大地の子 あらすじと感想 第8話 密告

山﨑豊子さん原作、上川隆也さん主演の日中共同制作ドラマ、【大地の子】の8話「密告」を視聴しました。これもまた涙涙の回でしたよね。も〜アタイは「二人のお父さん」が出てくるたびに悲しくなっちまって困ります😿。以下早速ネタバレです🌹。

あつ子の死

一心はあつ子の家に泊まりました。あの忌々しい死装束は脱がせ、夜中に薬やお粥を用意します。お粥の白米は徳志送ってくれたものだそうです🌸。でももはやあつ子にそれを飲み込むだけの力はなく、体もすっかり冷え切っていました。火傷の手が痛いというあつ子に一心は懸命にあつ子の体をさすって温めようとします。あつ子、生きてくれ!あつ子っ!!

あつ子は最後に「かっちゃん、ありがとう」といって息絶えました。日本語でも「あ、り、が、とう」と繰り返しました。一心は涙が止まりません。35年間捜しに捜してようやく会えたのに、たったの1年で逝ってしまうなんて!!

結局一心は死装束を再び着せることになりました。夜が開けるとあつ子を知る近所の人たちが集まってきます。あつ子を病院に連れて行ってくれたおばさんも、心からあつ子を不憫がりました。働き者の優しくて良い子だったのに、こんなに若くして亡くなるなんて!おばさんはせめてもの供養にと紙銭をたくさん燃やしました。

一心は耐えられずに外に出ました。とそこへ、耕次が現れます。耕次は「張玉花」があつ子ではないかと考えてずっと外事課に申請していたのがようやく認められたのです。一心も耕次も、なぜ互いがそこにいるのか、戸惑いました。一心は耕次に妹が死んだと伝えます。その妹が「玉花」で、日本名が「あつ子」だと聞いた耕次は、目の前にいるこの「陸一心」が勝男なのではないかと思いつつも、まずは「あつ子」のことが気になってなりません。あつ子っ!💢

枯葉のように痩せ細って横たわった姿を見た耕次は、これはあつ子ではない!と叫びます。一心は「お守り」があるのだと教えました。それは「信濃神社」のお守りです。一心は、あつ子は一心が持ってきたこれを自分のものだと語り、「私の名前のかっちゃん」も覚えていた、と伝えました。耕次はとても大人のそれとは思えないほど小さなあつ子の手、そしてすっかり痩せこけて黒くなった頬をさすり、涙をぼろぼろ流しました。あつ子、かわいそうに

日本の父

一心は耕次に自分の知っていたあつ子のことを語って聞かせました。耕次は目に涙を浮かべながら、その話に耳を傾けます。あつ子が、母の名は「タキ」と教えてくれたという一心に耕次は、タキではなくタキエ、爺ちゃんの名は松本耕平、お前の名は松本勝男だと教えました。幼い頃から賢くて、開拓団のみんなから「かっちゃん」と呼ばれて可愛がられた。そのお前がなぜ何もかも忘れてしまったのか。

一心は、ソ連兵が、生き残りを探しては銃剣で刺し殺していたので、遺体の下に潜り込んでなんとか生きながらえたのだが、それが済んだら何も覚えていなかったのだと答えました。耕次は息子の悲惨な体験に胸が押しつぶされそうになって涙します。あつ子は貧しさ故に働き詰めで読み書きができなかったし、それで中国側の孤児名簿にも名前が載っていなかったのだと察しました。

耕次は、七台屯へ行って話は聞いた、と語ります。よく生き延びられた。本当によく生き延びられた。一心は、すべては「今の父🍀」のおかげだと語りました。事情を聞いた耕次は感動し、何をしておられる方なのか、と尋ねます。一心は、小学校の教師をしていた、何事も一生懸命に取り組むようにと「一心」という名前もつけてくれた、と教えました。今では妻や子がいることも伝えます。

これに対して耕次も自分のことを語りました。彼は敗戦の前の年に、開拓団で電話による現地招集を受けたのだそうです。てっきり家族のいる大陸を守るために戦うのだと思っていたら、そうではなく、南方に送られることになったのだとか。それで日本に帰国して鹿児島で待機していたら終戦を迎えたそうです。すぐに満州に戻ろうとしたのですが、許可されず、皆は死んだと思い込み、自分だけがどうして生き残ったのか、そう自分を責め続けて生きてきたのだそうです

