エトロフ遥かなり ネタバレと感想 1&2話 実に見応えがあります
永澤俊矢さん主演のドラマ【エトロフ遥かなり】の再放送2話分をようやく視聴いたしました💦。原作は佐々木譲氏の「エトロフ発緊急電」という小説で、1993年にNHKで放送された作品だそうです。
もう20年も前の作品だということで、とりあえずは録画だけしておいて、つまらなかったら消せばいいやぐらいに思っていたのですが、1話の半分ぐらいを見た時点でもうぐいぐい引き込まれてしまい😍、一気に2話まで視聴しました。1話が2時間(しかもCM無し)でか〜なり長いんですけど、その長さを感じさせない=まったく飽きさせませんでした。こういうドラマ、見せてほしいなあ、今の日本でも😁。
20年前のドラマだけあって、出ている俳優さんたちの若いことったら〜それだけでも一見の価値ありでした🤗。ヒロイン役の沢口靖子さんはそれでもあまりお変わりなく、今も昔もお美しいけれど、阿部寛さんには思わず笑っちゃいました〜🤭。いや〜若すぎ=キレイ過ぎる!😂 乗馬は坂の上の雲でマスターされたのかと思っていたけど、この頃から乗ってらしたのね。
余談はこれぐらいにして🙏、以下、1話と2話のネタバレです。来週の放送が今から楽しみでなりません。
強制送還
ドラマは、ヒロインの岡谷ゆき(沢口靖子〜お信@小吉の女房)が息子の賢一を連れて、エトロフ島単冠(ひとかっぷ)湾から日本に引き上げるシーンから始まりました。そうは言っても、ゆきをはじめとする日本人は皆、そこで生まれ育った者ばかりだったそうです。いわゆるソ連による強制送還ですね。ゆきもまた夫をその地に葬ったまま、帰国を余儀なくされたようです。夫の名前は斉藤賢一郎🌹。
スパイへの道
その斉藤賢一郎(永澤俊矢)は、アメリカ・ポートランドで生まれた日系アメリカ人でアメリカではケニーと呼ばれていました。移民の両親の下、地元のポートランド州立高校を3番の成績で卒業しますが、父親は庭師ということで経済的にも苦しかったのか、また移民の子ということからも進学の道は閉ざされたのでしょう。彼はシアトルで船員になりました。
そこで組合活動に参加し、ストライキの際に公務員を暴行した後は、アメリカの中立政策を無視してスペイン戦争に参加します。でも実際にそこで人を殺したのは、たった1人〜賢一郎の親友を殺した共産党員だったそうです。彼はもう「大義」のために戦うのはうんざりしていて、義勇軍が引き上げる時も帰国を拒否してスペインに残りましたが、戦争が終わったのでフランスに脱出し、そこからアメリカに戻ったそうです。賢一郎は「アナーキスト」のレッテルを貼られました。
それから2件ほど請負殺人を犯した後、アメリカ海軍に捕まりました。グーフボール(=役立たずの男)というコードネームを持つ海軍情報部のテイラー中佐とキャサリン・ウォード少佐が賢一郎を取り調べます。
彼らは賢一郎の過去も徹底的に調べ上げていました。賢一郎の義勇心を評価しており、その心をアメリカのために役立ててほしいと持ちかけますが、賢一郎はそんな自分を否定したため、ふたりは「取引」を持ち出します。我々に協力すれば、殺人を見逃し、FBIにも突き出さない。
また上述した2件の殺人も、ひとりは可哀想な女性を食い物にした男で、2人めを殺した際も、殺害を目撃した少女が叫び声をあげたにも関わらず、賢一郎は少女を殺さなかったそうです。ウォード少佐はそうした彼の人間性にも満足していたようでした。
取引の条件は「日本での地下活動=スパイ」です。賢一郎は渋々承知しました。
計画では「船会社の作業員として日本の親戚を訪ねる」ことになります。その親戚は既に亡くなっているそうで、身元がバレる心配はないそうです。日本に入国する際は日系2世として、入国後は「国民服」を買って日本人として行動するよう命じられました。彼のコードネームはフォックス(狐)です。
日本に行く前には「ハワイ」へ行くよう命じられました。日本軍がハワイの襲撃を計画しているとの情報が入っていたからです。この話を聞いた賢一郎は、ハワイを奇襲するなどあり得ない=アメリカ人の妄想だ、と信じなかったそうです。
ハワイでの任務は、日系人スパイのジミー江森(河原崎長一郎〜宗義智@黄金の日日)を殺すこと。でもこれはテイラーによる「試験」でした💦。もしここで賢一郎が裏切るようなら、スパイとしては不合格だったそうですが、賢一郎は見事にやってのけました。最初は江森の味方としてアメリカを売るようなフリをして、江森が信用したところを殺そうとしたのです。
ケニー、任務はそこで中止だ!
