風よあらしよ 最終回 ネタバレと感想 真っ白な洋装で
吉高由里子さん主演のドラマ、【風よあらしよ】も昨夜が最終回でした。先週この予告を見た時、野枝と大杉が、真っ白で派手な洋装に身を包んでいたのがとても印象的だったのですが、今回、その理由を知って大いに胸が痛みました。以下あっさりネタバレです。
痴情のもつれ
大杉は神近に刺されました😨。神近は大杉を刺した後、自らも入水自殺を試みましたが死にきれず、警察に自首したそうです。一命を取り留めた大杉は、知らせを聞いて飛んできた野枝からそれを聞いて、彼女が死ななくてよかった、と語りました。
大杉は「自由恋愛」にうつつを抜かしていたことに大いに猛省したそうです👍。「男である大杉が女を搾取」していたことに気付いたと語りました。それは常日頃忌み嫌っていた「支配」に他ならない。
そこへ、アナーキストの仲間?たちが押しかけてきて、大杉を激しく罵倒しました。女に溺れて主義主張を葬り去るとは何事か!💢 寝ていた大杉に掴みかかろうとしたのを止めようとする野枝を突き飛ばした彼らを、同じくやってきた渡辺が止めてくれました。身動き取れない人間を傷つけるとは、主義者の風上にもおけん!!😡
そう言いながら、渡辺もまた大杉には失望していたらしく、野枝と引き合わせたのは自分にも責任があると言って、大杉が神近から借りた借金をすべて肩代わりしてくれました。その代わり、もうこれっきりだ。渡辺は去り際にこう呟きます。我々が掲げた無政府主義は夢物語だったのだろうか。
大杉の原点
大杉は、怪我が治ると野枝と共に谷中村に赴きました。そこへ向かう列車の中で、妹が自殺したとの手紙を読みます。大杉のような破廉恥な男の血が入っている女を嫁にはできぬと断られたために、将来を儚んでしまったのだそうです。
谷中村では、最後に残った村人たちが村を出ていくところでした。大杉は、野枝が示した「血の滴るような生々しいセンチメンタル」こそが本物だと語ります。僕もまた僕の幼稚なセンチメンタリズムを取り戻したいんだ!! 野枝は、もう私たちは過去を背負ってともに生きていくしかないのだと語りました。それが「同志」というものでしょう?🌹
同志として
それからも大杉は「憎まれっ子世に憚る」とのたまい、精力的に活動しました。野枝も、次々と子供を生みながら、彼女の仕事をします。ふたりは長女を「魔子」と名付けました。ふたりは悪魔と呼ばれていたからです。ちなみに彼女は後に「真子」と解明されたそうです。
野枝はまだ赤ん坊の魔子を背負いながら、働く女性たちの取材をしていました。二人のそばにはいつも、大杉に共鳴した村木源次郎(玉置玲央〜仙場和氏@善人長屋)がいて、家事や子供の世話を手伝ってくれましたが、大杉自身も時間の許す限り、野枝を手伝ったそうです💜。
3人は「文明批評」という雑誌を作り、貧しいながらも充実した毎日を送っていました🌸。ある時は、大杉の羽織が高く売れたから、久しぶりに米の飯でも食べようとしたところに、渡辺八代が訪ねてきます。渡辺は肺の病で亡くなったらしく、生活に困っていたようなのです。大杉は、八代が何も言わずともすばやくそれを見てとり、隣にいた野枝の羽織をすぐに質入れさせました。そして大杉と野枝の羽織の代金をすっかり八代に渡してしまいます。それでも3人の心は裕福でした💐。
野枝は、幼い頃に暮らした村には「組合」があり、困ったときはお互いに助け合う風習だったと語ります。それこそが自分達の目指す社会なのではないか🤗。
関東大震災
そんなある日のこと、関東大震災が起きました。世の中は大混乱となり、真っ先に弱い者が狙われます。朝鮮人です。自警団は、何か事件が起きるたびにそれを彼らのせいにして取り締まり、否、迫害を強化しました。大杉の仲間は、自警団の狙いは無政府主義者にも向けられていると訴え、この機に革命を起こそうと息まきます。
でも大杉は彼らを叱りつけました。馬鹿野郎っ!どさくさに紛れてやるのは革命ではない。たくさんの人々が家を失い、食い物もなく路頭に迷っている時に、変な事をしてまた困らせてはいけない。自分よがりの革命なんてくそくらえだ!💢
その言葉通り、大杉と野枝は、手持ちの着物を全て売り、困っている人々に金や食料として与えました。とうとう自分達が着るものまで売ってしまったため、着る物がなくなり、ふたりは一張羅の白いスーツとツーピースに身を包みます。そんな時でもふたりはユーモアを忘れず、その格好でダンスをして村木を笑わせました💕。
その後ふたりは、大杉の弟の息子を引き取りに横浜に行くことになりました。ふたりは決して着飾っていたわけじゃないのだけれど、どうしてもその格好が目立つこととなり、憲兵の目に止まってしまいます😨。それが甘粕事件です💀。
甘粕事件
憲兵大尉の甘粕正彦(音尾琢真〜尾上克郎@潜水艦カッペリーニ号の冒険)は、甥の宗一を連れた3人をいきなり連行しました。大杉は「暴動を計画」したとして取り調べを受けると即、ひどい暴行を受けた後に刺殺され、そんな甘粕を「犬」呼ばわりして激しく批判した野枝もまた刺し殺されてしまったそうです😱。ふたりの遺体は井戸に遺棄されました。実際には宗一も殺されたそうです😭。
エピローグ
村木は魔子を連れて海岸に行きました。魔子は両親は空へ行ったと聞かされており、もう少し一緒に遊びたかったと語ります。村木は魔子に、いつかは皆空へ行くのだと教えました。また魔子は「困ったときは助け合う」と言った野枝の言葉を覚えています。無邪気に笑って走っていく魔子に、村上は厳しい視線を投げかけました。
ドラマでは描かれませんでしたが、村上は大杉と野枝の仇を討つため、狙撃事件や「糞食らえ事件」などと起こして逮捕されたそうです。その後は肺病で倒れ、まもなく亡くなったのだそう。大杉の享年は38歳、野枝は28歳、そして村上は36歳だったそうです。
感想
この時代、憲兵に逆らったら殺されるかもしれないと分かっていながら、それでも自分達の信念を曲げず、弱者を救おうとしたふたりのまっすぐな生き様に大いに心打たれました🌹。大杉が単なるスケベじゃなくてよかったし💦、最初の印象通り、吉高由里子さん、そして永山瑛太さんの演技も素晴らしかったです👍。時間ができたらぜひ原作も読んでみたいものです。
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