善人長屋 ネタバレと感想 第5話 犀の子守歌
西條奈加氏原作の【善人長屋】の5話は「犀の子守歌」です。これまたなんとも切ない物語でございましたね。以下早速ネタバレです
。
律儀な男
儀右衛門から「お節介をやめろ」と言われた加助は、自らを戒めるためにも外出をやめ、家で亡き妻が好きだった笛ばかり吹いていました。その調べはなんとも物悲しげで、過ぎゆく夏を惜しむ人々はこれを聞くとすっかり気が滅入ってならなかったそうです💦。お縫やお俊はいったいどうしたのだろうと心配していましたが、心当たりのある儀右衛門だけは、ちと気まずそうにしていました😓。
お縫はついに我慢ができなくなって、加助の家に乗り込んで行きます。いったいどうしたって言うの?同じ笛を吹くならもっと賑やかなやつをやってちょうだい😤!お縫は近くでお祭りの笛太鼓をやっているから一緒に観に行こうと誘いました。加助は、家を出たらまたお節介を焼いちまうから出ちゃいけねえんだ😭!と固辞しましたが、お縫はむりやり連れ出します。四の五の言わない!💢
でも加助の予言?はぴたりと的中しました。早速「困っている人」が目に入り、思わず手を、否、体を差し出してしまったのです😵。
加助とお縫が「行き倒れ」を拾ってきたのを見た儀右衛門は「困ったもんだ😏」と嬉しそうに語りました。真面目な加助は心から申し訳なさそうにしています。性懲りも無くつい・・・😞。
そこへ通りかかった唐吉と文吉も「善人野郎の人助け😜」だなどと揶揄しました。が、文吉はその「行き倒れ」に見覚えがあります。犀香?犀香!俺だ!小瓢だ!!😱
犀香との出会い
文吉はかつて「博打狂いのクソ野郎」だった父親に「陰間茶屋」に売られたことがあったのだそうです。ちなみに母親は女郎に売られ、唐吉は人足に出されたのだそう。陰間茶屋というのは男の子が大人を相手に体を売る店だったらしいです。そこで小瓢と呼ばれていた文吉は、一番人気の色子だった犀香と仲良くなりました。
しばらくして、唐吉が文吉を助けにきてくれたそうです。文吉は犀香にも逃げようと誘ったそうですが、彼はここは自分の「牢獄💀」だと語って動こうとしませんでした。この世で一番大切なお方のためだと語ったそうです🤔。
それから10年が経過した今、犀香(牧島輝)はすっかり内臓がやられており、医者の見立てでは年を越せないほどに弱っていたそうです😭。
その犀香の本名は三浦斎之介と言い、元は苅田掃部介という殿様の小姓をしていたそうです。犀香が加助の目に止まったのも、その掃部介に会いたいと門番に訴えていたからでした。この世で一番大切なお方というのもこの掃部介のことだったそうです。ふたりは心から愛し合っていたのに、掃部介の奥方に子供が産まれないのは犀香のせいだと責められて、ついには城から追い出されてしまったのだそう。それで犀香は自ら陰間茶屋に行ったのだそうです。
大人になって色子ができなくなってからは、旅回りの一座に入り、江戸から離れていたそうですが、今年の春に病にかかって一座を追い出されたので、江戸に戻ってきたのだそうです。するとどうしても掃部介のことが気になって昔の知り合いに尋ねたところ、その掃部介も重い病でもう長くはないと知り、ひと目だけでも会いたいと、ああして門番に食らいついていたのだそうです😭。
お濠
文吉は儀右衛門に、なんとかして犀香を殿様に会わせてやってほしいと頼みましたが、横で話を聞いていた半造が反対しました。苅田掃部介の妻はお濠(臼田あさ美〜甲本祐希@オクトー~感情捜査官心野朱梨~)というそうなのですが、とんでもない焼き餅焼きで、夫の世話はすべて自分がこなし、夫に色目を使った茶坊主も、得意の薙刀で斬り殺したと評判なのだそうです😨。
が、お縫は犀香の「恋心」を敏感に感じ取っていて、文吉同様、なんとかふたりを会わせてやりたいと力説しました。これは命懸けの恋なのっ!!
