バビロン・ベルリン3 最終回 ネタバレと感想 狂気が狂気を呼ぶ(11話含)
~バビロン・ベルリンのネタバレと登場人物はこちらでご確認いただけます🌹: バビロン・ベルリン ネタバレと登場人物一覧~
ドイツ制作のミステリードラマ、【バビロン・ベルリン3】の11話と12話(最終回)を見終わりました。いや~面白かったです。シーズン1の時は少ししか感じなかった「狂気」が次第に増幅して、最後にはすぐそこに迫っている「戦争」の影が見えるようになってきましたね
。シーズン4の制作も予定されているそうで、これはますます楽しみです
。
以下ずばりネタバレです。
連続殺人事件の真相
実行犯
ベティ・ヴィンターを殺害したのは、ギャングのベラ・ゴシュトニー(Alexander Hörbe)とサンダー・ゴシュトニー(Arno Frisch)の兄弟でした。弟のサンダーが、かつてヘニングたちが取り調べた「配達業者」で、兄のベラはその後に登場した「髭と帽子の男」です。彼らはエドガーに恨みを持っていて、映画の撮影を阻止しようとしたのだそうです。ベラは関与を否定していましたが、実際はどうだったんですかね
。
その映画はエスターの尽力もあって無事撮影も終了し、興業の運びとなりました。アンドロイドをテーマにした「悪魔の情熱」の評判は、記者は懐古趣味と酷評していましたが、まずまずだったようです。ちなみにこの記者=フレッド・ヤコービー(Peter Jordan)がグレーフの恋人です。
影の黒幕
ゴシュトニー兄弟を利用したのがウルリヒ・レオポルトです。フェーリクス・クレンピンを殺害した銃弾からゴシュトニーに辿り着いたウルリヒは、こともあろうに、この殺人を「ファントム」として続けるよう脅しに行きました
。その理由は、殺人課ばかりが世間の注目を浴びているのが不満だったからです
。実際に事件を解決しているのは「記録課」なのだと殺人課や世間を見返したかったようですね。なんとまあゆがんだ野望でしょうか
。
結末
ウルリヒがおかしいと最初に気づいたのはロッテでした。ウルリヒは、例のナイフにワイントラウブの指紋を付けて彼を犯人に仕立てようとしたのですが、そのウルリヒから「指紋」のことで試験を落とされたロッテがこれを指摘したのは痛快でしたね
。ウルリヒは指紋の向きに気づかず、これを反転させたまま捏造してしまったのです
。いや~手袋をしていたら指紋が薄く検出されるなんて初めて聞いたよ。
ロッテの指摘に逆上したウルリヒはロッテを殴り倒しました。その上どうやらインシュリンを注射しておいたようですね。そこに部下のカスパー・ヴァイスハウプト(Thimo Meitner)が戻ってきて、上司が残業しているなら僕も、と働き始めました。カスパーが横たわっていたロッテの脚に気づいたのを察したウルリヒは、この忠実な部下まで殺してしまいます
。まさに正気の沙汰ではありません。
そこへ、ラートが別の用事(※後述)でやってきました。ロッテを捜そうとしたラートはその異変に気づきます。記録課の床には血がべっとりついていたので、その血を辿ってロッカーを開けると、カスパーの遺体が出てきました。そこへウルリヒがやってきて、ラートにインシュリンを注射します。ラートは必死でウルリヒを狙撃しますが、残念ながら命中せずに逃げられてしまいました
。
インシュリンに気づいたラートは部屋に置いてあった角砂糖を口にします。これは見事でございましたね。
その頃、当直だったのか、銃声を聞いたゲナートが駆け付けてきました。ウルリヒはこのゲナートも捕らえ、自らの欲望を満たします
。ゲナートを、いつも彼が講義や記者会見をしていた講堂に吊り下げ、あたかも自分が記者会見をしているかのように振舞ったのです
。ウルリヒの目にはたくさんの記者が見えていたそうです
。
そこへラートがやってきました。事情を察したラートはすぐに一緒に来ていたグレーフに連絡し、自分はまずロッテを捜しに行きました。ロッテが階段の下の小さなスペースに隠されていたのを見つけると、即、医者を呼んで手当てをさせます。
ウルリヒは捕まり、サンダーも逮捕されましたが、エドガーは決して許さず、ワイントラウブとともに護送車を襲ってサンダーを射殺しました。
ゲナートはこれをヤコービーに「ベルリン闇世界の戦争だ」と伝えていましたが、戦争は闇世界だけではありません。
ヴェントの陰謀
ヴェントはベンダの妻=イルムガルド(Jeanette Hain)から、彼の手帳を預かりました。そこには、血のメーデー事件で、警視総監ツェルギーベルが発砲を指示していたことが記載されていたそうです。ヴェントは早速これでツェルギーベルを脅しました。彼は警視総監になろうとしていたのです。その上首相には一味の者を送り込むと語っていました。
参考までに、アドルフ・ヒトラーが首相に任命されたのは1933年1月30日だそうですから、もう少し先の話ですね。現在のところはモーリツたちが上からの命令で「我が闘争」をあちこちに配っていたようです。
ヴェントはナチスの幹部なのでしょうが、同じナチスでも右派で突撃隊の指導者=中尉のヴァルター・シュテンネス(Hanno Koffler)は彼に反感を抱いていたようですね。シュテンネスは、ヴェントが己の保身のためにペヒトマンやケスラーの口を封じたと察していました。ベンダ殺害はナチスの総意ではなく、ヴェント個人の意思だったようです。それでヴェントはこれを何としても共産主義者の仕業に見せかけたかったのですね。
