麒麟がくる あらすじと感想 第29話 摂津晴門の計略
長谷川博己さん主演の大河ドラマ、【麒麟がくる】の29話は「摂津晴門の計略」です。も~この晴門がまた実に嫌らしいですね~。鶴太郎さんの怪演が見事です
。以下早速ネタバレです
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晴門の計略 その1
二条城の築城にあたり、信長は諸国から人や資材をかき集めるよう指示していたのですが、その際、京のめぼしい屋敷や寺社からも貴重な庭石や調度品などを差し出させました。
藤孝は、幕府の中には信長が将軍の名を借りて、京中の金目の物をかすめ取っているとの噂があると憂えます。でも光秀は、これまで将軍を守ろうとしなかった者たちには好きなことを言わせておけばいいと相手にしませんでした。幕府の中には、寺社が営んでいる金貸しに口を出して利益を得ている者もいるらしく、おそらくはその者たちが寺社からの不満を受けて、こうした噂を流しているのでしょうからね。
実際に寺社の僧たちも、これらの品を返してほしいと訴えに来ていました。彼らはその賄賂として、義昭の目の前で晴門に金を渡そうとします。晴門は、このようなことを将軍の耳に入れるのは心苦しいが、それほど僧侶たちは苦悩しているのだと息巻きました。
義昭は、信長は大恩人だからすぐに返せとは言いにくい、だから、信長が岐阜に帰った頃を見計らって少しずつ返却するのはどうかと折衷案を提案します。え~この間、岐阜には帰らず、ずっと京にいてくれと頼んだのはどこのどちらさまでしたっけ
。
後は良きに計らえとさっさと逃げ出した義昭を尻目に、晴門は金の入った錦の袋を懐に入れます。
駒の決意
義昭に呼ばれて本圀寺にやってきた駒は、義昭から「施術処悲田処」の図面を見せられました。施術処悲田処とは、聖徳太子の悲田院を真似たもので、ここにくれば誰もが食料を与えられ、治療を受けられる場所だと教えられます。でもこれを作るには少なくとも一千貫は必要なのだそうです。
今の幕府にそんな金は無い。
そう嘆く義昭のため、駒はその一千貫を自分が作ることにしました。今井宗久の忠告に従って丸薬づくりの規模を拡大すれば夢ではないと張り切ります。今現在手元にあるのは200貫だそうです。
近衛前久
伊呂波太夫は光秀を呼び出し、近衛前久に会わせました。前久と言えば、義輝暗殺に関与し、自分達とは敵対する立場にあると思い込んでいた光秀は困惑しますが、前久は、それは二条晴良の陰謀であり、晴良は、義昭が将軍になったのを良いことに、晴門と幕府を味方に付けて、敵対する前久を追い払ったのだと説明します。
前久はまた、上杉輝虎が今の幕府を批判していたことも伝えました。幕府、つまりは晴門たちは己の利益しか考えず、天下のためなど考えていないから、いつまで経っても平和な世がやってこない。
その輝虎は、今幕府を変えられるのは織田信長だけだと語ったそうです。また光秀が晴門を嫌っているとの情報も得ていたらしく、光秀ならば力になってくれると思ったらしい。そんな話をしながら己の命乞いはできませんよね
。
伊呂波太夫は、困っているのは前久だけではなく帝も同様だと明かしました。帝の曽祖父が亡くなった時も、弔う費用が無いばかりに、その遺体が二カ月も放置されていたにもかかわらず、幕府は見てみぬふりをしたのだそうです。
この光秀と前久の密会はすぐに藤吉郎の耳に入ったらしく、藤吉郎は早速光秀に忠告に来ました。公家は寺や大名と繋がっているから、足をすくわれかねないというのです。
帝 その1
光秀は、藤吉郎に見張られていた気がして気分を害し、それを正直に信長に伝えました。信長は、あいつはそういうやつだ、うまく使ってくれ、ととりなします。
そこで信長は思いもよらぬことを語りだしました。信長は幼い頃、父の信秀に、この世で一番偉いのは誰かと尋ねたことがあるのだそうです。信秀は「お日様」だと答えました。その次は誰かと聞くと、都にいる「天子様=帝」だと答えたそうです。信長は帝を知らなかったので、その次はと問いかけると、「帝を守る将軍」と教えてもらったそうです。
信長はそこで、なんだ、将軍は帝を守る門番か、と解釈したそうですが、信秀はその将軍が己の役目を忘れている、だから自分がお守りすると言い出して、御所の塀を直すために4千貫もの大金を帝に送ったことがあるのだそうです。
信長は、まだその塀を見たことが無いそうですが、近ごろはそれが気になる、とうそぶきました。つまり信長は、信秀が送った金が、ちゃんと帝のために使われているのか?(いないのではないか)と謎かけをしたものと思われます
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晴門の計略 その2
光秀が罠にかかりました。なんと「東寺八幡宮領の一部を横領した」と訴えられてしまったのです。その土地は義昭が光秀に与えたものでした。光秀は、これが晴門の計略だったことに気づきます。
それで光秀は晴門に、東寺八幡宮領を手に入れた経緯を明らかにするよう命じました。晴門は山城は広すぎて把握できないと答えましたが、光秀はそれこそが政所の務めではないかとやり返します。
帝の丹波の領地もお仲間の武家に与えたのか!?
図星を指された晴門は、そんなに不快に思うなら返せばいいと反論しました。寺やお宮の領地などは武士が長年守ってやったものであり、その謝礼代わりにいささかの土地を預かって、日々の用足しにするのは当然だ、それをとやかく言われては話にならん、と逆切れします。
でも光秀は、返して済む話ではない、詳細が明らかになるまでは預かっておくと言い渡しました。それが私の務めです。この訴えを見逃す訳には行かぬ。
晴門はどうにもならんというようにかぶりを振ります。世の仕組みを教えて差し上げたのじゃが。ジャガっ!!
帝 その2
光秀は伊呂波太夫に頼んで御所に連れて行ってもらいました。そのあまりにも寂れ果てた様子に愕然とします。
伊呂波太夫は光秀に昔話をして聞かせました。捨て子だった太夫を拾ってくれた近衛が彼女を尼寺に預けることに決めた時、太夫はまた捨てられるのかと思ったのだそうです。冬の凍てつく寒い日に御所の前を泣きながら歩いていたら、若き日の方仁親王が蹴鞠の稽古をしていたので見惚れていると、その親王が泣いている伊呂波太夫を気の毒に思って、温石を譲ってくれたのだそうです。それが今の帝だったのだそう。
だから太夫は何としてもあの塀を直したいと考えていたのですね。
次なる標的
約束の二カ月で二条城が完成しました。信長は光秀に、築城に協力してくれた浅井長政を紹介し、次に狙うは朝倉義景だと伝えます。予告では既にその浅井長政を討てと帰蝶が信長に囁いていたようですが?
感想
あ~歴史の知識に乏しいおばさんも、ここでようやく「浅井朝倉軍」が浮かびました。なるほどね~光秀はこんな風に関わっていたのですね
。来週の放送も楽しみですね
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