大地の子 あらすじと感想 第1話 父二人
山﨑豊子さん原作、上川隆也さん主演の日中共同制作ドラマ、【大地の子】を見始めました。これは再放送されるたびに見ていますし、原作も読んでいますが、こうして久しぶりに見てもやっぱり素晴らしい作品ですよね👍。
特に今、もう少し前の時代を扱った中国ドラマ(君、花海棠の紅にあらず)を見ているので特に感慨深いです。戦争は侵略する側、される側、双方にとって悲劇しか生まないと痛感する次第です。
またこれほど有名なドラマですから、今さらあらすじでもないなあとだいぶ迷ったのですが、どうしても書きたくなりました🐒。お時間のある時にでもお付き合いいただけましたら幸いに存じます💐。以下第1話「父二人」のネタバレのあらすじです🌿。
逃避行
時は文化大革命真っ只中。中国残留孤児の陸一心(上川隆也〜加能鉄平@一億円のさようなら)はスパイ容疑をかけられて労働改造所に送られました。頭頂部は髪を刈り取られて真っ赤に染められる「膏薬頭の刑」に処せられています。一心はそこで過去の記憶を取り戻していきます。
それは祖父の耕平(牟田悌三)や母のタキエ(田中好子〜折川福実@てのひらのメモ)、そしてあつ子やみつ子という妹達と過ごした満州の東索倫河(ひがしソロンホ)開拓団、信濃郷での少年時代でした。一心の本名は「勝男」と言い、父の松本耕次(仲代達矢〜倉木蓮太郎@破裂)は陸軍からの招集を受けて満州にはいなかったそうです。
1945年8月9日、ソ連の参戦により国境付近が危なくなったことから、信濃郷団員120名は宝清にいる関東軍の西山部隊を頼っていくことにしました。ソ連国境の軍の拠点に開拓民を入植させる条件が、いざと言う時真っ先に軍が保護してくれると言う確約だったそうなのです。ところが西山部隊はとっくに避難した後でした。彼らは軍に見捨てられたのです💀。
それで団長は、そこから170キロほど離れた満州鉄道の勃利駅に日本軍の大部隊が駐屯しているという情報を頼りに移動することにしました。西山部隊も行動をともにすることになります。降り続く雨のためにトラックは泥にはまり、荷物も捨てていかねばならなくなりました。また川を越える際には犠牲者が出ます。子どもを捨てていく親もいる中、タキエはみつ子を背負って移動しましたが、そのみつ子も途中で息絶えていました。その遺体を埋葬する時間すらありません。それが8月15日(終戦の日)だったそうです。
日に日に弱っていく一行はある日野原に座り込んでいる人々を見かけます。彼らは老人や女子どもばかりで、足手まといにならぬようにと飢え死にを覚悟で残ることに決めたのだそうです。毎日下痢ですっかり弱っていた耕平は自分も彼らと残ると言い出しました。タキエはそんな義父を背負って歩き出します。
それでも耕平は力尽きました。ある夜耕平は、開拓団に参加しようと言ったのは自分だ、と謝罪します。タキエは、みつ子ばかりか義父まで死なせたら夫に顔向けができないと励まそうとしますが、耕平は勝男を呼んで言い聞かせます。父に会ったら、母は「えらい女子」だったと言うんだぞ。決して子どもを捨てず、最後はじいちゃんを背負って逃げたと伝えろ。耕平はそう言って息絶えました。
信濃郷開拓団が目指していた勃利はソ連軍の爆撃を受けたため、他の開拓団が集団自決をしました。それで団長は勃利ではなく依蘭に向かうことにします。そこから列車に乗ってハルピンに行くのが目的でした。佐渡開拓団の跡地には食糧もあり、ようやくほっと一息ついたのも束の間、そこに飛行機が飛んできます。「日本の敗戦」を知らせるチラシを撒きに来たのです。西山部隊の兵士たちはこの知らせをデマだと決めつけ、飛行機を攻撃しました。飛行機は墜落し、それを知った仲間が報復に来ます。襲撃を受けて生き残った大人たちは皆自決しました。
