善人長屋 ネタバレと感想 第2話 泥棒簪

西條奈加氏原作の【善人長屋】の2話は「泥棒簪」です。前回もつまらないことはなかったけれど、イマイチかな〜🤔と思っていたのですが、この2話は善悪の境目が実に微妙で曖昧で、それゆえに悩む「(小)悪人」の逡巡がなんともリアルかつ切実に描かれていて、実に楽しかったですね〜🤗。もうすっかり気にいっちゃいました😍。以下早速ネタバレです善人長屋のネタバレ感想行きますよ~( `ー´)ノ

筋金入りの善人

加助はやはり「錠前破り」などではありませんでした。儀右衛門が頼まれた錠前破りは既にお縄になっていたそうです💦。お縫は早速加助に確認に行きました。すると加助は、赤坂は赤坂でも三州赤坂ではなく赤坂御門にいたと語ります。昨年そこでは大火事があったそうで、錠前の師匠の家にいた加助は助かったものの、妻と娘が長屋もろともすっかり焼けて亡くなってしまったのだそうです😭。

加助は、必死で涙を堪え、笑顔を作りながらそう語りました。そのこわばった顔がなんとも切なかった。加助はその辛い思い出に耐えられず、赤坂を出てさまよっているうちにこの善人長屋の評判を聞いて訪ねてきたのだそうです。温かく迎えてもらったと語る加助の部屋には娘と妻の位牌が飾ってありました

善人とは名ばかりの住人たちは頭を抱えます😔。しかしどうしたもんかねえ。安太郎や唐吉(蕨野友也〜若杉慎之介@最高のオバハン)、そして文吉はおおむね加助を置くことに賛成のようでしたが、髪結い兼情報屋の半造(柳沢慎吾〜谷平@吉原裏同心)だけは断固として反対します😡。長屋の裏の顔を知ったら、お上に訴え出るかもしれない!💢

でもお縫はこれに抗議しました。行く当てのない人を追い出すなんて。私たちは悪党でもそこまで落ちちゃいない😤。

そこへ、その加助がまた「問題😈」を持ち込んできました🐒。

人助け

今度の相談者?はお貞(藤野涼子〜北野葉子@白い濁流)という女中です。お貞は奉公先の醤油丼屋の娘=お律(宮下咲)にいびられた腹いせに、そのお律が特注品だと自慢していたたいそう豪華な簪(かんざし)をちょいと拝借したらしいのですが💦、それをチンピラに盗まれてしまい、途方に暮れていたのだそうです😨。安心しな、ここは善人長屋だ。どんな困りごとでもきっとあんたの助けになってくださるよ🤗。

加助の言葉に、ほぼ全員が逃げ出しましたが😱、残った半造と儀右衛門たちは、お貞の話を聞いて意見が2分します。儀右衛門はなんとか関わるまいとしたのですが、女性陣=お俊とお縫、そして加助と半造は「魔が差しただけ」だとお貞の肩を持ちました👍。お貞は借りただけで、盗んだのはそのチンピラだ😤。

お縫は、その連中はきっとその簪を売りさばくはずだから、ウチでこっそり買い戻してあげようと提案しました。すると加助はすかさず、系図買いでもない堅気の千鳥屋が盗品と知ってて売り買いしたら捕まってしまう😤!と反対します(😅)。儀右衛門がホッとしたのも束の間、加助は「でも素人の俺ならお叱りで済む😁」と言い出しました。質屋を当たってみやす!任せときな!!

お俊とお縫も、そんなにきれいな簪なら一目見てみたい、などと言い出しました。お父っつぁん!お前さ~ん!!助けてあげようよ!

任せとけっ!!😤

男に二言はありません😁。儀右衛門は店子でドロボーの庄治(山崎樹範〜前園真琴@その女、ジルバ)に助けを求めることにしました。庄治の表の家業は下駄屋ですが、息子の耕治(藤原颯音〜寅次郎@少年寅次郎)は裏家業を継いで日本一のドロボーになると張り切っています😂。

泥棒簪

一方の半造は、お貞から聞いた簪の形が、以前耳にした「泥棒簪」ではないかと疑っていました🤔。実際、お縫と加助が質屋に聞き込みに行ったところ、その主人(佐藤誓〜鵜殿長照@麒麟がくる)も、それはきっと泥棒簪に違いない、と証言します。以前扱ったことがあるというその「質屋」も実際は「系図買い屋」です。加助には黙っていたのに、お縫の顔を見た途端、ペラペラと喋ってくれました😓。

緋鯉の伝八

また半造は、さすがに情報屋だけあって、お貞から簪を盗んだチンピラの正体を突き止めました👍。緋鯉の伝八(久保田悠来〜竜也@おいハンサム!!)という男だそうで、伝八は今、後家のお才(若村麻由美〜三浦清子@しかたなかったというてはいかんのです)という女と懇ろなので、その簪もお才にくれてやったのではないかと当たりをつけたのだそうです。

