきました。そこで、やはり昔のことなど覚えていないかのように振る舞う同級生の前で、冒頭の発言をするに至った訳です。自分は苛めてなどいなかったと語った男性には、確かに見ていただけだが、僕にとっては同じことだと言い返しました。


この様子は茂雄によってネットに配信され、多くのやじ馬がこれをはやし立てます。が、ひとりだけ、茂雄の様子がおかしいことに気づいた真帆がこれを見つけて茂雄のもとに駆けつけてきます。


シゲちゃん、そんなことをしちゃダメ!お願いだから私のために生きて!!海底の君へが素晴らしかった


殺人が悪いことなど茂雄は百も承知です。でも、苦しんで苦しんで苦しみぬいた茂雄だからこそ、何かせずにはいられなかったのです。自分一人が死んだところで、誰も耳を貸してくれない。自分を苛めた人間を道連れにすることで、何とかして社会に、世間に、苛められる者の辛さを訴えたい、そう考えたに違いありません


が、自分を理解し愛してくれる真帆のこの言葉で何とか思いとどまった茂雄は、待機していた警官に逮捕されてしまいました。裁判では、情状酌量されたものの、懲役5年の実刑判決を言い渡されたそうです


5年後に茂雄が出所した際は、結婚して妊娠したらしい妹の小絵(水崎綾女)と真帆が迎えに来ていました。茂雄は真帆の手を取って「生きていかないと」とつぶやきます。


一視聴者としては、ここにどうしようもない理不尽さを感じずにはいられませんが、それが社会の現実であることも事実でしょうし、法というものはそういうものなのでしょう。今の時代、これが「爆弾テロ」と認識されたことも大きかったのかもしれません


個人的には、むしろこのドラマは、心ある人間なら必ず抱くだろうその怒りを引き出したかったのではないかと考えました。その上で、法や社会に責任転嫁するのではなく、茂雄はどうすればよかったのか、茂雄があんなことをせずに済むには、我々一人一人が何をすればよかったのか、何をすべきなのか、をこのドラマは問うてきたのではなかったでしょうか。


この世から戦争が無くならないのと同様、子どもの苛めも無くならないなどという理屈は絶対におかしいのだと誰もが同意する社会が1日でも早く実現されることを祈ってやみません我々一人一人の問題です


最後に、藤原竜也さんの渾身の演技は本当に素晴らしかったです。是非、ひとりでも多くの方にこのドラマを見てほしい、と願いながら、レビューを終わらせていただきます。拙い文章を最後までお読みいただきましてありがとうございました


これまでに視聴した日本のドラマ視聴リストはこちらです: 視聴ドラマ一覧~日本のドラマ編

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Comments 2

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うろこ  
はじめまして

こんにちは、いつも拝見させて頂いておりますが、コメントするのはこれが初めてでしょうか?(かなり昔にしたかもしれません;)
このドラマは本当に心が苦しかったです。
日本は特に「いじめは犯罪である」という認識がなさすぎる、と聞いたことがあります。
見てみぬふりをしている人も加担している「加害者」なはずです。
私も小学生のころはいじめにあいましたし、社会人になった現在も「モラルハラスメント」に合っています。
上司に訴えても何もしませんし、周りも見ぬふりどころか「我慢できないお前が悪い」と言う態度です。
この立花と同じこと言いました。
「相手にも言い分がある。君にも悪いところがある。上手くやれない君に問題がある」
と。
いう事はいっしょだな、と思いました。
最後に「理解してくれる人、待ってくれている人」がいるのは救いでした。
彼は一人じゃない、という事に希望を感じました。
多くの方に「考えて欲しい」ドラマだと思いました。

2016/02/24 (Wed) 21:45 | EDIT | REPLY |   
うろこさんへ  
いつもご利用ありがとうございます

うろこさん、こんにちは^^。

いつもブログをご利用いただきましてありがとうございます。
ちょっと休んでいたので公開とお返事が遅れて申し訳ありません。

本当に辛いドラマでしたね~。
でもだからこそ直視すべき作品だと思いました。

苛めはもちろんのこと、社会人のモラハラは
モラハラをする側にその自覚がまったくない事が問題ですよね。

だからこそ、自分もまた加害者かも知れないという目で
あらためていじめの問題を見直さなければなりませんね。こん

2016/02/26 (Fri) 09:26 | EDIT | REPLY |   

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