ここでは勝男とあつ子、そして近所で仲良くしていた大沢咲子だけが生き残ります。タキエや咲子の両親も亡くなりました。とそこへ中国人がやってきて3人を連れ去ります。着いた先は七台屯(しちだいとん)という村でした。子どもたちは彼らを「鬼っ子」と呼びます。勝男は必死で抵抗しましたが、3人はここでバラバラにされてしまいました。勝男は「丁」という農家で「大福」と名付けられ、朝から晩までろくに食事も与えられずこき使われました。唯一優しくしてくれたのが、近所に住む陳夫妻です。彼らの情報で、あつ子はどうやら「長春」にいるらしいと分かりました。
世話をしていた羊を狼にやられたことで激しく折檻された勝男は、このままでは死んでしまう〜なんとかあつ子を捜さなければ!と必死で逃げ出しました💨。何とか列車に乗り込むと、そこで袁力本という少年に遭遇します🍀。力本は勝男を朝鮮人だと思い込み、掛けていた布団に勝男を入れてくれました💜。
運命の出会い
力本とは無賃乗車が見つかって離れ離れになりましたが、勝男はなんとか目指す長春に到着しました👍。とそこで人買いに捕まって売られそうになったところを、小学校教師の陸徳志(朱旭)に助けられます。持ち合わせがなかった徳志は、真新しい綿入と交換して勝男を引き取ってくれました🌹。徳志はすっかり弱っていた勝男をリヤカーに乗せて自宅に連れてきます。妻の淑琴も勝男を歓迎してくれました。ふたりには子どもがいなかったのです。
勝男は熱があったので、徳志と淑琴はすぐに医者を呼びました。医者は、勝男は黒死病にかかっていてかなりの重体だと診断します。黒死病を治すには小麦1俵半分の金がかかると聞かされた徳志は、やむを得ず、勝男を日本人街に連れていくことにしました。日本の医学は優れているから誰かが助けてくれるかもしれないと思ったそうです。
が、そこは既にゴーストタウンと化していました。徳志は勝男を病院の中に置いて出て行こうとしますが、どうにも気になって振り向くと、勝男が涙を流しながら手を伸ばして=助けを求めています。その様子に心打たれた徳志は矢も盾もたまらず「私の子だ」と叫びながら戻ってきました。可哀想に。家へ帰ろう。帰ろう🍀。
ふたりは勝男を「何事にも誠心誠意あれ」という願いを込めて「一心」と名付けました。それから一心は学校へ行きますが、やはりあつ子を忘れられず、毎日捜して歩いたそうです。
それから国府軍(国民革命軍)と八路軍(中国共産党)の戦闘は激化し、長春は八路軍に包囲されました。食料が一切入って来なくなったので、陸一家も長春を脱出することになります。徳志の田舎の范家屯(はんかとん)に逃げることにしたのです。町の外れにはチャアズという両方の軍隊の関所があって、国府軍のチャアズを出ると真空地帯になるので、そこで八路軍のチャアズが開くのを待つのだそうです。
そのチャアズの手前では、国府軍の兵隊が餓死して折重なっていました😨。一心はそこであつ子のお守りを発見します。妹のお守りをなぜ国府軍の兵隊が持っていたのか分からぬまま、一家は国府軍のチャアズを出て、八路軍のチャアズが開くのを待つことにしました。そこには既に飢えた人々が目を光らせていて、一心が持っていた食料を奪われてしまいます。徳志はこの地獄のような光景を嘆きながらも、我々の食料が役に立って良かった、と言って、嘆く淑琴を慰めました。食べさせてやりなさい。あの人たちは我々より飢えているのだから。
その夜、淑琴は、一心がお守り袋を握りしめているのを見て、やはり本当の家族が忘れられないのだろうかとつぶやきました。徳志は、記憶を失うほど辛い目に遭った、それはこれからも生涯続くだろうと言いながら、これからは自分が一心を守ると固く誓います。
ようやくチャアズが開きました。徳志と淑琴は遅れを取らぬよう必死で門を通り抜けます。徳志は「中国人教師」ということですんなり許可されました。ところが、ふと気がつくと一心がいません😨。一心は「発音がおかしい」から日本人ではないかと疑われていました。徳志は、一心は自分の子どもだと叫びますが、兵士は譲りません。徳志は懸命に訴えました。親子3人、命懸けで脱出してきた。お願いだから一緒に通してほしい!兵士は、命令が聞けぬなら射殺する💢!とまで言い出しました。淑琴も泣いて訴えます。この子は私たちの子です!!
