最高の教師 ネタバレと感想 第7話 敢えて言います〜犯人探しがテーマではない
松岡茉優さん主演の学園ドラマ、【最高の教師~1年後、私は生徒に■された】の7話は「向き合う』ことを恐れる貴方へ」です。
おばさんは、自他共に認めるミステリー好きですが、ことこのドラマに限っては「犯人探し」をしたいとは思いません。それよりも、これまで自分が蓋をしてきたいろんな「事実」が、その蓋の隙間から顔を覗かせてきそうなのが、なんとも心苦しくてたまりません😞。それがここでいうところの「向き合うこと」であり、このドラマは「そこから逃げてはいけない」と教えてくれているのだと思います。
その一方でこのドラマは、自分や自分の未来を壊してまでもその事実を突き止める必要はない、と逃げ道も与えてくれています。考えすぎることで心や身体を病んでしまう可能性もあるからですよね。だから、できる範囲で、可能な時で構わないから、いつも「見て見ぬふり」をしていた事実に、時々でもいいから是非目を向けて考えてみてほしい〜そう呼びかけているのではないか、おばさんはそんなふうに解釈いたしました。
以下、それを踏まえた上でのネタバレです。表現が婉曲的すぎて今ひとつ分かりにくいところは、おばさんの解釈で「翻訳」しておりまする。また「自殺」と言う言葉を使わないのは、遺族の願いもあるそうそうなので、ここでは「自死※」と呼ぶことにしますね。(※彼らは自分で自分を殺したのではなく、死ぬほどまでに追い詰められたという意味)

「自殺という言葉を使わないで」自死遺族たちが報道に望むこと。(鎮目博道) - エキスパート - Yahoo!ニュース
三浦春馬さんの突然の死。それを受けて、WHOの「自殺報道ガイドライン」が注目を集めている。そして、自殺対策の専門家による報道の問題点についての指摘なども記事にされている。しかし、「自死遺族」たちがどん
葬儀での決意
鵜久森の突然の死に打ちひしがれて食事も取れずにいた九条は、夫の蓮に背中を押されて、彼女の葬儀に出向きました。鵜久森の母の美雪は、九条の顔を見ただけで、彼女が九条だと察します。美雪は鵜久森が描いたあの絵を見ていたのだそうです。先生は私の人生を変えてくれた最高の教師なんだよ!🤗
美雪は、鵜久森は毎日楽しそうに九条がしてくれたことを話していたと語り、九条に心から礼を言いました。あの子が笑って学校に行ける日を作ってくれて感謝している💜。その一方で、なぜ鵜久森が死ななければならなかったのかが不思議でならないと語ります。あんなに楽しそうにして、夜もきんぴらを食べたいと言っていたのに、自分で死を選ぶはずがないし、自ら危険な場所に行くとも思えない。
帰宅した九条は蓮に、たぶんずっと考えていただろう不安を口にします。やはり運命は変えられないのだろうか😨。蓮は、たった1度しか起きていないことを運命と定義してはならない、と諭しました。九条が生きる未来のためになんでもするから。九条はその言葉に励まされて、ようやくご飯を口にしました。蓮は九条の帰宅に合わせて炊き込みご飯と煮物を作っていてくれたのです。
九条は、夫の愛情のこもったご飯をパクパク食べて、ようやく話すエネルギーが湧いたかのように、その日の出来事を語り始めました。鵜久森の母からはもっと怒られると思ったのに、むしろ礼を言われた。鵜久森は死にたくないと言っていたのに。だからこの出来事には必ず理由がある。「誰か」が犯したその罪を絶対に許さない💢。
「誰か」は自分
九条自身
が、九条はその「誰か」を特定のひとりに限定しませんでした。彼女は、登校前にもう一度鵜久森家を訪れ、鵜久森の位牌に手を合わせて誓います。なんでこんなことになったのか、その理由と全力で向き合ってきます。そのためならなんでもします。
美雪は九条に、鵜久森があの夜食べるはずだったきんぴらはまだ冷蔵庫に残っている、と伝えました。よろしくお願いします。その日の昼食にそのきんぴらをお裾分けしてもらったこと、九条は忘れていませんよね。
九条が鵜久森の家を出てくると、そこに親友たちが迎えにきます。それぞれの言い方で心配するふたりに九条は、自分が決めたことだから大丈夫だと答えました。
他の教師たち
学校では、相変わらず校長は顔も見せず、教頭に全ての責任を押し付けています。教頭の我修院や他の教師たちは「事故または自死」と判断した警察の見解をそのまま受け入れて幕引きを図ろうとしていました💦。が、九条がそうはさせません。春に撮影した「いじめ」の証拠の動画を教師たちに見せました。
驚きを隠せない教師たちに九条は、この「武器」で生徒たちと闘おうとしたけれど、この日を境に鵜久森自身が闘った、と伝えます。彼女は彼女の毎日を自分の勇気で変えてきた!
