ディア・ペイシェント あらすじと感想 第1話 夫婦の絆
南杏子さん原作の医療ドラマ、【ディア・ペイシェント】がついに始まりました。これも待っていたのですよ~
。実際視聴しても期待通りでとても面白かったです。番宣では佐野史郎さんの役を「モンペ=モンスターペイシェント
」と定義していたようですが、患者の家族にしてみたらああ思うのが当然で、それを口にしただけよくやった!と個人的には大絶賛でした
。ま、暴力は論外ですが
。
以下ネタバレのあらすじです。
主人公の真野千晶(貫地谷しほり~汀女@吉原裏同心)は大学病院で勤務医をしていたのを半年前に辞めて、首都圏にある民間総合病院=佐々井記念病院に入職しました。この病院が掲げる患者第一主義という理念に共感したからですが、実際中に入ってみるとそれも単なるスローガンに過ぎないことが分かってきました。現在千晶の働く内科では、毎日約150人の外来患者を3人の医者で分担しているそうで、これを午前中に終わらせるには1人あたり3分しか診療できないのだそうです
。
しかも病院では患者を「SML」に分類して対応していました。Sは「物分かりの良い=スムーズな患者」、Mは「簡単なことにもなかなか答えないまどろっこしい患者」、そしてLは「災いをもたらす台風、低気圧=Low pressure」だそうです。これもまた随分馬鹿にした話ですよね。「患者様
」が聞いて呆れます
。
それでも千晶はそんな分類に関わらず、患者ひとりひとりに対して誠実に接しているように見えました。
そんな千晶が前任者から引き継いだのが、肝臓に腫瘍の疑いのある藤井典子(宮崎美子~松江@立花登青春手控え)です。典子は夫の宏明(佐野史郎~寺内誠司@限界団地)と来院しており、診察開始時間の9時前から待っていて、9時少し前に姿を現した千晶に「重役出勤か」と嫌味を言いました。医師は外来前に病棟を回ってくるのは入院経験のある人なら分かってますけどね。
散々待たされてようやく診察室に呼ばれた宏明は最初からかなり苛立っていて喧嘩腰でした。千晶が「腫瘍がある」と説明すると、癌か?と詰問します。千晶は、まだ分からないから「日を改めて」肝生検をすると伝えました。宏明はすぐにやってくれ、とわめきます
。
予約がいっぱいですぐにはできない、3週間後になると千晶が答えると、宏明は完全にブチ切れました。
癌かもしれないのに3週間も待たされるのか!一体何なんだ、あんたらは!
PET検査で肝臓癌かもしれないと言われて、次は1週間後にまた検査に来いと言われた。
それから超音波やらCTやらをして、結果が出るまでにまた1週間も待たされた!
それで今日検査結果を聞きに来てみたら、今度は分からないから3週間後にまた検査に来いだと!?
ふざけるな!
これね、おばさんの母が肺がんと診断された時とほぼまったく同じなんです。通院にはいつも父が付き添っていて、ドラマの宏明とは真逆に「お医者様のいうことは絶対」と言われるままに待たされていたため、頭に来たおばさんはそこでようやく診断が付くという4回目の時に同行しました
。その医師は医大から週1で派遣で来ていたので、最低でも1週間は待たなきゃいけないんです
。
その頃母は肺にいっぱい水が溜まって呼吸も苦しそうだったのに、そのク〇医者は「酸素飽和度は高い」から入院はできないとのたまいました。コイツには絶対任せられない!と実感したおばさんは医大への紹介状を書かせて翌日医大に連れていったら、即入院させられたのです。その時診てくれた医師は申し訳なさそうにこう言いました。この状態では帰宅させられないから、入院になります、って
。
それなのに、母が入院した途端、その〇ソ医者が悪びれずに母の病室に来たそうです。どうですか?って。
父は黙っていろと言ったけど、おばさんは我慢できずに他の医師にそいつのしたこと言ったことをすべて訴えました。他の医師は大いに呆れ、二度とそいつを母に近づけなかったそうです
。医大を退院してまた地元の病院に通うことになった頃、その医師はわざわざ電話をくれて、地元の病院の担当者が替わったから、安心して通ってください、と連絡してくれました
。
あ、余談が長くなってしまいました。でも宏明の気持ちが手に取るように伝わってきて、黙っていられなかったのです
。しかも宏明は子どもたちから「お母さんがガンになったのはお父さんのせいだ」と言われ、それを挽回するため、メンツのために怒って見せている、などと典子から言われていたのがなんとも気の毒でなりませんでしたの
。おばさんは逆に、どーして父はもっと戦ってくれなかったんだ
!と口惜しかったので
。
ドラマでは、やはり宏明が大学病院への紹介状を要求しますが、大学病院もひどく混んでいて同じぐらい時間がかかると言われたそうです。宏明は激怒して再び千晶のもとへやってきました。
ここで肝生検を受けられるようになんとかしろ!あんた、人の命を何だと思ってんだ!
