どこにもない国 後編 あらすじと感想 どこまでも名も無き一市民として

NHKの特集ドラマ、【どこにもない国】もようやく後編を視聴しました。以下ネタバレのあらすじです。


山口県の仙崎という地に辿り着いた丸山たち3人は、この到着を嗅ぎつけてやってきた新聞記者の誘いを受けて記者会見を開くことにしました。記者たちは丸山たちの帰国に注目していましたが、丸山たちはこれは単なる帰国ではなく、残された150万の同胞を救うための一時帰国だと訴えます。


それでも翌日の新聞にとりあげられたのはほんの小さな、しかも彼らの帰国を告げる記事ばかりでした。丸山が必死に訴えた現地の実情などにはまったく触れられていません。


最初に声をかけてきた記者にその訳を問いただすと、彼はGHQからの圧力だ、と答えました。現在日本を統治しているのはアメリカ軍だがGHQは連合国軍最高司令部であり、その連合国にはソ連も含まれている、ソ連は満州のことを隠したがっているのだというのです


そこで丸山たちはとりあえず日本の政治家に会いに行くことにしました。が、面会した内閣書記官長の楢橋渉は、引揚を決める権限はないと言い切ります。もはや目指すところは本丸~GHQしかありません


そこで引揚を担当する課に案内された丸山たちは、満州で唯一国民党軍が支配している港=コロ島になら引き上げ船を出せると主張しました。が、このコロ島が、島という名のついた小さな港だったことから誤解が生じてエラク時間がかかってしまいましす。しかも中国語読みではフルタオと読むのだそうです。


ようやくこの港が確認されたものの、その後が遅々として進みません。業を煮やした丸山は、かつて面識のあった当時の外務大臣、吉田茂(萩原健一)を訪ねることにしました。吉田は、今や民間外交の時代だから、政治家ではなく君たち自身でGHQを動かせと激励します。佐藤栄作に言って君たちが日本中を飛び回れるようにしてやろう。


こうして丸山たちは日本全国を飛び回りながら、満州の現状を訴えました。丸山たちの行く先々には、満州に家族や友人のいる日本人が詰めかけてその安否を尋ねますが、彼らに応えることはできません。惨状を訴えれば訴えるほど、彼らの不安は高まるばかりだというのに


そんなある日のこと、丸山たちがGHQに担当将校を訪ねたところ、彼は不在だと言って日系二世の軍人が現れました。ケリー・タチバナ(山田純大)と名乗った彼は、かつて丸山のアメリカでの噂を耳にしたことがあるのだそうです。丸山は当時も排日移民法に異を唱えていたのだそうです。


このタチバナの尽力で、丸山たちはついにマッカーサー元帥への面会が許されました。マッカーサーは丸山の言葉に真摯に耳を傾け、前向きな検討を約束してくれます。そしてその言葉は間もなく叶えられました


一方の満州では、丸山と新甫の家族もまた他の皆同様苦労に苦労を重ねていました。特に新甫の家族は、新甫が同胞を置き去りにして逃げたと噂された上、子どもたちが腹を立てて真実を口にしたため、中国当局から目を付けられてしまいます。これを庇ったメアリーも疑われてしまいました。


幸いメアリーは、中国語の話せるシスターが教会関係者だと説明してくれたため事なきを得ましたが、情勢は日に日に悪化するばかりです。切羽詰まったマツは、子どもたちを中国人に売ろうとまで考えたそうです。そうすれば何とか生きていくことだけはできるから。


そんな中、ある時ラジオから皆の協力を呼び掛ける丸山の声が流れてたそうです。夫の無事とその精力的な活動を知ったメアリーはどんなにか心強かったことでしょう


レイン神父は、アメリカ国籍を持つメアリー一家をアメリカに避難させようとしましたが、メアリーは、アメリカはもはや祖国ではないと言って頑なにこれを拒みました。私は夫を信じています。必ずや皆を救ってくれるものと


その祈りは天に通じ、ついに引揚船が派遣されることになりました。


これに伴い、引揚者を支援するため、武蔵がひとりで満州に戻っていきます。中国語の話せない丸山や新甫では役に立たないという理由ももちろんあったことでしょうが、武蔵はきっと丸山たちには日本で家族を待たせたかったに違いありません。


満州に戻った武蔵はすぐにスパイ容疑で拘束され、激しい拷問を受けることになりました。それでも何とか九死に一生を得て帰国できた時は本当に嬉しかったですね。久しぶりにふたりに再会した武蔵が、自分の事よりも丸山たちの家族を心配したのにはもらい泣きしてしまいました


そしてその頃ようやく大連からの引揚が本格的に始動し始めたのだそう。総理となった吉田茂も、マッカーサー宛に書簡を送ってくれたそうです。


こうしてついに丸山と新甫の家族も日本に戻ってきました。家族との熱い抱擁を終えた丸山が笑ってDDT(殺虫剤)を勧めたシーンがまた微笑ましかったですね。


本来なら、150万の同胞を救ったヒーローとその家族として特別待遇されてもよいだろうに、丸山とメアリーはあくまでも強い信仰と信念を持った一市民として、驕ること無く己の使命を全うしたのです。ナレーションでは、丸山はこの引き上げに関してはこの後も一切語らなかったそうです。


何とも素晴らしい先達がいらしたものです。心から感動いたしました。原作も是非読ませていただきたいです。



満州 奇跡の脱出―170万同胞を救出すべく立ち上がった3人の男たち (NHK特集ドラマ「どこにもない国」原案本

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