いだてん あらすじと感想 第33話 仁義なき戦い
宮藤官九郎氏脚本のNHK大河ドラマ、【いだてん~東京オリムピック噺~】の33話は「仁義なき戦い」です。これまた実に面白かったですね~。加藤雅也さん演じる杉村陽太郎のべらんめえな独り言が最高でした
。
以下ネタバレのあらすじです。
治五郎はなんと腰を痛めてしまったそうです。どうやら柔道家の持病らしく、ひょっとしたら大丈夫かもしれない~でもやっぱり危ないかも~というあの感じ、同じ腰痛持ちのおばさんには痛いほどよく分かりました。しかも単なる腰痛ではなく、脊椎を損傷しているというではありませんか!
治五郎を診察してくれた東龍太郎(松重豊)もまた東京へのオリンピック誘致に尽力した人物だそうです。
治五郎は田畑に「日本」(写真集)を渡し、お前に託す、と伝えました。
それで田畑は、IOC委員の副島道正(塚本晋也)や杉村陽太郎とともにローマに向かうことになります。目的はムッソリーニを説得することです。杉村は、ムッソリーニは「陽気な独裁者」と呼ばれていることからも、うまくいけば説得に応じてくれるだろうと強気でした。
ところが、肝心の副島が、ムッソリーニに会見する直前に倒れてしまいます。どうやら風邪と疲労で肺炎を起こしていたらしいのです。
すぐにもイタリア人の医者が診てくれましたが、杉村がいなかったため、全く言葉が通じません。せっかちな田畑は
「治るの?治らないの??」
とせかすと、医師は「one month」(1か月)だと語りました。彼は治療に1か月かかるというつもりでしたが、田畑は「余命1か月」だと思い込んでしまいます。大変なことになってしまった!!
話を聞いたムッソリーニは「SAMURAI!」という言葉を残して出ていってしまいました。実際には副島を称えて「侍は素晴らしい」と表現したのですが、杉村は「サマライ」と聞こえたらしく、意味が通じなかったようです。なんのこっちゃ?
それからというもの副島は、計300本もの注射を打ってようやく回復したそうです。
ようやくムッソリーニとの会見が実現すると、ムッソリーニは快く誘致を譲ってくれました。副島の男気に感動したからだという話でしたが、後日「政治家」の河野一郎はヒットラーからの圧力がかかったに違いないと分析したそう。同じ軍国主義の日本に恩を売っておけば、何かと都合がいいから
。
今となっては真相は闇の中ですが、ムッソリーニの了解を得て気をよくした杉村は、田畑を置いて、オスロへと向かいました。もう俺一人で大丈夫だ。その手には、治五郎が田畑に託したスピーチも握られています。
が、いざオスロへ行ったら、ローマのボナコッサ伯爵が来ていました。彼はイタリアの嘉納治五郎!と呼ばれたほど「オリンピックにすべてを掛けた男」なのです!?
なんでここにいるんだ??まさか話が通ってねえんじゃ??

よくよく話を聞いたところ、たとえ政治家が何を言おうと、今さらオリンピックを中止することなどできない、ということらしい。
ちくしょー!話が違うじゃねえかっ!!いったい何のために根回ししたと思ってるんだ、べらんめえ!
当日杉村はほぼ孤立無援の状態でした。そこで彼は治五郎のスピーチを横に置き、自らの言葉で訴えます。関東大震災で打撃を受けて立ち直った日本を世界中に見てほしい。紀元2600年を祝うためにも、1940年でなければならないのだ!!
ラトゥールはこうした独善的な態度に腹を立て、治五郎はなぜ来ないのか?治五郎が来ていればこんな風にはならなかったと激高したそうです。
この結果、投票は延期となってしまいました。杉村はひとしきり口惜しがり、自分の人望のなさを嘆いたそうです。嘉納さんの英語などひどいものなのに!
いやいや言葉はあくまで道具ですからね。流ちょうな言葉より、話す人物の心が相手の胸を打つんですよ。杉村は、田畑もまた治五郎と同じ、人の心をつかむ「何か」があると察していたようです。
日本でこのニュースを聞いた治五郎は、早速ラトゥールに手紙を書いて日本に招待したそうです。実際にその目で見てほしい。日本人がどれほどオリンピックを切望しているか!
ラトゥールはこれを了承したそうです。んも~最初からそうすればよかったのにね。政治を利用して汚いなどと言われんでも済んだのに。
一方の熊本では、四三がうずうずしていました。昔は坊ちゃんの「マドンナ」のように初々しかったスヤが今では「太か女子」になってしまったのを言い訳に、小松とともにこっそり上京するようです。四三の目当ては東京オリンピックですが、唆したのは、今やカフェを経営している美川です
。
確かにスヤは前に比べてずっと逞しくなったけれど、夫があんなんじゃそうならざるを得ませんよね。それにスヤが美川をゴキブリ呼ばわりするのも当然です
。
さて来週はいよいよ二・二六事件です。近代日本史をスポーツと絡めて学びながら楽しめる「いだてん」は本当に素晴らしい
~続きもとっても楽しみですね
。
これまでに視聴した日本のドラマの視聴リストはこちらです: 視聴ドラマ一覧~日本ドラマ編