ヴェラ(Vera)〜シーズン5 ネタバレと感想 過去からの告発(前後編3&4)
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英国ミステリー、【Veraヴェラ・シーズン5】の3話と4話は「過去からの告発(前後編)」(Old Wounds)です。これはまたなかなか切々とした哀愁の漂うエピソードでございましたね。ヴェラも、こうした事件はいつも以上に心中複雑だったことでしょう。以下早速ネタバレです。
過去からの告発
とある事件の容疑者を追っていた警官が、夜中にホロウソープの森で偶然、白骨化した遺体を発見しました。マーカスの検視によると、遺体は10代後半の女性で、死後20〜30年経過しているとのことです。手がかりは首にかかっていたカメラ。紐にはCTのイニシャルが見えます。また遺体の側には、ちょうど30年ほど前にその土地で起きた炭鉱ストライキのバッジが埋まっていました。Coal not dole.(失業保険より石炭を!)その頃人々は口々に「サッチャーは退陣しろ」(Maggie out)と叫んでいたそうです。ちなみにヴェラはもう警官として働いていました。
ヴェラから「new girl」に調べさせろとご指名を受けたヘレン・ミルトン(Lisa Hammond)は、エイデンが伝えたわずかな情報から、即、身元を特定します👍。キャリー・テリングという1984年6月に17歳だった少女だそうです。当時両親が捜索願を出していたそうですが、ヘレンはこれを警察のデータベースでは無く、地元紙のアーカイブから見つけたのだそう。Local papers better at archiving than we ever were. 当時テリング一家は、遺体が発見された約3キロほどの場所に住んでいたそうです。
エイデンはすっかり感動していましたが、どうやらこのヘレン、仲間内では「intelligence」と呼ばれているらしい。おそらくはSecret Intelligence Service(秘密情報部)のintelligenceですよね😍。
ヴェラは、遺体の発見がたいそう遅れたことを詫びるためにも、制服警官では無く自分たちで遺族を訪ねることにしました。電話でヘレンを激励し、引き続き地下へ行って資料を探すよう命じます。車椅子ユーザーのヘレンは"Always a pleasure"(いつだって喜び)とヴェラには愛想よく答えておいて、これを即、食事中のケニーに振りました😁。ケニーは当然のように頷き、ベサニーはヘレンに「やるわね😉」な笑みを送ります。
待たされ過ぎた父
ヴェラや制服警官が街に現れると、不穏な空気が漂いました。かつては炭鉱の町だったここに住む人は皆、警官を毛嫌いしているのだそうです。実際、キャリーの父親=ウィリアム(George Costigan)も当時は鉱山労働者だったそうです。
ウィリアムはカメラを見て、16歳の誕生日に買ってやったものだと証言しました。キャリーは写真撮影が得意だったそうです。最初に触れた炭鉱ストライキで労働者と警官が激しく衝突したことや、警察が、いつになっても娘のキャリーを捜し出せなかったことから、ウィリアムは警察を憎んでいたようでした。またキャリーの母が"half-cast"(英印混血児)だったことも、警察に偏見を抱かせた、と憤慨していました。
手がかり
キャリーの財布
キャリーの財布にはREC輸入会社のクレジットカードとカーライル行きのバスの半券が2枚、そして「聖セシリア」と書かれた番号が入っていました。ヴェラはこれを聞いてハッとします。聖セシリアは、地元の少女なら誰もが知っていた「中絶してくれる病院」だったのだそうです😨。
捜査担当者
当時の事件を担当したのはヴェラの元上司のジョニー・ウォーリック(Daragh O'Malley)。この上司は「女性のヴェラ」に炭鉱ストライキの現場に出ることを許さなかったため、ヴェラは車の中で何人か逮捕したのだそう。それを知った父はヴェラと1週間口もきかなかったそうです。また同僚には、家族が炭鉱で働いていたという理由で辞職した者もいれば、抵抗する労働者相手に興奮する者もいたらしい。
