大地の子 あらすじと感想 第2&3話 文化大革命

山﨑豊子さん原作、上川隆也さん主演の日中共同制作ドラマ、【大地の子】の2話「流刑」と3話「再会」を視聴しました。中国のお父さん、陸徳志の優しさがなんとも胸を打ちますね。一心が寝言で呼ぶわけですよ。以下ネタバレのあらすじです大地の子のネタバレ感想行きますよ~(^^)/

冤罪

1966年、中国全土は造反運動で揺れに揺れていました。それは一心が工程師(技術者)として働いていた国都鋼鉄公司でも同様で、造反派の労働者たちが工場の実権を奪い取り、連日「批判闘争大会」に明け暮れていたそうです💀。昨日まで、信頼し合い、ともに生産に励んできた工場長や技師長が容赦無く吊し上げられていました。一心は、工員たちに混じり、かつての上司たちの顔が黒く塗られ、髪が剃り上げられるのを疑問に思いながらも、彼らの声に唱和していました。まさか次に名を呼ばれるのが自分だなどとは夢にも思わなかったようです😨。

今日はもうひとりの「妖怪変化」を捉えねばならない。それは日本侵略主義者の種、鬼畜日本人の陸一心だ!💢

一心は呆気に取られたまま壇上に引き出され、罪状を告発されました

  • 日本人であることを隠していた罪
  • 転炉で実験中に異常燃焼をさせた生産破壊と生産阻止罪
  • 中国で初めての上吹き転炉の開発に関する秘密を日本に報告したスパイ罪

なんでも一心は当時ラジオの短波の周波をカットして音楽を聴いていたそうなのですが、それがスパイ行為とみなされたらしいです。膏薬頭の刑に処せられた後は、手に手榴弾を握らされて爆破されたそうです。幸いなことに手は吹き飛ばされずに済みましたしたが、ひどい火膨れになりました。一心はこうして労働改造所に送られたそうです。この労働改造所、通称「労改」へ送るか否かは、表向きは「人民法院」が決めることになっているらしいですが、そんなことはお構いなしで、期限も定められることなく送られてしまったそうです。まさに無法地帯です。

労改での暮らしはとても人間のそれとは思えませんでした。囚人たちは皆タコ部屋のような狭い場所に押し込められ、昼間は厳しい労働を強いられます。その場所は黄河の上流でどうやら大規模なダムを作っているようでした。そこには解放軍の兵士もいたそうです。囚人たちはモッコや一輪車で土を運び、しかも往復1.5kmの距離を7〜8回往復させられたそうで、与えられた昼休みも疲れ果ててボロ雑巾のように眠るだけの毎日でした。その時ですら銃を突きつけられていたのだそうです。そうした日々が3年ほど続きました。

愛する人々

一方の陸徳志と淑琴、そして秀蘭は、ぷっつりと連絡が取れなくなった一心をひどく心配していました。徳志は、毎日一心の名前を紙に書いては、その無事を願っています。秀蘭は、袁力本(馮国強)なら力になってくれるかもしれないと言い出しました。解放軍にいる彼は今、工兵隊の中隊長をしており、秀蘭には時々手紙が来るのだそうです。

その力本もまた遠いウスリー江で一心を思い出していました🍀。高3の時、一心は抜群に優秀だったのに、日本人だという理由で「青年団員」にも「党員」にもなれなかったのだそうです。当時支部の書記をしていた力本は、一心を団員にしようと奔走したのですが、入団申請の審査会で、一心の「お守り」が問題になりました。寮で一心と同室だった男が、一心の留守にこれを見つけて「日本の宗教的なもの」だと密告したのだそうです😈。