日本での暗躍
こうして賢一郎は、単独、日本へ乗り込んできました。日本でのパートナーは「金森」という朝鮮人です。彼は、戦争で祖国を奪われ、家族を引き裂かれて、名前も言葉も奪われた挙句、九州の炭鉱で働かされていたそうです。そこを脱走した後は、日本を滅ぼすためにどんなことでもやる!💢と誓い、今はアメリカの諜報活動を助けているのだそう。その炭鉱時代には肺もやられていたようです。
この金森の案内で、賢一郎は、南京大虐殺の際、日本軍に愛する女性を輪姦された挙句に惨殺された宣教師のロバート・スレンセンに会いに行きました。スレンセンは、巧みに日本の上流社会に取り入って、軍隊の情報を入手してはアメリカに知らせていたようです。ハワイの奇襲も、このスレンセンがテイラーに知らせました。
スレンセンは、教団本部がスレンセンのいる教会の閉鎖を決めたために、近々アメリカに帰国することになっているそうですが、帰国するまではこのスレンセンが賢一郎に指示を出すことになっていました。彼は早速、軍令部の士官の宿舎に忍び込んで機密情報を盗み出すよう命じます。賢一郎は、牧師というのは人を救う立場にあると思っていたが、スレンセンはむしろ「救われる側」にいるのではないかと指摘しました。
賢一郎は早速、金森と共に士官の宿舎に忍び込みました。目指す資料は見つけたものの、持ち出す訳にはいかなかったので、懸命に記憶していたら、士官が連れ込んだらしい女性が部屋に入ってきます。慌ててその場から逃げると、今度は、眠らせたはずの犬が鳴き出して、追われることになりました😨。金森はそこで咳が止まらなくなります。
彼らは、忍び込んだのが士官の宿舎だと知られぬよう、その近くの満洲国大使館に、わざと金森の荷物を投げ込みました。狙いを大使館だと誤解させるためです👍。そこからふたりは二手に分かれて逃げることにしました。賢一郎はスレンセンの教会へ行きます。
思い出の曲
そこで賢一郎は、近々その教会で山脇順三(冨家規政〜三浦広大@奥様は、取り扱い注意)という海軍文官と結婚する予定の安藤真理子(吉川十和子)という女性と知り合いました。真理子はスコットランド人と日本人の間に生まれたハーフで、彼女が教会のオルガンで弾いていたアメイジング・グレイスに賢一郎が感動します。賢一郎もまたこの曲が大好きだったのです💜。
賢一郎は、真理子たちの結婚式の準備をするために来たようなフリをして、実際にその手伝いをしました。式の当日は、海軍中佐の大貫誠志郎(黒沢年男)をはじめ、大勢の軍人が披露宴に出席しますが、そこへ「満洲国大使館に忍び込んだ凶悪犯」を捕まえるため、憲兵たちが乗り込んできます。
その代表は秋庭保(大橋吾郎〜土井利厚@そろばん侍-風の市兵衛)という大尉で、かつて南京でスレンセンの恋人が殺された時にスレンセンに同情した憲兵でした。恋人を陵辱したのは日本軍の将校で、秋庭も最初は「たとえ将校であろうとも厳正に処罰をする」と約束したのですが「証拠」がないからと不問に付されてしまったのです。また彼の部下の磯田茂平(秋野太作〜沢村善兵衛@令和元年版怪談牡丹燈籠)も秋庭の命令には従いながらも、スレンセンのことを所詮はアメリカ人だと敵視していました。
スレンセンと秋庭は互いに互いを認識しますが、秋庭はまさかスレンセンがアメリカのスパイになっているとは思いもよりません。また秋庭は賢一郎の鋭い目つきを怪しみ、彼を調べようとしましたが、賢一郎は真理子の知り合いだと巧みにこれを交わしました。胸ポケットに入れていたハーモニカを取り出して、アメイジング・グレイスを演奏したのです。これはスペインで賢一郎が殺した男のハーモニカです。
