アガサと殺人の真相 ネタバレと感想 実に面白いパロディです
【アガサと殺人の真相】(Agatha and the Truth of Murder)を視聴しました。これはミステリーの女王、アガサ・クリスティーが、11日間に渡って失踪した、いわゆる"Agatha Eleven Missing"に焦点を当て、いったいその時クリスティーに何があったのかを、いかにも彼女の作品風に仕立てたパロディです。
いや~クリスティーではなくともミステリーファンなら思い当たる節がたくさんあって、そこかしこで大笑いしちゃいましたわ。最も共感したのはアガサ自身のこの言葉ですが
。
Well, what would be the point in reading 300 pages of clever insight and deduction if the audience knew who the killer was in the first five?
300頁もの大作を読むのに、もし最初の5頁で犯人が分かってしまったらどうします?
クリスティーは作品を書く立場でおばさんはただドラマを見ている立場だけれど、昨年はまさにこれにホトホト困らされたんでやんす。こちらが、これから視聴していく過程であれこれ楽しみながら妄想していきたいと思っているのに、最初から、あれが○○じゃない?とか言われちまうと
、も~それだけでおばさんの楽しみが削がれちゃうんですよね
。そういうのはホントに勘弁してほしい
。
え?アタイもネタバレしてるじゃないかって?いや、それを言われちゃうと弱いんですが、アタイは一応「ネタバレしますよ
」と一言お断りしていますからね
。その自覚がないのが一番困りませんか。まさに、
Clever bastards, aren't they?
賢いク〇野郎じゃありませんか?
昨年はこれに本当に悩まされて、年末にはもうかなり参っていたのでござる。だからと言ってその相手に悪気が無いのは分かっているので、それとな~く、しかも何度も事あるごとにネタバレは止めてほしいとお願いしたんだけど、それでもまったく通じない
。横にも書いてあるんですけどね~ネタバレ「一切」お断り、って。あんまり言うと、ネタバレしてない方が気にしちゃう始末
。
は~最初から思いっきり愚痴になってしまって申し訳ござらぬ。でもあまりにも同じ心境だったので言わずにいられんかったのでやんす
。
以下、そんなあれやこれやを取りまとめた「ネタバレ」です
。でもめずらしく犯人のネタバレはしていません。ミステリー自体は実に平凡で、そう取り立てて面白いわけではなかったもので
。あ、一旦解放しちゃうと毒舌が止まらん
。
アガサの事情
アガサ(Ruth Bradley)が失踪した1926年11月、彼女は夫との不仲に悩んでいました。アガサは夫のアーチーことアーチボルト・クリスティ(Liam McMahon)を愛していたのにアーチーは若い女と浮気をしていたのです。困ったアガサは、先輩のSirアーサー・コナン・ドイル(Michael McElhatton)に仕事と称して相談に行きました
。するとドイルは、ゴルフ場を建設すればいいと助言します
。実際にアーチーはこれに大いに興味を示しましたが、アガサは不服でした
。
殺人事件の相談
そんなアガサを一人の女性=メイベル・ロジャーズ(Pippa Haywood)が訪れました。パートナーだったフローレンスが6年前に列車内で殺されたから、その犯人を捜し出してほしいというのです。フローレンスはなんと、あのナイチンゲールが名付け親なのだそうですよ。She was Nurse Nightingale's god-daughter.
アガサは探偵じゃないからと一旦は断りましたが、やはり引き受けることにしました。そのために変装するのだけれど、その変装が上手くできたかどうかを郵便局の職員に確認したシーンがまた楽しかった
。
アガサ:Is it true there's a writer of detective novels who lives nearby?
この辺に探偵小説の作家が住んでいるって本当かしら?
職員: Yes, Mrs Christie. She's famous.
ええ、クリスティーン夫人です。彼女は有名ですよ
アガサ: Are her novels any good?
彼女の小説はどう?
職員: Not as good as Stevenson but better than Conan-Doyle.
