アンという名の少女 あらすじと感想 第3話 私は罠にはかからない
【アンという名の少女~Anne with an "E"】の第3話「私は罠にはかからない」は、また実に見ごたえがあって面白かったですね~。原題は「I Am No Bird, and No Net Ensnares Me」(私は鳥じゃない、網では私を捕まえられない)。いや~アンは実に賢くて逞しいのですね
。すっかり気に入っちゃいました
。
以下ネタバレのあらすじです。
孤児院へ
アンは言われるままに列車に乗り、シャーロットタウンに到着しました。そこには人さらいがいてアンを騙そうとしますが、アンはその誘いを振り切って逃げだします。シャーロットタウンからは船に乗り、セント・オールバンズ孤児院に辿り着いたのは夜も更けてからでした。船の中ではマリラから疑われたことが思い出され、孤児院の前に立つと、里子に出された先で苛められたことがまざまざと浮かんできます
。
孤児院の前に隠れて一晩過ごしたアンは、翌朝やってきた牛乳配達のエイヴリー(Rob Ramsay)に声をかけました。エイヴリーはアンを知らなくても、アンは彼を知っていたのです。アンは得意の作り話をして馬車に乗せてほしいと頼みました。お金持ちのおばさんが現れて生まれ故郷のハリファックスに呼び戻してくれたの!
So if you wouldn't mind conveying me towards my new life?
だから、もしよかったら、私を新しい世界に連れていってくれないかしら?
アンは周到に、寮長が馬車に乗せてもらうよう言ったと語り、まだ配達が残っていると断られそうになると、配達を手伝うと申し出ました。時間はかかってもいいけどお金は払えないから。
人の好いエイヴリーは、それならとむしろ喜んで引き受けてくれました。道中ではアンの話に耳を傾け、奥さんが手作りしたパンと、売り物の牛乳も振舞ってくれます。
マシューとマリラ
その頃マリラは家で二人の帰りを今か今かと待っていました。どうにも落ち着いていられず、あちこち掃除をしまくって、バイトのジェリーに食事まで作って持っていきました。そうかと思うと、やはり居ても立っても居られなくて馬車を引っ張り出し、二人の後を追いかけようとします
。レイチェルが慌てて止めてくれました
。レイチェルの夫のトーマス(Philip Williams)が既に捜しに行ってくれたのだそうです
。
またマシューは馬で駅まで走ったものの、既にアンは列車に乗ったと聞かされます。疲れ切ったベルではハリファックスには行けないと困っていたところに、知人のサム(Torquil Colbo)が通りかかりました。マシューはサムに頼んで荷馬車に乗せてもらいます。が、ハリファックスに着いても今度は路銀が無く、質屋で父の形見の時計を売ってようやく金を作ったところで、今度は馬車に轢かれてしまいました
。アンに似た女の子を追いかけるのに急いでいたからです
。
その馬車に乗っていた夫人が親切に介抱してくれたので無事でしたが、マシューはゆっくりなどしていられないとすぐに飛び出していきました。孤児院に行って寮長に話を切り出しますが、アンは戻っていないと聞かされます
。
マシュー:
My girl. My little girl, she's here. Red braids!
私の少女。私の小さな少女がここにいる。赤毛の三つ編みだ!
寮長:
Oh, I remember her distinctly, but the girl is not here.
彼女のことはハッキリ覚えているけれど、その少女はここにはいない
そんなばかな~困り果ててふらふらと外に出てエイヴリーに出くわしたマシューの耳に、そのエイヴリーの声が飛び込んできました。
Same thing happened yesterday, only that time it was a little girl.
昨日もここで驚かされた。その時は小さな女の子だったけど。
一人で生きる覚悟
アンはその頃駅にいて、待合室にいる客に詩を朗読して汽車賃を稼いでいました。そこへマシューがやってきます。
アンはマシューを視界にとらえながらも無視しました。もう2度と期待はしないと心に誓っていたのでしょうね。マシューが何度もアンを呼んだので、詩を聞いていた客が遠慮してアンを止めたほどです。もういいわ、ありがとうといって立ち去っていきました。
So Marilla must've found the brooch, then, because I am not a thief.
マリラがブローチを見つけたのね。だって私は泥棒じゃないもの
マシューはこの嫌味を無視し、戻ってきてほしいと懇願します。
I've come to take you home to Green Gables.
お前をグリーンゲイブルズの家に連れて帰る
アンはでも、またその時の気分で追い出されたらたまらないと反論します。I am my own family now.(私には私という家族がいる)
アンとマシューがあまりにも言い争っていたため、近くにいた男性がアンを心配して近づいてきました。アンはこれみよがしにマシューをストーカー呼ばわりすると、男はマシューを追い出そうとします。
We're fine. She's my daughter.
心配ない。彼女は私の娘だ
アンは驚いて振り向きました。すぐに顔をくしゃくしゃにしてマシューに抱き着きます
。アンの泣きじゃくる姿を見た男は安心して座ってくれました
。
アボンリーへ
マシューはベルにアンを乗せてグリーンゲイブルズに戻ってきます。その時もせわしなく働きながら二人を心配していたマリラはすぐに外に飛び出しました
。が、その口から出てくる言葉は厳しいことばかりです
。
Well, it certainly took you long enough to fetch her!
彼女を連れてくるのに随分かかったのね!