我修院は、九条の意図を図りかねます。いや、察してはいても分かりたくはなかったのでしょう。それで九条は、大人が見ている表面的な世界だけで結論を出すべきではない、と訴えました。彼女の身に何が起きたのか、それを知るために、私たちはなんでもしなくてはならない!
クラスメイト
ホームルームではクラス全員に呼びかけます。鵜久森の死は今、事故か自死と断定されかけているが、そうではないと思っている。鵜久森は生きることを誰よりも強く大切に思っていた。この出来事を彼女の責任にして終わらせてはいけない。これには「理由」がある。私たちはその理由と向き合わなければならない。
誰一人、関係ないとは言わせない。皆、1度は彼女を傷つけたことがあるからだ。
この様子は、監視カメラの映像を通して教師たちも見ていました。子どもたちだけではなく、教師たちにもすべてを曝け出して(=逃げ場を無くして)初めて、この学校が「都合のいい結論」に惑わされず、真剣にこの問題と向き合うことができるからです。
今誰もが抱えている「悲しみ」はいつか消えてしまう。でも「考えること」をやめてはいけない。悲しみに目を伏せることと、見えないふりをして目を逸らすこととは違う。都合のいい結論に飛びついて、罪悪感を葬ってはいけない。私たちには考える責任がある。
なぜなら、彼女は懸命に生きようとしていたから。最後の最後まで命を燃やし続けたから。どんな形であれ、1度彼女を傷つけた私たちがまた彼女を傷つけることは許されない。真剣に彼女の生き様と向き合わなければならない😠。
皆の反応
クラスメイト
九条が話している間、子どもたちはもちろんのこと、教師たちも、その言葉を一言一句胸に刻んでいたようです。教室では、東風谷が最初に発言をし、他の子達も次々と九条の意図に賛同しました。なぜこんなことになったのか、私も知りたい!見ないふりはもうしたくない!!
相楽は「探偵ごっこ(=犯人探し)でも始めるのか」と水を差します。それを受けて九条は、理由を解き明かすことがすべて正しいとは言えないし、最もしてはならないのは「憶測」で彼女を語ることだと教えました。鵜久森はもう自分で語れないのだから、勝手にあれこれ決めつけるのは彼女への冒涜だと明言します。
そうならないために、自分の目で見て感じたことで、彼女を考え続けること〜それだけが、私たちに今できる唯一のこと。それが向き合うということ。
九条は皆に、この出来事の責任を他人に転嫁するなと言いたいのですよね。他人のことを語る時、それを「憶測」にしないということは、自分の目で見たこと、自分がしたことだけを考える=信じろということですよね。
子どもたちの中には「推薦」を気にする子も何人かいました。この「事件」のせいで、学校が色眼鏡で見られたら困る、自分は推薦をもらうためにずっと頑張ってきたのに。今そんなことを言うのが自分勝手だとは百も承知して発言したその生徒に九条は、自分の未来を犠牲にすることはないと伝えます。その未来もまた同じくらい「大切」なのは事実だからです。
その後、考える猶予を与えられた生徒たちは、東風谷を中心に話し合います。東風谷は鵜久森や九条の「1周目」の時、最初は鵜久森の死を悲しんでいたけれど、数ヶ月後には鵜久森の席の前で笑っていたそうです。これを九条に確認した東風谷は、そんな自分を変える💢、と断言しました。
こうしてD組では「簡単に結論をつけて欲しくない」という意見が大方を占めます。推薦に関しては、やはり推薦をもらっていた蓬田健斗(夏生大湖)という生徒が、自分の素直な気持ちを吐露しました👍。難しいことは分かんねえ。でも、自分の未来のために大切なことを知らないふりした自分を許せる気がしない。
教師たち
担任ではない教師たちも、罪悪感に苦しんでいます。鵜久森の死が事故だと言ってもらえたら、心に逃げ場ができたのに😔。自分にも何かできたかもしれないと思うのが苦しくてたまらない。向き合うのが怖い😭。
そう語った男性教諭に、女性の教師はこう反論します。私も同じだが、九条を見て、自分は教師なのだと改めて思い出した。それが私が選んだ職業であり、生徒の前で逃げることは許されない。
教頭
校長に電話して警察の見解を伝えた教頭の我修院は、電話を終えた後、激しくテーブルを叩きました💢。校長は警察の見解を「渡りに船😈」と評したそうです。私は国語を教えていたが、慣用句を聞いてこれほど腹立たしく思ったのは初めてだ!😡
それでも我修院は悩みます。自分は「学校」を守らなければならない。そこには教師や生徒全員が含まれる。自分の気持ちだけで決められることではない。
でも我修院は1つ思い出したことがあるそうです。彼が教師になったのは生徒から「先生、かっこいい」と言われたかったから。ただそれだけだった。
記者会見
我修院は教師たちと共に3年D組へ足を運びました。そこでは東風谷が代表して自分たちの意見を伝えようとしますが、我修院はそれを押し留めます。生徒がすべきなのは「考えること」であって、責任を背負うのは我々大人のすべきこと。我修院は教師たちと共に頭を下げ「学校として向き合わせてほしい」と頼みました。蓬田はそんな我修院に「ガッシュ教頭!かっこいいぞ!!
