刑事フォイル-Foyle's war 最終回 あらすじと感想 エリーズのために
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【刑事フォイル~Foyle's war】の最終回は「エリーズのために」(Elise)です。いや~最終回らしく実に見ごたえがありましたね。これまでヒルダ・ピアースという人物は苦手なタイプだったのですけれど
、彼女の最後の決断はその苦手意識を払拭してあまりあるものでした
。
以下ネタバレのあらすじです。
そのピアースが若い青年に撃たれました。This is for Elise.(エリーズの仇だ)
青年はそう語り、ピアースに向かって至近距離から2度発砲しますが、女傑ピアースは何とか生きながらえます。
その頃フォイルとヴァレンタインはSirアレクからダミアン・ホワイト(Leo Gregory)という闇商人を捕まえるよう命じられていました。ホワイトは大掛かりな組織で莫大な利益を上げている他、ソ連のスパイ=アルカージー・クズネツォフ(Serge Soric)と接触しているらしいのです
。
そこへサムがピアースが狙撃されたと知らせに来ました。フォイルとヴァレンタインは早速病院に駆けつけますが、ピアースは意識不明の重体です。ヴァレンタインはピアースを、意見は違っても素晴らしい女性だと称え、フォイルに何としても犯人を見つけてくれと頼みました。
Nothing can stop her. Not even two bullets.
誰も彼女を止められない。たとえ2発の銃弾でも
フォイルが見張りを手配しようとしていたところに、MI6の作戦部長でピアースの盟友だというSirイアン・ウッドヘッド(Conleth Hill)が現れました。ウッドヘッドはピアースが撃たれたことに怒りを隠せず、フォイル達を叱り飛ばします。彼はかつてピアース同様、SOE(Special Operations Executive、特殊作戦執行部)だったそうです。
フォイルは早速サムを連れてピアースの部屋を訪れました。サムが「ちゃんと食べているのか」と心配したほど何もない殺風景なその部屋で、フォイルは、ピアースとウッドヘッドが写っていた写真の奥にエリザベスが写っていたのを発見します。
その後フォイルは、やはりピアースの部屋で見つけた「Special Forces Club」(特殊部隊クラブ)というSOEや情報局員のためのクラブを訪ねました。受付では追い返されそうになりましたが、ピアースが殺されたと伝えると、会員のひとりのジェームズ・スタッフォード(Julian Lewis Jones)が招き入れてくれます。
スタッフォードもSOEのメンバーだったらしく、「エリーズ」はきっとピアースの女の子たちのひとり(Was she one of Hilda's girls?)ではないかと教えてくれました。その推理は的中し、エリーズは「ソフィー・コリガン」(Katherine Press)という女性工作員のコードネームだったことが判明します。
フォイルはまずエリザベスを訪ね、ピアースが撃たれて重体だと伝えました。エリザベスは観念し、ピアースとの関係を告白します。ピアースと出会ったのはSOEができた少し後の6年前で、フォイルを見張るよう言われていたと。
それを隠していたエリザベスから今さら褒められても、そう簡単に信じるフォイルではありませんね。せっかく良い雰囲気だったのに惜しいことをしました
。
エリザベスはすぐにウッドヘッドのもとを訪れ、ピアース狙撃は「プラトン」と関係があるのではないかと尋ねますが、ウッドヘッドは個人的な恨みだと否定します。
スタッフォードから連絡を受けたフォイルは早速コリガン家を訪ね、ソフィーの母のジョイス(Emma Fielding)から、ソフィーの兄のマイルズ(Jesse Fox)が家を出て行方が知れないと聞かされました。そのマイルズこそピアースを撃った犯人だったのです。
ソフィーはピアノが得意で、家ではよく「エリーゼのために」を弾いていたのだそうです。日本語だと「エリーゼ」が一般的ですが、英語は「For Elise」(エリーズのために)ですから、ソフィーのコードネームはここから採ったものと思われます。
その頃ようやくピアースが意識を取り戻しました。ピアースは、撃たれる前に耳にした「エリーズ」がソフィーだったと気づいていて、見舞いに来たウッドヘッドに「プラトン」の仕業に違いないと訴えます。でもウッドヘッドはここでも違うと否定しました。
果たしてプラトンとは何者なのか?
