大地の子 最終回 あらすじと感想 長江

山﨑豊子さん原作、上川隆也さん主演の日中共同制作ドラマ、【大地の子】もついに最終回を迎えました🌹。以前視聴した時は耕次の心情が哀れでならず、かと言って徳志も素晴らしい方なので、なんとも複雑な心境でしたが、今回はかなりこれを克服できた気がします✌️。以下ネタバレのあらすじです大地の子、最終回のネタバレ感想行きますよ〜( ´ ▽ ` )ノ

高炉建設事業への復帰

内蒙古で丹青と別れた一心はその1週間後、上海の華宝製鉄所で働いていました。高炉の火入れを半年後に控えて、全国各地から3千人もの工人や工程師が集められ、一心はその一人として生産管理処の処長に発令されたそうです👍。副指揮官の劉冠謙からは火入れの予定は決して動かせぬから、粉骨砕身してこのプロジェクトを完遂させるようにとの檄が飛びました。我々は、国の威信と命運をかけた一大プロジェクトの戦士なのだと心得よ!💢

その劉副指揮からある日、一心にお呼びがかかりました。国産を調達するはずの石炭が、地震で鉱山が水浸しになったために使い物にならなくなったのだそうです。しかも三大鋼鉄公司に回す山は無事だったけれど、上海に回す山は水浸しになったと言われたそうです😔。国産がダメなら外国産を手に入れるしかない、鉄鉱石を輸入する予定のオーストラリアが手っ取り早いのではないかと言われた一心は、早速各機関と交渉にかかりました。が、どこに頼んでも埒が開かなかったため、一心は仕方なく東洋製鉄に泣きつくことにします。相手は生産技術協力部の盛田部長です。その盛田の事務所には、偶然、耕次が訪ねてきていますが💜、一心は気づきません。

盛田は、原料の確保についてはあれほど念を押したのに、と抗議しますが、一心は、何を言われても仕方ないという覚悟でやってきた、と力説します。中日友好の手を、どうか今しばらく差し伸べてください!盛田は、そんな一心の熱意や現場で働いている人々のことを思い、なんとかしてあげたいと申し出てくれました。一心は目を輝かせて礼を言います。

その一心が退出すると、耕次は待ちかねたかのように一心のことを尋ねました。盛田は10日ほど前に内蒙古から戻ってきたのだと教えます。それじゃあたとえいくら月梅や徳志が知らせてくれたとしても、耕次はまだ知りませんよね。盛田は二人の関係を知らないため、中国はどうしてあのような優秀な人材を僻地の製鉄所になど送ったのかと不思議がりました。彼のためにも、絶対に石炭を回してもらうように本社に頼んでおきますよ。

火入れ

それから約半年が経過し、火入れまであと1週間となりました。日方からは耕次もやってきます。耕次はすぐに一心に気づきました🍀。一心もその後偶然ぶつかったのが耕次だと気づいてヘルメットに手をやって挨拶します。その顔にはうっすら笑みが浮かんでいたので、耕次も笑顔を返しました🌸。でもそれだけです。ようやく2年半ぶりに会えたというのに😿。それでも耕次は、汗水流して懸命に働いている息子の姿を嬉しそうに見送っていました💕。

火入れの日には華やかなセレモニーが用意されました。高炉に火が入ると、日中双方が感慨深そうに拍手をします。その夜は盛田を中心にした監視が行われました。一心も心配だったのでしょう、懐中電灯を片手に高炉周辺を見回っています。とそこで警報が鳴りました。早速その原因を調べたところ、原料の鉱石が目詰まりしていたことが判明しました。劉副指揮は、送風を止めて人海戦術で鉱石を取り除くと主張しますが、柿田は、そんなことをしたら、炉そのものに不具合が生じ、今後のトラブルは免れないと猛反対します。そこで一心が一計を案じました👍。ベルトコンベアを逆に動かしてみてはどうかというのです。これはまさに目から鱗で、水谷という技師は、それだ!と感心しました。それで行けますよっ!絶対っ!!

そのアイディアは見事奏功し、目詰まりが解消しました。盛田や劉は一心を褒め称えて感謝します👏。陸くん、やるな。一心、よくやった!一心も嬉しそうにしていましたが、耕次はもっと嬉しそうでした。でもその嬉しさを表現してはいけないと自分を抑えているところを、柿田に呼ばれます。こんな時でも声すらかけられないのです😿。

こうしてついに初出銑の時を迎えました。その場には鉄の女=冷珠も来ています。溶岩のように流れてきた銑鉄を見た人々は拍手をし、歓声を上げました🎉。近くにいる人々とは手を取り合い、抱き合ってその感激を伝え合います💖。そうして仲間たちと喜びを分かち合っていた一心が、耕次の側まで流れてきました❣️。互いの存在に気づいたふたりは、一瞬戸惑うように見つめあった後、矢も盾もたまらず抱き合います。一心は涙を流し、耕次はぽんぽんとその肩を叩きました。柿田も頷きながらふたりを見守っています💜。

長江下り

一心と耕次はふたりで「長江下り」に出かけました。その前の晩は、徳志も入れて3人で色々話したそうです。徳志は、一心と耕次を二人きりで出かけさせたくて、自分は遠慮したようですね。口では、耕次なら、もし一心が日本へ行く決心をしても、月梅や燕々を可愛がってくれるに違いない、と言いながらも、やはりどこか寂しそうにしていました😔。それは月梅も同様です。