」と声をかけます。我修院は「まだまだこれからだ
」と答えました。
他のクラスにも説明に回った後、我修院はひとりで記者会見に臨みます。九条も同席したいと申し出ましたが、我修院はキッパリ断りました。これは私一人でやる。そして「今年の漢字」として書いた「鱓(うつぼ)」を見ながら、叶った、と語ります。ウツボは自分より大きな敵にも口を開いて立ち向かうのだそうです👍。
我修院は一人で記者たちの前に立ち、遺族へ哀悼の意を述べた後、警察の見解を公表しました。その上で、学校で聞き取りをした結果、そう結論を出すのは尚早だ、と付け加えます。
亡くなった生徒は誰よりも強く生きていた。生きようとしていた。我々は全力でその理由と向き合う。今回の出来事の本質と向き合いたい
。
でも皆さんには1つだけ約束していただきたい。関係のない人が憶測であれこれ言うのはやめてほしい。ここは学校だから、未来ある人がたくさんいる。皆さんの無責任な一言で人生を左右されてしまいかねない。何か言いたい時は私に言ってほしい。私はここの責任者だから。責任があるのは私一人だ。
この学校が本件の生徒について本気で向き合う時間を作るためなら、私はなんでもする覚悟だ
。
九条も美雪も、この会見を聞いて改めて鵜久森の死を突きつけられたようで、涙が止まりませんでした。
まとめ
「ドラマ」という媒体を通して、こうした真剣なテーマを訴えるのは、特に今の時代はきっと難しいことなのだとお察しします。ただひたすら真っ当なことを伝えようとしても、皆に「うざったい」と敬遠されてしまいますものね。だからそこに「ミステリー」を投入したのでしょう。ミステリー仕立てにすることで、一人でも多くの人に「考える機会」を与えたかった。星崎が見つけてきた浜岡の動画もその1つなのだと思います。
でもだからと言って、相楽と浜岡、もしくは他の誰でも、いわゆる「犯人」を見つけて解決、にはならないのですよね。だって彼らをそこまで助長させたのは、他ならぬ「全員」なのだから。そして、そんな「彼ら」ですら、こんな無責任な学校や社会に一石を投じたいと考えていたのかもしれないのです💦。
なんとも厳しいメッセージです。以前このドラマが始まった時、制作者は三浦春馬さんをはじめとする「もはや語れない人々」や、彼らを助けられなかった人々の無念を描こうとしているのだと思っていました。その考えは今も変わっていませんが、最近は、某事務所の性加害問題についても同じではないかと痛感しています。誰にでも「見て見ぬふり」をした、深く考えようとしなかった責任があるのではないか😈、と。
考える機会を与えてくださったことに今はただただ感謝です💐。
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こんにちは〜今週も面白かったですねー。確かにおっしゃる通り犯人探しってより、日々生徒が成長していくドラマでとても良いと思います。犯人考察は色んな方が考察されているので、そちらでやってもらい、他の目線で見れたらっておもいます〜。
PS最近知ったのですけど、予告動画のシーンが結構Huluでしか見れないディレクターカット版にしか描かれてないシーンがあるようで(⌒-⌒; )その辺残念です(´・_・`)