ピアースは、かつてエリーズを任務に送り出す際も、まるで我が子のように、母の形見だというペンダントをプレゼントし、くれぐれも注意するよう言い含めたそうです。スタッフォードが「ピアースの娘たち」と表現したのも頷けますね。
その後、なんとマイルズ本人がフォイルに電話をかけてきました。マイルズ曰く、ピアースらSOEは、ソフィー達女性工作員が殺されると承知の上で、フランスに送ったというのです
。そのせいでソフィーはゲシュタポに拷問されて殺された!!
フォイルはSirアレクの許可を得て、ピアースに事情を聴きに行きました。マイルズが狙っているのは当時のSOEの関係者だと確信したからです。
ピアースは、ソフィーはフランスに到着して3日後、ゲシュタポに殺されたと語りました。他にも8名が同じように亡くなったそうです。
考えられる理由は2つ~1つはフランス側の情報網が崩壊していたか、SOEに裏切り者がいたか。
ウッドヘッドは前者を強く否定し、後者を想定してその裏切り者を仮に「プラトン」と呼んでいたのだそうです。そのプラトンの正体を調べるよう命じられたのが、エリザベスだったのだとか。
エリザベスの調査は3ヶ月に及び、ウッドヘッドとピアースを含めた容疑者を5人まで絞り込んだそうです。ふたりを除いた3名は当時、作戦訓練部の部長で現在は国家公務員の要職に就いているエリック・カプラン(James Garnon)、暗号通信部の主任で辞職したピーター・ホートリー(Nick Caldecott)、そして夜間特別飛行隊でパイロットをしていたリュック・テリエ(Serge Hazanavicius)です。
このカプランは、最初にSirアレクから命じられたダミアン・ホワイトに関わってきます。カプランは、ヴァレンタインと同じ趣味を持っていたため
、その弱みに付け込まれてホワイトから脅されていました。ホワイトはその手の店の経営者だったらしいですね。この事は、カプランの行動から、身に覚えのあるヴァレンタインが突き止めました
。
ホワイトに脅されたカプランは、軍や国の機密情報をホワイトに流すしかなかったらしい。特にその時はお気に入りの青年(ブルーランタンのアーチー)と離れがたかったようですね
。
ホワイトはこの情報をソ連側に流したり、軍や国の物資を強奪して闇に流していたのですが、その闇での商売を見たアダムがこれを警察に訴えます。
最初アダムはむしろ必要悪だと目をつぶろうとしましたが、ハリスが断固反対したのです。君はもっと誠実な人間だと思っていた!って最近アダムはサムの影響を受けて柔軟になってきていますよね。案の定、サムはちゃっかり闇市でストッキングを買っていたそうです
。
が、この警察~警視正のアダム・オズボーン(Ferdy Roberts)がホワイトと結託していました。それでアダムは濡れ衣を着せられて捕まってしまいます
。ガス会社の社員を装った男がサムを騙して家に煙草を隠していったのです。
サムが憤懣やるかたない思いでいたところに、折よくSirアレクが「極秘書類」を持ってきました。それが「オズボーンとダミアン・ホワイトの盗聴記録」だったことから、それを盗み読みしたサムはオズボーンを捕まえる決心をします
。
サムは早速ハリスを脅して仲間に加え、証拠をつかみに行きました。加えて、特殊作戦部隊にいて爆弾に詳しいスタッフォードまで呼び出します
。
サムは、ホワイトとオズボーンが密会し、ホワイトがオズボーンに「ロバーツのラジオ」を贈っている現場を写真に収めました。その後は見つかって捕まりましたが、スタッフォードが発煙弾と空砲で派手に救出してくれます
。ハリスは恐れをなし、またこんなことがあったら保守党に鞍替えするとこぼしました
。
一方でマイルズは、カプランを狙ったところをMI5に返り討ちにされました。マイルズは、ソフィーとの懐かしい思い出を振り返りながら絶命します。その直前フォイルに「ロバーツ」と告げていました
。
またテリエは9人の工作員たちを現地に送ったパイロットでしたが、詳しいことは何も聞かされてなかったそうです。彼は今でもパイロットを続けており、フォイル達が訪ねて行くと、ソフィーが殺される前、ポートリーの要請を受けて北フランスの上空を飛んだと教えてくれました。何か確認したいことがあったらしい。
その報告を受けたピアースは、何としてもポートリーを捜すよう語気を荒げました。この時ピアースにはもう大体の見当がついていたようですね
。
カプランの自白でホワイトは捕まり、サムの写真で「ロバーツ」が何を意味していたかを知ったフォイルは、再度コリガン家へ行き、マイルズが行方をくらます前に母のジョイスへの誕生日プレゼントに贈ったというラジオの配給場所を確認しました。それがポートリーの経営する電気店だったのです
。
そのポートリーは、ソフィーの前に8人も工作員が死亡したことを疑問に思い、彼女たちからの無線交信を生で聞くことにしたのだそうです。彼女たちを訓練をしたポートリーは、皆の打電の癖を知っていたのだとか。
その結果ポートリーは、彼女たちからとして送られていた無線は見知らぬ他人の手によるものだと確信しました。これで彼は、フランスの情報網は壊滅していると悟ったそうです
。もしそれが事実なら、フランス2課は完全に終わっている!
