僕らは奇跡でできている あらすじと感想 第1話 目から鱗が期待できそう
高橋一生さん主演のドラマ、【僕らは奇跡でできている】を見てみました。
高橋一生さんが演じる動物好きと聞いてだいたい予想はしていましたが、予想以上の変人でしたね、主人公。おばさんは変わり者は嫌いじゃないし、動物目線でズバリ切り込んでくる人間観察には大いにうならされました。ほぉ~そうなのか、と毎回何かしら新しい発見がありそうで楽しみです。
以下簡単なネタバレのあらすじと感想です。
主人公の相河一輝(高橋一生~ケヴィン吹替え@This is us~36歳これから)は、都市文化大学で動物の行動を研究する「動物行動学」を教えています。
一輝は小さい頃から生き物が大好きで、没頭すると他のことはなにも目に入らなくなる少年でした。当時から一輝には両親がいなかったようで、面倒を見ていたのは祖父の相河義高(田中泯~ファリア真海@モンテ・クリスト伯)のようでしたね。今でも大切に持っているブリキの箱は相当古びていましたから、この頃の思い出(宝物)が入っているに違いありません。
義高は山の中で陶芸をしているらしく、焼きあがった茶碗を一輝が割っても決して叱らず、その割れた茶碗の使い道を考えるよう諭すような大人でした。
一輝はそんな祖父のおかげで、自分を失うことなくマイペースな青年へと成長したようです。ちなみにその割れた茶碗は、今でも亀の水槽に飾られていました。亀が小さい時は中に隠れたりしたんかな。
一輝が15歳の頃、家政婦の山田妙子(戸田恵子~桜庭恵子@5→9~私に恋したお坊さん)が家にやってきたそうです。妙子はそれ以来ずっと住み込みで一輝の面倒を見てきたらしく、一輝が35歳になった今でも、家のことは一切この妙子が取り仕切ってくれていました。
マイペースといえば聞こえはいいけど、実際には「オタク気質」な一輝と暮らすのはかなり大変でしょうが、その辺は割り切ってうまく一輝に合わせてくれる、ちと口うるさいけれど、賢くて愛情たっぷりな女性のようです。
ドラマでは、そんな一輝の日常~大学の講義と動物や学生たちとの触れ合い、そして歯科医の水本育実(榮倉奈々~近江佳代@この世界の片隅に)とのやり取りが描かれていきます。一輝はかなり前から虫歯だったらしいのに「なんでも先送りする性格」のために抜歯しなければならなくなったのだそうです。
その歯医者に行くのも一苦労でした。何せ、予約をしても、他に気になることがあるとすぐに忘れてしまうからです。
共通の知人である大学教授の鮫島瞬(小林薫~飯島亮介@ハゲタカ)の紹介ということもあり、最初は我慢していた育実も次第に我慢できなくなります。
育美のクリニックは父が譲ってくれたものだそうで、育実としては、利益よりも地元や患者に貢献したいという高い志から、結構無理をしていたようなのです。その上BFとうまく行っていなかったため、精神状態も相当不安定でした。
何度か予約の時間をすっぽかしてしまった一輝は、今度こそは遅れぬようにと予約の1時間以上前からクリニックへ赴きました。それはそれでちっとも悪くない、むしろ感心な行動だとおばさんには思えましたが、育実はそんな一輝を思い切り怒鳴りつけてしまいます。
どうしてそんなに非常識なの!?今はお昼休みなのにっ!!
早く診てほしいと言った訳でもなく、ただ黙って待合室にいただけなのに、あの怒りようはないですよね。この何でも自分が正しいと信じている人を見ると、昔の自分を見ているようで()ハラハラさせられてしまいます。
一輝はそんな育実に驚き、そそくさと逃げ出してしまいました。育実はさすがに大人げないと思ったのか、一輝を追いかけて謝罪します。
また一輝は、このクリニックでやはり動物好きで一風変わった男の子=宮本虹一(川口和空)と出会っています。虹一がイソップ物語の「うさぎと亀」の絵を描いていたことで親しくなったふたりは、共通の疑問を抱きました。
亀はどうして寝ていたうさぎに声を掛けなかったのか?
一輝はこれを大学の授業でも学生たちに問いかけています。学生たちは皆ポカーンとしていましたね。
一輝の出した結論は虹一が達した結論と同じでした。亀は寝ているうさぎに気づかなかったのだそうです。
通説では、亀は努力家で休むことなく歩き続けたから競争に勝てたが、うさぎは途中で怠けてしまったから負けた、とされていますが、一輝たちの見解はそうではありませんでした。
亀はただひたすら歩くことが好きなのだそうです。亀はあの低い姿勢から空を見上げることが楽しくてならず、その結果として前に進んでいるだけなのだそう。
それに引き換え、うさぎは常に誰かに勝とうとしているそうです。うさぎは亀を見下すために走った。自分はすごいと証明するために。
「頑張っている自分にご褒美」をあげるタイプの育実はこの言葉に愕然とします。育実は、自分はコツコツ努力型の亀タイプだと語ったのに、一輝からうさぎだと指摘されたのです。
育実が恋人の鳥飼(和田琢磨)とうまく行かないのもこうした性格が災いしていたようですよね。育実は歯科医である一方クリニックを経営する実業家でもある訳で、サラリーマンの鳥飼よりずっと収入があることを隠しもせず、自分で高価なペンダントを買い、高級レストランでバンバン高いものを注文します。
あ~久しぶりに美味しいもの食べた。
鳥飼は、いつもは安くてまずいもので悪かったね、と僻むしかありません。
違う業界、違う立場で働いているのですから、せめてデートの時ぐらい共通の話題で盛り上がれないものですかね。歯科衛生士の丹沢あかり(トリンドル玲奈~山田・ビルケンシュトック・京子@ごめんね青春!)のように相手に媚びる必要はないだろうけど、もうちょっと気づかいがあっても良さそうです。そもそも育実は鳥飼のどこが好きになったのかしらね?
それ以外では、一輝と学生たちの交流にも変化が出てきそうです。学生たちは一輝の授業などほとんど聞いていませんでしたが、一輝が他の講師とは違って思いもよらないような質問をぶつけてくるため、調子が狂っちゃうようなのです。上のうさぎと亀も然りですが、シマウマの縞模様についての考察もなかなか楽しかったですね。
これまで学校では全てに「正解」を求められてきた子どもたちが、動物の世界に正解はないというスタンスの一輝に少しずつ惹かれていく様子もまた好ましいです。本来であれば、あのような授業こそ、みずみずしい心を持つ小中学生にしてあげてほしいですが。
その代表が多分虹一なのでしょう。虹一の母、涼子(松本若菜)は虹一の個性を受け入れられず、かなり苦しんでいたようです。この親子にも転機が訪れるとよいのですが。
最近はよく空を見上げて鳥の気持ちになってみたいとは思っていたけど、地面に這いつくばって亀の気持ちになろうとは思いもよりませんでした。きっと一輝は毎回そんな目からうろこの価値観を与えてくれるに違いないと大いに期待しておりまする。
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