アンはマリラにいくばくかの謝罪と温かい言葉を期待し、笑みを浮かべて「ハロー」と声をかけましたが、マリラも、こちらは無表情で「ハロー」としか言ってくれませんでした。It's nice to see you back.(戻ってくれて嬉しいわ)
アンの笑顔が消えました。
わだかまり
アンは2Fへ行き、いかにも感慨深そうに部屋を見渡しました。ベッドの上には、あの茶色のワンピースときれいなリボンがきちんと畳んで置いてあります。様子を見に来たマリラは、そこでも、夕食の支度は手伝わなくていい、としか言えませんでした。
それでアンはそれからずっとひたすら大人しく「イイ子」を演じ続けます。馬のベルにだけは孤児院を前にした時の辛さを打ち明けましたが、その様子を見ていたジェリーから、マリラがアンを心配していたと聞いても、決して信じませんでした。そればかりかジェリーにも、今は優しくされてもいずれは追い出される、と脅します。
それはダイアナに対しても同じでした。ダイアナもまた、マリラが病気になるぐらいアンを心配していたと伝えたのですが、アンは信じようとしないのです。
Then why doesn't she show it?
じゃあどうしてその気持ちを表さないの?
アンは、戻ってこれて嬉しいけれど、あまり期待しすぎないようにするのだと打ち明けました。I just don't want to get too attached. Not if it's all going to disappear.(すべてが消えたとしても辛くならないように)
マリラの本心
マリラがその本心を表したのは、それからしばらく後のことです。アンはマシューやマリラとともに昼食会に出かけました。ダイアナは大歓迎してくれましたが、その両親は別です
。彼らは孤児のアンをひどく蔑んでいたのです。最初はそうでもなかったのに、やはり泥棒騒ぎが後を引いているのでしょうか。牧師までアンを精神病患者扱いしていたのには開いた口が塞がりませんでした
。
レイチェルやトーマスはアンを歓迎してくれましたが、それ以外は、特に口さがない子どもたちは、アンを「ゴミ」呼ばわりします。
You're a little orphan! You lived in a trash can! Garbage girl! Garbage girl!
あんたは孤児よ。ゴミ箱に住んでいたの。ゴミっ子!ゴミっ子!
アンは耐えられなくなって逃げ出しました。その後をマリラが追いかけます
。
マリラがアンを見つけた時、アンは大木にすがって泣いていました。アンはマリラに、必要でもないのにどうして連れ戻したのだ、と怒鳴ります。マリラはアンが必要だからだと答えました。
I wonder will you forgive me?
あなたは私を許してくれるかしら?
マリラは、アンを泥棒だと疑ったこと、そして疑ったことでアンに嘘をつかせてしまったことを心の底から後悔していたそうです。
And of course, I know now that you were telling the truth. You are a truthful girl, Anne, even now, and that is an admirable quality. This was my fault. And all that you went through because of it. It's a wonder you came back to Green Gables at all.
もちろん今はあなたが真実を語ったことは分かっている。あなたは誠実な子だもの。アン、それはとても素晴らしい性質ですよ。私が悪かった。あなたには辛い思いをさせた。それなのによく戻ってきてくれたわ。
アンは黙って寝たまま涙や鼻水を手でぬぐっていました。マリラも黙ってハンカチを差し出します。アンはこれを受け取って起き上がり、顔を拭くと、マリラににじり寄るようにして近づきました。
If you could find it in your heart to believe me and forgive me then we can start anew.
もしあなたの心が私を信じてもいい、許してもいいと判断したら、もう一度初めからやり直せるわ
涙ながらにそう言ったマリラは、アンの隣に足を投げ出して座っていました。アンは何も言わずマリラの顔を見つめた後、マリラの肩にちょこんと頭をもたせかけます。マリラはホッとしたように空を仰ぎました
。
本当の家族に
翌日マリラはアンを呼び、カスバートさんではなく「マリラ」と呼ぶよう促します。アンは呼び捨てではなく「マリラおばさん」と呼びたかったようですが、マリラは、自分はアンの「おば」ではないからダメだと拒絶しました
。何せマリラはアンを養女にしようとしていたのです
。マリラとマシューはアンに「カスバート家の聖書」(Family Bible)にサインしてほしいと伝えました
。
You want me to be a Cuthbert? A real Cuthbert?
私にカスバートになってほしいの?本当のカスバート??
アンは、単にサインするだけではこの喜びを表しきれないと、指を切って誓ったらどうかなどと言い出したため、マリラは、キイチゴのジュース(raspberry cordial)で乾杯するのはどうかと提案しました。
Perhaps we could all have a small glass to celebrate without any danger to anyone.
それなら誰も傷つけることなく、祝うための小さなグラスだけで済むわ。
アンもこれには大賛成です。
Oh, Miss Cuth. Thank you, Marilla. That would do nicely.
おお、ミスカス・・・ありがとう、マリラ。それは素敵。
アンはこれで「アン・シャーリー・カスバート」になりました。いやいや、コーデリアは要らんですよ。Alright, that's enough now.
感想
町の人々のことを思うとかなり前途多難ですが、マリラとマシューさえいてくれれば、たとえ何が起きてもアンは耐えて行けますよね。来週の放送も楽しみですね。

オリジナル・サウンドトラック アンという名の少女 [ アミン・バティア&アリ・ポスナー ]
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