琅琊榜1 あらすじと感想 第43話 翻る叛旗
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【琅琊榜~麒麟の才子、風雲起こす】の43話は「翻る叛旗」です。実は既に44話も見ちゃったのですが、久々に長くなりそうなので1話ずつまとめまするね
。以下早速ネタバレです
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九安山 その1
静妃との再会
梅長蘇の脈を取った静妃は、とても信じられないという顔をして目に涙をにじませました。その痛いほどの視線を感じた梅長蘇は目を合わすことなく己の腕を引っ込めます
。静妃は動揺のあまり己を律することができず、涙を抑えながら席を立ちました。梅長蘇は頷いてじっと一点を見つめたままです
。
いくら鈍チンの靖王でも、これに気づかぬはずはありません。後ろを向いたまましゃくりあげている母に、どうしたことかと駆け寄りました
。静妃は、大丈夫だと語りながら、陛下に挨拶をして来いと言って靖王を追い出そうとします
。さすがの靖王も、自分が邪魔なのだと察しました。私に出て行けと?
幕舎を出ても、尚釈然としませんが、母思いの靖王は取って返すことができません。
幕舎では、静妃がまだ声を殺して泣きじゃくっていました。それでようやく梅長蘇が静妃に目をやります。
娘娘、泣かないで。泣いてどうなります?
静妃も、泣くつもりはなかったが、悲しみが堰を切ったように襲ってきたのだと答えました。ご両親が今の姿を見たらなんというか? 梅長蘇の顔を見て、いかにも恨めしそうにそう言いながらかぶりを振ります。梅長蘇は立ち上がって静妃の側に座りました。
静おば上。私なら元気です。常人よりもいくらか病弱なだけです。
静妃は「火寒の毒」は天下一の奇毒だと語り始めました。この毒を抜くためには皮をはぎ、骨を削らねばならぬのだそうです。つまり梅長蘇はその施術を受けたということなのですね。梅長蘇は静妃を安心させようとして、元々が頑丈だから大丈夫だと言われたと説明しますが、元医女の静妃を騙すことはできません。想像を絶する苦痛を味わったはずよ
。
昔の面影はどこへ行ったのかと嘆く静妃に梅長蘇は、たとえ面影は消えても、自分は林家の息子である、必ず汚名は注いでみせると語りました。
ダメよ、何もしないで。養生しなさい。都のことは私が何とかするわ!
梅長蘇は、せっかくここまで来たのだからそうはいかない、と固辞します。
静おば上、私のためを思うなら、景琰には内密に願いたい!あともう少しなのです。私のことなら大丈夫。自分の身は守れるから。静おば上、約束してください!!
靖王は外でジリジリしながら待っていました。でも、口では梅長蘇や静妃には敵いません
。梅長蘇は、これがいかにも静妃の過去に関する秘め事だとでもいうように説明し、静妃は、梅長蘇と同じ脈を診たことがあるため詳細が聞きたかったのだと胡麻化します
。
梅長蘇が静妃に会ったと聞いた蒙摯が心配して飛んできました。どうだった?小殊?
梅長蘇は、あれほど動揺するとは思わなかった、会わなければよかったと後悔しきりです。靖王もさすがに疑問を抱いた、と憂えます。蒙摯は、もう正体を明かせば良いのではないか、と念押ししますが、梅長蘇の一睨みで黙らされました。
都 その1
誉王の計画
誉王は皇后に会いに行き、「謀反」に協力してほしいと頼みました。皇后は仰天し、双珠とは言え親王である誉王がなぜ謀反を起こす必要があるのか、とわめきます。命が危ないのは夏江ではないか?!
誉王は実母のことは言わず、もはやこのままでは勝てない、と説得しました。梁帝に時間があればまだしも、いつ死ぬか分からない老齢の今、もし何かあったら遺詔は静妃と靖王に渡ってしまうというのです。蒙摯も朝廷も皆靖王側で、紀王や他の皇子も靖王を推すだろう。
しかも誉王は、宸妃の自害には皇后にも責任がある、と脅します。つまりは皇后が宸妃に自害を迫ったのでしょうか?それともないことないこと梁帝に吹き込んだのか??そのことは静妃も承知しているそうです。
奸臣を排除するだけです!君主を殺めたりは致しませぬ!!
誉王は、自分が禁軍を掌握し、靖王が管理している巡防営の任務を禁軍に移せば、外界との連絡を絶つことができると豪語しました。そうすれば、蒙摯の部下たちも九安山へ向かうことができなくなります。
この計画は必ず成功すると言い含められた皇后は、誉王の言うまま命令を出しました。それにより、皇宮と金陵の城門は禁軍が守ることになります。また誉王は、太監事案のあと配置されたらしい禁軍の副統領2名と、都督の徐安謨(じょ・あんぼ)を味方に付けました
。皇太子の従弟だという徐安謨はかつて敵前で逃亡し、靖王に軍法で処罰されたことがある俗物だったらしいです。が、その彼が率いる慶歴軍は5万の大軍なのだとか
。
九安山 その2
つかの間の平穏
梅長蘇の幕舎には庭生と言豫津が来ていて、梅長蘇と3人で書を読んだり習字をしたりと静かな時を過ごしていました。豫津は退屈で頭が床にくっつきそうになっていたところに、梅長蘇が檄を飛ばします
。
背筋を伸ばせ!