上に報告する前に確証を掴もうとしたポートリーは、以前フランス情報網を作る際に手伝ってくれた工作員エドワード・サイクスと連絡を取ろうとしたのだそうです。それで北フランス上空へ行き、サイクスと直接話そうとしたのだとか。
ところが、このサイクスも偽物だったそうです。これで確信を得たポートリーは早速ウッドヘッドに報告したのに、ウッドヘッドは逆切れしてポートリーを正気じゃないと罵ったそう
。それでもポートリーは諦めず、ピアースに伝えるよう頼んだのに、そのピアースから解雇通知が送られてきたことで絶望し、黙って姿を消したのだそうです
。
それからずっと沈黙を通してきたポートリーが、偶然、ラジオを買いに来たマイルズがソフィーの兄だと知った途端、黙っていられなくなったそうです。
フォイルから連絡を受けたピアースは、すぐに飛んできて、ポートリーを叱責しました。どうして私と直接話さなかったの!?
解雇通知を送ったのはピアースではなくウッドヘッドだったのです。その事実はどうやらエリザベスも知っていたようでしたね
。
その時私に言わなかったのに、どうしてマイルズに話したりしたの!彼はあなたのせいで死んだわ!!
でも彼女が本当に許せなかったのはポートリーではありませんでした。長年の信頼を裏切ったウッドヘッドと、そんな彼を信じた自分自身です。ソフィー達は「危険な任務」に就いたのではなく、敵に殺されるために送られたようなものなのです。それもSOEを正当化するためだけに
。
ピアースはウッドヘッドのオフィスを訪れて彼を問い詰めました。ウッドヘッドは、すべてはDデイ(ノルマンディー上陸作戦)のためだったと言い訳します。フランス情報網の壊滅を知られたら、我々の立場がなかった!
すべては過ぎたことだと語ったウッドヘッドをピアースは断固否定しました。
Not for me. I cannot accept what we did.
私にとっては終わっていない。私たちのしたことは到底受け入れがたい
ピアースはそう言って手榴弾を取り出し、栓を抜いて、二人の間にあったテーブルの上に置きました。
ピアースの葬儀に出席したサムは、ようやくフォイルに自分の妊娠を告げます。それで少しでもフォイルを慰めたかったようですね。
The fact is, you could say I'm PWP.
つまり「PWP」だと言うつもりか?
この表現がまた面白かったですね~PWPとはPregnant without permission(許可を得ないで妊娠すること)だそうです
。
自分がいなくても大丈夫かと尋ねるサムに対するフォイルの答えもまたいかにもイギリス人らしくて楽しかった。
Well, I might be OK. I don't know about the rest of the country, but...
私はおそらく大丈夫だろう。他の国民にとってはどうか知らんが・・・
サムはフォイルに名付け親になってほしいと伝えました。
I'd really like it if you'd be the godfather.
フォイルは「Honoured」(光栄だ)と答えます。サムはフォイルとハグをし、その頬にキスをしてアダムのもとへ去っていきました。
サム: Thank you. (ありがとうございました)
フォイル: A pleasure. (どういたしまして)
フォイルがふと目を上げると、遠くにエリザベスが佇んでいます。こんなことになったからには、もう、フォイルが彼女を許すことはないでしょうね。
あ~本当に面白かったです。もっともっと続いてほしかったけれど、とりあえずは最後まで視聴できて幸せでした
。
また最後になりましたが、毎週変わらずお訪ねくださいました皆々様には厚く御礼申し上げます。またこのような傑作に出会える日が来ることを願いながら、刑事フォイル、最終回のレビューを閉じさせていただきまする。長い間、御贔屓いただきまして、本当にありがとうございました
。
これまでに視聴した欧米ドラマの視聴リストはこちらです
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