ウォーリックは警察を辞めて大学の教授になっていました。ヴェラの口調から"So you weren't one of the ones that spoke up? "(話しづらい相手なのか)と察するケニーはさすがでございましたね。ヴェラはそんなことはないと否定していましたが、実際彼は当時、下品だという噂があったのだそうです。ウォーリック本人も自分のことを"Pariah"(除け者)と自嘲していました。でもヴェラには協力的だったらしい。
ウォーリックを訪ねていくと、彼の妻=シャーロット(Lynne Verrall)は認知症になっていました。その前は乳がんを患い、そちらは克服したそうなのに。ウォーリックは家で彼女の世話をしていたそうです。当時のこともいかにも懐かしそうに話してくれました。「不確かだ」と前置きしながら、キャリーは父親から逃げたのではないか、との見解を示します。失踪前にも父から逃げようとしていた「噂」があったのだそうです。
男友達
キャリーには、キャリーを慕う男友達がいました。その名はマイケル・テナント(Martin Marquez)。こちらも、今や地元民なら誰もが知っている「政治家」となっています。キャリーが持っていたクレジットカードは会社のもので、このマイケルが盗んだことになっていました。彼は当時炭鉱労働者の見習いをしていたそうで、その生活はとても貧しかったそうです。
ヴェラが話を聞きにいくと、マイケルは、カードを拾ったことにしてほしいとキャリーに頼まれたが、そのキャリーがカードを持ってこなかったため、仕方なく、カードを紛失したと社長に謝罪したのだと答えました。実際このカードは、キャリーの親友でこの会社の社長令嬢だったクレアが、密かに中絶をするためにこっそり盗んだのだそうです。キャリーがカーライルへ行ったのはクレアの付き添いだったのです。
でもヴェラは、てっきりキャリーが中絶したのだと思い込み、父親のウィリアムにもそれとなくこれを匂わせていました😣。もちろんウィリアムはカンカンに怒り出します。エイデンが、娘の妊娠を知って逆上したために殺したのか、などと仄めかしたから尚更でしょう😩。
ウィリアムの友人のスタンリー・コンヴィール(Philip Martin Brown)は、ウィリアムは決してキャリーを殺したりしない、と批判しました。ヴェラは、気になっていたキャリーの母ベリル(Angela Bruce)について尋ねます。ベリルはウィリアムとは別れて旧姓のドイルに戻りましたが、まだ近くに住んでいたそうです。
ベリルは、キャリーには好きな男性がいたと証言しました。近所でも評判の問題児だったテリー(テレンス)・マンタン(Patrick O'Kane)です。テリーは、キャリーの失踪当時はカーライルの少年院に入っていました。でもヘレンが調べたところによると、2〜3日は外泊も可能だったらしい。
ヴェラは早速ベサニーに命じて、実家を調べさせました。これをスタンリーが見張っています🧐。彼はすぐにウィリアムに知らせに行きました。キャリーを殺したのはテリーだと早合点したウィリアムは、テリーを殺してしまいます😨。ヴェラは、その前にテリーを捕まえようとしていたのですが、エイデンが寝坊して遅れたため、あと一歩間に合いませんでした😤。
とんだ藪蛇
このテリーに、マイケルが金を渡していたことを突き止めたヴェラは、マイケルが犯人ではないかと推理しますが、凶器の指紋が一致しません。テリーはマイケルから「当時スト破りをしていた」ことをネタに脅されたのだそうです。議員としてはスト破りを批判していたため、彼は辞職に追い込まれました💦。
アラン・ドーソン
一方でベリルは、キャリーの家出は自分の「浮気」のせいだと思い込んでいました。彼女はたった一度、大学で教えた「アラン・ドーソン」という学生と関係を持ったのだそうです。それを知ったキャリーは母に絶望して家を出たまま帰らぬ人となった、そう自分を責めていたのだそうです。
この名前「アラン・ドーソン」が思わぬ人の口から出てきます。スタンリーです。スタンリーは、炭鉱スト当時から警察への情報提供者だったのだそうです。そのような習性があったから、テリーのこともすぐにウィリアムに伝えたのですね👎。警官の名前は「アラン・ドーソン」😱。
ヴェラはすぐにベリルに会いに行き、アランについてなんでもいいから教えてほしいと迫り、ついに「アランの妻」が乳がんだったと突き止めました。そう、アラン・ドーソンは、ジョニー・ウォーリックだったのです😡。
信頼が仇に
