今ここにある危機とぼくの好感度について ネタバレと感想 第3話 久々にパンチの効いたドラマです

松坂桃李さん主演のブラックコメディ、【今ここにある危機とぼくの好感度について】は3話もむっちゃ面白かったですね~。最近ではここまでパンチの効いたドラマは珍しいんじゃないですかね。も~どんぴしゃでおばさん好みですわ。以下早速ネタバレです今ここにある危機とぼくの好感度についてのネタバレ感想行きますよ~( `ー´)ノ

ダイバーシティ

木嶋みのりという、たとえ最後は挫折をしたとしても、自分の人生をかけて社会のために闘おうとした女性に出会ったことに神崎は大いに感動し、彼女との再会で自分も変われた、そう思いました。ところが・・・。

連続講座というのはつまり連続した講座ですね~

大学で100周年記念のプレイベントとして4週間に渡ってゲスト講師を招いて行う「連続講座」とは何かと聞かれた時の神崎の答えがこれです。相変わらず「意味のないこと」を発しているという点では、ちいとも変わっていません。学生新聞のコウスケは慌てて「多様性=ダイバーシティー」をテーマにし、あらゆる角度から多様性とは何か、これを実践するにはどうしたらよいかを検証することにしたのだと説明しました。生の言葉で

それでも神崎は、自分の話に中身がないことに対して時々落ち込むようになったそうです。それでも根っからが楽天家なのか、講座の内容が多岐に渡って壮大であることを受けて、自分が毎日悩んでいることなど小さなことだ、と解釈します。だって、世界地図の種類によっては国のサイズが違っていたり、月が縮んだりしてるのなら、俺が成長しないのもしょうがないよね?

学生たちもそろそろこんな神崎には慣れて来ていて、テキトーにあしらう術を心得ています。邪魔かもしれないが広報課の記録係として密着すると謙遜する神崎に、学生は「邪魔とかない」と答えました。自分の好感度を気にする神崎に学生は「だってダイバーシティってそういうことでしょ?」と答えます。たとえ嫌いでも尊重し合わなきゃ

SNSに右往左往

そんな時、超人気韓国アイドルグループの女の子が日本に遊びに来た際に、ある写真の前でとあるポーズを取ったことがネットで大騒ぎになりました。彼女たちの新曲は「KO/OK」と言い、彼女たちはこれに合わせて踊りながら「」のジェスチャーをするのだそうです。彼女たちは、おそらく、たまたまそこに貼ってあったポスターに映っていた男性が「」のポーズをしていたので、ちょうどいいと、同じポーズを取ってしまったに違いないのですが、それが「韓国アイドル、公然の日本dis」と炎上したらしい

そしてその男性こそ、連続講座の最終日に招くはずの浜田剛志(岡部たかし~上條勇仁@桜の塔)というネットジャーナリストで、最近は「日本僻地論で話題になっていたそうなのです。その結果、大学には抗議の電話が殺到しました。国立大が国を貶めるような人間をゲストに呼ぶのはおかしい!

室田教授はまたしても正論を展開します。このような脅しには屈しない。このイベントのテーマは「多様性」だ!ネットの炎上ごときにビビッてゲストを排除するなんて言語道断だ!!本末転倒だ!

理事たちから総長として意見を求められた三芳は、難しいことだから、皆で決めてほしい、と逃げ出しました。室田は爆破予告でも来ない限り、学問の府である大学において、言論の自由は死守されねばならないものだ!と力説します

石田課長は室田を「お座敷犬野郎」と罵倒しました。ぬくぬくした部屋ん中で吠えたいように吠えやがって!対応するこっちの身にもなってみろ!

女性事務員は、抗議の電話に耐えられないと訴えます。石田は神崎を見習うよう促しました。神崎は、いとも冷静に、何一つ受け止めずに聞き流しているのです

爆破予告

そこへついに「爆破予告」が入りました。犯人は自宅の電話(FAX)番号を表示したままFAXを送ってきたためすぐに捕まってしまいましたが、これで石田は勢いづきます。何かあってからじゃ遅いんです!!

当然、事なかれ主義の理事たちは「中止」の決定を下しました。学生たちは仕方なく浜田に謝罪しますが、今度は浜田がごねだします。なぜ理事たちに反論しに行かない?!このご時世にそんな根性で、言論の自由なんかほんまに守れると思ってんのかいな!中止ってなんやっ!

その浜田も、女子学生が出ていって謝ると途端に大人しくなります。これは、浜田と面識のある神崎の助言です。確かにビミョーにセクハラです。男性陣は「おじさんの男性差別はひどい」と憤慨しました。それはイタリアでもスリランカでも同じだそうです

総長の責任

浜田は外国人記者たちを集めて会見を開きました。すると今度は総長の意見が聞きたいと、三芳が呼ばれたのだそうです。三芳は、理事たちが止めようと言うから止めたのに、なぜ後始末だけ自分がしなくてはいけないのか、と嘆きしました。三芳の旧友らしい水田理事(古舘寛治~可児徳@いだてん)は、三芳が会議をサボったからいけない、と諭します

大学経営など向いていないのだとぼやく三芳に水田は、三芳のような人間こそ踏ん張らなければいけないのだと励ましました。そうでないと、大学なんぞ寄ってたかってすぐ政府と企業の専用研究所にされてしまうしやな。お前もそう言っとったやないか

