2018/08
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どこにもない国 前編 あらすじと感想 一人の信念が皆を動かした

NHKの特集ドラマ、【どこにもない国】の前編を視聴しました


第二次世界大戦後、ナチスからユダヤ人を救った外交官、杉原千畝氏や、軍人の樋口季一郎氏の話はよく耳にしますが、彼自身、劇中でも盛んに口にしていたcivilian(シビリアン)=一民間人の丸山邦雄氏が、当時のソ連や中国共産党の脅威から150万もの同胞を救ったという話はこのドラマに接して初めて知りました。


志を果たす過程においては、同志からでさえ「学者の甘い考え」と批判されながら、最後までその信念を捨てなかった丸山氏の情熱を内野聖陽さんが見事に演じきっておられます。丸山氏の妻で日系二世のメアリーこと万里子さんも本当に素晴らしい女性で、木村佳乃さんの熱演も光りました


久しぶりの本格的な社会派ドラマに今週末の後編が今から楽しみでなりません。以下、もし前編を見逃した方にも後編を楽しんでいただけるように簡単なネタバレのあらすじをまとめさせていただきましたどこにもない国は実に見応えのあるドラマですよ~(^^)/


アメリカの大学に留学経験のある丸山は、妻のメアリーと子どもたちとともに満州に渡り、満州製鉄で働いていました。が、終戦と同時に進駐してきたソ連軍に帰国を阻まれてしまいます。当時は日本との連絡すら取れなかったそうで、それは丸山だけではなく、満州在住の日本人皆が同様だったのだそうです。


駅前を歩いていた丸山は、ソ連兵によって日本人の夫婦~夫は虐殺され、妻は強姦されそうになったために持ち歩いていた青酸カリを飲んで自害するという光景を目にしました。体の弱い子供たちは次々と死んでいき、道端に掘られた穴にどんどん投げ込まれていきます。


丸山は、なんとしてもこの罪のない人々を救わねばならぬという義憤にかられました内野聖陽さんがまたピッタリ♪


それにはまずこの満州の現状を日本政府とGHQに知らせることが先決だと考えた丸山は、満州製鉄の理事長、岸本綾夫(片岡鶴太郎)に面会を求めます。その頃岸本は、元陸軍大将だった経歴が仇となり、「スパイ容疑」で監禁されていましたが、その岸本に命じられてソ連将校の通訳をしていた丸山は、何とか彼に頼み込んで面会を許してもらいました。


黙って丸山の話を聞いていた岸本は、かつての教え子で今は満州で建設会社の社長をしているという新甫八朗(原田泰造)を紹介してくれます。


丸山が早速新甫に会いに行くと、新甫は、自分の会社に押し寄せて強奪を試みていた中国人に誠意溢れる説明をしていました。これまでの日本人の略奪を考えれば、皆の気持ちはよく分かる。が、ここには皆の同胞も働いている。彼らを傷つけないでほしい


さすがは岸本が紹介してくれただけのことはある、そう確信した丸山はすぐ新甫に近づき、その目的を明かしました。満州を抜け出して日本へ行き、この窮状を訴えたい。誰かが日本を動かさなければならない!


朝鮮戦争を経験し、もう少しでシベリアの強制収容所へ送られそうになったところを必死で逃げ出したという丸山は、そんな岸本の考えを甘いと批判します


人間は死を目の前にすると、死ぬことを怖れずに生きることを怖れる。戦う気力を無くして諦める。あなたには無理な仕事だ


が、岸本はまったく動じませんでした。


私も死ぬのは怖い。が、ここには家族がいて、飢えと病と暴力に怯える無数の同胞たちがいる。彼らを救えるのはもはや武力ではない。人間の信念だけだ。その信念だけが諦めと戦う武器となる。


どうか力を貸してほしいと頭を下げた岸本に、丸山は気前よく大金を渡してくれました。彼もまた、岸本と同じことを考えていたようです。あんたがこなければ、俺一人でもやろうと思っていた


丸山は中国語の堪能な武蔵正道(満島真之介)も仲間に誘い、互いの決意を語り合いました。その時丸山が言った言葉が「どこにもない国」です。満州なんて国はもうどこにもない。


すると岸本は「どこにもない国」はギリシャ語で「ユートピア」だと説明しました。我々が普段使っているユートピアの意味は「理想郷」であり、おそらくは、終戦前の満州も(日本人にとっては)その意味でそう呼ばれていたに違いありません。


本来の意味を知った丸山は、今や満州がユートピア=どこにもないというのは皮肉なものだと答えると、岸本は、ユートピアというのは実際に存在するのではなく、人間の心の中にあるのだと続けました。我々の信念や理想がユートピアを作り出す、どこにもない国こそ、我々自身が最も試されている国なのだ、我々の心が創り出す国なのだ、と


こうして心を一つにした3人は早速、中国国民党軍に接触することにしました。当時力をふるっていた共産党軍はロシアと結託していたため、これに敵対している国民党軍ならアメリカと繋がるはずだと岸本は考えたのです。


その頃、その共産党軍に、岸本が逮捕されてしまいました。このままでは戦犯として銃殺刑に処せられると憂えた丸山たちは、新甫の金を持って助命嘆願に向かいますが、その願い虚しく、岸本は殺されてしまったそうです。同胞を救え、そう彼の悲願を託して君たちならきっとできる!