豫津が慌てて背筋を伸ばすと、もうひとり、庭生の背筋も曲がっていたらしく、直ちにそれを伸ばしたのを知った豫津は、私のことかと思った、と言って笑いました。梅長蘇の目は書から少しも離れていませんでしたが、「今の言い草は誰かに似ているな
」と言われると、片頬だけ上げてニヤリと笑います
。あ~まだ小さな豫津をうるさく叱る林殊の姿が目に浮かびますね
。
豫津はでも思ったままを口にしただけで、深く考えているわけではないようです。話題をすぐに庭生に移し、随分と成長したものだと感心しました。紀王も、あの庭生は靖王府でどんな身分なのかと気にかけていた、顔と声で紀王の物真似をして伝えました
。
そこへ戚猛が現れて、珍獣が現れたから捕まえに行く、と息巻きます
。その珍獣はそもそも孤山にいるそうなのですが、なぜ九安山に現れたのか
?退屈しきっていた豫津は、これ幸いと逃げ出していきました
。私も参ります!!
その後姿を笑いながら見送った梅長蘇はふと、兵士の中に男装した宮羽を見つけます。護衛の少ない梅長蘇を心配して潜り込んできたのだそうです。梅長蘇は、禁軍の中にも仲間を忍び込ませているから大丈夫だとすぐにも帰るよう命じますが、宮羽は耳を貸しませんでした。
都 その2
思わぬ援軍
雋娘が誉王を裏切りました。誉王府にいた彼女は誉王が謀反を起こすと知るや、すぐに童路を逃がしに行きます
。雋娘は童路に、早く梅長蘇に知らせに行けと言い、身を挺して童路を逃がしてくれました
。童路はそんな雋娘の気持ちを汲んで、断腸の思いで蘇宅に駆け付けます
。
その蘇宅では、黎綱と甄平が万全の態勢を整えて誉王の襲撃に備えていました。梅長蘇は邸のすべてを整理させ、留守中に誉王が来たら、空の邸をくれてやれ、と命じて出かけたのだそうです
。さすがの梅長蘇も、まさか誉王が梁帝を狙うとまでは思いもよらなかったようですね。玲瓏公主のことまでは知らなかったのかな。
黎綱と甄平は「裏切り者の童路」に剣を突きつけました。童路はいかにも悔しそうに事情を話し、今はとにかく梅長蘇に謀反のことを知らせてほしいと訴えます。誉王は九安山を襲うつもりだ!!
これを受けて早速甄平が童路と出かけて行きました。
一方の般弱も早速蘇宅を捜索しましたが、既に空っぽだったそうで、夏江に相談に行きました。夏江は童路が逃げたことを聞くとすぐに城門の守りを厳重にし、九安山への道も封鎖したそうです。その夏江はいまだに烏金丸についてこだわっていました。どうやって解毒したのか?
そこで般弱は、前回童路が口にしていた火寒の毒について言及しました。梅長蘇が火寒の毒に侵されていたことと関係がありますか?夏江には覚えがあったようです。
その頃、童路と甄平はひたすら九安山を目指してひた走っていました。検問に引っかかると、今度は童路が体を張って甄平を逃がします
。心ならずも敵の女に騙されて仲間を裏切った罪を償い、何としても梅長蘇を助けたかったのですよね。それほどまでに想った雋娘が、その童路のまごころ
に応えてくれたのがせめてもの救いです
。
甄平はその気持ちを確かに受け取り、一路、九安山に向かいました。
九安山 その3
状況分析
甄平が靖王に誉王の謀反を伝えました。その靖王に呼ばれて話を聞いた蒙摯は目をまん丸くして驚きます。まさか?!誉王はそれほどの兵を持ってはおらぬっ!!