まだまだ子供だと思っていた娘から「恋」などという言葉を聞かされた儀右衛門は動揺しましたが😱、お俊は、犀香に恋文を書いてもらうのはどうかと提案しました。それをドロボーの庄治に届けてもらおうと言うのです。が、お濠は天井裏に忍び込んだ庄治の気配を察して、早速薙刀で斬りつけてきました💦。くせ者じゃ!😡
でも庄治はそこで耳寄りな話も聞きつけてきました。苅田掃部介(花戸祐介)には鶴松という息子がいるのですが、まだ9歳なため、掃部介の弟の直次(佐野岳〜毛塚直之@陸王)が跡目を狙って、国元から(賄賂のための)「裏金」を運ばせていたそうなのです。そのくせその直次は、お濠が掃部介に毒を盛ったと言いふらしていたらしい👎。
一方で、これは半造が仕入れたネタですが、ある盗賊がこの直次のいる中屋敷を狙っていたそうです😁。
儀右衛門は、これ以上突いて藪から大蛇を出したくないと弱腰でしたが、お縫は見事に大蛇を退治しました。ま、それはもう少し後のことですが😏。
犀の子守歌
そうこうしているうちに犀香は日に日に弱っていきました。でも時々、子守唄を口ずさんでいたようです。それが「犀の子守歌」でした。木犀は秋になると良い香りを放ちますが、咲くのは1年に7日だけなのだそうです。犀香の故郷には金銀の木犀がたくさん植わっていたそうで、掃部介もその子守唄をとても気に入っていたのだそう🌸。それで掃部介は犀香を「犀」と呼んでいたため、犀香もまた自分で「犀香」と名乗ることにしたらしい。
掃部介は犀香にお揃いの印籠を渡し、この歌を聴くと「我が牢獄」を忘れられると語ったそうです。この牢獄というのがまた驚きでした。掃部介は今で言うところの性同一性障害で、体は男性でも心は女性だったのだそうです。
この子守唄を聞いたお縫は、その調べが加助の笛の音に似ていることに気づきました。お縫は文吉や加助と共に犀香を小舟で城の前に連れて行き、この子守唄を加助に笛で奏でてもらうことにします👍。加助がひとときも休まず吹き続けたメロディは、病床にあった掃部介の元に届きました💘。掃部介は藤江(宮地雅子〜甲野貴文の母@あなたの番です)という侍女を寄越します。藤枝は犀香を覚えていてくれました。斎之介か?😲
藤枝が犀香を奥に連れて行こうとすると、文吉たちは必死で止めようとしました💦。そこへお濠もやってきて、犀香は女中たちに連れ去られてしまいます。てっきり「お手討ち」にされると思ったお縫と加助、そして文吉がそれぞれを庇う様子に、お濠は思わずクスクス笑い出します😂。案ずるな。斎之介は殿の寝所じゃ😏。
その言葉通り、掃部介と犀香は互いの「死」によって牢獄から解き放たれる、と改めて愛を誓っていたそうです🌹。ふたりの印籠にはそれぞれ片翼が付いていて、それを合わせると両翼となり、今にも空高く飛んでいきそうでした。
お濠の愛
お濠は、皆のおかげで掃部介を慰めることができたと喜びました。お濠は、鶴松が生まれた後、掃部介から「牢獄」について告白されたそうで、それからは、陰日向になって掃部介を守っていたのだそうです。わざと「悋気持ち」を装って側室も寄せ付けませんでした。今では掃部介とは姉妹のような絆で結ばれているのだそう💜。その上でお濠は、跡目を狙う直次をどうにかして排除したいと苦悩していました。
お縫はそのお濠の切ない恋心を察し、こっそりお濠に耳打ちします。うちの長屋には「裏稼業持ちの悪党」がわんさかいるから力になれるかもしれない😎。お縫はお濠から、直次の屋敷が手薄になる日=先代の法要の日を聞きだしました👍。
エピローグ
直次の屋敷から数千両の小判が消えました👻。半造が、これを狙っていた盗賊に、主人が留守の日を教えたのでしょう。これで半造はすっかり「信用」を得たらしい😂。また直次は国元で蟄居を命じられました。犀香と掃部介は同じ頃、息を引き取ったそうです。そして木犀が甘やかに薫る頃、鶴松が家督を継ぎました💐。