力本から事情を尋ねられた一心は、敗戦の際に生き別れた妹が付けていたお守り袋だ、持っていればいつか妹に会える気がした、と説明しますが、女性の団員から「日本の迷信」と決め付けられました😨。一心は懸命に反論しますが、まったく相手にされません。団員たちは、まさしく「踏み絵」のごとく、そのお守りを引き裂いて踏み潰せ、と命じました。一心は仕方なく、お守りをそっと地面に置いて踏みますが、団員立ちは「ボロボロになるまで踏みつけろ!」と騒ぎ立てます。力本が見かねて止めてくれました👌。その3ヶ月後、一心は青年団への入団を許可されたそうです👍。

その後、力本は解放軍へ、一心は大連鋼鉄学院へ進むことになりました。一心が、力本のおかげで大学にも行けたと感謝すると、力本は「一緒に貨車で旅した仲じゃないか」と答えます💜。力本は、お前は、日本人だという理由でこれからも苦労するだろうが、おれができることは何でもするからな、くたばるな、生きてればまた会える、そう言って、審査会の時に預かった「お守り」をそっと返してくれました。サイチェン!

失恋

一心は大学時代に趙丹青(盖麗麗)という女性と知り合って恋に落ちました。丹青の父は黒竜江省冶金局の幹部であり、論文を書き終えた丹青は一緒に大学の研究室に残るつもりだったのに、一心は、トップクラスの成績でありながら「日本人」というだけで大学に残ることを許されなかったそうです😔。一心が日本人だと知らない丹青はハルピンの鋼鉄設計院に就職し、父にも一心を結婚相手として紹介するつもりでしたが、ずっと迷っていた一心から真実を打ち明けられると「日本人だと知っていたら愛さなかった!😡」と去って行ったそうです💔。

内蒙古へ

江月梅

一心は2つめの労働改造所へ送られました。そこは内蒙古で、仕事は「羊飼い」です。8ヶ月後、一心はここで江月梅(蒋雯麗)という女性と運命的な出会いをしました💕。月梅は巡回医療隊の看護師で、たまたま通りかかったそのトラックのタイヤが穴にハマったのを近くにいた一心が助けたのです。医療隊の面々はただ闇雲に車を押していたのですが、工程師の一心はてこの原理を利用しました👍。

黄書海

一心はまた黄書海(薄宏)という人物に遭遇します。彼が「さくらさくら」を歌っていたのを耳にしたのがきっかけです。

彼は日本生まれ日本育ちの華僑でしたが、中国共産党による新しい中国が建設されると聞くと居ても立っても居られなくなって、結婚したばかりの台湾人の妻とともに祖国に戻ってきたのだそうです。東京の大学を出て研究室に残っていた「学者」の黄書海に対する祖国の歓迎は熱烈で、黄書海はハルピン工科大学の教授として迎えられたそうです。

それから5年ほどは平穏で充実した毎日でしたが、反右派闘争が始まると、帰国華僑は「右派分子」と決め付けられて「自己批判」を迫られました💀。その後は文革が始まり、大学でも批判闘争大会が繰り広げられると、黄書海は真っ先に槍玉に挙げられたそうです。挙げ句の果てに、日本にいる父親から孫に送ってきた使い古しの色鉛筆を理由に「日本のスパイ」として逮捕されたそうです。16色の鉛筆の長さが違うから、何かの「暗号」だの言いがかりをつけられたそうです😠。黄書海は、新品ではなく愛用した品を贈るのは愛情表現だと説明しましたが、分かってもらえず、そのまま公安の地下監獄に入れられました。

それは妻も同様で、ふたりはそれでも無実を訴え続けていたのですが、娘の訴えでその信念が崩れ去ったそうです。子どもたちは「死んでも罪を認めない極悪の反革命分子の子」だとして、お湯すらもらえなかったのだそうです。お父さん、早く刑に服して、幼い弟に「温かいお湯」を飲ませてやってください😿。黄書海は「迫害と屈辱」に屈して労改10年の罪人となりました。

最初、黄書海から「祖国(日本)について知らないのは恥だ」と言われてムッとしていた一心も、この話を聞いて涙をぼろぼろ流すと、「妹」は日本語でどういいますか?と尋ねます🍀。日本語と日本のことを学びたいと思ったのです。それから黄書海は、外に出るたびに、大地に「日本語」を書いて教えてくれました🌸。