母と警官ウォーリックの「浮気」を知ったキャリーは、炭鉱ストライキで取り締まりをしていたウォーリックの写真を何枚も撮影して、母との浮気を暴露するとウォーリックを脅しました。ウォーリックは、彼女のカメラを奪おうとしましたが、できなかったため、キャリーを殺し、カメラごと地中に埋めたのだそうです☠️。
すべてを時代のせいにしようとするウォーリックをヴェラは容赦なく非難しました👊。ウォーリックは、炭鉱労働者のスタンを情報屋に使うだけでは飽き足らず、同じく労働者で炭鉱ストに参加していたウィリアムの妻を誘惑して関係を持ち、そんな自分に酔いしれていた違いないのです👎。
すべては国家のためだと言い訳するウォーリックをヴェラはこてんぱんにやっつけました。
Oh, what a load of rubbish. You just didn't want to get caught playing away. No one asked you to go undercover. Alan bloody Dawson! What a charade! Just an excuse to get your leg over. Shame on you. Don't blame the times, blame yourself.
なんて愚かな。自分の立場を利用して遊びたかっただけよ。潜入捜査なんて頼んでないわ。アラン・ドーソンなんて気取っちゃって見え透いてるわ。恥を知りなさい。時代じゃなくて自分自身を責めなさい。
するとウォーリックは、何を思ったか、いきなりヴェラを罵倒します🐒。That's your problem, Vera. You've always been a little bit too clever for your own good. That's why you never found yourself a husband(お前が問題だ、ヴェラ。お前がいつも賢すぎるから悪いんだ。だからいまだに夫も見つけられない)
いや〜あんたみたいなゲス野郎なら見つけない方がずっとマシやろ、とは言わず、ヴェラの答えはユーモアたっぷりでした。Oh, that's a dagger in my heart😎.(私の胸に短剣が突き刺さったわ)
こうしてウォーリックは逮捕されました。ヴェラは、かつてコイツを信じたことを後悔します。Where do you hide outrageous behaviour? In outrageous behaviour.(凶悪な行いを隠すには凶悪な行いの中が一番)つまりウォーリックは自分の殺人を隠すために、敢えて例の「下品な行い」をしたのではないかと思ったそうです。The rumours were a sign.(噂はサインだったのよ)
どうやら、若い頃のウォーリックはなかなかチャーミングだったそうで、ヴェラもまた〜一度も言い寄られなかったけど〜好意を抱いていたようなのです。I haven't always looked like this, you know.(私だってずっとこんなんじゃなかったのよ)
優しいエイデンは、ヴェラが賢すぎて近寄れなかったのだとフォローしました。そのエイデンは、過去のトラウマが原因で不眠症にかかっており、睡眠薬を使っていたそうです。それで寝坊したのですね。
エピローグ
ヴェラはウィリアムに、キャリーの遺体が発見されたホロウソープの森へのお参りを許可しました。制服警官に手錠をかけられてきたのも、逃げないから外せと命じます。A bit of dignity.(せめてもの敬意を示して)その少し前にベリルが花を手向にきていました。ウィリアムは、時間をずらそうかと配慮するヴェラに、両親揃っての方がキャリーが喜ぶと答えます。
ヴェラは、無実のテリーを殺したことに打ちのめされていただろうウィリアムに、そっと耳打ちしました。Well, on behalf of Terrence Manttan's family, you know where you can stick your "thank you".(テレンス・マタンの家族の代わりに彼らの感謝を伝えるわ)やはり余程の問題児だったようです〜それとも作り話かな🌹。
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