誉王が禁軍を掌握したと聞いて、私の兵が謀反に加担するなどあり得ぬっ!と反論していると、梅長蘇が入ってきて、おそらくは皇后が命令したのだろうと分析しました。謀反だと知らなければ、命令には背けない。実際誉王が出兵させたのは禁軍ではなく慶歴軍ですからね。
蒙摯は地図を広げ、慶歴軍の位置を確認しました。彼らは都の西に位置しており、九安山とはちょうど三角形の位置関係にあるようです。
蒙摯はすぐにも梁帝に知らせようと焦りましたが梅長蘇に止められました。今では誉王にシラを切られてしまうというのです。証拠もないのに謀反を訴えれば、またしても梁帝が疑心を抱いてしまいます。それに途中で鉢合わせでもしたら、こちらはあっという間に殲滅されてしまうでしょう。何せ相手は5万の大軍なのに対し、味方は3千しかいないのです。
山を下りては敗北は確実。が、動かずにいれば包囲されて死ぬのみ。
何も手を打てぬというのか、という蒙摯に、梅長蘇は、手はある!と豪語して、靖王の腰に刺してあった剣を抜き、剣先で地図を指し示しました。それはまさしく、かつての林殊がよくやる行動だったのだそうです
。
梅長蘇は、靖王が疑いを抱いたとも気づかずに、作戦を練りました。靖王は梅長蘇から目を離すことができません。
九安山の周囲で最も近い見張り台は大康。そこを毎日禁軍に見張らせておけば相手の動きは察知できる
。
靖王がようやくその意見に反応したことで梅長蘇もまた「非礼」を詫び、剣を返しました。静妃の対応といい、これといい、さすがの靖王も気づくなという方がムリでやんすね。
偽の勅命
徐安謨は、靖王が禁軍と結託し、九安山で梁帝を拘束している、と5名の統領たちに伝えました。そのうちの一人は、もしそれが事実なら、兵符と勅書を確認したいと申し出ますが、敢え無く斬り殺されてしまいます。残りの4名もあっけなく降伏してしまいました。靖王曰く、今や軍の腐敗は著しく軍紀も相当緩んでいるらしい。
こうしてついに誉王が攻めてきました。
九安山 その4
阿吽の呼吸
伝令が誉王の謀反を知らせに来ました。梁帝は身を乗り出して話を確認します。今何と申した?
誉王と慶歴軍が禁軍を襲い、ここに向かってきます!!
見張りを置こうとした大康が襲われました。いくら九安山が守りに適した地形とはいえ、せいぜい3日が限度です。
戻れますかと聞く梅長蘇に靖王は「皆が待つ以上、決死の覚悟で戻る」と答えました。蒙摯は何が何だか分からず、何を話しているのだ?と割って入ります。
梅長蘇は、靖王は、ここから一番近い紀城へ行って、援軍を呼んでくるつもりなのだと説明しました。そのまま行程の心配をしているふたりに蒙摯は、またしても、そもそもどうやって脱出するのだ?と詰め寄ります。唯一の道は慶歴軍が塞いでいるんだぞ!!
梅長蘇が答えあぐねていると、その顔をじっと見ていた靖王が代わりに答えました。なんと、北側に獣道があるのだそうです
。そしてその獣道を見つけたのは林殊と靖王だったらしい
。知る者は少ないが、先生はご存じだったようだ
。
蒙摯が困った顔をしていると、靖王は、これも霓凰から聞いたのか?と尋ねます。梅長蘇はこの助け舟に乗りました。あの話がこんな時に役に立とうとは。
蒙摯は助かった!と言わんばかりに、郡主(霓凰)に感謝だ、と相槌を打ちました
。
そこに梁帝からのお呼びがかかります。靖王は蒙摯に、何としても陛下と母を守れと命じて出ていこうとしますが、そこで歩みを止めて「蘇先生もな」と念を押して出て行きました。蒙摯は固まるしかありません
。
私を責めるなよ。話が早すぎて付いていけなかったのだ。
梅長蘇は頭を切り替え、今はそれよりも、慶歴軍の先鋒の主帥と軍勢を調べるよう命じました。
また梁帝は、誉王の作り話に大いに腹を立てています。「謀反」の大義名分は、靖王が人質にした梁帝を助けるため、なのです
。靖王はこれとは対照的に至極冷静に答えました。我々を殺した後、梁帝は靖王が殺したと騙り、皇后の命により即位するつもりでしょう。
靖王は、蒙摯と禁軍が死守している間に援軍を呼びに行き、3日で戻ってくると報告しました。梁帝は、都の禁軍を呼んでくるつもりだと誤解したようですが、靖王は、誉王が来たということ自体、禁軍はすでに掌握されている証だと説明します。紀城軍を呼ぶために、どうか兵符を授けてください!
梁帝は高湛に命じて兵符を出させます。
景琰、国の行方はそちにかかっておる。命を落としてはならぬぞ!
靖王は跪いて、必ずや成し遂げると誓いました。梁帝と静妃が心配そうに見守る中、靖王は両親の無事を祈りながら出立します。
私なら不眠不休で3日で援軍を連れてこられる。だが味方は3千しかおらぬ。持ちこたえられるか?
梅長蘇は毅然として、こちらも退路は断った、主帥として迷ってはならぬ、と送り出します。死守すれば勝機が見えてきます。
それでも靖王は心配でなりません。自分は逃げられるが、梅長蘇や蒙摯、それに母は殺されてしまうかもしれぬ。
殿下は国を第一にお考え下さい。たとえ陥落しても、兵と帰京し、天下に号令するのです。誉王を阻むために。
梅長蘇はさらに、静貴妃や蒙摯、そして靖王が偲ぶ赤焔軍も私と同じ気持ちだろうと促しました。蒙摯もうんうんと頷いています。これでようやく靖王も腹が決まりました。3日以内に紀城軍と戻る。あとは頼んだ
。
ご安心を。必ず死守します。
その言葉通りの戦いが次回展開されます。続きは後程
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