一心は開拓団の名前を尋ねます。どうしても「しなのふじ」が気になっていたのですね。耕次から、長野の信濃郷出身だから「信濃郷開拓団」と、信濃富士は近くにあった山をそう名付けたのだと聞かされました。懐かしいなあ。みんなで朝晩柏手を打って拝んだもんだ。一心はようやく自分の生まれた場所を知ります。

耕次がふたりには本当に苦労をかけたと謝罪すると、一心は、自分よりあつ子が苦労した、どうしてもっと早く捜し出してくれなかったのだと責め立てました。耕次は言葉もありません。その後ふたりは、村人たちと共にあつ子の遺体が入った棺を運びました。耕次はあつ子の遺髪と爪を胸ポケットに忍ばせていたそうです。村人たちが村の出口で見送りを止めると、耕次は木曽節を歌い始めました。一心は黙って耳を傾けます。

棺を埋葬し終えると、一心は耕次に、あつ子は最後まで日本に帰りたがっていたから、いつか日本に骨を埋めてやってほしいと頼みました。耕次はきっとそうする、そうしてやりたい、と答えます。そして一心にも「勝男」と呼びかけ、お前を立派に育ててくれた方に会って礼を言いたいと伝えました。一心は、まずは自分が「父」に伝えると答えます。そして、この事は上級機関に報告しなければならない、と気色ばみます。それまでは今まで通り私を「陸一心」として接してほしい😠。

一心はその言葉通り、徳志に連絡したようですが、徳志はその手紙から一心の頑なな心を察していました。

密告

その頃楊司長にはまたしても馮長幸からの密告分が届いていました💀。でも一心はすぐに今回のことを報告に行ったため、司長は彼を必要以上に疑うことはしませんでした👍。ただ、極秘プロジェクトとも言える今回の工事で、日本側の責任者である松本耕次が、中国側の責任者である一心の実父だったという事実はかなりの衝撃を与えます😨。司長は上からの決定が出るまでは、一心は北京に待機するよう命じました。

二人の父

一方の耕次は范家屯を訪れました🌸。外事課を通して会いにきた耕次は、前もって徳志に知らせてくれているものとばかり思っていたのに、手違いがあって、耕次が訪れる当日に、その知らせが徳志の元に届いたそうです。その頃徳志は妻とともに「玉花」について語り合っていました。ふたりはまだ玉花の死亡を知らず、一心の妹に会えることを心待ちにしていたようです💜。そこへ一心からの手紙が届き、ようやく、玉花の死と耕次の存在を知らされたばかりでした😲。

耕次が陸家を訪れると、徳志は心から歓迎してくれます❣️。一心との出会いからずっと苦労の連続だったらしいのに、常に全力で一心を愛してくれたことを知った耕次は、涙を流して感謝します。それは徳志も同様でした。耕次がいまだに独り身だと知ったから尚更です。徳志は、耕次からは言い出しにくいだろうからと、一心を引き取りたいのではないか、とまで切り出してくれました🍀。耕次はとんでもないことだと否定します😠。

私などわかりようもない。今日まで死線を越えてともに生きてこられた3人の、陸先生ご夫妻の間から、今更息子を私の手元へなどとは、絶対に申し上げられることではありません。どうか、そのことだけはおっしゃらないでください。徳志も涙が止まりません

そこへ外事の職員が催促に来たため、耕次は、もっともっと話していたいがと別れを切り出しました。徳志は、次は泊まりがけで来てほしいと誘います。耕次はこれに感謝し、どうか体を大事にしてほしいと頭を下げます。耕次はまだまだ徳志への感謝を伝えきれぬというかのように名残惜しそうにし、徳志は早く行けと促しました。そして「サヨウナラ」と日本語で別れを告げます。耕次も窓から身を乗り出して手を振りました。徳志もこれに答えていつまでも手を振っています。ふたりの「父」は一心という素晴らしい息子を通して心が通いあったかのようです💖。

大地の子 全3巻セット 単行本
大地の子 (新価格) [DVD]
関連記事
 0

COMMENTS

大地の子