大地の子 あらすじと感想 第7話 兄妹

山﨑豊子さん原作、上川隆也さん主演の日中共同制作ドラマ、【大地の子】の7話は「兄妹」です。これもまたなんとも切なかったですね。以下早速ネタバレです🌿。

四垈屯

ついに一心が入党しました🎉。月梅は満面の笑顔で仲間達の祝福を受けながら、巡回医療に出かけます🎶。そこは北京から4時間ほど離れた四垈屯という場所でした。月梅は、おそらく、巡回医療に出かけるたびに一心の妹のあつ子を心にかけていたようで、今回も「39歳の日本人孤児」がいないかどうかを確認しています。と、そこへ、その39歳の日本人孤児がやってきました😲。張玉花(永井真理子)という女性です。玉花は「腰痛」がひどくて近所の老婆が連れてきてくれたそうです。

玉花は5人の子どもを産むも全員死亡し、5人目の出産後に腰痛の症状が出始めました。夫は死亡していますが、存命中も貧農だったため、産後の休息は1日だけと言う過酷な労働を強いられてきたそうです。全身を触診したところ、あまりの痛みに声を上げました。連続出産の骨疎漏ではないかとの診断が下ります。また玉花は日本人孤児であり、長春で義母の夫に買われたそうです。右上腕部に種痘の痕があり、肘から手首にかけては火傷の痕がありました。

その後来診がなかったので、月梅は玉花の自宅を訪れました。玉花はいかにも痛みを堪えるように顔を顰めて、年老いた姑とともに畑を耕しています😔。

密告

一心の日本での行動が「密告」されました😈。密告したのは馮長幸です👎。楊司長は一心を呼び出して事情を聞きます。一心は正直に、記憶を取り戻したような気がしたのであれこれ調べただけだと答え、公費で赴いた日本で私的な用事に時間を費やしたことについて謝罪しました。一心は改めて「スパイ罪」に問われかねない自分の立場を自覚します😨。

東北訛り

製鉄所の建設が中止されました。東洋製鉄の技術者=吉丸(平田満〜水口武史@リコカツ)と耕次が現場を見に行くと、そこに丹青が来ていました。丹青の父親の大烈は失脚したとのもっぱらの噂ですが、丹青は気さくにふたりに近寄ってきて、技術的な質問をします。専門だと言う吉丸が英語で説明すると丹青は大いに納得し、丁寧に礼を言って戻っていきました。吉丸は、父の威光を鼻にかけたどうしようもない人間だと聞いていたのに、全然違う、と感心します。しかも一番の問題点を指摘してきたじゃないか👍。

その後耕次は一心に遭遇しました。耕次が煙草を勧めます💜。一心は耕次に、前から気になっていた「東北のアクセント」について尋ねました。耕次は、戦前に東北にいたことがあるのだと答え、ふと、それが分かると言うことは一心も東北の生まれなのか、と尋ね返します。一心は言い淀んだ後、ごまかして立ち去りました。松本所長の「9年間の空白」は日本の旧満州での生活だったのか?🤔

張玉花

月梅との出会い

一心は火の中にいるあつ子の夢を見ました💀。耕次の「東北訛り」に加え、月梅から玉花についての手紙が来ていたからです。月梅は先の診療から帰るとすぐに一心にこれを伝えていたらしいのですが、その後、玉花が立つことすらできぬ重病になったと聞いて早速訪ねてみたのだそうです。その結果、玉花は、単なる腰痛ではなく、結核性の脊髄炎だと判明しました。玉花はもう見る影もなくやせ細り、治療を施す月梅にとりすがって泣いたそうです😿。

3つの日本語

子どもの頃の記憶はないと言うことでしたが、玉花は、月梅には分からない3つの言葉を発したそうです。それは似たような中国語に当てはめると「タアマ」「シイロウ」「カウジャン」だったそうです。月梅は、日本語を理解する一心が聞けば分かるかもしれないと急いで知らせてくれました。もし妹だとしたら、できるだけ早く会いに行った方がいい。玉花の余命はそう長くないだろうから

任務を終えた一心は、あのお守り袋を持って玉花の家へ行きました。お守り袋には「信濃神社」と書かれていたようでしたね。玉花は寝込んでいたので、一心は、月梅から薬を預かってきたと語りかけます。先日日本語のような言葉を発したそうだが、実は私も開拓団の子どもで肉親と離れ離れになった孤児なのだよ🌸。

あつ子

玉花は一心に「タアマ」は「タマ」での名前、「シイロウ」ではなく「シーロ」は子犬の名前だと教えました。これで一心も思い出します❣️。シーロじゃなくてシロだ!一緒に遊んだじゃないか!?やっぱりあつ子だ!

