いだてん ネタバレと感想 第23話 大地
宮藤官九郎氏脚本のNHK大河ドラマ、【いだてん~東京オリムピック噺~】の第23話は「大地」です。これは実に楽しいエピソードと、実に痛ましいエピソードの両極端で、笑ったり泣いたりと大忙しの45分間でした。以下ネタバレのあらすじです
。
まずは大笑いの方から参りますると、四三を守ろうとした子どもたちがバリケードを張ったことは、すぐに播磨屋の耳にも入りました
。播磨屋では四三が首になったら困ると、早速握り飯を作って差し入れに来ます
。
そこでシマがある提案をしました。女に体育は向かないと「医学的見地」から結論付けた医師の大作に、富江と駆けっこをしてみてくれないかと頼んだのです。それでもし富江が勝てば、女性も鍛え方次第で強く、速くなれると認めてほしいと訴えました
。
大作は、軽い気持ちでこれを引き受けますが、いざスタートしたらすぐに富江に置いていかれてしまいます。
もう1回やらしてくれっ!!
そうやって何度も何度も走りましたが、その度にふたりの差は開く一方で、6回目の最後はゴールするのもやっとだったのは、言わずと知れた大作の方です
。
おまえ、いつの間にこんなに早くなったんだ?
富江とシマはこれみよがしにニンマリ笑い、鍛えていますから、と答えました。これで辞職勧告は撤回してくださるわね?
富江は意気揚々と四三に手を振って帰っていきます。ごきげんよう、パパ!!
シマはこの話を実に嬉しそうに治五郎に語って聞かせました。治五郎も大喜びで聴き入り、そのうち、そんな誤解も無くなる時代がきっとくると励まします。その治五郎もついに神宮外苑競技場の完成を目前に控えていたそうです
。
娘のりくは新しい競技場で走れるのか、と羨ましそうに語ったりくに、四三は「シマちゃんも走れる!」と激励しました。そうだ、君はまだまだ若い!! そういう治五郎は、東京オリンピックはもとより、柔道を世界中に広めるまで=150歳まで生きなくてはと考えていたのだそう
。
治五郎は、今度3人で競技場を見に行こうと誘い、実際四三には声をかけてきたそうなのに、四三はシマにそれを伝えるのをうっかり忘れてしまいました。その日は大正12年9月1日で、シマは既に富江たちと浅草にオペラを見に行く約束をしていたそうです。12時に12階で待ち合わせなの。パパもいらっしゃる?
四三は治五郎との約束を守り、オペラはまたの機会にと断りました。それでシマはりくを播磨屋に預けて、ひとり、浅草へ出かけたそうです。思えば、あんなにりくが泣いたのも、何かを察していたからかもしれません。
そして運命の11時58分32秒(頃)、大地震が起きました。シマは凌雲閣の12階ではなく、まだ入り口にいたようですが、りくへの土産に買ったでんでん太鼓を落としてしまい、それを拾おうとして建物の下敷きになったようです
。凌雲閣は8階のところで二つに折れてしまったのだそう
。
小梅や清さんもその近くにいましたが、こちらは難を逃れたようです。
孝蔵とりん、播磨屋の家族、そして増野や四三は無事でしたが、シマだけは、いつになっても戻ってこなかったそうです。四三は、ともにシマを捜しながら何度も諦めかける増野を、何度も何度も力づけたそうです。諦めちゃいかん!!シマちゃんはきっと生きとる!!
そのシマこそ、なんと「五りんの祖母」だったことが明らかになります!? あ~それで播磨屋で世話になっていた(働いてはいません)と言っていたのですね~。じゃあ、りくの伴侶が後に箱根駅伝を走った、ということですね?誰やろ??
五りんは、祖母が関東大震災で被災した、会ったこともないからそんなに悲しむことでもないと語り、志ん生たちにシマと増野の結婚写真を見せてくれました。四三とスヤが仲人をして4人で撮影したあの写真です。
この時はてっきり、シマは亡くなったものとばかり思っていましたが、改めて録画を見なおしてみると、五りんはシマが亡くなったとは一言も言っていませんでしたね。どこかで生きていてくれたら良いのですが。
地震の直後、四三が熊本弁を話していたために、当時の朝鮮人と間違えられて捕まりそうになったのも悲しい出来事でした(関東大震災朝鮮人虐殺事件)。四三はたまたま近くで怪我人の治療をしていた大作に救われたそうです。
また孝蔵は、燃え盛る東京を眼下に眺めながら、ずっと「厩火事」を語り続けていたのがまた象徴的でした。これは以前四三がストックホルムで走っていた時も、孝蔵が車を引きながらやってた噺ですよね
。孝蔵は地震の最中にすら飲みたくなるほど酒も止められないけれど、落語も同じくらい体に染みついているのですね~
。
さて来週は「種まく人」で、東京の復興が描かれるようです。これまた放送を楽しみに待ちたいと存じまする
。
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