大恋愛~僕を忘れる君と~あらすじと感想 第9話 もう涙が止まらない
大石静さん脚本の金曜ドラマ、【大恋愛~僕を忘れる君と~】もいよいよ9話となりました。戸田恵梨香さんの演技が本当に素晴らしくて大いに泣けてしまい、立ち直るのが大変でした。以下ネタバレのあらすじです。
尚がついに妊娠しました。しっかり手帳に予定日を書き込んで帰宅した尚は、真司が水野と白熱した議論を展開している様子を目にします。
水野は、ふたりの邪魔をしないように居間にいた尚に挨拶にやってきて、冷蔵庫の中に「真司の好きなグラタン」が入っているから一緒に食べてほしいと語り、他に手伝うことはないかと声を掛けてから帰っていきました。
トイレの棚には可愛い花柄のトイレットペーパーがたくさん買ってあったそうで、尚はまたしてもシッカリ者の水野にちょっとヤキモチを焼いてしまいます。それでも尚は「自分にしかできないこと」に集中しました。
できました!できた。
真司はうなぎいっぱい食べたもんな!と大喜びです。翌日も、これを忘れないようにふたりでメモを書いてあちこちに貼りました。尚は妊娠中!
一方で薫は侑市との交際を続け、ついに部屋まで招かれました。予告通り、ふたりはそのままともに一夜を明かしたらしく、朝は何を食べようかと手をつないで出て来たところに千賀子が現れます。
千賀子は絶句した後、さんざん薫を非難しましたが、侑市はそんな千賀子を押しとどめて薫にプロポーズをしました。
僕が安心して心を解放できるのは薫先生しかいないんです。
これまでずっとただ子どもを作るためだけに結婚しようとしていた侑市の180度の変貌です。僕と一緒に並んで生きてください。
公表しても笑われるだけだからという薫の意見で、モーニング&ウェディングドレス姿でひっそり写真を撮るだけにしたらしいふたりでしたが、実にお似合いでしたよね~。まさに「全然年の差感じない」です。
侑市が薫に「本当にきれいだ」とオトコマエに語ったのを聞いた尚と真司がひゅーひゅー言って、真司が真似したシーンは実に楽しかったですね。
ハッハッハッ全然違う!
こうして、尚の元婚約者はふたりの義父になりました。尚の子ども=恵一のおじいさんになったのです。
淡い幸せが一時、僕達をふんわりと覆った。
それから数カ月後、恵一は大分大きくなって手がかかるようになってきました。水野はなんとか真司の力になろうと、尚を手伝って離乳食まで手作りします。
真司はそれに感謝しつつも、このままではいけないと「もう一度、第一章から」の連載を中止したいと言い出しました。連載は子供が生まれたところで終わろうと思っています。
水野はそれでは話が違うと反論しました。
「脳みそとアップルパイ」の続編を書くと決意された時、記憶を失っていく妻の姿を書くのが小説家としての使命だとおっしゃいましたよね?
水野はそここそがこの作品の見せ場だと訴えます。子どもができてめでたしめでたしじゃ、読者も納得しないというのです。
病気の妻と夫の子育て~それを書く残酷さを持たないと、この作品は中途半端なものになってしまうと思います。
その言葉こそ残酷ですよね。この会話を聞いてしまった尚はもう黙っていられません。
私の病気が進行しないと、真司の小説は中途半端なものになってしまうんでしょうか?
水野は、小説家の妻になることがどういうことか覚悟していたのではなかったのかと詰め寄りました。尚がそうだと答えると、今言ったようなことは決して真司には言ってくれるなと念を押します。真司が何も書けなくなってしまうからです。
あんな素敵な旦那様、世界中探しても見つからないと思いますよ。
そう語った水野に尚は(そんなことは百も承知だ)自分は生きているだけで真司に負担を掛けていると嘆きました。すると水野はそうではないと否定します。
奥様は、生きているだけで先生の創作の源なんです。大切な、大切なやる気のもとなんです。
その後尚が恵一を抱いて薫と買い物に出かけようとした時のこと、週刊誌の記者が近寄ってきました。尚の病気が夫の真司によって毎日新聞に掲載されることについてどう思うか、という実にぶしつけな質問を投げかけます。辛いことはないですか?