そこへ中国兵の上官らしき男が現れました。上官に詰問された徳志は言葉を尽くして理解を得ようとします。あの子は地獄を生き延びてここまできた。前途ある子どもを死の街から出してやってほしい。徳志は、代わりに自分が向こうに戻ると言い出しました。上官は、あの柵の中に戻れば餓死するぞ、と忠告します。それを承知で子どものために戻ると言うのか?
徳志が頷いたのを見た上官は、親が子の犠牲になろうとする、これこそ共産党と解放軍の精神だ、と目を潤ませました。我々は子を思う親の心に学ぶべきだ。一心は解放されると即座に「お父さん!」と走ってきました。そう、一心が初めて「お父さん」と呼んだのです💜。こうして一心は名実ともにふたりの子どもとなりました。それからずっとふたりへの感謝を忘れずに生きていきます🌸。
一心への苛めは范家屯でも続きました。が、徳志の兄の子どもの秀蘭だけは一心を庇ってくれたそうです。秀蘭はあつ子と同い年だったせいか、一心も彼女を可愛がっていたようですね。また一心は小学校で力本とも再会しました💝。力本の田舎も范家屯だったのだそうです。それから力本は、小学校から初級中学、そし高級中学と、ずっと一心の味方になってくれたそうです。その後力本は「解放軍」へ、一心は「大連鋼鉄学院」へ入ることになりました。その力本はずっと秀蘭を好きだったそうです😁。
その秀蘭が血相を変えて陸家に駆け込んできました😨。紅衛兵(過激な学生運動)が、徳志は日本人の一心を養子にした売国奴だと怒って粛清しにきたのだそうです💀。彼らは徳志を「引き回しの刑」にすると息巻いていました。徳志は、一心のためにも逃げることはできない、何も悪いことはしていない、と自ら彼らの前に出ていきます。
もう一人の父
一方で、一心こと勝男の実の父親=耕次は、勝男が死んだものと思っていました。家の仏壇には耕平やタキエ、そして勝男にあつ子にみつ子の位牌が祀られていたそうです。そして彼らを耕次と再婚後7年もの間ずっと供養してきてくれた後妻の伸子も、東洋製鉄で働いていた耕次がマレーシアに出張中にくも膜下出血で亡くなったそうです。
満州で亡くした家族に続き、今また伸子までも一人寂しく逝かせてしまったと嘆く耕次は、まさか勝男が生きていようなどとは夢にも思いません。
感想
このドラマを最初に見た時、この陸徳志が本当に素晴らしい人格者で大いに感動したものですが、その印象はまったく変わっていませんでした。続きもとっても楽しみです。
久しぶりにブログに来ました
確か初めて放送したのは25年前くらいでしょうか?私は高校受験の時に受験勉強そっちのけで楽しみにしていたドラマです。
惜しくも1話目を録画し忘れましたが、そんなあらすじだったんだー。と思いました。
上川隆也さんはもちろんですが、養父の朱旭さん、大人のあつ子の永井真理子さん(歌手のあの人よね?と何回もオープニングを確認した)あと、一心の子役の笠原秀幸さんの演技もとてもよかった!
2話目初めてしっかり録画しているので、これから楽しみます。