アガサとイシュタルの呪い ネタバレと感想 パッション・プロジェクトで大収穫

先週に引き続き、【アガサとイシュタルの呪い】(Agatha and the Curse of Ishtar)を視聴しました。前回の作品に比べると面白みは減ってしまいましたが、そこかしこにくすっと笑えるユーモアが忍ばせてあったのはさすがでござるね。以下早速ネタバレです。今回もまた余談タップリ、本編チョッピリです

パッション・プロジェクト

夫のアーチボルトと離婚したアガサはバグダッドへと旅立ちました。これまでの「ミステリー」ではなくロマンス小説を書くためです。It's about romance. And passion.(ロマンスとパッションについて書くつもりよ)

アガサは友人のキャサリン・ウーリー(Katherine Kingsley)にこう語っています。ちなみに彼女の夫のレオナード・ウーリー(Jack Deam)は有名なイギリスの考古学者です。

I don't want to be remembered as a woman who wrote 100 detective novels.
100冊もの探偵小説を書いた女として記憶されたくないの

編集&出版関係者がこぞって慌てたのがまた可笑しかった

It's a bold change of direction. Very...Unexpected.
随分と大胆な方向転換ですな。とても・・・意外です。

アガサは、出版はしてくれるのだろうな、と確認しますが、担当者は「ポワロ」のことが気になってなりません。

How are things going with our next detective novel?
我々の次の探偵小説はどうなってます?

アガサはキッパリ、このロマンス小説のでき次第だと答えました。担当者は慌てます

Well, it needs to be soon. It mustn't interfere with the plans for our Belgian friend.
そういうことなら早いに越したことはない。我らの「ベルギーの友人」に対する計画の邪魔にならないようにしなければ。

アガサはむっとしていつなら良いのかと尋ねましたTwo months.(2カ月)

I should say that's more than enough time for a "passion project". After all, one can't research romance?
パッション・プロジェクトには2か月もあれば十分かと。それに誰もロマンスを研究などできないでしょ?

アガサは、キャサリンに招かれた発掘場所、イラクのウルに出かけていきます。ウルはメソポタミア文明の首都と目されていた場所です。

ロマンスは突然に

ウルに到着したアガサは、額を拳銃で撃たれた男性に遭遇しました。男性は自分が置かれた状況さえよく理解できておらず、アガサと話しながらバッタリ倒れ込みます。アガサは驚いて彼を運ぼうとしますが、重くて動かすことができません。それで、送ってもらった車まで戻り、彼の居る場所へ車を移動させました。その際、ほんのちょっぴり彼を轢いてしまったようです

男性の頭は石頭だったらしいのと、拳銃が女性用の小さなそれだったことが幸いし、男性は無事でした。彼の名前はマックス・マローワン(Jonah Hauer-King)。マックスはレオナードの弟子の考古学者です。一緒に仕事をしていた友人のパトリックは殺されたばかりでした。研究一筋なマックスは著名な「アガサ・クリスティ」の名を知らなかったそうです。アガサ39歳、マックスが25歳の出会いでした

アガサも早速「研究」に取り掛かります

殺人事件

パトリックに続き、キャサリンが飼っていた猿のエラが殺されました。しかもその遺体は首を吊った状態で発見されます。アガサは早速アーサー・コナン・ドイルにアドバイスを求めました。ドイルは「肝臓」を調べるよう助言してきます。毒は肝臓に残っているからですね。

マックスはアガサのためにエラの肝臓を取り出しました。そこからストリキニーネが検出されます

キャサリンにエラの埋葬を頼まれたマックスは、棺を埋めるための穴を掘りました。が、そこにエラを埋葬したはずが、近くで寝そべっていたワンコがこれを掘り出してきます。何者かがエラを棺から出したからです。早速棺を調べたところ、そこには大使=Sirコンスタンス(Stanley Townsend)の妻=ルーシー(Bronagh Waugh)の遺体が目を見開いたまま納められていました

これに続いて、今度は領主のマーマデュークことロード・ポンゾンビー(Rory Fleck Byrne)が爆死します

果たして犯人は誰なのか?

以下犯人のネタバレです

犯人は大使のコンスタンスでした。コンスタンスは、ウルの発掘現場に石油が出たと知ると即、相棒のパトリックを殺します。これが「イシュタルの呪い=裏切り」です。石油の採掘は英国政府が所有する会社が担当するそうで、遺跡に発掘に関わっていた人々には補償がなされるそうですが、パトリックだけは対象外だったのだそうです。

しかも、石油のことが分かる前は、マーマデュークを抱き込んで発掘品を闇市場に流していたのだそうです。書類の偽造をしていたのは妻のルーシーですが、そのルーシーはマーマデュークと不倫してコンスタンスを裏切りました

でもそのルーシーを殺したのはマーマデュークなのだそう。おさるちゃんが嫌いだったからかな(冗談です)。そのおさるちゃんのエラはでも、コンスタンスが懐に忍ばせていたストリキニーネを誤って舐めてしまったようですね

コンスタンスはマーマデュークの裏切りを恐れて彼を爆死させました。これらすべてをアガサに見破られると、持っていたストリキニーネで自殺します。た・ぶ・ん

こうして事件は解決し、アガサの「ロマンス」も無事達成されました。アガサはマックスと結婚し、アガサが死ぬまで連れ添ったそうです

エピローグ

アガサは宣言通り「ロマンス小説」を書き上げました。それと同時にポワロの小説も書き上げてきます。As promised, the fat, little detective returns.(約束通り、小さくて小太りな探偵も戻って来たわよ)

その上で前者は「メアリー・ウェストマコット」名義で出版すると宣言しました。

Keep the talk of romance from damaging our bottom line. After all, how can a woman who writes about an asexual reasoning machine address matters of the heart? People would be terrified I might combine the two. And I'm not sure that anyone would believe that murder and love could exist side by side.
ロマンス小説によって我々の収益が損なわれないように切り離しておかなければ。結局のところ、セクシャルとは縁のない論理的な機械が心の問題など描けるはずがない。2つを混ぜたら読者が怖がってしまうわ。それに皆が信じるとは思えないの。殺人と愛は隣り合わせに存在することを。

まとめ

このウェストマコット名義で出版された作品は6作あるそうですが、日本では最初からアガサ・クリスティ作品として出版されたそうです。そちらは読んだことが無いので何とも言えませんが、おばさん個人としては「2つを混ぜた物」が読みたかったですね~。これがそれに近そうかな

 
春にして君を離れ/Absent in the Spring
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