真理子は大いに感動して、一緒に歌い出しました。これではさすがの秋庭も疑いようがありません。最後は謝罪ではなく(素晴らしい演奏への)「礼」を言って立ち去りました。
エトロフへ
何とか危機を脱した賢一郎は、士官の宿舎で目にした場所はどこかを確認すべく、日本地図と首っ引きになりました。そしてついに「エトロフ」を見つけます。単冠湾だ!金森は早速これをアメリカ側に伝えました。
その金森を「特高」の捜査員が付けていました😨。金森も賢一郎もまだ気づいていません。捜査員はまだとても若くて「特高らしさ」がなかったからです。
駅逓を継ぐ
一方のゆきは、父から叔父に譲られていた駅逓を継ぐことになりました。叔父が亡くなったからです。
ゆきの母のみつ(沢口靖子二役)は駅逓に滞在していたロシア人船員と結ばれてゆきを産みました。みつの父は「私生児を産んだ娘」を決して許さず、家を追い出したのだそう。それでみつはずっと伯父の家に世話になっていたのですが、ゆきが生まれたことを理由に実家に戻ったら、激怒した父からひどく罵倒されたのだそうです。その上父はそのまま倒れてしまいました。ゆきはついに海に身を投げたそうです😭。
ゆきはその後も伯父の家で暮らしていましたが、ある時、写真館の主人に身染められたことをきっかけに、どうしても自由が欲しくなって家を飛び出したのだそうです。その男は妻子持ちでしたが、ゆきはもう島にも戻れないと、男の妾になりました。その男はゆきのために家を用意し、外国のレコードをたくさん買ってくれたそうです。そして3年後、男は新しい女を作り、ゆきを捨てて、去りました。
その後もまた他から愛人になれとの声がかかったそうですが、ゆきは自分で生きていく決意をし、女給や洋裁などをして働いていましたが、結局は辞めさせられたところに伯父の訃報が届いたのだそうです。
駅逓の使用人でクリル人の宣造(遠藤直人)は、ゆきに駅逓を継ぐよう勧めました。ゆきもその決意をして駅逓を切り盛りします。
浜崎真吾との出会い
そんなゆきを海軍中尉の浜崎真吾(阿部寛〜野崎守@VIVANT(ヴィヴァン))が見初めました。浜崎は女性問題を理由にエトロフに左遷されてきたそうです💦。口では女好きなようなことを言っていましたし、あの容貌から女性にはモテたのでしょうが、拒む女性を無理やり犯すような破廉恥ではなさそうです。ゆきもまた過去のトラウマから浜崎を拒絶しましたが、内心は満更でもなかったらしい。
タコと呼ばれて
その一方でゆきは、道端で「タコ」と呼ばれて働かされていた朝鮮人を目にしました。その朝鮮人は、劣悪な環境に耐えられずに逃亡し、ゆきの駅逓の近くの小屋に逃げ込みます。最初は宣造を人質に取りましたが、警察の要請を受けてやってきた浜崎ら海軍が小屋に火を放ったのを知ると、縄を解いて宣造を逃がしてくれたのだそう。
クリル人の宣造は金に大いに同情します。金もまた金森同様、朝鮮から九州の炭鉱に連れてこられ、逃亡生活を送った後、タコ部屋に入ってこき使われたのだそう。島伝いにロシアに逃げたい〜金はそう語っていたそうです。
宣造の祖父母もまたシュムシュ島で暮らしていたのに、ある時突然日本の軍隊がやってきてシコタン島へ移住するよう命じられたそうです。宣造自身もロシアの名前を持ちロシア語で話をしていたのに、日本の名前をつけられて日本語を話すよう強制されたのだそう。それでも俺はクリル人だ😠。宣造はシコタン島を逃げ出してシュムシュ島に帰ろうとして行き倒れになっていたところをゆきの伯父が見つけて助けたのだそうです。俺もあの男と同じ、タコ部屋送りになっていたはず!
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