儀右衛門がこれを庄治に伝えると、庄治はあっさり承諾してくれました。お縫は「一文にもならない人助けなのに?😨」と驚きますが、庄治はキッパリこう言います。白昼堂々、辻強盗の昼稼ぎってのが気に食わねえ。盗人は人目を忍んでこそこそ盗むのがまっとうな在り方だ。この(盗人にも)「三分の理」こそが人でいられるかどうか💜の大事なところなのだそうです👌。

庄治は早速お才の家に忍び込みました。目当てのものはなかったけれど、違う簪はたくさんあったので、庄治は必ずあの家にあると直感したそうです。またお縫はお才を見てすぐに「とんでもない悪党👎」だと直感しました😨。そしてそれと同時に「とんでもなく寂しい匂い😢」も嗅ぎ取ったそうです。

お俊の作戦

その後、お縫から泥棒簪の話を聞いた儀右衛門は、やっぱり手をひこうと決意しました🐒。でもお縫は諦めません。お縫はお俊に助けを求めました。ふたりは、お才が毎日行く風呂屋に行き、お才を騙して一芝居打つことにします。これには文吉と加助が加担しました。ふたりがお縫に絡んできたところでお才に助けを求めるという寸法です。本来加助は数に入っていませんでしたが、文吉とお縫にだけ危ない橋を渡らせるわけにはいかないと、加助は実に見事な芝居を披露して、お縫を驚かせました😂。

お縫は手はず通りお才に助けを求めました。するとお才は啖呵を切ってふたりに食ってかかります😲。田舎者が、がん首そろえてきれいな娘に与太飛ばしてんじゃねえ!😡

気の毒な加助は堀に突き落とされてしまいました😵。とそこへお俊がやってきて、ええとこのごりょうさんを演じます。お俊はお才を江戸一番の料理屋に招待すると約束しました。それでお才は、とびっきりのおしゃれをしていくことにします。家に帰って簪を取り出したところを、庄治がしっかり見ていました👍。

二人の秘密

庄治が盗みに入る隙を伺っていると、伝八は衝撃の事実を語り出しました。なんと伝八とお才はふたりでお才の夫を殺したのだそうです😱。お才の夫はひどいケチで、伝八がお才に買ってやった簪を見て浮気を疑い、お才をひどく打ったのだそうです。お才はでも今ではひどく後悔しているようでした。

この話を聞いたお俊は、人は面白くて怖い、と語ります。その時々で違う顔〜特に女は、違う顔全てが本当の顔ってこともある。

一方で、まんまと簪を盗まれたお才は、懸命に質屋を回ってこれを捜していたそうです。同じように簪を捜していた加助はお才に「もう諦めたほうがいい」と促しました。それは泥棒簪で次から次に盗まれるのが常だというが、もしかしたら、次から次に自分を誰かに盗ませて人の心の隙間を渡り歩くような代物かもしれない😈。もう関わらねえ方がいい

お才は、なぜそんな説教を垂れるんだと文句を言いました。加助は「だってねえさんはいい人だから💜」と答えます。人の難儀を見過ごせねえ、立派で粋な江戸っ子だ。加助の死んだ妻は「きれいなものは人を変える」と常々語っていたそうです。もし自分が以前と変わっちまったと思ったら、それはそのきれいなものを手放す時が来たんだよ。手放しゃ痛いが、見える景色がきっと変わる🌹。

「絵に描いたような善人面🤗」でそう語った加助の言葉は夫を殺したことを今でも悔いているお才の心にグサリと突き刺さりました😨。あの簪手放したら、元の善人に戻れるとでもいうのか!バカ野郎!お才は泣いて逃げ出しました。

お才の決意

加助が皆にこれを報告していると、耕治が飛び込んできました。伝八が庄治を拉致して行ったのだそうです😱。さすがに蛇の道は蛇で、伝八は簪を盗んだのが「下駄屋の庄治」だとすぐにピンときたらしい💦。

儀右衛門は、ありったけの提灯と人をかき集め、「役人」のふりをして駆けつけました。御用だ!緋鯉の伝八!履物屋亭主殺しで召し捕る!御用だ御用だ!!

伝八はあたふたと逃げていきました。が、その後の報復が怖いと皆が恐れていると、お才が奉行所に亭主殺しを名乗り出たとの知らせが入ります😵。伝八ももれなく捕まったそうです。お才は取り調べで、きっかけは泥棒簪だった、と語ったそうです。お才は、加助に言われたように、簪も伝八もすべて手放して「違う景色🌸」を見ようと決意したのだそうです。

男どもは揃って「簪一本で男を売るとは😔」と呆れましたが、お俊は「分かる😁」と答えました。お才は「きれいな着物や簪」で、どうにも満たされない心を埋めようとしていたのです。

加助は、最初はショックを受けていましたが、翌日にはすっかり元気になりました🐵。お才さんもこれで違う景色が見られたはずだ。ここは本当にいい長屋だ!善人長屋だ!うん!やっぱりここはいいところだ!

加助を今後どうするかはまだ決まってないそうですが、お縫は「この善人はなんだか心地いい」と思っていたそうです💕。

善人長屋 (新潮文庫)
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