俺の家の話 ネタバレと感想 第8話 楽しい時はあっという間
先週までの夢のような時間はもう長くは続かないようです。今週の【俺の家の話】はなんとも切なかったですね。本当に、楽しい時間はあっという間に過ぎちゃうんですよね
。以下早速ネタバレです
。
終活宣言
踊介がまっずいローストビーフを作って給仕していた時、寿一は自分が足を引きずっていたことにも気づかず、複雑な心境で、美味しそうにローストビーフを食べている踊介を見ていました。踊介はさくらにプロポーズするタイミングを見計らっているのです。
そんなところで寿三郎が終活宣言をしました。幸い自分は要支援2で、頭もハッキリしているから、と語りますが、これまた寿一の心を複雑極まりなくさせます
。違う、親父。2は2でも要介護だ。確実に進行している
。
寿三郎はそんな息子の気持ちも知らず、ニコニコしながらさくらに語りかけました。預金はすべてさくらちゃんに贈与するとしてだね。さくらはキッパリ断ります。私、結構です、いりません
。
いらないってどうして?
寿三郎に問い詰められたさくらは、濡れた目でだんまり=ウェッティだんまりホールドを掛けてきました。この「マズイ状況」で寿一は「噛んでも噛んでも味がしない上に肉の旨味がどこにもない、まるで使い古しの熱さまシートを噛んでるみたいな無駄な弾力、顎に時給を払いたいくらいだぜ」と胸の中でつぶやきます。
さくらは帰り際に玄関で、踊介には自分から話す、と約束しました。寿三郎には寿一が伝えることになります。
アキレス腱断裂
それから寿一は、寿三郎からは「隅田川」の稽古を、長州からは「ホセ・カルロス・ゴンザレス・サンホセJr.」との対戦を命じられました。後者は、寿一がプエルトリコで倒した相手の息子だそうです。
ところが寿一は稽古中に動けなくなりました。右のアキレス腱が断裂していたそうです。どうやらブリザードのファンらしい医者=加藤隆太郎(佐藤隆太~草間宗一郎@スカーレット)は、何日か前に部分断裂していたはずだと指摘しました
。それで寿一は、家の前でさくらを山賊抱っこした時のことを思い出します
。
車椅子がふたりになったところで、舞が久しぶりにやってきました。寿一は舞に、すぐそこのクリーニング屋に行くはずだった寿三郎が、2時間かけて豆乳ラテを2個買って帰ってきた、と教えます。それ以来出かけることも怖くなったようです。舞は、そろそろ施設に入れた方が良いのかもしれないと語りますが、寿一は、それはまだいい、と遮りました。
一人去り、二人去り
舞
舞は、息子の大州を「その辺で踊ってこい、空気を読め」と言って追い出し、夫の長田が不倫していると語り始めました。そして、別れたら許すことになるから別れない、と息巻きます
。
その後舞は、長田への不満のみならず、寿三郎への積年の恨みをぶちまけました。病気になったから黙っていたけど、母さんを悲しませて浮気をしたのは許せない、寿限無のことだって許せない、寿限無は初恋の相手だったと告白します
。これを知った母は全力で止めたそうですよ。禁断の愛になっちまいますからね
。
この家で女に生まれて女でいるのがどんだけしんどいか。生まれた時から数に入ってないわけよ。舞はいいから、舞はいずれ出ていくからって、男の物差しで決められて。
長田をはじめ、寿三郎や寿限無までがおろおろする中、舞は家を飛び出していき、家に寄り付かなくなりました
。
踊介
舞から長田の不倫について聞いた寿一は、ユカは寿一と別れて他の男の子どもを産むのだから、俺だってちょっとぐらい許されるよな、と気を抜きます。
ところが気を抜きすぎて、間違えて、さくらへのスタンプ(=世阿弥マシン)を踊介に誤送してしまいました。送っても送っても返事が来なかった時点で気づくべきなんですが、寿一は(返事が来ないと)「梯子を外された気分だ」と落ち込みます
。
そこへ踊介が怒鳴り込んできました。あんた、さくらと付き合ってんだろっ!?
寿一はすまんと謝りました。そこへさくらもやってきます。「プロポーズしていただきました」
さくらは「勘違いのスピードが速すぎて追いつけなかった」と説明すると、踊介は「勘違いのスピード違反とはうまいこと言うね」と答えます。寄るな、触るな、この女!
そう韻を踏んで出て行ったきり、踊介もまた家に寄り付かなくなったそうです。
寿限無
寿一が車椅子なので、寿限無が寿三郎を風呂に入れてくれました。でも寿三郎は、寿限無と入るのはなんか違うとのたまいます
。お前の怪我が治るまで、俺は風呂に入らない。何か身を任せられないっていうか、早く出たくなっちゃうんだよ。俺はやっぱりお前がいい
。
これを寿限無に聞かれてしまいました。
ふざけんなよ!こっちだってやりたくてやってねえよ、ク〇!何か違うって、そんなの分かってるよ。だって俺じゃないんだもん、ホントは。おっきな舞台に立っても、俺じゃない、俺じゃないと思いながら舞ったよ。楽しいと思ったことなんか一回もないよ。
できて当然、やってもらって当然だと思ってんだよ、あの人は。息子だろうが弟子だろうが変わんない。こっちの気持ちなんか考えてねえんだよ!
寿限無の本心を知った寿一は、その不満を直接寿三郎にぶちまけよう、と促します。お前が言わなかったら、何も変わんねえぞ!お前は弟子じゃなくて、息子なんだ!
