少年寅次郎スペシャル 前編 ネタバレと感想 待ってました!
山田洋二監督原作、岡田惠和氏脚本の【少年寅次郎】がスペシャル番組で帰ってきました。も~ものすごぉ~く楽しみにしていたのですが、なかなか忙しくてゆっくり語る時間が取れませんでしたの
。ようやく語れて超嬉しいです
。あ~寅ちゃんが少しずつ寅さんに近づいてきましたね
。また亡き光子にも会えて幸せでした
。
以下早速ネタバレです。ちょうど、寅次郎が旅立って1年が経ち、もうじき光子の月命日を迎えるというところです。
寅次郎を懐かしむ人々
葛飾柴又の団子屋では、さくらが立派に「看板娘」の役割を果たしていました。おいちゃん(竜造)とおばちゃん(つね)は、そんなさくらが嫁に行く日のことを今から心配しています
。
やめとくれよ、そんなん考えただけで泣けてくるから。そうしたらあんたと2人だろ。
そう言いながらふたりの話題は寅次郎に移ります。あれから寅は一度も戻ってこないのだそうです。御前様は、寅は柴又の子だから、きっとそのうち帰ってくるだろうと言っていたそうです
。
竜造は、意外と大成功してパリッとしたなりでたくさんの土産を抱えて帰ってくるのではないか、と想像を膨らませました。「よっ」なんて言ってさ。
ここからはその想像のシーンです:
寅: おいちゃん、しばらく見ねえ間に縮んだんじゃねえのか?
竜: 縮むか、バカ!元から小さいわ。
寅: おばちゃん。だんごの作り過ぎで、顔も体もだんごみたいに真ん丸になってねえか?
(
)
つ: うるさいね、余計なお世話だよ!気にしてること言うんじゃないよ!
寅は景気よく、こんなちまちました商売など辞めて、今はやりのマーケットってやつにしようじゃねえか、と豪語しました。ちょっと狭いから、あの裏の工場、買い取ってよ。1時間もありゃ、あんなペラッペラな工場、あっという間にさら地になるんだからよ。そうしよう、なっ!
な~んて話をしているところに、裏の梅太郎(タコ)が入ってきました。つねは思わず、工場さら地にしてごめんね、などと言ってしまいます
。タコは驚いて裏に走っていきました
。
初恋の人と再会
その寅は今、山形の田舎町で的屋をしていました。政吉という相棒と一緒に詐欺まがいの商売をしています。一仕事終えた寅はひとりで旅館に泊まることになりました。政吉は稼いだ金で遊びに出かけたようです。
そこで寅は、なんとなんと、初恋のさとこに再会しました。さとこはバリバリになまって親戚の旅館で仲居をしていたのです。
これも食べでみろ、玉コンニャク。この辺りの名物だよ。
ってことは山寺(宝珠山立石寺)のある辺りでござるね。
さとこは寅が的屋をしていると聞いて驚きます。買うことはないよ。だって大体インチキだもの。
寅も苦笑して買わない方が良いと念押しします。さとこは慌てて謝りました
。いやいや、いいのいいの。インチキなんだから
。
寅はその後もさとこを目いっぱい笑わせました。口上もやって見せ、こんな偶然は運命でしかない、と確信します。さとこが仲居の仕事が好きだというと、自分も働いてみたいとのたまいました
。旅館でな、働いてみたかったんだよ
。
さとこはこれを本気にして、人手不足だからありがたいと喜びます。それにわだし、もうすぐ嫁さ行ぐし。
ああ そうかい!嫁に。えっ!?
さとこはりんご農家に嫁に行くそうで、寅にもりんごを持たせてくれました。お相手はかなりのイケメンです
。わだしって何て言うが、面食いだべがね
。そう言いながらも、さとこは、嫁に行くのは少し怖いと打ち明けました。寅は、さとこの名前で口上を披露し、怖くなったらこうすれば元気が出ると教えます
。部屋にはそっとご祝儀まで置いてきました
。
そのりんごは寅に昔を思い出させました。
甘酸っぱい思い出
寅が仲間と一緒に悪さをしていた頃、体の弱い昭一郎は毎日寝ていました。食欲も無くて光子は心配していたそうです。
そんな時、寅が、また、お寺からりんごを盗んできました。これを見つけた光子は、悪さをしたら正直に謝らなければいけないと諭し、寅を寺に連れていきます
。御前様は寅の頭をごつんと殴りましたが、りんごは持たせてくれました
。それを光子は昭一郎のためにすりおろします。昭一郎も寅同様、りんごが大好きなのだそうです
。
すりおろしたりんごを食べている昭一郎を見ながら、寅はいいなあと羨ましがりました。光子が、寅ちゃんの分はちゃんと切り分けてあるというと、寅は、分かってないねえ、母ちゃん、と言って出ていきます。そういうことじゃねえんだよ。はあやだやだ
。
昭一郎は寅の気持ちを察します。寅は、一度でいいから昭一郎のように病弱になって光子に甲斐甲斐しく世話をしてもらいたかったのです。昭一郎からその話を聞いた光子は早速、寅は熱があると言い出しました。2階で兄ちゃんと一緒に横になってな。後でりんごすったの持ってってあげるから
。
寅は大喜びで2階に駆け上がっていきます。え~!本当かい?やったやった!母ちゃん、りんご早いとこ頼むよ、大盛りでな!
