アライブ あらすじと感想 第4話 悲しい時は思い切り悲しむ
松下奈緒さん主演の医療ドラマ、【アライブ~がん専門医のカルテ】の4話も身につまされる話でした。
家族の誰かが亡くなると、精神的にはもちろん参っちゃいますが、それ以外にも実は煩雑なことがとてつもなくたくさん待ち受けていて、じっくり悲しみに浸ってなどいられません
。またそうやって忙しくしているほうが気が紛れて楽だ、などとつい言い訳してしまいがちなのですが、こうして悲しみに蓋をしていると、心が悲鳴を上げていることに気づけなくなります
。
ようやくそれに気付いた頃には体も悲鳴を上げていて~昨年の春は、自分がそんな状態でした。もっと前に気持ちを吐き出せていたら、もっと楽だったのかもしれないと、つくづく痛感した次第です
。
匠の葬儀が済んだ後、心は3日休んだだけで病院に出てきました。同僚は皆、大丈夫かと心配しますが、心は元気に、働いていたほうが気がまぎれるし、気にかかる患者さんもいるから、と答えます。
確かに心は、いつも通り患者たちをケアしていましたが、実のところは、いつものように親身になるという訳には行かなかったようですね。
乳がんの手術を終え、もうじき抗がん剤治療に入る佐倉に、抗がん剤治療で不妊になることがあるから、妊孕性温存をするかどうか尋ねた際も、費用や副作用のことが心配な佐倉の気持ちを推し量れず、すぐに決めるのが難しいならもう少し待つ、としか言えません。普段の心だったらきっと、何か分からないことがある?不安なことはない?などと聞いたことでしょうが
。
病院で偶然佐倉に出会って話を聞いた薫は、心を慰めがてら佐倉の心配を伝えようとしますが、心は舅や息子のことで頭がいっぱいで、他人には興味が無いようです。舅の京太郎はうつが心配で、息子の漣は夜になると泣いてばかりいたのだそうです。
心は、京太郎が、匠の好きだったカレーを作り、匠の面影を偲ぼうとした時も、漣が悲しむから止めてほしいと言わんばかりでした。そのくせ京太郎には、うつが心配だから一度専門医に見てもらおうと声を掛けます。
そんな心に患者の高坂は、心が患者を診ずに病気を診ていると指摘しました。
薫は研修医の結城に佐倉のフォローを頼み、それを知った阿久津は心を呼び出します。
グリーフケアについて説明し始めた阿久津に心は、グリーフケアなら知っていると言おうとしますが、ぴしゃりと止められました。
大切な人を亡くした日常を受け入れるために必要なことは3つ。1つは悲しみを肯定すること。2つめは悲しみを表現させること。そして3つめは儀式を行うこと。
心は、京太郎が悲しみをこらえていたこと、悲しみを表現しようとしたのを自分が止めたことを思い出しました。阿久津は、心自身にも当てはまっていると諭します。医者だから、母だから、自分が頑張らなくちゃいけない、と思っているだろうが、医者も母も人であり、そんなに強くはないのだと教えられました。
ひとりで立ち直ろうとしなくていい、悲しみを共有できる家族がいるのだから、一緒に悲しめばいい。誰にも悲しみを取り除くことなんてできやしないのだから。
忌引きの休みをゆっくり休むよう言われた心は、すぐに京太郎に電話をしました。今晩カレーを作ってほしいと頼んだそうです。
その時実は京太郎は、ベランダから飛び降りて自殺を図ろうとしていました。それを心が止めてくれたのです
。
心は京太郎が作ってくれたカレーを、匠の分もよそいました。京太郎は、匠に食べさせてやりたかったなあと泣き出します。
漣は、無理して食べなくていいと言われましたが、パパもきっと大好きなカレーを食べに来ていると、喜んで食べ始めました。
この少し前、京太郎は酔っぱらって、匠が亡くなった現場で泣いていたそうです。心は、なぜ匠がそんな場所にいたのか、ずっと不思議に思っていたそうですが、警察から電話をもらって京太郎を迎えに行ったことで、初めてその理由が分かりました。その近くには出版社があったからです。
家に戻ってすぐに匠のパソコンを調べようとしました。パスワードは二人の結婚記念日だったそうで、中には書き上げた原稿が収められていたのだそうです。またあの事故の日、出版社の人と打ち合わせるはずだったというメールも見つけました。
その小説のモデルは心と匠の家族だったのだそう。
駄目駄目な夫がいて、言うこと聞かない子供がいて、擦れ違ったり ケンカもするけど、とても温かくて、いい家族なんです。
心はようやく京太郎の前で思いっきり泣きました。
それで悲しみが消えるわけではないけれど、同じ悲しみを共有できるだけで少し心が軽くなるのは事実ですよね。
一方の薫は、前回登場した謎の男=関川隆一(三浦翔平)から、匠の医療過誤について詰問されました。どうやら関川は医療ジャーナリストのようでしたね?
いったいどこからこの話が漏れたのでしょうか?
予告では関川が心に接触するようでしたが、できれば、薫自身の口から伝えさせてあげたいものです。
「アライブ~がん専門医のカルテ」は来週の放送も楽しみですね。
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