逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル ネタバレと感想
新年、あけましておめでとうございます。年末までの雪かきの疲労を言い訳に、今年はいつも以上に、駅伝を見るほかは何もしないお正月を送らせていただきましたおばさんです
。いや~箱根は最後の大逆転が見事でしたね~
。一応弁解しておきまするが
、大八木監督@駒大の「男だろ」は決して性差別ではないのでござるよ
。あれは愛すべき監督の口癖なので、どうぞ大目に見てやってくださいませね
。
などとわざわざお断りするのも、このドラマが、そうした小さな差別や権利にも焦点を当てて、優しい視点で描かれていたからです。以前連ドラではあまり気づかなったのですが、今回は逐一、心に染みてきました
。あらためて素敵なドラマだったと再確認した次第です
。
以下ネタバレのあらすじです。テーマは「妊娠」と「コロナ」です。これによってみくりと平匡は、周囲の人々は、そして社会はどんな変化を遂げたのでしょうか。
妊娠
順番待ち
みくりは会社で仲間たちとランチを食べながら「妊娠」について話していました。なんと彼女たちの職場では、妊娠をするのに「順番待ち」が必要なのだそうです。産休の間は人を増やさないのが原則らしく、ひとりが子どもを作ったら、その人が復帰する1年半後まで次は我慢しなくちゃいけないらしい
。いや~とても民主主義社会とは思えんね
。
どうして産みたい時に産めないんだろう?
そう思いながらも、まだまだそれはみくりにとっては「他人ごと」でした。みくりと平匡は順風満帆な家庭生活を送っていたからです。
平和な生活
家庭のことはすべてふたりで分担しました。平日は帰宅の早いみくりが夕食を作り、休日は主に平匡が担当。朝食は、起床時間が違うために、各自が好きに用意する。洗濯は2日に1回。出がけにみくりが回して、干すのは出勤が遅い平匡。帰宅したみくりが取り入れて畳んでしまう。得意分野はそれぞれが担当し、ふたりとも嫌なことは半分半分やっつける。
そう、ふたりはまさに理想の生活を送っていたのですが。
尋常じゃない眠気がみくりを襲うようになりました。同僚から、妊娠を指摘されたみくりは早速妊娠検査薬を購入します。結果は陽性でした。みくりはすぐさまこれを平匡に伝えますが、平匡は、まるで業務報告を受けたかのような「塩反応」を示します。
でもまだ分からないんですよね?産婦人科で検査して確定したらまた話しましょう。
みくりは一抹の不安と寂しさを抱いたそうです。
選択的夫婦別姓
一方の平匡は現実的な問題が真っ先に浮かんだようです。それが「籍」の問題です。ふたりはまだ入籍しておらず、事実婚だったのだそうです。夫婦別姓が制度化されたら入籍しようと考えていたらしい。
これ、そう言えば随分前から棚上げだったと今ググってみたらですね、なんとなんと、「2021年度から始まる第5次男女共同参画基本計画の案から選択的夫婦別氏という文言が消えた」そうなんです!?
選択的夫婦別姓のハードルは? 計画案から表現後退、議論進まず四半世紀
日本経済新聞朝刊2020年12月28日付
まったく油断も好きもあったもんじゃありませんね。それはさておきドラマに戻りますると、今回はみくりが妥協して「津崎」の姓を名乗ることになりました。みくりはようやく、平匡は無関心なわけではないと安心したそうです。
それでも平匡とみくりの価値観はまだ少しずれていました。平匡はみくりを「サポート」すると語りましたが、みくりは「一緒に勉強して一緒に親になるんだ
」と訂正します
。
落ち込んだ平匡は「沼田会」で話を聞いてもらいました。我ながら決定的に意識が違ったと思い知らされました。どうして人ごとのような気持ちでいたのか。
沼田は、平匡の子どもは自分の子どものようなものだと涙してくれます。彼は人類の父になろうとしてるのだそうです。ちなみにその沼田は「ヨリッツ」という会社を興し、日野とふたりで働いているそうです。もちろんプライベートでは梅原がパートナーです
。
つわり
その後みくりを「つわり」が襲いました。も~何も手につかないのみならず、食べることすらできません。これまでの家事分担ルールはどこへやら、そのほとんどを平匡が担当することになりました。しかも平匡は育休を1カ月取ることにしたので、上司の灰原慎之介(青木崇高~廻谷誠@サギデカ)から大ひんしゅくを買っていたのです
。
これはでも沼田が救ってくれました。平匡は仕事の助っ人にヨリッツを指名したのですが、その打ち合わせで来た沼田が灰原にビシッと言ってくれたのです
。
人間が働いている以上、理由はどうあれ、長い休みを取ることは避けられない。その時に大事なことは、誰が休んでも仕事が回るような環境づくりをしておくこと。それが職場におけるリスク管理。それはプロジェクトリーダー=灰谷の仕事であり、プロジェクトリーダーを負かされるということは、リスク管理能力に長けているからだ。
褒め殺しに遭った灰谷はもうそれ以上文句が言えなくなりました。
でも、いかんせん、もう大晦日だと言うのに仕事は山積み状態です。それなのにみくりは、トイレットペーパーを買ってきてほしいなどとメールを寄こしました。いつも使う品を売っているのは遠くの店だけなのに。
