ダメージ5 あらすじ 第9話 寝返った男
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グレン・クローズ主演のリーガルサスペンスドラマ・【ダメージ5 Damages S5】の9話は「寝返った男」です。英語の「I Like Your Chair」は、パティのオフィスに来てパティの椅子に座ったエレンのセリフですわね。もうじき私がこの椅子に座るの~法曹界であなたにとって代わるわ、という挑戦状でございましょうか。
以下早速ネタバレです。
このたび、ナオミ・ウォリングの個人メールをリークしたのは、ラトガー・サイモンだったことが判明しました。このラトガーを突き動かしていた原動力は常に「コンプレックス」だということを考えると、これは実に納得の展開でしたね。経緯(あらすじ)は以下の通りです:
まずラトガーは、2011年、チャニングが初めてナオミと接触したローマで、チャニングとナオミが男女関係を結んでいたことを知っていました。ナオミが「情報源」だと知ったラトガーは、チャニングを激しく罵ります。
情報源と寝るなんて正気か!(それでもジャーナリストのはしくれか!)
チャニングはもう二度としないと謝りますが、腹を立てたラトガーは、ナオミとともにローマに来ていたヘレショフに連絡を取り、ファンド23のインサイダー取引の情報が入ったと密告しました。
ラトガーはヘレショフに、リークはもう止められないが、時間稼ぎならできる、その間に先手を打っておけばよいと忠告し、今自分はチャニングを排除しようと考えているが、その後も組織に援助をしてほしいと要求したのだとか。
その「排除」のために仕組んだのが、ナオミの個人メールの流出です。これまで「情報源」を守るというのがマクラーレン・トゥルースの信条だったから、今回その名前が流出すれば、チャニングの名声は地に落ちるというのです。
でも実際にその個人メールをハッキングしたのは、チャニングだったようです。モントクレアホテルで嫌がるナオミに無理矢理関係を迫ったことを気にしたチャニングは、ナオミが警察に通報することを怖れ、万が一の時のために、ナオミの弱みを握ろうとしたようです。
それもまたラトガーが全て知っていました。ラトガーは、チャニングが盗み出したメールのコピーを、ファンド23の情報とともにアップロードしたようです。
またヘレショフは、ローマでラトガーから内部告発者の名前を聞き出しています。それが愛人のナオミだったと知ったヘレショフは、その後も何食わぬ顔でナオミに接していたその裏で、ナオミの調査を命じていたのですね~。
となると、トーベンにマクラーレン・トゥルースへの援助をさせたのはヘレショフだと考えるのが一番自然だと思われますが、それをラトガーが知らなかったというのは不自然ではありませんか?あ~知らなかったのは「インサイダー取引」のことだけでしょうか。
またラトガーは、これらの事実を~ただし自分の都合のいいように捻じ曲げて~パティにも打ち明けることになります。おそらくは、ギッタの密告によってラトガーとチャニングの間にある溝に気づいたパティは、ラトガーに対する証言録取を利用してその点を巧妙に突いてきたのです:
マクラーレン・トゥルースの大口の資金提供者であるヘルムト・トーベンは、25年前、ベネット・ヘレショフのヘッジファンドに資金提供をしていた。ウォールストリートジャーナルにも掲載されたこの事実を知らなかったのでは、無能としか言いようがない。
チャニングはこれで、ラトガーがトーベンとヘレショフの関係を知っていたに違いないと確信し、ラトガーを解雇すると言い放ちました。マクラーレン・トゥルースがここまでに成長したのはひとえに自分の尽力の賜物だと自負しているラトガーは、そんなチャニングを鼻でせせら笑いますが、
「マクラーレン・トゥルースのリーダーはチャニング・マクラーレンだ」
と豪語されると、何も言い返すことができません。俺がいなけりゃお前には何の価値もない。マクラーレン・トゥルースは俺の会社だ。
ついにふたりは決裂し、怒ったラトガーはパティのもとへやってきたという訳です。
でもそこでラトガーは、ナオミの個人情報をリークしたのは、あくまでもチャニングだと偽り、ヘレショフとのやり取り等は一切伏せていたようです。それどころかラトガーは、ヘレショフに申し出たのとそっくり同じ要求をパティにも突き付けてきます。チャニングを排除してからも組織は続けていきたい~そのための資金援助が欲しい、と。
これにパティはどう応じるつもりでしょうか。パティはずっと、チャニング本人というより「マクラーレン・トゥルース」という組織自体、ラトガーが信じているという
「組織の大義」(I believe deeply in our cause)
そのものを叩きつぶそうと考えていたと思われるんですけれど。
証言録取中のパティの言動から、エレンは早速トーベンに接触したようですが、これまた大きな見込み違いだったようです。
今回の訴訟に限って言えば、圧倒的にパティが有利と思われるものの、肝心の、ナオミを殺した犯人はまだ分かりません。今回の流れからすると、やはりヘレショフが一番怪しい気がしますが。(今さらパティってこたないわよね)
一方のエレンですが、今回エレンはクーパーを使って、5年前に自分を殺そうとしたパトリック・スカリーの居場所を突き止めました。スカリーはスカリーで、ピートの妻ステファニアからパティの連絡先を聞いてパティと接触し、再びエレンを始末しようと狙っていたようです。
今回は、事務所のあるビルの屋上にいたエレンを、このスカリーが突き落とすのか~という思わせぶりシーンが2度ほどありましたが、それは未然に防がれたようです。そしてスカリーはついにエレンに、エレン殺害を依頼したのはパティ・ヒューズだと打ち明けてしまったようです。エレンがあの血だらけの名刺を見せて、ここからスカリーのDNAが出たと脅したからです。
これを聞いたエレンが満を持してパティの事務所に乗り込んできて、その椅子に得々として座っていたところで出たのが副題となった台詞でした~I Like Your Chair。
ふふん、今に見てなさい、あなたの悪事はこの私が全て暴露してみせるわ。この居心地の良い椅子も全ては私の物になる。
(事務所をのっとうろとしているのではなく、あくまでも比喩でやんすよ~念のため)
そんなエレンに、またしても5年前のことを持ち出し、あなたの気持ちも分からなくはないなどと言い訳したパティが、エレンの目にはどんなに間抜けに映っていたことか。
でも~これは1週間後のシーンで、警察で取り調べを受けていたらしいパティに、オルティス刑事が何事かを囁くと、パティはひどく慌てていた姿が映し出されています。あれは、
エレンが遺体で発見された
とでも言ったのでしょうかね?パティは本当に、スカリーに再びエレンを殺すよう命じたのでしょうか?!
そのエレンが、封建的かつ暴力的な父=ゲイリー(Gordon Clapp)から母のデニースを守っているらしいのが、いかにもまたこのドラマらしい対比でしたね。パティもきっと、今回エレンがゲイリーに銃を突き付けて部屋から追い出したように、ああして母を父親のライルから守ったことがあるのだろうな~とついつい妄想を逞しくしてしまいました。
ダメージ5、否、ダメージ(Damages)は、いよいよ来週が正真正銘の最終回です。