ナイルパーチの女子会 ネタバレと感想 第2話 他人に期待するべからず
柚木麻子氏原作、水川あさみさん主演のドラマ、【ナイルパーチの女子会】は2話もなかなか面白かったですよ。最初に内容を聞いた時は、加害者、つまりはストーカーだけが悪者にされるのかと想像していましたが、どうやらそうではなさそうなのですわ
。この人間観察はなかなか興味深いですね~
。以下早速ネタバレです
。
友達ができた!
栄利子の場合
こちらはもう分かりやすく有頂天です。しかも相手は主婦のインフルエンサーだと、同僚に得意げに話していました。仕事中ももう翔子のことばかりが気になってしまいます
。
それなのに、肝心の翔子からは連絡が来ない上、日記の更新も止まったままです。
いったいどうしたんだろう?何かあったのではないか?そう言えば、嫌がらせのメールが来ると言っていたっけ。
心配はどんどん募っていき、なんと送ったメールは計23通。それでも返事が来ないので、栄利子は自分で翔子の夫や家を探し始めました
。
だって友達なんだもの、心配して当然でしょ?
って、まだ1~2度しか会っていませんが。
翔子の場合
一方の翔子は、実家の父の後妻が家を出てしまったらしく、25歳になる弟から「掃除に来てくれ」と連絡が入ったそうです。それで翔子は3日間実家の掃除に明け暮れていました。スマホは家に忘れていったそうです。
翔子の場合、いつものSNS日記は自分が好きで書いているので、自分が忙しければ書かなくて良いという理屈です。これまた全く問題ありません
。
でも自宅に帰るとすぐに、日記を出版しないかと誘ってくれた編集者から、もはや「おひょうの日記」は翔子ひとりのものではないから、連絡を取れるようにして置いてもらえないと困る、と叱られてしまいました。夫の魔王こと賢介(篠原篤)は「人気者はスゴイね」と称賛しますが、翔子の心中は複雑です。何せ翔子は束縛されるのが苦手なのです。でもそれが「だらしなさ」につながっていることも百も承知しています。
そこへ栄利子が現れました。なんと栄利子はついに翔子の家を探し当ててその前に来ていたのです。
翔子はビックリしましたが、ストーカーに拉致されたのではないかと心配した、と言われたら礼を言うしかありません。賢介は、あまり近づかない方が良いのではないかと忠告しますが、翔子は「せっかくできた女友達」を嫌いになりたくないと答えました。そう、翔子もまた(気軽に付き合える)「女友達」が欲しかったのです。
すれ違い
その後翔子は、少しずつ栄利子の要求を負担に感じていきます。翔子の「またね」は「気が向いたらまたいつかね」なんだけど、栄利子の「またね」は「1時間後~明日」ぐらいの感覚なのです。それが数日返事が無ければ、それこそ不安でたまらなくなります。
それで栄利子は、翔子が好きなお寿司をだしに「リモート女子会」を提案してきました。翔子はちと鬱陶しく感じたものの、リモートなら離れているし、大好きなお寿司も届けてくれると言うので、承知することにします。
ところがそこでの会話は翔子にとっては実に不愉快なものでした。翔子は「白身のえんがわ」が好きなのですけど、仕事柄魚に詳しい栄利子は、それは「ナイルパーチやおひょう」だとのたまいます。どちらも「狂暴な魚」だと説明し、翔子のニックネームの「おひょう」もそうなのだろうと決めつけました
。
翔子はさすがにむっとして、おひょうは「ひょうひょうとしているから」付けられたあだ名だと説明し、美味しいと思って食べていたのに、そんなことを言われたら食べたくなくなる、と反論しました。栄利子は自分が「失敗」した
、と悟って懸命にご機嫌を取ろうとしますが、翔子はもう夕食を作らなくてはいけないから、とそそくさ退会してしまいます
。
その後も栄利子は何度もメールを送ってきました。私が悪かった、やっぱり直接会って話をしないと誤解が生じる、と訴えますが、翔子は仕事が忙しいから、とうまく断ります。お仕事頑張ってね
。
最後に優しい言葉を添えられた栄利子は「嫌われてなかった」と安堵する一方で、もっと翔子に近づきたいという欲求を抑えられなくなるのでありまする。
一方で、翔子は出版社の編集者に相談しました。編集者は「いくら有能で裕福でも独身でしょう?あなたに嫉妬しているのよ」と分析します。編集者が独身だと思っていた翔子が、え?あなたは?と聞くと、編集者は得意げに結婚して2人の子どもがいると語りました。
それは賢介も同様で、翔子は既婚者で人気もあるから「勝ち組」だけど栄利子は独身だから「負け組」だと語っています。
感想
きっと翔子はその分析が正しくないことを本能的に悟っている賢い女性なのです。結婚してSNSで人気があっても、たぶん翔子はどこか満たされていないのでしょうね
。栄利子の方が仕事もバリバリできるし綺麗で羨ましい、と思っているに違いありません
。
また栄利子は「ひょうひょうとした翔子」に惹かれたはずなのに「友達」になったと思った途端、自分の土俵に引っ張り込もうとしています。どうやら過去にも同じことがあったようですね。それで母親が心配していたのでしょうが、栄利子は、今は大丈夫、とこれまた満たされていない自分を隠しています
。
性格は全く違う二人ですが、何かに満足していないことでは同じみたいですね。そうした渇きを何かで埋めようとしていた時に、互いに出会ってしまったのでしょう。他人は自分の欲を満たすための道具じゃないと気づけば、案外良い友達になれるかもしれません。と思いたい
。