寿限無はすがる寿一を突き飛ばし、長い間世話になったと頭を下げて出ていきました。そして寿限無に突き飛ばされた寿一は階段から転げ落ち、さらに1カ月の安静を余儀なくされます。
親子で終活
寿三郎は、家族葬はいやだとのたまいます。葬儀は近親者のみで執り行いました、みたいなあれ、ムカつくよな。「松竹梅」で言ったら「松」でやれと望みます。鏡板の前に立派な祭壇作ってさ
。
寿三郎が延々と語り続けていると、そこにさくらがやってきました。さくらは「介護職員初任者」の資格試験を受けるのに忙しかったのだそうです。これに合格したさくらは、晴れて一緒にお風呂に入れるようになりました。
寿三郎はこれぞ天国だと喜びます。困っていたのなら声を掛けてくれればよかったのに、と語るさくらに寿三郎は、寿一は人に頼るのが下手なのだと教えました。
一方で寿一は、末広から「グループホーム」を勧められます。寿一はなんとか在宅介護で続けられないものかと食い下がりましたが、めずらしく「キッパリ」拒否されてしまいました。できてないじゃん。ここにいても今よりよくはなりませんよ
。
介護をする寿一自身のためにも、罪悪感など持たずに日常を立て直した方が良いと助言する末広です。難しく考えず、一度預けてみませんか?
寿一は、どうせ寿三郎が断るだろうと高をくくっていたようですが、寿三郎はあっさり承知しました。それというのも、これまで一度も忘れたことがなかった能のセリフが出てこなくなったからです。寿三郎は、寿一のことはあてにしていない、一度逃げたやつはまた逃げる、自分の跡は秀生に継がせるつもりだから、ボケてなどいられないのだと豪語しました
。
遺書ビデオも涙ながらに、でも明るく撮り終えます。一方の寿一もビデオで感謝を伝えました
。産んでくれてありがとう。さくらと結婚しようと思う。
その夜寿三郎は、ひそかに外出して墨田川へ行きました。寿三郎がいないことに気づいた寿一は末広に連絡し、末広はこれを「徘徊」だと誤解します。さくらはスマホのGPSですぐに居場所を突き止めました。寿三郎は隅田川のほとりで、見事にセリフを思い出します。秀生は大喜びでした。おじいちゃん、思い出した!!
翌朝寿三郎は、梅干を取るのに四苦八苦していました。寿一は黙ってスプーンを差し出し、グループホームのことを切り出します。説明しながら何度も「行きたくなければ行かなくていい」と言い添えました。でも寿三郎は「お前と二人きりよりマシだ」と承知します。寿一はじゃあ行けよ!とぶっきらぼうに言い、納豆掛けてやるからご飯をよこせ、と命じました。寿三郎は大人しく「はい」と茶碗を差し出します。真ん中に梅干しあんだよ。おう。(
)
ふたりは早速近くにあるグループホームを訪れました。末広が仲間を紹介すると寿三郎を連れて行こうとすると、寿一が声を掛けます。親父!寿三郎が「なんだよ」と電動車椅子で近づいてくると、寿一は「エ〇トランプ」を差し出しました。寿三郎はへへへと笑います。オーマイガー。
寿一は無言のまま片手をあげて立ち去ろうとしました。でも背後に寿三郎の気配を感じて振り返ると、寿三郎は右手を高く上げて「ブリザード!」と叫びます
。これまたへへへと笑う寿三郎に、寿一は無言で右手を高く上げ返しました
。そして、早く行けよ、と促しますが、寿三郎はしばらくそのままの体制を崩さず、手をおろした後も同じ場所でたたずみます
。寿一の脳裏には、昔のことが次々と浮かんでは消えていました
。父親を初めて風呂に入れ、一緒にハワイアンズに行ったことも、今や涙を誘うばかりです
。泣きながら松葉杖をついている寿一を、寿三郎はいつまでもいつまでも見守っていました
。もういいよ、早く行けよ。寿一はそう心の中でつぶやきます
。
エピローグ
その後ユカがリモートミーティングの途中で産気づきました。夫は京都にいたそうで、寿一が仕方なく病院に駆けつけます。危うく出産に立ち会いそうになった寿一を、ユカが必死で追い出しました。その後、無事、秀生の妹が生まれたそうです。
感想
いつか必ず別れはやってくるものですが、分かっていても切ないですよね。予告では寿限無が戻ってくるようなので一安心ですが、今度はどうやら跡目争いでひと悶着ありそうです。
また元妻のユカが、寿一をして「能のような人間」と評していたのがちと引っかかりました。寿一には自分がないのだそうです。与えてはくれるけど受け取ってくれない。そこにいるけど触れられない~それを妖精のようだと語ったさくらは「結婚してもファンのままでいる」と笑顔で答えていましたが、それを物足りなく思う日が来るのではないか、などと老婆心ながらちと心配しちゃいました
。
- 関連記事
-
- 俺の家の話 最終回 ネタバレと感想 最初で最後の誉め言葉
- 俺の家の話 ネタバレと感想 第9話 肝っ玉、しこったま、さんたま!で奇跡到来
- 俺の家の話 ネタバレと感想 第8話 楽しい時はあっという間
- 俺の家の話 ネタバレと感想 第7話 今日は孫の話
- 俺の家の「めっちゃええ」話 ネタバレと感想 第6話 マイウェイにうっとり
- 俺の家の話 ネタバレと感想 第5話 お返事はいつでも♪
- 俺の家の話 ネタバレと感想 第4話 寿限無の落とし前
- 俺の家の話 ネタバレと感想 第3話 エンディングノート
- 俺の家の話 ネタバレと感想 第2話 忘れた方がイイこともあるよね
- 俺の家の話 ネタバレと感想 第1話 クドカン&長瀬はやっぱりサイコー!