尚はちょっとうつろな目をしたままこう答えました。私は間宮真司の創作の源だと思っています。書かれるのは私の宿命です。
一緒にいた薫は尚がカッコよかったと褒めましたが、尚は、それは自分の言葉ではないのだと真司に打ち明けました。あの人が言ったの。うちにいつも来るあの人。
言った相手を忘れても、その言葉を覚えていたことに、尚自身も驚いていたようです。
何でも忘れちゃう私があの人が言ったことは覚えてた。しっかり刻まれてた。
尚は、自分がすべてを忘れてしまったら、真司と恵一を水野に託したいと語りました。これは私の遺言だと思ってください。
真司はひどく怒りましたが、尚は、自分の意見が言えるうちに気持ちを伝えたかっただけなのだとうろたえました。だからそんなに怒らないで。
真司はその気持ちは分かったけれど、願いは聞けないと答えました。だって俺は尚ちゃんじゃなきゃ嫌なんだから。他の誰かじゃダメなんだ。尚ちゃんじゃなきゃ尚ちゃんじゃなきゃ尚ちゃんじゃなきゃ、絶対嫌なんだ。
真司は小説の中で「幸せとは記憶である」と定義しています。「砂にまみれたアンジェリカ」を見事に暗唱した妻の鮮烈な印象を生涯忘れないだろう。だから刻々壊れていく妻も愛おしく思えるのだ。
その「記憶」のない妻、今という一瞬しかない妻のために、そのはかない一瞬を少しでも心地よい楽しいものにすることが、今の俺にとっては小説より大切な仕事になりつつあった。「完」
水野に言わせれば「中途半端」なエンディングとなりましたが、その売れ行きは嬉しい誤算となりました。真司はその印税で新しい家を買うことにしたそうです。尚が「自分の家」を分かるうちに与えてあげたかったそう。
引越しはまたしてもかつての仲間が手伝いました。そこで木村は尚こそは「本物のあげまん」だと力説します。本物は自分を滅ぼしながら男を上げるのだそうです。世界に羽ばたいた天才の陰には必ずひっそりと滅んでいった女がいるらしいぜ。
その頃の尚は、同じ靴下を揃えて履くことも難しくなっていました。恵一が尚と一緒に散歩に行きたがったため、真司は仕方なく、ふたりの手首を紐で結び、迷子にならないよう気を配ります。お母さんとお出かけする時は、恵一がお母さんを守ってあげるんだよ。
でもそれは幼い恵一には無理だったらしく、飛んできた蝶に夢中になった恵一は紐をほどいてその後を追っていきました。
尚は恵一といたことをすっかり忘れ、ひとりで家に戻ってきます。恵一は?!
真司はすぐに外に捜しに行きましたが、恵一の姿はどこにも見当たりません。警察にも連絡し、木村達や薫と侑市夫婦、それに柚薫も総動員で捜しましたが、一向に恵一は見つかりません。
そのうちに尚も恵一がいないことに気づきました。真司が「今皆が捜してくれている」と言ったばかりに、尚は自分も捜すと言い出します。尚だって記憶こそないけれど、恵一を愛し心配する気持ちは誰にも負けないのです。
それなのに真司はついに大声で尚を怒鳴ってしまいました。いい加減にしろ!!
尚は怯えて立ちすくみました。真司が慌ててなだめたものの、荒い息遣いは収まりません。
でも白々と夜が明ける頃には、尚はすっかり寝入っていました。一方で真司は一睡もできずにいたようです。
そこへようやく小川が恵一を見つけて戻ってきました。恵一もまた疲れ果て、道に座り込んで寝てしまっていたようです。
お母さん、勝手にいなくなってごめんなさい。
尚は既に恵一がいなくなったことすら忘れていました。どうして?
尚は皆の様子から、何が起きたかは分からぬまでも、自分が迷惑を掛けたに違いないと思ったようです。
尚は荷物をまとめ、疲れ果てて恵一とともに寝入った真司の頬にキスをして出ていきました。携帯と手帳と結婚指輪、そして多分迷子になった時のための連絡カードもすべて置いて。
しんじさま ありがとうございました。尚
たったこれだけ書くのにどれほど苦労したことかを偲ばせるその筆跡を見た時はもう涙が止まりませんでした。記憶を失っていくのは尚のせいじゃないのに、尚はいつも自分を責めてばかりいるのですもの。尚のいかにも心細そうで不安げな表情が脳裏に焼き付いて離れません。
どうかどうか無事でいてほしい。家族のもとに帰ってきてほしい~そう願わずにいられません。
大恋愛~僕を忘れる君と~はついに次回が最終回です。
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