ディア・ペイシェント あらすじと感想 第8話 志をつないで
南杏子さん原作の医療ドラマ、【ディア・ペイシェント】の8話は「志をつないで」です。これまた何ともやるせなかったですね~。以下早速ネタバレです
。
自殺の真相
浜口が自殺をした理由が明らかになりました。訴訟のケースに置いて、処置に立ち会っていた証人の看護師が急に証言を翻したことから、浜口の状況が一気に不利になったのだそうです。看護師は浜口の処置に過失があったと語ったそうです
。証言を翻した理由は、その看護師の息子が原告側の親族の経営する会社に就職することになったかららしい
。
もし浜口が訴訟に負けた場合、損害賠償請求額は1億6,700万円にものぼるそうで、本来ならすべて医師賠償責任保険で賄われるところ、浜口は不運にも、訴えられた時には保険に加入していなかったのだそうです。というのも、浜口が訴えられたのは医療事故が起きてから1年後のことらしく、その時は既に佐々井記念病院に転職する時期だったため、保険には入っていなかったのだそうです
。
浜口の夫の秋之(高橋和也~石川太郎左衛門@小吉の女房)からそう事情を説明された千晶は、上告して戦うこともできたのではないか、と尋ねました。秋之は、浜口にはもう戦う気はなかったのだと答えます。浜口は遺族との和解を目指していたからです。
陽子は、訴訟に勝つより、遺族に納得してほしかったんです。
浜口はその遺書で、生命保険金を遺族への賠償にあててほしいと依頼していたそうです。金のためだけではなく、浜口は事故の責任も痛感していて、自分が死ぬことで償おうとしたのかもしれません。
秋之は浜口とは医大の同級生だったそうです。秋之は、患者一人一人に全力で向き合う、常に患者の側に立つ、というのが浜口の揺るぎない信念だったと語り、それなのに患者の遺族と敵対することに矛盾を感じて苦しんでいたに違いないと結論付けました。浜口は、ここで患者のことは忘れ、遺族のことも気にせずに自分を守ろうとすれば、医者でいる意味がない、と語っていたそうです。
陽子は自分の命をもって償い、亡くなった患者さんへの責任を果たそうとしたのだと思います。
千晶宛の手紙には、いつも空の上から見守っているから、残された患者をよろしく頼むと書かれていたそうです。それに加えて秋之からも、浜口は千晶に夢や希望を託したに違いないと聞かされました。
医者の将来は険しいかもしれない。でもどうか陽子の遺志を継いでやって下さい。
どこまでも患者を思い、自分に厳しかった浜口の心情を思うと胸が張り裂けそうですが、それよりもやりきれなかったのは、浜口の死を受けて、遺族側が訴訟を取り消したことです。ここにきて訴訟を取り下げるということは、これまで浜口の誠意が伝わらなかったということに他なりません。浜口の弁護士はいったい何をしていたのでしょうか
。
浜口のご両親が、陽子は何でもひとりでできる我慢強い子だったが、「辛い」といえるように育てればよかったと泣いていたのがまた何とも胸を打ちました。
余波
事務長は、浜口の自殺に関してかん口令を敷きました。それなのにこれを座間がいち早く聞きつけてブログに掲載します。しかも、自殺の原因を不倫や院内トラブルが原因だとまことしやかに憶測を書き連ねたのだそうです
。そのせいで病院では患者の数が激減してしまいました。
院長は、これをあたかも浜口のせいであるかのように語る事務長を押しとどめ、浜口に感謝と追悼の念を伝えます。院長を始め職員が総出で祈りを込めた折り鶴を用意し、秋之に渡しました
。
獅子身中の虫
座間は浜口のことのみならず、千晶も攻撃してきます。最初の頃千晶が病院から渡された「患者様対応マニュアル」が、なぜか座間の手に渡っており、そこに書き込んであった医療従事者の「文句」がブログに掲載されてしまったのです。
その一方で、佐々井記念病院では保健所への密告が相次いでいたそうです。院長はこれをトラブルで離職した元職員の仕業だと思っていたそうですが、蓮見が調べたところによると、どうもそうではなさそうなのです。蓮見は病院内部の人間の仕業ではないかと疑っていたようですが?
まとめ
そもそも、座間がああも度々病院内に侵入してくることや、病院内での出来事を察知しているのが解せませんよね。上の件といい、内部に協力者がいるのかもしれませんね。浜口の死によって思いのほかカネゴンが傷ついているとすばやく見抜いた蓮見なら、その人間を捜しだしてくれるかもしれません
。今回蓮見は、地元企業で働いていた座間は介護離職者だったと突き止めていました。座間本人は医者に対して激しい偏見とコンプレックスを抱いていたようでしたが?