またヴェントは、直接手は下さずとも、シュトレーゼマン外相の死にも関与していたと描かれていました。外相が発作を起こした際、一緒にいたヴェントが彼に適切な処置を施していれば、外相は死なずに済んだようなのです。
ベンダ殺害事件
奇跡を信じて
リッテンは何とかしてグレータを助けようと奔走しました。死刑執行予定日はちょうどシュトレーゼマン外相の国葬にあたり、ロッテは、そんな日に役所が動くだろうかと不安を吐露したのですが、リッテンはそこを逆手に取ります。何でも、国が喪に服す間はいかなる公務も行ってはならないという法律が存在するのだそうです
。
リッテンは早速判事に直談判し、判事もこれを認めざるを得ませんでした。街が国葬の行列でごった返している中、ロッテは必死でその命令書を持って刑務所に駆け付けましたが、あと一歩のところで間に合いませんでした。グレータは、絶叫するロッテの目の前で首を切り落とされてしまいます
。ヴォルカーも最後の最後までリッテンが何とかしてくれると信じていたようなのですけれど。グレータは最後に息子に手紙を残し、その幸せを願っていたようですね
。
動かぬ証拠
ラートはグレータの仇を討つと心に誓い、ヴェントにカマをかけました。なんとラートはヴェント本人に、ベンダ殺害の張本人はヴェントだと指摘し、それをヴェントが認めた会話をこっそり録音したのです
。これは機械に強いグレーフのお手柄のようでしたね
。
ラートはこれをツェルギーベルに渡したらしく、ツェルギーベルは密かに手を回してヴェントの警視総監就任を阻止しました。総監には、ツェルギーベルの前に総監を務めていた社民党のアルベルト・クシェジンスキ(Hans Martin Stier)が就任したそうです。自分が総監に指名されると勲章まで付けて来ていたヴェントの失望ぶりが可笑しかったですね
。
影の軍隊
マルは約束通り、父ゼーガース大将率いる影の軍隊に関する資料を手に入れてくれました。マルはエリーザベトに、他にも山ほどあると言い、これからも持ち出してくると約束してくれます。エリーザベトはラートの家にカテルバッハを訪ね、まるで彼の妻のように振舞いながら、この証拠=フィルムをラートに託しました。ラートはこれをグレーフに現像してもらおうと、夜中に警察へ出かけたのです※。
大恐慌
ついに大恐慌が起きました。第1話で見たように、証券会社は混乱を極め、自殺する人も現れます。その中にはベームもいました
。どうやら破産したらしく、銃を持って錯乱状態です
。そんなベームをラートが押しとどめました。君は優秀な警官だ、生きてさえいればまたやり直しができる、そう言って
。
一方のニッセンは、思惑通りになって有頂天でした。一旦は絶望して自殺を図ろうとしたのですが、そこをヘルガに救われたのです。今そのふたりは(今度こそ)夫婦のように暮らしていました。もはやラートの入る余地はなさそうです。
ロッテのあれこれ
イルザとトニ
気の毒なイルザの手術は失敗したそうです。左目は失明し、右目は涙が止まらなくなったそうです。イルザは、自分のために尽力してくれたロッテを責めようとはしませんでしたが、夫のエリッヒとトニはロッテを大いに非難しました。トニはロッテが本当の姉ではないと知ったようで、ロッテに売春を咎められると激怒して下宿を出ていき、浮浪児たちの仲間になったようです。
本当の家族?
ロッテは、母に手紙を送っていた相手がエルヴィン・トロールマンだと突き止めました。母とトロールマンの間には息子もいたようで、その子はルケリ・トロールマンというボクサーだそうです。
新しい合成物質
どうやらアンノーが、人間からあらゆる痛みを取り去るという麻薬のような合成物質を作り出していたようです。それがこの時代にどんな影響を及ぼしたのか、は、来シーズンのお楽しみですね。
感想
いや~実に見ごたえがありましたね~。是非またシーズン4も放送していただきたいですね
。
- 関連記事
-
- バビロン・ベルリン ネタバレと登場人物一覧
- バビロン・ベルリン3 最終回 ネタバレと感想 狂気が狂気を呼ぶ(11話含)
- バビロン・ベルリン3 ネタバレと感想 9&10話 滅亡の足音
- バビロン・ベルリン3 ネタバレと感想 7&8話 ファントムの罠
- バビロン・ベルリン3 ネタバレと感想 5&6話 混沌
- バビロン・ベルリン3 ネタバレと感想 3&4話 マントを着た人物
- バビロン・ベルリン3を見始めました 1&2話 ネタバレと感想
- バビロン・ベルリン 最終回 ネタバレと感想(15&16話) 面白かった!
- バビロン・ベルリン ネタバレと感想 13&14話 聖体の祝日
- バビロン・ベルリン ネタバレと感想 11&12話 赤い手帳
確認ありがとうございました
早速にも、返信や確認いただきありがとうございました。
共産党員の女医さんとかもシーズン1で出てきて、グレタ刑務所収容でまさかの再登場だったり、思わぬ人物がストーリーが進むうちに重要な人物になっているのが、このdドラマの面白いところです。
女医さんは、まだインパクトがあったので、かなり久々の再登場でも分かりましたが、警察の面々は人数も複数いるし、ゲナートも話が進むうちに存在感がでてきましたから、私も最初は誰が誰だか状態でした。
シーズン3、あれだけ広がった話が大方かなりまとまりましたが~グレタの刑執行は、シュトレーゼーマンの葬儀とうまく重ねてシーズン4までベンダ事件を引っ張るかと思ったのですが、甘かったです~ゼーガースの娘からベーンケ夫人に渡った機密資料の顛末やロッテとトニの関係など、シーズン4が待ち遠しくてたまりません。