宏明は勢い余って千晶を突き飛ばしました。千晶は倒れて脳震盪を起こし、宏明は警備員に確保されたそうですが、事務長が帰したそうです。この事務長は高峰修治(升毅~高井雄一@高嶺の花)といい、先代の院長が病院の立て直しに是非と頼んで銀行から来てもらったそうです。
高峰は千晶が患者に感謝を要求しているからこんなことになるのだと批判しました。それを「エリート病」と呼ぶそうです。「ありがとう」を求めるから、医者は潰れるんです。
その後検査の空きが出て、典子の検査は5日後に行われることになりました。連絡を受けた宏明は、もう付き添いはしないと断りましたが、千晶は典子の足をマッサージしてやってほしいと頼んだそうです。千晶の母、佑子(朝加真由美~永島良子@ブランケット・キャッツ)はアロマオイルを作るのが得意だそうで、千晶はそれを典子に渡していたのです
。
肩ひとつ揉んでやったことが無かった~宏明はそう言って、千晶に言われた通り、パンパンにむくんだ典子の足を揉みました。
お前がいなかったら、俺は靴下の在りかも分からんし、飯の炊き方も洗濯機の使い方も分からん!お前がいなかったらどう生きていったらいいのかも分からん!子どもたちの言う通り、こうなったのは全部俺のせいだ。だから死ぬな。頼むから生きてくれ
。
その後宏明は典子とともに千晶を訪ねてきて、謝罪と感謝を伝えました。八つ当たりして悪かった。あんたに救われた。その横で典子も嬉しそうに礼を言いました。ありがとうございました
。
千晶は、事務長が言うように、感謝を求めるのはおこがましいが、患者からの「ありがとう」の一言が拠り所となって前を向けるのだ、と再認識します。
検査の結果典子は初期の肝臓がんだったそうで、千晶は、きっと宏明が支えてくれると確信していたようです。
その千晶の実家は山間の診療所で、主に野生動物のハンターが治療に訪れるそうです。父の徹(伊武雅刀~トーサ@精霊の守り人)が所長をしている診療所を、本来はおそらく千晶が継ぐ予定で医大に進学したようなのですが、現実にはなかなか戻ってこれずに今に至っていたようですね。
これまでは母の佑子と妹の万里(高梨臨~山渕百絵@5→9)が手伝っていたようですが、佑子は認知症が進み、徘徊やガスの消し忘れが続いたために、徹が佑子を施設に入れることにしたのだそうです。その徹もまた宏明と同じように後悔の念を口にしていました
。
母さんには今まで何にもしてやれなかった。これからは母さんの幸せを考えていくつもりだ。
老いも病も避けられない、人生で必ず一度はぶつかる問題です。千晶自身も心身を健康に保つために「システマ」という格闘技を習って効果を上げていたようでした。
そんな千晶の前に、今度は本物?のモンペが現れたようです。院内食堂でランチをしていた千晶の前にいきなり親し気に現れた座間敦司(田中哲司~南雅和@あなたの番です)は、無理矢理千晶の昼食代を払っていきました。その数日後には診察を受けに現れて、母親の介護で眠れないから睡眠薬をくれ、とのたまいます。千晶が具体的な話を聴かないと処方箋は出せないと断ると、
「せっかくごちそうしたのにかたいな~」
などと言い出しました。
予告では、先輩医師の浜口陽子(内田有紀~城之内博美@ドクターX)が、「5万円の金銭をお受け取りしました」と語っていたようですが??
医師も患者もそれぞれの事情があって大変ですね。「ディア・ペイシェント」は来週の放送も楽しみです。