ロバート・ルイス・スティーヴンソン※より良くはないがコナン・ドイルよりはいい
※「ジキルとハイド」の作者
敵陣に乗り込む
こうして自分の小説と変装の出来に気を良くしたアガサは、早速フローレンスの親族に会いに行きました。なんでもフローレンスは莫大な遺産を遺したそうで、そこに集まったハイエナの中に犯人がいるというのがメイベルの考えなのです
。
そのハイエナの中でもアガサは有名人でした。変装は見破られませんでしたが、アガサの小説をこき下ろす人間がいました
。
I read "The Murder of Peter Ackroyd", guessed the end within a few pages.
「ピーター・アクロイド殺人」なんて、最初の5ページを読んで犯人が分かったよ。
アガサは思わずピーターではなくロジャーだと訂正しますが、男は決して譲りません。I'm pretty sure it was Peter.いやピーターだ。
誤解
そのアガサは、見当違いな推理(机上の空論)でもって犯人を特定しました。その結果、その犯人と推理した男が何者かに殺されてしまいます
。アガサは心から猛省しました
。
捜索隊
そんなアガサは既に「失踪」したと報じられ、5千人の警官が駆り出されて捜索中だということが判明しました。そのため署には3人しか残っていないそうで、殺人事件の捜査にやってきたのは警部のディックス(Ralph Ineson)と巡査だけです。
このディックスはすぐにアガサの変装を見破りました。そして、議会の要請でヘリまで出動して捜しまわっているのにいったいなにをやっているのだ、と腹を立てます
。10ポンドの罰金じゃすまされない
。
その頃はアガサもディックスも犯人を特定していました。ディックスは、何もシャーロック・ホームズじゃなくてもこのぐらいは楽勝だと語り、アガサはその生みの親のコナン・ドイルに対しても賠償責任があると教えます。なんとドイルは「降霊会」を開いてアガサを捜していたのだそうです。その際はアガサの手袋を使ったそうですよ
。
Sir Arthur Conan-Doyle held a séance to try and track you down he used one of your gloves apparently.
そのディックスはアガサに、今回のことは伏せておくよう助言したそうです。記憶喪失が一番だ、と。
エピローグ
無事事件を解決したアガサを、ディックスとメイベルが駅まで見送りました。そこでディックスはまた辛辣な皮肉を言います。
It's a shame the truth of murder doesn't lend itself to detective stories. I mean, it wouldn't be much good if the person most likely to have done it actually did it.
この事件はミステリーには不向きだったな。最も怪しい人間が犯人じゃつまらないだろう?
これを聞いたアガサは帰宅すると早速、ある作品のタイトルを修正しました。"The Truth of Murder"(殺人の真実)だったのを"Death on the Nile"(ナイル川の死=ナイル川殺人事件)と変更したそうです。
ニンマリ笑うアガサの後ろにはアガサの失踪事件を報じる新聞記事が飾ってありました。
Mrs. Christine Found, Her Memory Gone.
クリスティーン夫人が見つかった。彼女の記憶は消えた
感想
いや~実に面白いコメディでしたね。来週の放送も楽しみです
。
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ミステリー好きのこんさんなら、きっとこの記事もupしてくださると思っていました!
メガネ・クリスティーの風貌がとってもかわいかったですね。
謎解きはシンプルだったけど、こういった設定は目の付け所が面白いなと思いました。残りのシリーズも楽しみです。
映画「ナイル殺人事件」を見に行きたかったのに、公開は延期のままですね。
そういえば去年公開された「ナイブズ・アウト」はご覧になりましたか?監督がアガサ・クリスティーに捧げて作った作品というだけあって、良かったですよ~。
先日は駅伝コメントもありがとうございました。私も母が好きだったのでその影響です。渡辺・マヤカの激走も見た記憶あります。
大学・実業団は昔から熱心に見ていましたが、世羅高で鎧坂くんが活躍したあたりから、高校駅伝も応援するようになりました。
来年無事に都道府県対抗が開催されたら、是非興奮をお伝えしますね(^^♪