3人は決意を新たにし、武蔵のつてを使って国民党軍の地下司令部幹部に会いに行きました。彼らのうちの1人は日本人であり、もう1人の参謀長は以前日本人に命を救われたことがあるそうで、比較的すんなり協力を申し出てくれます


ただし、国民党軍も決して一枚岩ではない。心して行動するように


出入国の許可証を手に入れた丸山たちは、一旦別れを告げに家族のもとへ帰りました。国民党軍の将校は、家族の許可証も発行してくれると言ってくれましたが、丸山たちはこれを断ったのです。家族もまた150万の同胞だから~彼ら全員を救うことが我々の使命だから


丸山は、メアリーと4人の子どもたちを、大連にいる神父レイモンド・レイン司教の教会に匿ってもらうことにし、新甫の妻、マツ(蓮佛美沙子)もともに行くよう勧めました。メアリーは丸山に自分の十字架を渡し、神の加護を祈ります。これが後に丸山の命を救うことになります


気丈なメアリーは、夫の無事を案じながらも、彼を信じて子どもたちと生きる決意を固めていましたが、マツは、夫がそんな大義のために家族を置いて行くことが不安でならないようでした。そんなマツにメアリーは、夫たちにもしものことがあったら、一緒に生きていこうと励まします。


こうしてついに命懸けの逃避行が始まりました日本語は決して使うな!。決して日本人だと知られてはならぬと言われ、鼻をかむのもハンカチを使うなと命じられていたのに、丸山が便所を探したことで正体が明らかになってしまった時はハラハラさせられました。その辺ですればよかったんだよ!には参りました


が、丸山は、地下司令部の劉参謀長から発行してもらった許可証を見せ、自分はその密命で日本に行く身だと大芝居を打ってみせます。国民党軍がこれにころりと騙されてくれたのは幸いでございましたね。このお方は劉参謀長の諜報員だ。丁重にお送りしろ!


これで勇気を得た丸山は、日本に行く前に、秦皇島にあるアメリカ軍の司令部に乗り込もうと言い出しました。たとえ日本に行けたとしてもアメリカの協力が不可欠だ。ここでもう一押ししていこう!大丈夫、私に任せてくれ


留学経験のある丸山は、その流ちょうな英語とアメリカ式のマナーでアメリカ軍を説得できると考えていたようですが、そう簡単に問屋はおろしてくれませんでした。丸山たちは即、「スパイ」容疑で捕まってしまいます


これで明日には銃殺だ!いったいどうしてくれる?ここまでうまくやってこれたのは、俺の金と武蔵の人脈があったからだ。あんたのユートピア主義など何の役にもたってはいない!!


新甫の非難を甘んじて受け入れながらも、それでも丸山は諦めないと答えました。間違っているのはアメリカ軍だ。


翌朝、ひとりの日本人がやってきて、彼らの処刑を告げました。山本と名乗ったその男は、彼らが共産主義者かどうか確認するよう命じられたのだそうです。


丸山は必死でこれを否定し、満州の同胞を日本に帰すのが目的だと訴えますが、山下はこれを途方もない考えだと決めつけ、もし本当なら証拠を示すよう命じました。


そこで丸山を救ったのがメアリーの十字架です。山下もまたクリスチャンらしく、丸山の持っていた十字架に目を止めてくれたのです。


これは妻から貰った。妻は今、大連のカトリック教会にいる~と説明した丸山は、そのレイモンド・レイン司教こそ自分達を救ってくれるに違いないと思いあたりました。司教はその教会に多くの日本人を受け入れて面倒を見てくれていたのです。


司教が我々の保証人です!神父に聞いてください!


山下は早速、軍に駐留していた神父を呼んできました。丸山はレイン神父からの手紙を見せて、自分達の目的を訴えます。丸山はレイン神父にマッカーサー宛の陳情書を書いてもらってきたのだそうです


ポツダム宣言の第9条を遵守してほしい。アメリカ軍はすみやかに満州にいる日本人をすべて解放すべきだ!!それが法に基づく日本人の権利だ!


神父は丸山の言い分を信じ、彼らは処刑を免れた上、アメリカ海軍の輸送艦に乗り込み、日本に向かったそうです


「しかし、帰国した日本も、今は『どこにもない国』であった」


ドラマの前編は、どうやら丸山の息子を演じるらしい柴田恭兵さんのナレーションでこう締めくくられました。


一方、番組冒頭では、丸山たちの家族の乗った引き上げ船が無事、日本に寄港するシーンが映し出されています。でもそこに丸山たちの姿はありませんでした。果たして丸山たちはいかにして日本を動かし、同胞を救うに至ったのか。そして彼ら自身は無事、帰国することができたのでしょうか。


どこにもない国」の後編は明日の土曜、夜9時から、NHK総合での放送です。見るのが待ち遠しいですね



満州 奇跡の脱出―170万同胞を救出すべく立ち上がった3人の男たち (NHK特集ドラマ「どこにもない国」原案本

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コメント 2件

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柴田恭兵のファン  
ドラマの原作本

原作は『満州奇跡の脱出』という主人公の息子さんが書いた本ですよ。前編を見た後に読みましたが、ドラマ以上に劇的で感動しました。

2018/03/31 (Sat) 07:17 | 編集 | 返信 |   
柴田恭兵さんのファンさんへ  
ご利用ありがとうございます

こんにちは♪
この度はブログをご利用いただきましてありがとうございました^^。

本当に素晴らしい業績を残されたことに感動しきりですね。
後編を見るのが楽しみです(^^)/。こん

2018/04/01 (Sun) 16:33 | 編集 | 返信 |   

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