グレースの履歴 最終回 ネタバレと感想 永遠の孤独
滝藤賢一さん&尾野真千子さん主演のプレミアムドラマ、【グレースの履歴】もついに昨夜が最終回でした。なんとも切ない結末で、ドラマだと分かっていても胸が痛くなりました。以下、最終回「永遠の孤独」のネタバレです
。
翌朝
草織は、希久夫のために朝食を整え、メモを残して出勤しました。帰宅時に、希久夫はもうここを出て行くものと決めつけています。ところが希久夫は留まっていました😵。しかも夕飯の買い物までしていたそうです。希久夫は残っている3日の有給をここで過ごすつもりのようです🌷。
それからふたりは、かつてのように一緒に時を過ごしました。草織は希久夫と一緒に砂浜を歩きながら、希久夫の中にまだ草織のいる余地はあるか、と尋ねます。希久夫はあると答えたそうです。それは草織がまだ生きているから。でも美奈子は死んでしまったから、かつて負った古傷のように、たまにその痛みを思い出しながら、前を向いて生きていくしかない。
希久夫は、亡き父が、妻と別れてからも再婚をしなかった理由がようやく分かった気がしたそうです。父は母を愛していたのです。だから、いつか戻ってくるかもしれない妻の居場所を空けておきたかったのだと。美奈子は死んだ、死んで俺だけのものになった。だから覚えているのは俺だけでいい。草織、お前は忘れろ。
草織は、忘れることなんてできない、と答えました。
草織の嘘
そう、草織は嘘をついていました。彼女は2ヶ月前に美奈子に会っていたのだそうです。美奈子は草織に、自分が血液のガンで、もしかしたら希久夫を置いて死ぬかもしれないから、もしそうなったら、希久夫とやり直すことを考えてほしいと頼みにきたのだそうです。希久夫は、これまでに一度も、自分から望んで一人になった訳じゃない。母然り、弟然り、そして草織然り。その上美奈子にまで去られたら孤独に耐えられないだろうと思ったようです。私だって好きでこんなことを言いにきたんじゃないわ😤。
ところが、美奈子はその後フランスから草織に電話をかけてきて、あの約束は忘れてほしいと告げました。石に齧りついても生きていこうと決めた、そう語ったそうです。その翌日、草織は美奈子が事故で亡くなったとニュースで知ったのだそう😨。
それを聞いた希久夫は(たぶんグレースはそのままにして)急いで東京に戻ってきました。フランスで通訳をしてくれた柏木の元を訪ねたのです。2ヶ月前は美奈子を失ったショックで「それ以上は通訳しなくていい」と止めたあの時の医師の言葉がなんだったのか、希久夫にはどうしても知る必要がありました😠。
衝撃の事実
柏木は全てを話してくれました。なんと美奈子は念願通り、自然妊娠していたのだそうです。でも、残念なことに、まだ薬が抜けきっていない時期だったため、子どもは中絶するしかないと分かっていました。それでも美奈子は、希久夫の子供を授かったことが嬉しくて、しばらくこのままでいたい=一緒に暮らしてお別れする時間がほしいと望んだそうです🌹。美奈子の親友で産婦人科医の恵津子が、そう教えてくれました。
柏木は、聖母マリアが幼子イエスを抱いた絵の前で、美奈子の写真を撮ってくれたそうです。その時、美奈子は目に涙をいっぱい浮かべていました。その病院でもらったエコー写真も、美奈子の遺品の中にあったようです。
写真は他にもたくさんありました。美奈子がグレースに乗って訪ねた先で「希久夫が失った人々」と一緒に撮ったものです。美奈子は3ヶ月前、家を出る時、希久ちゃんが失ったものをすべて見つけてあげる、と言い残したのだそうです。ドラマでは、このシーンが最後にもう一度再現されて、その幕を閉じました。
思いがあれば願いは叶う
希久夫が真実を突き止めていた頃、草織のもとをなんと仁科が訪ねてきました。仁科は希久夫に頼まれてグレースを引き取りに来たらしいのです。ふたりは一緒にグレースを洗車しながら「ふたりの持ち主(グレース・ケリーと美奈子)」について語り合いました。ふたりとも、過去は振り返らないという強い人間だったが、そうでない人間は、時々過去を振り返った方がいい。でないと大切な思い出にカビが生えちまう。思いは持ち続けた方がいい。思いがあれば願いは叶う。仁科はそう草織に教えたそうです💜。
エピローグ
それから1ヶ月後、希久夫はふたたび有給をとり、グレースに乗って仁科の元へやってきました。年末に滋賀の弟の家に行くからと整備を頼みにきたのだそうです。運転は以前よりずっと上手になっていました。仁科は泊まっていくよう勧め、晴香はもう既に「山菜鍋」の用意をしていたそうです💐。
希久夫は心の中の美奈子にこう呼びかけます。俺はもう孤独じゃない。お前が引き合わせてくれた人たちにいつでも会えるから。ただ、お前にだけはもう会えない。それはお前が残した永遠に消えない俺だけの孤独なんだ。
白い衣装を着た美奈子は、虚な目で希久夫を見つめていました。
テレビ評四天王
Konにちは。
心にしみる、記憶に残るドラマでしたね。
感動が消えぬうちに、何故か録画をすぐ消去したくなるので、細かいところはもう忘れましたが。
思ひ出したければ、こんさんの記事をよめばいいだけですからネ。(ヨイショっ!)
車も風景も綺麗で良質のロードムービーのやうで、ましてや、僕は切ない話や切ない歌には弱いので。
尾野さんも、広末さんも、いつからか敬遠してゐたのですが、今回は抵抗なく、滝藤さんも良かつた。
終つてしまつた朝日新聞コラム「キュー」の島崎今日子さんなら、どんなドラマ評をしたか読んでみたいです。
TV番組批評といへば、森茉莉は勿論ゐないし、ナンシー関も亡くなつたし、島崎さんのコラムも終了だし。
愛読した活字が消え、寂しい限りです。残るは、こんさんのブログだけです。では。