それでも懸命に走ってトイレットペーパーを買い込んできたのに、家に帰ったら既にトイレットペーパーが積んでありました。しかもみくりは、カップラーメンを食べた形跡があります。部屋は人間が住む場所とは思えないほど散らかっているというのに
。
食べられるくらい元気があるんだったら、少しぐらい片づけてくれたっていいじゃないですか。
みくりはみくりで、なんとか気持ちを盛り上げようとしていただけなのに、こんな風に嫌味を言われて泣き出してしまいます。でもさすがの平匡も立ち直れませんでした。泣きたいのはこっちですよ
。
不安の共有と理解
みくりは百合に愚痴を聞いてもらって初めて平匡も不安なのだと気づきました。平匡は「お腹ちゃん
」(胎児)の動きをなかなか感じられずに落ち込んでいた時も、知らない人が触ると赤ちゃんが動きを止めるけれど、いつも触っていればそのうち反応してくれると聞いて、とっても喜んでいたのです
。
みくりは、ようやくつわりもおさまってきたので、家政婦を雇い、家中を掃除してもらいました。みくりはあらためて平匡を、平匡はみくりをいたわります
。
その後、みくりは予定より1日早く破水し、無事女の子を産みました。名前はふたりの姓名=森と津の間を取った「川」にちなんで「亜江」(あこう)と名付けられます。平匡は予定通り育休を取り、ふたりで初めての育児に励みました
。
コロナ
寝耳に水
ふたりは毎日亜江のことでてんてこ舞いだったので、世間の動きを全く知らずにいました。ある日、灰原から電話がかかってきて、ようやくテレビをつけて「コロナ」の存在を知ったそうです
。平匡の会社では発熱して休暇を取る者が続出しており、灰原も苦渋の決断だったらしい
。
仕方なく平匡は会社に出勤することになりました。帰りに亜江のガーゼやマスク、アルコール消毒液を買おうとしたそうですが、何一つ買えなかったそうです。帰宅した平匡に、みくりは真っ先に入浴を勧めました
。平匡は衣服もすぐに洗濯したそうです
。
リスク管理
灰原は、反対する社長を説き伏せて、真っ先にリモートワークへの準備を進めました。会社に備蓄しておいたマスクもいち早く皆に配ったそうです。平匡も喜んでその手伝いをしました。その上で平匡はある大きな決断をします
。
コロナ疎開
平匡はみくりと亜江を実家の館山に疎開させることにしました。平匡は、会社で支給されたマスクや消毒液、ハンドソープのすべてをみくりに持たせます。僕は大丈夫、段取りが付いたら僕もすぐに行くから。
この時もふたりは万が一の感染を恐れてハグすらしませんでした。
が、この緊急事態は、いつになっても収束を見せませんでした。そのうちにみくりのスマホの調子が悪くて、亜江の様子も送られてこなくなります。それでみくりは、わざわざコンビニまで出かけてプリントし、これをスキャンしてクラウドにアップしました。
一方の平匡はハンドソープさえ無い毎日を送っていましたが、みくりの労作を見るとすぐ、これは「必要で至急の案件」と判断しました。急いでパソコンとルーターを買い込み、風見に頼んで館山に届けに行きます。長居をすると別れにくくなると、遠くからみくりと亜江の様子を見て帰ろうとしましたが、家の前に置いてあった「消毒済みの紙袋」を見てこれを知ったみくりは、大急ぎで後を追いました
。いた!見えました!止まって!!
ふたりは遠くから手を振り合い、名前を呼び合って励まし合います。生きていればまた会える
。
エピローグ
コロナは無事収束し、みくりと亜江が戻ってきました。平匡は、子どもができたと聞いた時からやり直したい、もっと力いっぱい喜んで、もっと楽しめばよかった、と後悔します。こんなに近くにいられるのだから
。
ジェンダー問題、ほか
それ以外では、百合が子宮体癌で手術を受けました。支えてくれたのは、久しぶりに再会した高校時代の友人=花村伊吹(西田尚美~谷川幸代@半沢直樹)です。花村は同性愛者だそうで、かつては百合を好きだったらしいですが、今になってその気持ちを聞いた百合は、嬉しかった、と答えていました。現在花村は他のパートナーと暮らしているそうです。
また百合はかつて「好きって気持ちはあるけど頑張れなかった」風見と別れてしまいましたが、その風見もまた、新しい彼女と「頑張れなかった」そうです。誰かといないとダメな人もいれば、誰かと四六時中一緒なのは疲れちゃうタイプもいるのですよね
。
また平匡の父親はいわゆる亭主関白で、それを見て育った平匡も「男らしく」ならなければいけないと思っていたそうだけど、みくりと出会って肩の力が抜けた平匡を見て、その父親も少しずつ変わってきたそうです。
感想
ドラマではコロナが収束したようでしたが、現実はむしろこれからが正念場です。まだまだ困難な状況ではありますが、近くにいられなくても相手を思いやる心だけは失いたくないものですね
。
また冒頭でも触れましたが、ジェンダーの問題は「時代(世代)」に左右されることも大きくて、必ずしもその人個人が悪いとは限りません。悪気が無ければ人を傷つけて良いことにはなりませんが、悪気が無い人に目くじらを立てるのも「大人」としてはどうかと思います。劇中、うま~くどちらの顔も立てた沼田のようになりたいものですね
。
新年早々、優しさタップリの贅沢なドラマに大満足でございました。できればまたいつか続編を作っていただきたいです
。
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