アガサと深夜の殺人者 ネタバレと感想 3作目にして肩透かし

アガサ・シリーズの第3作目、【アガサと深夜の殺人者】(Agatha and the Midnight Murders)を視聴しました。これまでの2作とは異なり、コミカルな要素はほとんどなくて、むしろクリスティの原作に近い雰囲気だったと思われますが、それだけに、おばさん的にはイマイチ盛り上がれませんでした。そのような場合はたいてい黙り込むのが常なんですけど、最後だけは楽しかったのでそこだけ語りたくて、ついつい筆を執った次第です。相変わらずはた迷惑で申し訳ござりませぬ

以下、あっさり簡単なネタバレですアガサと深夜の殺人者のネタバレ感想行きますよ~( `ー´)ノ

クリスティの決意

第二次世界大戦中、どうやら金に困っていたらしいアガサ(Helen Baxendale)は、思い切って、ポワロの版権を手放すことにしました。アガサの連れは、このシリーズの1話目に登場したトラヴィス・ピックフォード(Blake Harrison)です。

アガサが目をつけた取引相手は中国人のフランキー・レイ(Thomas Chaanhing)でした。レイには通訳と用心棒が付いています。

空襲警報

宿泊先のホテルでいざ契約を交わそうとした矢先に空襲警報が鳴りだします。そこへオハナウワー(Jodie McNee)という巡査が現れて、客をすべて地下の避難所に連れていきました。そこでアガサは大事な原稿を盗まれます。そしてその後はレイを筆頭に次々と人が殺されて行きました

もはやここにいても埒が明かないと、アガサはホテルを出ようとしますが、オハナウワーが許しません。彼女と一緒に外の様子を見にいったトラヴィスも、出たところで外は空襲で悲惨な状況だ、と反対しました

犯人

アガサは、オハナウワーが、彼女が知るはずのない情報=版権の値段を知っていたことから、彼女が犯人だと疑います。が、逆に銃で脅されていたところに、トラヴィスがやってきてオハナウワーを射殺しました。アガサはトラヴィスを命の恩人だと感謝します

それで本来トラヴィスへの報酬は収穫の1割という約束だったのを、丸ごとトラヴィスに譲ることにしました。

ところが、このトラヴィスこそが真犯人だったのです。オハナウワーはトラヴィスを逮捕した時に、誘惑されて共犯になったらしいです。トラヴィスはアガサに無理に酒を飲ませて毒殺しようとしました。が、アガサが頑固に断ったので正体を現します。ところがアガサは既にトラヴィスが怪しいと察していたため、グラスをすり替えておきました

トラヴィスが苦しさに身もだえしている間、アガサはレコードを掛けに行きます。そこには「空襲警報」が収められていたそうです。その偽の空襲警報を聞きながら、アガサはトラヴィスの最期を看取りました。

トラヴィス: I'm sorry.

アガサ: I don't believe you.

結局アガサはポワロを手放すのを断念します。

I don't know what I was thinking. How could I kill the only thing in life I can truly rely upon?
私は何を考えていたのかしら?私の人生で最も信頼できるモノを殺そうとするなんて。

またホテルの客の中に諜報員が潜んでいたことが判明します。アガサが以前執筆したスパイ小説があまりにリアルだったため、アガサが国家機密を握っていると誤解していたのだそうです

感想

おばさんが楽しんだのは最後の「空襲警報」のレコードです。ファンの方なら、スパイ小説が何なのかと推理するのも楽しそうですね。ちなみに「クリスティ、スパイ小説」でググってみたところ、その内容と舞台背景からして「NかM?」という小説が該当しそうでした


NかMか (クリスティー文庫)

『秘密機関』に登場した幼なじみ2人の後年を描いた一作。夫婦になった2人は第二次世界大戦中のイギリスで地方のホテルに匿名で潜入し、一般人に紛れているはずの敵のスパイを突き止めようとします。平和に見える日常のなかに敵が潜んでいるという、静かな緊張感が印象的なスパイスリラーです。

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