麒麟がくる あらすじと感想 第34話 焼討ちの代償
長谷川博己さん主演の大河ドラマ、【麒麟がくる】の34話は「焼討ちの代償」です。これまた実に面白かったですね~。帝、恐るべし、でござるね
。以下早速ネタバレです
。
比叡山殲滅
光秀の功績
信長は再び延暦寺に攻め入りました。今回も前回同様、比叡山にいる全ての者を殺せと命じましたが、光秀は、これまた前回同様、女子供は逃がすよう命じたそうです。覚恕は供を連れて東国へ行ったと教えてくれた覚恕の侍者も、命を助けて逃がしました
。
が、覚恕の腹心だった僧侶たちは皆殺されて、その首は袋に入れて地面にずらりと並べられます。これらを前にした光秀はさすがに首を垂れずにいられませんでした
。信長は、光秀のおかげで勝利を収めたとごきげんでしたが、光秀の顔は晴れません。命令に背いて女子供を逃がしたと打ち明けると、信長は、他の者だったら首をはねる、次からは皆殺せ、と命じつつも、光秀の手柄は大きいとして志賀郡の2万石を褒美として与えました
。
義昭の怒り
元僧侶の義昭は、寺を焼き討ちしたことに加え、武器を持たぬ人々まで皆殺しにされたことに対して激しい怒りを抱きます。なぜこの戦を止められなかったのか!
義昭は駒に命じて戦を逃れて山を下ってきた人々を城内に入れ、その手当や世話をさせていました。
摂津晴門は、義昭が信長を恩人と崇めているために、物申せなかったのだと、うそぶきます。そして、これを機に信長とは縁を切るべきだと主張しました。摂津は筒井順慶と松永久秀(弾正)との戦いを利用すればいいとほくそ笑みます。将軍家の姻戚である筒井家に幕府が援軍を送れば、弾正は信長に泣きつくだろうと計算したのです
。
その順慶もまた今回の信長のやり方には腹を立て、同じように寺を侵略している弾正を討つために義昭の力を借りたいと願っていたそうです。
良心の呵責
光秀は、夜な夜な悪夢にうなされていました。その頃は嫡男の十吾郎も生まれていたそうですが、京の人々は光秀を悪鬼の如く責め立てています
。伝吾とともに市場に出かけたたまは、そのとばっちりを受けて頭に石をぶつけられました
。伝吾は急いでたまを東庵のもとへ連れていきます。
知らせを受けた光秀が駆け付けると、たまは、伝吾を叱らないでほしいと頼みました。光秀は、たまも伝吾も悪くはない、悪いのは戦をした自分だ、と答えます。でもたまは、光秀は悪くない、悪いのは戦だと熙子が教えてくれた、と語りました。
駒の助言
駒はそんな光秀に、比叡山に芳人丸を売りに行って殺された少年の話をします。少年は一旦これを売って8文を得ると、再び比叡山に戻ったために、戦に巻き込まれてしまったそうです。
戦に良い戦も悪い戦もありません。14歳の子が、8文残して死ぬのが戦なのです。
その駒が、義昭が順慶の後ろ盾となって弾正を攻めるつもりだと教えてくれました。光秀は早速駒を伴って順慶に会いに行きます
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光秀の仲裁
光秀は順慶に、もし弾正と戦を始めれば、信長と敵対することになると忠告しました。順慶の口ぶりでは、それは避けたいようだったので、光秀は弾正を説得することにします。間には今井宗久に入ってもらうことにし、早速順慶を堺に連れていきました。
ふたりが顔を合わせると、まさに一触即発の緊張感が走ります。弾正は光秀を廊下に連れ出し、そもそも領土を広げたければ戦って手に入れろという信長の命に従ったまでだと主張しました
。も~光秀はとっくに座っているのに「座れ座れ
」とうるさい
。それほど頭に血が上っていたのでしょう。弾正は何としても大和の地が欲しいのだそうです。
光秀は、順慶が義昭の姻戚になったことで事情は変わった、と説きました。自分が信長から褒美にもらった志賀2万石では大和の代わりにならないか、と尋ねます。弾正はそれには答えず、今光秀が頑張ったところで時間の無駄だと語り始めました。
義昭と信長は水と油、比叡山を焼き討ちにするような残虐なことを平気でやってのける信長を尾張の田舎から引っ張り出してきたのは光秀だ。が、だからこそ信長は早晩天下を取るだろう。光秀はいずれ信長とともに義昭と対立することになる。
そう言いながらも、自分の領土を譲ってまでも争いを治めようとする光秀の誠意に感じ入り、弾正は順慶と和議を結んでくれました。でも志賀2万石は受け取らなかったそうです
。
帝の本心
信長はこの報告をことのほか喜びました。もし弾正が順慶と戦をしたら、たとえ義昭の言うことが的外れでも、今はそれに従って順慶に味方しなければならなかったと打ち明けます。義昭に逆らって戦をすれば都が混乱するからです。もはや信長はすっかり義昭を見限り、帝に心酔しているようです。
帝は信長に、比叡山の戦は致し方なかったと語り、今後も天下静謐のために励めと言葉をかけたのだとか。
また世間では、その帝が信長を使って覚恕を追い出したのではないかという噂も流れていたそうです。二条晴良からそれを聞いた帝は、あるいはそうかもしれぬと答えた
、と東庵に嬉しそうに語り聞かせました。晴良は信長をよく思っていないようで、あまり近づけるな、と釘を刺したそうです。
でも帝は、信長以外に傍若無人な覚恕を追い出すことはできなかったと言葉を重ね、参内した信長が褒めてほしそうだったので褒めてやった、と語りました。そう言いながらも、その本心は、やはり、多くの僧侶や無辜の民が犠牲になったことに心を痛めていたようです
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覚恕の行先
覚恕が向かった「東国」は、武田信玄(石橋凌~鳥飼正義@ゴーストライター)のいる甲斐の国でした。信玄は覚恕の無念を晴らすためにも、信長を討つ!と誓います
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感想
信長と行動をともにしながらも、その非情さに付いていけない光秀の苦悩がヒシヒシと伝わってまいります。また筒井順慶と言えば
、本能寺の変後の態度から「日和見順慶
」としてつとに有名ですが、その割にはどのような人物だったのかまったく存じ上げませんでした
。なぜあのような行動を取ることになったのか、その辺も含めて注目していきたいです
。