一心は続けた「カウジャン」を」確認したところ、それは「カウチャン」だと否定されます。それで一心はお守り袋を見せました。玉花は紐の結び目を見て、これは私のものだと言い出します。カウチャン、カウチャン、カウチャン🌹。一心はそれが「かっちゃん」だと気づきました😨。思い出した。僕の呼び名だ。僕は「勝男」と言う名前で、皆から「かっちゃん」と呼ばれていた!覚えているかい?兄ちゃんだよ。お前は妹のあつ子だ。言ってごらん、「あつ子」だよ兄ちゃんだよ!あつ子っ!!

あつ子は切れ切れに「ア・ツ・コ」と発し、声にならない声を上げて、兄ちゃん!と抱きつきました。ふたりはひしと抱き合います。玉花あらためあつ子は泣いているうちに咳が止まらなくなりました。一心は薬を飲ませて背中をさすってやります。辛かったろう?本当に苦労したね

あつ子は一緒に日本に帰ろうと言い出します。父ちゃんや母ちゃんに会いたい。父ちゃんや母ちゃんの国を死ぬ前に一目見たい。一心は兄ちゃんがおぶってでも連れて行くと約束しました。でも母ちゃんは死んだ。父ちゃんは分からない。でもふたりで行こう、日本へ。

あつ子はふと我に帰ります。年老いた姑を一人置いてはいけないと嘆きます。母ちゃんには誰もいない。どんなに辛くても育ててくれたのに。でも日本に帰りたい!私どうしたらいいの?その姑は、あつ子が寝ている間ひとりで畑を耕しています。

束の間の平和

それから間も無くして、あつ子は、月梅の奔走で人民病院に入院することができました。一心が見舞いに行くと、あつ子は、入院してから思い出したことがあると教えられます。祖父は母を「タキ」と呼んでいたそうです。一心が、朧げながら、タキエが木曽節を歌いながら耕平を背負っていた姿や、耕平が「タキ・」と呼んでいた光景を思い出していると、あつ子は日本語を教えてほしいとせがみます。日本語を知らないと日本へ行っても話ができないと微笑みます💜。一心は喜んで「コンニチハ」「アリガトウ」を教えました。あつ子は懸命に繰り返します🌹。

一心はあつ子の養母にも会いに行きました。無言で働いていた養母から白菜をもらって北京に帰ると、その姿をまた馮長幸が見張って「報告書💀」をしたためています😠。

一方の耕次のもとへも「張玉花」に関する報告が届きました。詳細は何も分かっていませんが、耕次は「北京の隣」の四垈屯に興味を示します👍。

迷信

春節に北京に戻った一心は月梅から、あつ子が洗面器いっぱい喀血したために医師から見放されて退院させられたと聞きました😨。地方の農村には、治る見込みのない病人は家に帰し、家族が最期を看取る風習があるのだそうです。一心はすぐにあつ子に会いに四垈屯へ行きます。するとあつ子は黒い死装束を着せられて、冷たいムシロの上に寝かされていました。あつ子は一心を見ると「かっちゃん、寒いと弱々しく訴えます。

一心はあつ子を抱き上げて温かいオンドルに寝かせようとしました。すると養母が猛反対します💢。こうするのは「死神がついた病人のしきたり」なのだそうです。この子が安らかに旅立てるようにしている。ムシロの網の数を潜らなければあの世へ旅立てなくなる!早く帽子を被せろ!これは黄泉の国への旅支度なんだ!オンドルの上で死ぬなんて、身寄りのない惨めな人間の死に様だ!😡

一心は泣き喚く養母を突き飛ばしてあつ子の看病をしました。そして養母に布団をもう一枚分けて欲しいと頼みますが、これをあつ子が押し止めます。母ちゃんを責めないで。私よりもっとずっと苦労しているのだから。一心は泣きながら「北京へ帰ろう」と言ってあつ子を背負いました。あつ子は一心の背中に顔を擦り寄せて「兄ちゃん、兄ちゃん」と呼びかけます。一心は涙が止まりません

感想

高校時代、一心はあの「お守り」でさえ迷信だと決めつけられたのに、地方ではまだまだこのような迷信が残っていたのですね。貧しい養母が、最後ぐらいは「立派」に送ってやりたいとあつ子を思ってしたことが、実際にはあつ子を苦しめることでしかない、でも優しいあつ子はそんな養母の気持ちが分かっているから、どんなに辛くても黙ってその優しさを受け止めていたというのが、なんとも物悲しかった

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