再会

それからしばらくして一心は破傷風になりました😨。ひどい高熱に浮かされた一心は巡回医療隊に運ばれます。が、そこでも「血清」は貴重品でした。医師や看護師たちは「敵国日本人」にそんな貴重な血清を使ったものかどうかを議論します。皆は使いたくないと主張する中、ただ一人、月梅だけが反対してくれました🌹。我々は「革命的人道主義を実行」するのが仕事だ。以前一心が助けてくれたおかげで、自治区の主任を救えた、これは大勢の人民を助けたのと同じだ👍。

こうして一心は助かりました。一心は、献身的に看病してくれた月梅に、范家屯の父の話をしたそうです。どんなに愛しても返せないほど深い愛を受けてきた。小学校教師の貧しい暮らしで生活を切り詰め、私を大学にまでやってくれた。両親のおかげで高等教育が受けられた。それなのに、もう3年半も音信不通でどれほど心配していることか。生きているということを伝えたい😿。

月梅は「あなたは良い方だわ🍀」と語りました。そして、匿名で徳志に手紙を送り、一心が労改にいることを知らせてくれます。秀蘭と淑琴は何かの罠かもしれないと怪しみましたが、徳志は一目で月梅の人柄を見て取りました👍。見つかったら自分も罪に問われるかもしれないのに、危険を冒して一心の生存を知らせてくれた。この人は犠牲的精神に溢れた立派な方だ!😠

直訴

徳志は、かねてより考えていたことを実行に移すことにしました。北京にある「人民来信来訪室」へ行って一心の無実を訴えることにしたのです。淑琴は、一心が仕送りしてくれた金はそっくり一心の結婚費用に積み立ててあるから、それを持っていくといいと渡してくれました。

とはいえ、この人民来信来訪室へは全国から人が集まってくるそうで、入り口に近づくだけでも数年かかってしまうのだそうです😵。人々は皆、近くに「小屋」を作って待機していました。徳志も小さな小屋を作り、秀蘭が用意してくれたピンクの布団をかけて寒さを凌いでいます

その秀蘭は力本に手紙を書き、一心が濡れ衣で労改へ送られたと知らせました。力本は早速北京の知人に知らせ、徳志のもとへ向かわせます👍。男は徳志を見つけるとすぐに自分が来ていた温かいコートを着せ掛け、もう心配はいらないと励ましました💜。もうじき人民来信来訪室に呼び出されます。そこで陸一心の書類が周総理直轄の国民弁公庁に直接運ばれます。徳志は思わぬ援助に胸を熱くします。もしや袁力本の?❣️

一通りの話が済むと、男は徳志を温かい宿に案内してくれたそうです。

黒災

一方の内蒙古の農場に、また巡回医療隊のトラックがやってきました。一心を見つけた月梅は、皆が「囚人とは関わるな」と止めるのも聞かずにトラックを止めさせて一心に声をかけます。この方のおかげで昨年主任を助けることができたとアピールしてくれたのです。そしてその後、その月梅が、黒災と呼ばれる嵐に巻き込まれてしまうようです。

日本で

日本では松本耕次をはじめとする「残された人々」が、毎年恒例となった法事を行なっていました。そのうちのひとりの狭間信一(渡辺文雄)はもう何年もかけて日本の赤十字に当たる中国の「紅十字会」と連絡を取り、中国に残された婦女子捜しへの協力が得られるかもしれないとなったところで、今度は周恩来首相が、日中国交回復に備えて中国残留日本人の肉親探しを始めることにしたとの情報が舞い込んできます🎶。

感想

以前このドラマを視聴した時は、徳志お父さんの優しさばかりが印象に残ったものですが、自分も歳をとったせいか、今回は日本に残された父=耕次にも同情しきりでした。(死)別してもう何年も経つというのに、今でも「子ども」の年齢がすぐに出てくるということは、1日たりとも彼らのことを忘れられない証ですものね

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