大切なもの

神崎は、それのどこがいけないのか聞きたかったけれど、それよりもまずは、恩師の三芳を守るためにあれこれ知恵を絞りました。三芳はかつて神崎達に「仮説が多様であればあるほど真実に近づくことができる」と教えたそうです。そんな良き教育者の三芳を守ろうと、神崎は珍しく使命感に燃えていました。三芳のために「中身のない原稿」を用意します。その理由は「三芳の好感度を維持するため」です。

神崎は「中身のない原稿」を読んだ三芳は、確かに愚かだと思われるかもしれないが、中身がないことは記事として取り上げようがない=たいして騒がれることなくさら~っとしれ~っと終われるかもしれないということだ、と力説しました。この会見を見るのはほとんどが日本人だから、日本人向けの好感度戦略を練るべきだ!と譲りませんこれこそ僕が唯一学んだ教訓だ!

批判を浴び、誤解を受け、炎上を招く~嫌われる原因は、いつも「意味」だ。意味を最小限に控えることこそ、日本における正しいリスクマネージメントなのだ!

神崎が、多分初めて好感度をかなぐり捨てて好感度の重要性を訴えたことで、彼の好感度が爆上がりしました。理事たちは口を揃えて神崎を褒めたたえ、このような教え子がいて三芳は幸せだ、と語ります。でも三芳の顔は暗いままでした。神崎はそれが気にかかりましたが、三芳は、神崎の言うとおりだ、自分は学者でこういう戦略には疎いから助かった、と礼を言います。頑張ってみる

最大の悲劇

三芳は、神崎の原稿通り「安全確保」を繰り返しました。呆れる外国人記者たちを前に、そろそろ会見を終わりにしようと「最後の質問」を受け付けたところで、ひとりの外国人が手をあげます。男性は、三芳の立場をよく理解しているようで、それでも諦めずに質問したい、と発言しました。なぜなら、こうした努力を続けることが世界を少しでもよくしてゆくために必要だと思うから

なんと彼=アンドリュー・ウォレスは、かつての三芳のゼミ生でした。ウォレスは、三芳は考古学が専門だから、人類の歴史において権力による独裁がどのように行われてきたかもよく知っているはずだ、と訴えます。その過程には必ず言論の弾圧が含まれていたことも。ウォレスはさらにキング牧師の言葉を引用しました。

問題に対して沈黙するようになった時、我々の命は終わりに向かい始める。最大の悲劇は悪人の暴挙ではなく善人の沈黙である

ウォレスは、三芳の沈黙こそが残念だと語ってその場を去ろうとしました。彼の言葉をじっと聞いていた三芳は「Thank you」と英語で礼を言って「沈黙」を破ります。Thank you. Thank you for your question. Because of the good question, I'm awake now.(素晴らしい質問をありがとう。そのおかげで私はようやく目が覚めた)

三芳は、自分の言葉で、しかも英語で、安全確保は確かに大事だが、大学としての責務は、その安全を確保した上で、浜田の講義を実施することだ、と語りました。I may not be a good man. But I promise, I won't be silent anymore.(私はたいした善人ではないが、二度と沈黙しないと約束する)

記者たちの温かい拍手に包まれた三芳を、ウォレス、そして神崎が誇らしげに見守っています。理事たちもまた「三芳の顔がとても怖い」ことに気づいたそうです。水田は神崎に「ほんまは中身も怖い」と教えていました。猫をかぶって善人面して、言いたいことを何も言わない、と。神崎はまるで自分のことだと笑います。

せやからええねん。ほっといたら

その予言?通り、三芳は理事たちを前にしても揺るぎませんでした。何が起きてもすべての責任を取ると言われた理事たちはついに中止の撤回を認めます。公演当日、前座に登場した室田は、かつての三芳の言葉を引用しました

社会はいつどんな危機的状況に陥るか分からない。大学の社会的使命とは、どんな時も自分の頭で考えることのできる人間を一人でも多く輩出することである

総長人気は否が応にも高まり、イベントでは三芳をプリントしたTシャツが大人気で売れまくりました。でも三木谷は、こうした「総長の独裁制」は三芳が望んだことではないと指摘します。これまでずっと三芳が権力を行使しなかったのは、一旦総長に独裁を許したら、いつか国や財界に忖度する人間が総長になった時に大変なことになると憂えていたからだと言うのです。そして須田こそがまさに「そういう人間」なのです

嵐の前の静けさ?

神崎は三芳と飲みに行き、この三木谷の憂いを伝えました。でも三芳は、そんな風にはならないと笑い飛ばします。神崎が安心して眠ってしまうと、三芳はウォレスと電話で話しました。手ごわい教え子たちを持って、私は幸せ者だ

その一方で、澤田が、停職が解けて大学に戻ってきます。また何やら怪しげな人物も登場するようです

感想

毎度のことながら、実に耳が痛いですよね。おばさんも、以前健康だった頃は「見て見ぬふり」をする人間を容赦なく攻撃したものですが昔は単純だった( ̄▽ ̄)、一旦健康を害してからはすっかり自分もone of themになり果てました。それでもここぞという時は、発言を恐れない人間でいたいと思います。来週がお休みなのが残念でなりません

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