らんまん ネタバレと感想 第24週 ツチトリモチ
朝ドラ【らんまん】の第24週は「ツチトリモチ」です。これまでの「恒星のような万太郎」も魅力的でしたが、年を重ねて思慮深くなり、周囲を慮りながら苦悩する姿にも大いに共感が持てました。以下早速ネタバレです
。
万太郎の苦悩
万太郎の「日本全国のフローラ」がいよいよ完成しようとしていました。寿恵子は1日も早くアルミの印刷機を手に入れようと(でも楽しく)仕事を頑張っています。寿恵子にはああした客商売が向いているようで、まるで水を得た魚のように生き生きと働いていました。
それなのに、肝心の万太郎の顔は曇りがちでした。万太郎は今になって、自分の図鑑が皆から必要とされるのか不安になってしまったのだそうです。大学や博物館はともかく、自分が当初目指したような市井の人が、図鑑を片手に植物に親しんでくれるのだろうか。この不安は、きな臭い時代が起こす不安でもあったのかもしれませんね。隣国で戦をしている今、植物に目を向ける人がいるのだろうか?と。
国による「神社合祀」もこの不安に拍車をかけました。これは国の命令で複数の神社を1つの神社にまとめて神社の数を減らそうという動きですが、その目的は、数を減らした神社に経費を集中させることで神社の威厳を保ち、その経営を継続させることにあったのだそう。明治時代、神社は宗教ではなく国家の宗祀であるからと、地方の自治体から神社に公費での供進が行われたのだそうです。
が、この活動の結果、神社林が伐採されて自然破壊が進みました。これに怒り狂ったのが南方熊楠(みなかた・くまぐす)です。和歌山出身の南方は植物学にも精通しており、万太郎に「新種の標本」を送ってきたのだそうです😅。今やすっかり万太郎の一番弟子となった虎徹は、日本一有名な植物学者の万太郎に「無名の南方」が新種を、しかも名前をつけて送りつけてくるとは図々しい😤!と腹を立てていたようでしたが、万太郎はその「情熱」が恒星のようだと大いに歓迎していました。でも実際は新種じゃなかったようですけどね💦。
この南方は東大の植物学教室にも、しかも「合祀反対の手紙」を送りつけてきていたそうです。彼はこれを「神狩り」と呼び、自然を破壊する行為だから、日本の植物学の砦である東大が先頭に立って阻止すべきだと訴えてきたのだそう。
実際、民俗学の柳田國男氏などは彼の活動を支援していましたが、徳永はあくまでも国から金をもらって研究をしている「国立大学」は国のやることに反対するべきではない(中立の立場をとるべきだ)と主張しました。それに徳永は今はそれより満州だ、と力説します。以前は台湾、今度は満州と、大学では日本軍の侵攻に合わせて植物調査を進めていたのでしょうか😨。
でも万太郎は、南方に大いに興味を惹かれます。実は野宮からも、この神社合祀による弊害についての手紙をもらっていました。野宮は、万太郎の立場を重々理解した上で、彼に最後の望みを託そうとしていたのです。
立場は大事か?
そんな万太郎に大切なことを思い出させてくれる旧友が現れます。早川逸馬です😍。早川は、彼が代理人をしている永守徹のために上京してたまたま「やまもも」を利用した時、寿恵子と話をして、その夫が万太郎だと気づいたのです。いや〜人生で一番大事なのは植物だなんていうのは、日本広しといえども万太郎ぐらいしかいませんよね💦。
早速寿恵子に案内されてたぬき御殿にやってきた早川は万太郎と旧交を温めました。そこで万太郎の悩みを聞いた彼は「そんなに立場が大切か?😁」と尋ねます。俺はお前の目を見て信用した。それで十分なのではないか?😏
この早川の雇い主で神戸の資産家=永守徹(中川大志〜畠山重忠@鎌倉殿の13人)は、万太郎の窮状を知ると、万太郎のために私財を投げ打っても応援すると申し出ました。植物標本10万点の保管や図鑑のための出版費用のみならず、なんと必要とあらば出版社や博物館まで作ると言い出します😵。永守はもうじき出征するらしく、その前に伯父の「日本国を世界に引けを取らない文明国にする」という願いを叶えたいと心に誓っていたのだそう。
でも万太郎は、永守が戻ってくるまで待っている、と答えました。図鑑の準備を進め、標本が散逸しないよう守り抜く!だから無事に帰ってきてほしいと伝えたのです💜。
金色の道を貫く
その一方で万太郎は、熊野へ出かけ、神社の森の植物を書き留めてきた資料を大学に提出すると決めたそうです。東大の助手という肩書きは、確かに何をするにも便利だったけれど、自分にはそれよりも大事なもの=守るべきものがあると決意したのですね
。その森で見つけた象徴=森の小さな神様が、とても珍しい「ツチトリモチ」だったそうです。
万太郎の決意を知った竹雄は、改めて「峰屋の若旦那はダメ若だったけど、その強さと優しさはいつだって本気じゃった」と褒めてくれました🤭。
また、みえや寿恵子には先見の明があったのでしょう。渋谷は交通の拠点として大いに栄えました。その「やまもも」の評判が東大本部の耳にも入ったらしく、教員の妻が水商売をしているのはいかがなものかとの嫉妬、否、批判の声もあがったそうです👿。万太郎が「虎の威」を捨てようと決意したのには、こんなことも影響したかもしれませんね。助手のくせに目立ち(有名)すぎると子供達からも揶揄われていましたからね😅。
竹雄が語ったように、万太郎が進むのはいつだって「金色の道」なのです🌹。
新たな旅立ち
その竹雄は綾とともに、もう一度酒造りに挑戦することになりました。日本人の手によってついに清酒の酵母が発見され、醸造の研究がますます進むことになったと藤丸から聞いたからです。もう根も葉もない迷信を信じる時代は終わった😭!!藤丸もまた、精一杯勉強し、このふたりと一緒に旅立つことに決めました💜。
これに当たって、ずっと藤丸を自分の研究室に居候させていた羽田野がなんとも寂しそうでしたね。うさぎ大好きな藤丸のために、うさぎの手拭いを手作りしてくれたそうです😍。あれって自分で染めたんかな〜なんて野暮
なことは言いっこなしね😁。