一方の耕次は、親子での初めての旅に終始笑顔でした🎶。ふたりとも「steel blue」(はがね色)と呼ばれるブルーの、耕次は薄めの、そして一心は濃いめのセーターを着ていたのがまた象徴的でしたね😲。2枚とも耕次が用意したそうで、口ではお下がりだと言っていましたが、この日のためにお揃いで買ったのではないでしょうか😼。やはり耕次が持参したインスタントコーヒーをサロンでふたりで飲んでいると、他の客から「親子で三峡下りとは羨ましい」と声を掛けられました。耕次は嬉しそうに「セーターのせいだな」と微笑みます。お前と2泊3日、二人きりの旅か、と感慨深そうです。一心も嬉しそうに父の横顔を見つめていました

その夜船室で、耕次は「あつ子を連れてきたかった」と語ります。一心は「僕もです」と答えました。じいさんも、母さんも、みつ子もだ。一心の目に涙が光ります。日本に帰ってもひとりぼっちの父を思いやり、これからどうするのか、と尋ねました。耕次は、まだ考えていないが、もう年だから、仕事は控えて「孤児問題」を手伝おうかと思っている、と答えます。一心は、また東北へ行くのか、と尋ねました。耕次はそうだね、と答えてお前はどうするのかと尋ねます。一心は、この国では党と国の意思が全てだから分からない、と答えました。

耕次は、それでも一心は素晴らしい家庭を得た、と伝えます。燕々は利発な可愛い子だし、月梅は控えめだが芯のしっかりした素晴らしい女性だ。どうだ、この辺りで日本に帰ってきてくれないか?

耕次は、そうついでのように言うと、答えを聞くのが怖いかのように横を向いてしまいました。帰ってきてくれ!私のところへ。その声音は切実です。一心は驚きのあまり言葉に詰まってしまいました😨。

翌日船は、李白や三国志でも有名な白帝城の側を通りました。ガイドが李白の詩を日本語で読むと、一心が中国語で繰り返します。すると今度は耕次が日本語で語り出しました。これにも一心が中国語で続けます🌿。

2日目、そして最後の夜、日中は何も言わなかった耕次は、再度日本行きの話を切り出しました。一心は正直な気持ちを吐露します。木更津へ行った時、それが外事規律違反になると知りながら、自ら規律を犯した。仏壇の前に座った時はえも言われぬ安らぎを感じたそうです。それは自分の出生から解放されて、何の緊張感もない、中国では味わえなかった安らぎだったと思ったそうです。そして亡き家族の位牌に手を合わせた時は、たまらない家族のつながりを感じたのだそう。白い割烹着姿のタキエの写真を見て、本当の母は亡くしていたのだと声をあげて泣いたそうです

涙ながらに語る息子の言葉を、耕次もまた涙しながら黙って聞いていました。

でも、もし自分が日本へ行くと言ったら、命懸けで自分を救ってくれた父は、両親はどうなるのかと思うとどうしてよいか分からなくなるそうです。徳志はきっと、一心を思って病の床についてしまうに違いない。私には分かりません。私には「どちらも父」なのです。2人の父です

嗚咽しながらそう訴える一心に、その「父」の耕次が無理を言えるはずがありません。ましてや相手はあの徳志なのです。全てを掛けて一心を愛し、育ててくれた徳志を捨てるような息子でなかったことを、耕次はきっと誇らしく思ったに違いありません。一度は死んだと思った息子が生きていてくれて、こうして共に仕事をし、一緒に旅もできたのです。寂しい気持ちは消えませんが、息子は今のままでも十分幸せなのです。もう無理は言えません😔。

翌日ふたりは黙って風景を眺めていました。一心はそれが自分を育んでくれた「大地」だと痛感します。深い長江からはそれを称える歌が聞こえてきたそうです。耕次もその雄大さに圧倒されていました😲。

大地の子。私はこの大地の子です。この中国の大地が私の父なんです。母なんですわかってください。私は中国を離れられません

息子の顔を見つめて黙ってその言葉を聞いていた耕次の目に涙が溢れました。一心は、耕次がこの言葉を「永遠の別れの言葉」と理解したと思ったそうです。

一心の決断

その後一心は、約束通り、内蒙古への移動願いを出しました。その願いは聞き入れられ、一心は先に一人で向い、月梅と燕々は後から合流するそうです🎶。楊司長はこの決断に驚きながらも、3年後には戻ってきてくれ、と送り出してくれました。フフホトに着いた一心を、かつての仲間が迎えにきてくれています🌸。おーい、一心がまた戻ってきたぞ!陸一心が帰ってきた!

感想

以前この最終回を見た時は、耕次が可哀想でなりませんでしたが、今回は、可哀想なことに変わりはないけど、中国に置き去りにされたことをずっと恨んできた一心が、今はその「中国の大地の子」である自分を誇りに思い、最も中国らしい内蒙古を新天地に選んだことが嬉しかったです。かつて日本語を教えてくれた黄書海や月梅がとてもおおらかだったように、内蒙古というどこまでも広がる大草原に接していると、疑いや恨み、そして悲しみという否定的な感情はすべて大地が飲み込んで浄化してくれるのかもしれませんね👍。

それに、あれを「永遠の別れ」にする必要はないんでない?耕次は東北に来るって言ってるし、一心だって家族を連れて日本に行ってもええんでないの😠?まだ時代がそれを許さなかったのかしらね〜😔。

本当に素晴らしい作品で、再放送を視聴できて大満足でした😻。ここで語れて幸せでした🌸。お付き合いくださいました皆々様には厚く御礼申し上げます💐。

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