寅は昭一郎の隣に寝転がって、いや~参ったな、熱出ちまって、う~ 熱い!と騒いでいました
。昭一郎はそんな寅を見ながら嬉しそうに笑っています
。そこへ光子がすりおろしたりんごを持ってやってきました。おっ、待ってました!!
ふたりは並んでりんごを食べます。
ところがしばらくすると寅次郎が泣き出しました。昭一郎は心配して、お腹でも痛いのか、と声をかけます。寅はかぶりを振って、ごめんなさい、と謝りました
。寅は、昭一郎がすることなすこと全部カッコよく見えて憧れていたのに、実際にずっと横になってみたら、それがどんなにつまらないことか分かったのだそうです
。それなのにごめんよ。ごめんなさい。りんごすったの食いたいとか言ってごめんなさい
。
昭一郎は馬鹿だな、と笑いました。
寅は大まじめに、自分の丈夫な体を昭一郎と取り換えてやりたい、と語りました。俺、そうしてえよ。
昭一郎は、本当にそう思うなら、昭一郎の分まで表で暴れてこいと促します。思いっきり暴れ回れ。俺のできないことを全部やれ。で、俺に話してくれ。なっ。
寅は、それで楽しいのか?と念押しします。昭一郎は、楽しい、と答えました。よろしくな
。
うん、分かった!
これがどういう結果をもたらすか、この時の昭一郎は考えもしませんでした。寅は、おそらく、これまでの人生でこれ以上暴れたことが無いくらい、近所中を駆け回って思いつく限りの悪さをしまくってきたのです
。兄ちゃん、見てろよ!
- 新品の制服を着た相手に相撲を挑んで泥だらけにする
。
- 子どもを転ばせてコブを作らせた
- 猫を放り込んで障子を穴だらけにした
、etc.
どうしてくれんだよ!
あまりの騒ぎに驚いて起きだしてきた昭一郎に、寅はニッコリ笑って自慢します。へへッ、見たか、兄ちゃん。待ってろ、後でぜ~んぶ話すからな
。
もちろん、男らしく堂々と謝ることも忘れません。はい、おいらです!おいらがやりました。ごめんなさい。
事情を悟った光子は「この子にとってはふたり分だから」と頭を下げて謝罪しました。申し訳ありません!昭一郎も謝ります。ごめんなさい!
正吉もせっせと団子を配って謝罪します。皆が帰ると、光子は両手で、泥だらけになった寅の顔を挟みました
。も~汚いな~
。寅は恥ずかしそうに笑います
。
それから数年後、今度は光子が病床にいます。さくらが食欲のない光子を心配したので、寅は自分でりんごをすりおろして光子に持っていきました
。これなら食べられるだろ?
光子はうんと頷きました。寅ちゃんがすってくれたのか?おいしいね。そうか。
光子は、でもこんなにたくさんはたべられないと寅に食べさせようとしますが、寅は、ダメだ、と断ります。
だって俺、りんご嫌いだもん。もう大っ嫌いで、食べるとじんましん出ちゃうから。だから 食べられない。母ちゃんが全部食べるしかないよ。
最初不思議そうな顔をした光子も、寅の優しさを察し、そうか、そうだったね、と答えました。寅ちゃん、りんご大っ嫌いだったね
。
そういうこと。
エピローグ
こうした思い出を胸に、寅が柴又目がけて列車を追いかけています。その頃柴又では、光子の月命日に、皆が仏壇に手を合わせていました。そこには平造の写真もありまして?
感想
いや~懐かしすぎて、書きながらしみじみ感動しちゃいました。後編もめっちゃ楽しみですね
。
:
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