いだてん あらすじと感想 第31話 トップ・オブ・ザ・ワールド
宮藤官九郎氏脚本のNHK大河ドラマ、【いだてん~東京オリムピック噺~】の31話は「トップ・オブ・ザ・ワールド」です。これにはまためちゃめちゃ感動しました~
!この笑いと感動の絶妙なバランスが、いかにもクドカン流ですね~
。本当に楽しくて終わってほしくなかったです
。
最初は前畑です。プールサイドには田畑からチケットをもらったナオミも来ていました。
緊張した前畑は、友人たちからのアドバイスを思い出し、田畑をじっと見つめます。河童のマーちゃんがキューリを食べている姿
を思い出せば、緊張なんてしないはずだと言われていたからです
。
期待通り前畑の顔には笑顔が浮かび、リラックスしたおかげで全力を出すことができました。アナウンサーの河西は、声も枯れよと中継します
。でもあれは「そうだったらいいな」の希望的描写であり、実際には今まで通りの実感中継だったようです
。
日本では、熊本の四三もラジオを聴いていました。幾江は、女子ひとりに戦わせて男は何をやっとるんじゃ
!と見当はずれなコメントを語っていますが、四三はその姑を黙らせてラジオにかじりついています
。
ナオミも、我を忘れて「前畑、GO!!」と声を限りに声援していました。
最後はオーストラリアの選手とほぼ同着でしたが、判定の結果あと一歩及ばず、前畑は2位となりました。が、それでも田畑をはじめとする日本チームや応援団は大喜びです。四三はラジオをなでながら、よ~がまだした
、と褒めたたえました
。
四三はそれがきっかけで、それまで店先に座って押し花ばかりしていたのを止めて、再び水をかぶり、シューズを履いて走り出したそうです
。
夜に行われた実感中継が終わると、河西は、自分の力不足で感動を伝えきれなかったと悔やんだそうです。次は是非中継させてください!
~それがまた4年後には、今度は興奮しすぎて「前畑頑張れ」しか言えなかったというオチにつながるわけですな~
その後も日本競泳陣は快進撃を続けました。特筆すべきは、それまで全戦全敗だった男子背泳ぎで、日本人3選手が表彰台を独占したことです
。清川に入江、そして河津が金・銀・銅のメダルを獲得しました
。
感極まった客席からは日系人たちが歌う「君が代」が聞こえてきたそうです。
ふだんこの国で肩身の狭い思いをしている彼らにとって、これほどの贈り物は無い。
治五郎は感慨深そうにそう語りました。よくやった田畑!
これにはIOC会長のラトゥールも大いに関心を抱いたそうです。それで治五郎は、得意げに、日本には400年前から日本独自の泳法があった、一朝一夕に強くなったわけではない、と力説しました。日本泳法は、人と競争するのではなく、個人の泳ぎの技を追求し、水と一体になるのを目的とす。
ラトゥール会長は、これを是非エキシビションで披露してほしいと要請しました。田畑は「エキシャビジン=駅舎美人」ってなんだ?とまぜっかえしながら頭を抱えてしまいますが、松澤や高石たちは大乗り気です
。田畑にも泳ぐよう勧めますが、田畑は頑として「泳げない」と嘘をつきました
。
翌日は最後の「200m平泳ぎ」が行われました。この種目の大本命だった小池は、緊張しすぎて眠れなかったのが災いしたのか、その小池の練習台として呼ばれていた鶴田が見事優勝します。鶴田はアムステルダムオリンピックの覇者です。
実感中継の後のインタビューで、鶴田は、1日1回は本気で泳いで小池に勝とうとしたけれど、一度も勝てなかった、と打ち明けました。今日は小池君が年寄りに気を使ってくれたんでしょう、そう語った鶴田の後ろで、小池は嬉しそうにかぶりを振っていました。
どちらもスポーツマンらしい潔さですね~。
そして最終日、ついに日本泳法が披露されました。治五郎の長い長いスピーチの後、ふんどし姿の男たちがさまざまな泳法を披露します。もちろん田畑も参加しました
。
これがまたなかなか見ごたえがありましたね~。おばさんは日本泳法をこの目で見るのは初めてですが、現在のシンクロナイズドスイミングにも共通するものがありましたよね。
これには観客たちも一斉に魅了され、最後には、敵味方、国や人種の違いなどすべて忘れ、まさにノーサイドで皆がプールに飛び込みました
。これぞまさにスポーツの力~オリンピックの魅力です
。
翌日、選手団はついに帰国の途に就きました。日系人もアメリカ人も、皆日の丸を振って日本選手団を見送ってくれました。
そこでひとりの老人が選手を乗せたバスの前に飛び出してきます。彼はどうしてもお礼が言いたかったそうなのです。
彼はアメリカに来て27年になるそうですが、今回初めてアメリカ人に声を掛けられ、手を握られて、日本選手を褒めたたえられたそうです。
Are you Japanese? Japanese swimmers are very wonderful! Congratulations!!
あなたは日本人ですか?日本の水泳選手は素晴らしいですね。おめでとうございます!
おじいさんは誇りと感激で胸がいっぱいになったそうです。こんなに嬉しいことはないですよ!
彼に付き添うように立っていたナオミは田畑を「Mr.河童」と呼び、思いの丈を吐露しました。
幼い頃から、日本人はアメリカ人には勝てないと言われ続け、日本を祖国に持ったことを恨んできた。日本人だというだけで土地も買えない、仕事にもつけない。
それでも君たちは勝った!日本人が白人に決して負けないことを教えてくれた!私は祖国を見直した!ありがとうございました!
ナオミは前畑の姿を見つけて抱き着きます。前畑!Thank you!!
おじいさんは、これで皆の前で正々堂々と日本人を名乗ることができると語り、オープンカーに乗り込んで大声で「俺は日本人だ!」と叫びました
。これを皮切りに、皆が次々と声を上げます。俺も日本人だ!私も日本人よ!!I'm Japanese American!!
これには田畑も感動し、バスのボンネットに上がって俺も日本人だと雄たけびを上げました。選手団もこぶしを突き上げてこれに続きます
。
そこへ「お祭り大好き男」の治五郎がやってきて、私も日本人だと混ざりました。感極まった治五郎は、またしても
、その場の勢いで大言壮語してしまいます
。
東京でオリンピックを開催することになったら、ここにいる皆さん全員を招待します!!また東京でお会いしましょう!!
岸も田畑も半分呆れていたようですが、実際はどうだったんでしょうね~
。
そして帰国した田畑は、密かに菊枝にだけ辛い胸の内を明かしたそうです。大横田のことです。俺が牛鍋など食べさせず、もっと気を使っていたら、大横田は悔しい思いをせずに済んだ、金メダルは間違いなかったのにっ!!
実際オリンピックに行く前は、行った人間の事情などお構いなしで、負けは負けだと批判していた田畑も、選手たちに同行してその苦悩を目の当たりにしては、もう、そうした無神経な発言はできませんよね。そんなことを言うのは、ただ家にいてラジオを聞いていた人間だけです
。
これまで「勝つこと」だけにこだわってきた田畑がこれを機にどう変わったのか~も見ものですね
。来週の放送が楽しみです
。
これまでに視聴した日本のドラマの視聴リストはこちらです: 視聴ドラマ一覧~日本ドラマ編